緑内障診療アップデート
T.近視と緑内障の接点
近視と緑内障の関連
多治見スタディ
北京スタディ
近視と血流の関連
5D以上の近視では網膜中心動脈血流速度が遅い
MY型(近視型)乳頭を持つ緑内障眼底血流とGONの相関(−8d以下の高度近視を除く)
緑内障ではOCTによる網膜神経線維が有意に薄く、DiscMA値が有意に低い
MD値vsCpRNFLT 相関
MD値vsDiscMA値 相関
MY型乳頭を持つ症例で視野異常を有する患者 DiscMA値低下
眼軸伸展による乳頭変化
縦横比0.85を切ったら近視性眼底
眼軸伸長に伴いPPAの幅が拡大
7〜9才の変化が最も大きい
近視の血流
PPAには脈絡膜なし
脈絡膜循環のない部分を通る軸索は不利
高度近視では篩状板が薄い
眼内と髄液腔が近いことが緑内障に関係
近視型緑内障の問題点
緑内障形状と視力
重篤な視力低下はMY型に多い
視力低下する緑内障…乳頭黄斑線維の障害
CpRNFLT耳側:37μがカットオフ値
視力と乳頭組織血流の相関
血流悪い…視力悪い
まとめ
MY型緑内障…篩状板菲薄、血流低下
MY型乳頭…黄斑部薄い→急激な視力低下ありうる
U.オートレギュレーションの定量化
夜間低血圧(Nocturnal dips)
夜間血圧は日中より10〜20%↓
Non dipper(10%下がらない人)
心疾患リスク20%↑
Extreme-dipper(20%以上↓)
さらに心疾患のリスク↑
Non や Extreme は緑内障進行が速い
オートレギュレーション(血流自動調節能)
脳には血圧変動によらず血流量を一定に維持する自動調節が備わっている。
眼圧30までは血流に影響せず
眼疾患とオートレギュレーション
夜間慢性虚血が引き起こされる可能性がある
脈絡膜と乳頭循環の体位変換後の経時変化
V.乳頭循環と陥凹
緑内障は乳頭陥凹拡大によっておこる
緑内障の篩状板の変形
1.乳頭陥凹
眼圧↑
低酸素…循環不全、血液酸素飽和度↓
2.眼軸長伸展
近視
疫学的に低眼灌流圧は危険因子である
眼圧依存性と非依存性緑内障の存在
篩状板は視神経の束をグリア細胞が取り巻いた構造をしている
緑内障では毛細血管の脱落は病型により異なる
GON部すべてで血流低下していない
乳頭組織循環はPCA(短毛様動脈)支配
W.視野のセクター解析
RNFLT
網膜神経繊維層の減少に一致した視野障害
部位(セクター)別の視野検査が今後有効か
X.緑内障と全身疾患
1.アルツハイマー病と緑内障
類似した因子が関わる
特にApolipoproteinE(ApoE4)と緑内障の関連
ApoE4はアルツハイマーの危険因子
コレステロールを運ぶ等の役割
所有頻度15%(アルツハイマーでは40%が所有)
ApoEのうちApoE4は抗酸化・抗炎症作用が弱い
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