網膜静脈閉塞症の新しい考え方と治療法
BRVOの7不思議
@血管閉塞のメカニズムが分らない
A出血のメカニズムが分らない
B無還流領域の程度が分らない
C黄斑浮腫のメカニズムが分らない
D側副血行路と短絡路が分らない
E網膜細胞死の程度が分らない
F光凝固の奏功機序が分らない
→BRVOは未知の病
T.無還流領域(NPA)
NPA良いか?悪いか?
BRVOでは虚血型(NP型)の方が…
視力不良・良好の両説がある
NPAの定義…確立されていない
1.毛細血管の閉塞
2.前毛細血管細動脈/後毛細血管細静脈閉塞
無還流の程度分類
FPA:FはFullを意味
軽度の拡張
略正常
PPA:PはPartialの意味
毛細血管の一部閉塞
NPA:完全閉塞
各分類について
FPA:広いほど良い
PPA:黄斑浮腫の原因となる
NPA:黄斑浮腫に影響なし
今後はいかにPPAからの漏出を防ぐかが重要
新治療開発方針
@漏出を止める
A漏出する血管をなくす
B循環再生(PPA→FPA)
完全閉塞→還流(−)→漏出(−)
U.BRVO
治療
@薬物
A硝子体手術
B光凝固
BRVOに対する光凝固
BVOS
視力0.5以下のMEに対し
Grid pattern:ME↓視力↑
Scatter凝固:NV、VHになる率↓
BVOSに対する批判
NPA、黄斑虚血を混在して評価
新旧混合、比較的強い凝固
改善は1.3段階
Grid pattern光凝固の奏功機序
1.RPEのバリア破壊…酸素供給↑?
2.網膜細胞数↓…酸素需要↓?
しかし、大多数でそうあるべきだがそうではない
また漏出点の直接凝固が効果があるのではなぜか?
DMEに対するMA光凝固
毛細血管瘤凝固は有効
BRVOはDMEのMAと異なり視認性が悪い
組織損傷で暗点を生じる可能性あり
↓
小照射径・短時間・低出力照射が良い
BRVOに対するIVTA
The SCORE Study Report 6
BRVOに対するIVTAは推奨しない
デキサメサゾン徐放剤 Ozurdex
2Mで最高視力 その後低下
6M目に再投与で改善
1Yで3段階改善30%
副作用:白内障30% 眼圧上昇15%(アジアでは30%くらいか)
BRVOに対するルセンティス
BRAVO Study
視力改善 コントロール<0.3mg<0.5mg
視力成績 非観血的<観血的
高度虚血例
治療6Mで手術群の方が有意に視力良好
私の治療
視力0.6以上→経過観察
視力0.5以下→STTA
SRF(+),CEP(+)→Sheathtomy
反応悪い→IVB
1年以上遷延する黄斑浮腫→Focal PC
遷延する黄斑浮腫+ERM→硝子体手術
V.CRVO
SCORE Study
TA硝子体投与1mgを推奨
CRUISE Study
ルセンティスにてわずかながら視力改善
GALILEO-VEGF Trap硝子体投与
ルセンティスよりやや効果長い
+PA+TA同時投与
効果あり
私の治療
虚血型(全体の10〜20%)…PRP
非虚血型(全体の80〜90%)…PCしない
発症早期(〜3M)→tPA+TA
緑内障なし→tPA+TA
黄斑浮腫あるが上記を満たさない→アバスチン
ルベオーシス→アバスチン+PC
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