ぶどう膜炎の診断と治療
T.総論
病型分類(大学病院)
サルコイドーシス 11%
原田病 7%
ベーチェット病 4%(減少中)
ARN 1%
トキソプラズマ 1%
原発性悪性リンパ腫 2%(増加中)
同定不能 34%
病態別分類
散在性白色−黄白色滲出斑
サルコイドーシス
散弾状脈絡網膜炎
APMPPE
…
出血+滲出斑
ベーチェット病
サイトメガロウイルス感染症
真菌感染症
転移性細菌性眼内炎
白血病
…
黄色斑
サルコイドーシス
原田病
コーツ病
ドルーゼン
…
黄白色滲出斑
ARN
サルコイドーシス
トキソプラズマ(再発、後天性)
…
単発/複数の白色−黄白色病巣
トキソカラ感染症
中間部ぶどう膜炎
真菌感染症
脈絡膜孤立結核
…
網膜静脈炎
サルコイドーシス
結核性ぶどう膜炎
樹氷状網膜血管炎
イールス病
…
網膜動脈炎
サルコイドーシス
ARN
樹氷状網膜血管炎
…
網膜出血
ベーチェット病
サルコイドーシス
視神経網膜炎
ネコひっかき病
梅毒
結核
トキソプラズマ
…
視神経乳頭新生血管
ベーチェット
サルコイドーシス
中間部ぶどう膜炎
ARN
原田病
…
雪玉状・数珠状硝子体混濁
サルコイドーシス
中間部ぶどう膜炎
…
網膜剥離/網膜剥離類似病変
原田病
交感性眼炎
後部強膜炎
…
U.各論
サルコイドーシス
KPs 48%
豚脂様 25%
散弾状脈絡網膜炎
40才以上が多い
両眼性
後極部〜赤道部に黄白色斑が多発
寛解と再発を繰り返す
前部ぶどう膜炎はないか軽微
長期予後は不良
CNV、視神経乳頭病変等
治療:ステロイド/シクロスポリン全身投与
多発性脈絡膜炎
女性 30才台
マリオット盲点拡大
PIC
点状脈絡膜内層症 Punctate inner choroidopathy
CNV
若年女性、両眼
AMPPE
両眼性、30才以下
急性の視力低下、光視症
風邪様の前駆症状
数週〜数ヶ月で軽快
痕跡なし、軽い色素むら
視力予後良
急性網膜色素上皮炎
若中年者に多い
突然の霧視で発症
後極部網膜の深層に小さい灰白色の滲出斑
中心に黒い芯、周囲に輪状のhalo
数週間で色むらを残して視力回復
MEWDS multiple evanescent white dot syndrome
多発性一過性白点症候群
急性散在性網膜色素上皮症と同一疾患
20〜30才代の女性に多い
片眼性
視力低下で発症
眼底一面に淡い灰白色滲出斑
黄斑部:オレンジ色の顆粒状の小斑点
マリオット盲点拡大
数週間で瘢痕を残さず治癒
視力予後も良好
ネコひっかき病
ネコによるひっかき、噛傷の約1〜2週間後に赤色丘疹を生じ、さらに1〜2週間後にリンパ節腫脹
グラム陰性桿菌
結膜炎…Parinaud眼腺症候群
視神経炎、網脈絡膜炎
結核性ぶどう膜炎
@粟粒結核、A結核腫、B血栓性網膜静脈炎に合併
静脈閉塞→NPA→NV、VH
HTLV−T関連ぶどう膜炎
HTLV-Tassociated uveitis(HAU)
バセドウ病の既往が2割
前部ぶどう膜炎
硝子体混濁
網膜血管炎
樹氷状網膜血管炎
血管の白鞘化
血管閉塞(−)
AIDS、CMV網膜炎
ベーチェット病
両眼 80〜90%以上
20〜50才 男性に多い
自己免疫疾患 HLA-B51
前房蓄膿≠ベーチェット
前房蓄膿を呈する疾患は30〜40ある
治療薬と副作用
コルヒチン:無精子症、無排卵
シクロスポリン:神経ベーチェット?、腎毒性・肝障害
インフリキシマブ:下痢、嘔吐、重症感染症(結核)
内因性真菌性眼内炎
IVHの0.6〜3%に眼内炎
candida albicans が多い
抗生剤・抗癌剤の長期投与
後極部に滲出病変、雪玉状混濁
ARN
70%以上片眼性
水痘帯状ヘルペス、単純ヘルペス1・2型
初期には眼底周辺部の白色(!)病変、肉芽腫性前部ぶどう膜炎、高眼圧
周辺部から拡大する黄白色病変、網膜出血、網膜血管閉塞、硝子体混濁
発症1ヵ月後、黄白色病変の吸収、網膜萎縮
発症後1〜3ヵ月後、75%以上の発症率で網膜剥離
CMV網膜炎
乳幼児または成人で感染。以下は成人の場合
免疫低下状態
不顕性感染が多い
50%両眼
黄白色混濁病変に出血と萎縮巣
病変境界部分に顆粒状病変による境界
治療:眼内徐放性ガンシクロビル・インプラント…8ヶ月有効
PORN 進行性網膜外層壊死
AIDSでVZVにより起こる
多発性の網膜深層の混濁が急速に進行
トキソプラズマ
ネコの糞便から経口・経気道的に感染
10〜20才代が多い
先天性と後天性がある
再発機序
遅延型アレルギー説
原虫再活動説
後天性
乳頭隣接網脈絡膜炎
神経繊維層障害(扇型視野欠損)
トキソカラ症 toxocariasis
犬回虫幼虫、ネコ回虫幼虫が血行性に眼球内に侵入
最近は小児だけでなく、成人の発症もあり
病型
眼内炎型
後極部腫瘤型
周辺部腫瘤型…snowbank
中間部ぶどう膜炎
別名:周辺部ぶどう膜炎、毛様体扁平部炎
原因不明
70〜90%が両眼性
小児〜成人
硝子体中の多数の炎症細胞、雪玉状混濁、網膜静脈炎
毛様体扁平部から鋸状縁に塊状の黄灰白色〜白色滲出病巣(snowbank)…毛様体扁平部炎
慢性化して長い経過
地図状(匐行性)脈絡膜炎
30〜50才代
両眼性が多い
原因不明
黄斑部や視神経乳頭辺縁部に黄灰色の病巣が出現
数週〜数ヶ月で瘢痕化
PEと脈絡膜血管板が萎縮して脈絡膜血管が透見
再発病巣により拡大進行
眼内悪性リンパ腫
中〜高齢者
両眼性が多い
激しいぶどう膜炎
ステロイド抵抗性
原田病
OCT
隔壁(+)と(−)の両方がある
高眼圧・緑内障 7〜55%
急性緑内障発作様で発症
白内障 9〜60%
交感性眼炎
硝子体手術後も0.06〜0.97%の発症率
90%が1年以内
後部強膜炎
片眼性
女性に多い
通常は前部強膜炎を伴う
伴わない場合、診断困難
梅毒性ぶどう膜炎
先天梅毒では
びまん性網脈絡膜萎縮(ごま塩眼底)
中間周辺部から周武辺部にかけての網膜色素上皮の変化
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