ドライアイと間違えやすい疾患

ドライアイと間違えやすい疾患
 1.眼瞼痙攣(メージュ症候群を含む)
 2.軽度遠視

 ドライアイと思われていた症例の内
  ドライアイ 70%
  眼瞼痙攣 8%
  遠視 10%


1.眼瞼痙攣

 メージュ症候群
  本態性眼瞼痙攣、口顎・頸部ジストニアを合併
  ドライアイの6〜8%
  50〜60才に好発
  男女比 1:2〜3

 診断がつくまで長い…平均3.75年
  ドライアイと合併すると見逃されやすい

 見逃されないために
  瞬目が多い…本来ドライアイではない症状
   確信が持てない時は、電子メトロノームの音に同期して瞬目してもらう
    1分間に60回の瞬目…重症では不可だが軽症では可
        100回の瞬目…軽症でも不可
    他に、連続、軽・強瞬目テスト

 ほぼ確定診断できる症状
  1.歩行中に眼を閉じてしまい人にぶつかる
  2.自転車・自動車で走行中、眼を閉じてしまうためにぶつかる

 治療抵抗性のドライアイ、瞬目過多→眼瞼痙攣を疑う
 向精神薬内服による眼瞼痙攣も一定割合である
 ドライアイの数%には眼瞼痙攣がある


2.遠視

 +0.5D〜+2.50D程度の遠視は放置されている場合が多い

 症例
  オートレフ(右)S−0.25D (左)S+0.25D
  実は両眼とも軽度の遠視
  (両)S+0.50Dの眼鏡装用数週間後症状消失


3.ジクアス

 P2Y2受容体作動薬
 ジクアス登場で涙点閉鎖が必要な症例が約40%減少
 TMHの上昇が30分以上持続
 最初の4週間をかけて改善し以後持続
  4週間かけて効果を見極める
 副作用:一定割合で刺激感、眼痛
  重症ドライアイほど発症しやすい
  8割が1ヶ月以内に消失(2割は消失しない)
 ヒアルロン酸と違う点
  保湿性、粘長性がないので切替えで悪化することもある
  来院頻度少ない患者には、それも考慮し併用もあり





  
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