先天色覚異常−情報最前線−
錐体
赤錐体=L錐体=長波長感受性錐体
緑錐体=M錐体=中波長感受性錐体
青錐体=S錐体=短波長感受性錐体
L:M:S=40:20:1
遺伝子型
正常 L M S
先天赤緑異常 1型色覚 × M S
2型色覚 L × S
先天青黄異常 L M ×
先天赤緑異常…X-linked
先天青黄異常…AD
正常 正常3色覚 L M S
1型 2色覚 − M S
(異常)3色覚 − MM’ S
2型 2色覚 L S
(異常)3色覚 LL’ S
色覚のメカニズム
L錐体、M錐体、S錐体→(変換)→
L+M→明暗細胞(明るさの信号)
L−M→赤緑細胞(赤緑の信号)
L+M−S→青黄細胞(青黄の信号)
1型2色覚…MがLの代わりをする
明るさの信号=M+M
赤緑の信号=M−M=0
青黄の信号=M+M−S
2型2色覚…LがMの代わりをする
明るさの信号=L+L
赤緑の信号=L−L=0
青黄の信号=L+L−S
∴2色覚の場合、赤緑の信号が中枢に伝わらない点で1型も2型も変わらない
1型異常3色覚…M'がLの代わりをする
明るさの信号=M'+M
赤緑の信号=M'−M
青黄の信号=M'+M−S
2型異常3色覚…L'がMの代わりをする
明るさの信号=L+L'
赤緑の信号=L−L'
青黄の信号=L+L'−S
∴異常3色覚の場合、赤緑の信号はわずかだが残る
2色覚のシュミレーション
Vischeck(Webで検索)
遺伝子診断
X染色体の長腕q28にL遺伝子、M遺伝子がある
それぞれ6個のエキソンからなる
L遺伝子かM遺伝子かは先頭から5個目のエキソン(エキソン5)がLかMかで決まる
異常3色覚の遺伝子は交差により相同的組み換えが行われたLとMのハイブリッド遺伝子
エキソン5がLかMかで両者の性質を持つ
∴例えばLのエキソンを多く含むエキソン5のM遺伝子はLの性質も多く含む
遺伝子解析を行ってみると、表現型と遺伝子型は必ずしも一致しない
色覚異常者の10%が正常配列
色覚異常発現率
男性 5%
女性 0.2%
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