症例から学ぶ、網膜硝子体疾患診断へのチャート
珍しい4症例
網膜性か視神経性か
1.「片眼性の血行障害?」
片眼が徐々に視力低下 手動弁
対光反応 RAPD(+)
眼底:軟性白斑、しみ状出血、NPA、毛細血管瘤
→眼虚血症候群?
副鼻腔癌治療の既往あり
診断:放射線網膜症(視神経症)
放射線治療後、2〜3年後に発症が多い(1〜7年の範囲)
血管閉塞→NPA
視野とERGを比較
視野異常(+)→視神経性
ERG異常(+)→網膜性
例えば、心因性はERG正常
2.「眼底が正常な視力低下」
徐々に視力低下
視野は全体閾値↓
考えられる原因
心因性
ゆっくり進行した頭蓋内腫瘍
視神経萎縮(遺伝性、薬剤性)…SD-OCT
眼底正常な網膜の病変
AZOOR等
網膜性?or視神経性?or心因性・詐病?
→SD=OCT、ERG
(1)OCT
この症例では、中心窩のみIS/OS(−)
cf:Micro macular hole
OCTで網膜外層に小さな欠損
視神経の菲薄化(NFLD)が2〜3ヵ月後から発症
(2)ERG
杆体異常→夜盲
錐体異常→cff異常
局所ERG異常
この症例では錐体異常:錐体ジストロフィーだった
「まぶしい」という訴え→OCTで網膜症を疑い、ERGで診断
3.「この人が失明した原因は?」
網膜性…OCT
神経性…ERG
(1)OCT
視神経性:RNFL(−)
網膜性:ELM、IS/OS(+)
視神経乳頭ドルーゼン
桑実状隆起型もある
CPは50%で欠損
通常無症状で視力は良い
4.「3ヶ月前からの両眼の霧視、まぶしさ、夜盲」
ERG:negative型
腫瘍関連網膜症
癌細胞に対する抗体が網膜細胞を攻撃する自己免疫疾患
CAR(carcinoma-associated retinopathy)…視神経細胞に対する抗体
MAR(melanoma-associate retinopathy)…双極細胞に対する抗体
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