涙液安定性から考えるドライアイ

眼表面の涙液
 涙液メニスカス(上)
 涙液層(ティアフィルム)1.1±0.2μl
 瞼裂間の涙液
 涙液メニスカス(下)2.0μl
 結膜嚢内の涙液 4.5μl

涙液の構造
 油層
 液相(水/ムチン層):胚細胞由来の分泌型ムチン
 表面ムチン(膜型ムチン):眼表面の濡れ性とバリア機能

ドライアイの概念
 涙液の不安定化→角結膜上皮障害→(繰り返し)

病態(メカニズム)
 コアメカニズム:涙液の不安定化
  要因
   水分
    涙腺分泌…加齢、炎症で↓
    反射性分泌…Reflex loop−涙腺システムが関与
   油分
    2層から成る
     非極性脂質…マイボーム腺由来
     両親媒性脂質…由来不明
    水分蒸発を抑制
    涙液を眼表面に安定的に広げる
    濡れやすさは接触角(濡れ角)で定量
     表面張力↑で水濡れ↓
     表面張力↓で均一に広がる
    脂質異常(MGD)→涙液安定化↓
   ムチン
    分泌型:胚細胞由来…涙液の表面張力↓
    膜型:角結膜上皮細胞由来…濡れ性↑
   瞬目
    涙液中の水分を上方へ引き上げる
    油層を上方へ進展し、ティアフィルムを安定化
    不十分
     兎眼
     糸状角膜炎
     VDT

 CCh…異所性メニスカス
     摩擦による炎症
 CL
  HCL…異所性メニスカス
  SCL…LWE






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