β/CAI配合点眼液の使い方

T.緑内障アップデート

視覚障害の原因
 1位 緑内障
 2位 糖尿病網膜症
 3位 網膜色素変性症
 4位 黄斑変性症
 5位 高度近視

 失明者、身障者1級 4人に1人が緑内障

緑内障有病率
 40歳以上の5.0%…20人に1人が罹患
 新規発見率89%…10人に1人は知らない

 40才代 2.3%
 50才代 3.2%
 60才代 7.8%
 70才代 13.1%

緑内障発見のきっかけ
 人間ドック 75%
 眼科受診時偶然 20%
 自覚症状 5%

緑内障とは
 進行性の網膜神経節細胞の消失とそれに対応した視野異常である緑内障性視神経症(GON)
 構造と機能 Structure & Function
 眼圧上昇が進行に関与

眼圧と緑内障発症率
 眼圧正常値 10〜20
 20を超えると発症率は飛躍的に上昇
 正常値でも少ないながら発症率はある

眼圧はいくらならよいか?→個人差
 20以下でもNTGになる人がいる
 10近くでもなる場合がある

OHTS:高眼圧症→緑内障
 眼圧低下で緑内障の発症・進行を抑制
EMGT:早期緑内障の進行
 眼圧低下で抑制
CNTGS:NTGの進行
 無治療より30%の眼圧下降で8割の患者の視野を維持
 (逆に2割は下げなくても悪化しなかった)
 (また30%下げても2割は視野悪化
   下げ足りない、下げても無効が含まれている)


U.視神経乳頭陥凹

視神経乳頭陥凹
 進行性かつ非可逆性:回復しない

網膜神経節細胞
 緑内障で数↓厚み↓
 OCT:GCA↓(神経節細胞解析)
 HRT:視神経乳頭陥凹拡大


V.視野

視野異常
 進行性かつ非可逆性:回復しない
 「見えるところ」と「欠損部」だけではない「感度低下」領域の存在

構造の変化(Pre-perimetric)→視野の変化

W.治療

1.レーザー
 LI (Laser Iridotomy)虹彩光凝固術
 隅角光凝固
  SLT
  LTP(Laser Trabeculoplasty)
 毛様体光凝固
  Cryo-photocoagulation レーザー毛様体破壊術

2.外科的手術
 流出路再建術
  トラベクロトミー
 濾過手術
  トラベクレクトミー
 インプラント挿入術
  バルベルト・チューブ…人工濾過胞

3.点眼薬
 投与前眼圧により眼圧下降量・率は異なる
 原グラフ:投与後眼圧=投与前眼圧×0.5+5
 効果:PGs>β

1)多剤併用
 単剤と単剤を併用すると眼圧下降は増強する
 多数の投与にも関わらず眼圧下がらない症例
  Non-responder 服用しても効かない
  Bad adherence 服用していない
   点眼回数↑→遂行率↓
   点眼種類↑→遂行率↓

2)24時間眼圧下降
 覚醒時 房水産生↑
 臥位眼圧>座位眼圧

 60%は夜間に眼圧ピークを迎える
 その内20%は21以上

 眼圧下降効果
  午後3時 キサラタン>チモロール>トルソプト
  午前3時 キサラタン>トルソプト>チモロール

  PGs:終日有効
  β遮断剤:昼良好、夜間作用弱まる
  CAI:βに比べ夜間有効

  PGs+βで終日有効が期待される

3)PGsの代用の可能性
 PGsが有効でない場合がある
  Non or Poor responderの存在

 PGsの局所副作用
  睫毛の剛毛化
  眼瞼色素↑
  DUES

  進行例は許容
  初期例は中止も検討

 白内障術後最高眼圧が非常に高い例がある
  術中合併症
  もともと高眼圧
  
  PGsは術後黄斑浮腫、炎症増強の可能性

4)副作用
 点眼時刺激
  トルソプト等…しみる
 霧視…2,3分〜9分
  エイゾプト、ベトプティック、チモロールXE
 β
  呼吸器疾患…咳、息苦しさ
  循環器疾患…除脈、倦怠感

4周、8週、12週で目標眼圧達成確認





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