加齢黄斑変性治療最前線

AMD患者をいつ紹介するか?

AMD有病率 1.3%
 白人よりも低く、黒人よりも高い
 9年間で増加
 滲出型が多い
 男性に多い
 喫煙が危険因子

AMD発症率 1.4%
 滲出型 1.4%(増加中)
 萎縮型 0.04%

遺伝子…発症要因として強く関わる(約2〜2.5倍)
 遺伝因子…危険因子

AREDS
 抗酸化物質+亜鉛の摂取が有効
  AMDへの進行抑制
  視力低下の軽減
  CNV発生の抑制

日本人のAMDにはPCVが多い 40%余
病型により治療方針・予後が異なる…正確な診断が必要

PCVの診断
 ICG:◎ポリープ状病変(確定診断)、異常血管網
 OCT:ポリープ状病変(急峻なRPE隆起)、異常血管網(double-layer sign)

治療ターゲット
 エビデンス(+)
  レーザーPC
  PDT
  VEGF阻害剤
 エビデンス(−)
  新生血管摘出術

AMD臨床試験
 ルセンティス…ANCHOR、MARINA
  視力改善(!)
 
AMD治療の目的
 現在では視力改善
 ルセンティスはすべてのCNV病変タイプに適応

ルセンティスの使用法
 まず、3回注射(導入期…毎月1回、3ヵ月以上連続)
 フレキシブル用法…症状により投与間隔を調整
  視力悪化の基準
  網膜病態悪化の基準

AMDは抗VEGF薬では解決しなかった
 欧米人と日本人の違い
 効果不十分な症例
 頻回の診察と治療が困難

抗VEGFとPDT併用治療
 異なる奏功機序
 PDT副作用の軽減
 治療回数の減少
  合併症(眼内炎)↓
  脳卒中既往患者は注意

治療方針
 視力0.5以下
  Typical(狭義)AMD…抗VEGF
  PCV…PDT・抗VEGF併用
  黄斑部を含まないAMD…PC
 視力0.6以上
  ルセンティス
   PCV…1/3で縮小、2/3に無効
    活動性PCVが治療効果
 RAP…IVR+PDT
 出血>50%…IVR

AMD紹介のポイントとコツ
 AMD進行の予想
  classic CNV…RPEの上に新生血管(白っぽい)…進行が速く視力障害高度
  occult CNV…RPEの下に新生血管…進行は比較的ゆっくり

出血性RPE剥離
 硝子体内ガス注入…中心窩から黄斑下血腫をどかす
 t-PA、抗VEGF併用
 早期に治療する必要あり…準緊急
 血腫→進行性網膜剥離
  急速に進行するAMDがある

白内障手術術後のAMD進行
 不明だがあるかもしれない

AMD発症予防
 生活習慣
 サプリメント
 遮光眼鏡…エビデンスはないが有効そう
 PDT/抗VEGF

治療ターゲット
 新生血管
 滲出・出血
 これからは
  神経保護
  根本的原因






  
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