OCT時代の緑内障視野の診かた・考えかた

OCT時代の緑内障視野
 早期障害 どこを診る
 進行判定 どうする
 中心視野障害のミステリー

The Glaucoma Continuum
 神経節細胞死/軸索減少→detect不可能なNFL変化

GONの特徴
 形態=網膜・乳頭変化
     rim菲薄化、NFLD
 機能=視野変化

 形態変化→機能変化
 形態異常と機能異常が相応する

悩める近視症例
 ”見えない”NFLD、”わからない”菲薄化
 OCTでは捕捉…早期緑内障?しかし視野異常なし

OCTが捉えた早期NFL変化は視野障害を反映する

MD値0〜6.0dBとは
 とある極早期緑内障でMD値が
 1回目-0.20dB、2回目-2.00dBかもしれないということ

”グレイスケール未満”パターン偏差が診断の拠り所
 トータル偏差では実測視野丘が縮瞳・白内障などで全体的に低下した際に判別不能

 アンダーソン基準(HFA)
  PSD or CPSD:p<5%
   or
  GHT:WONL
   or
  パターン偏差plot(PD plot)
   隣接する3点以上:p<5%
   うち1点:p<1%

 極初期では視野変化はゆらぐ!
  PD plot再現性が重要

ではOCTで早期進行判定はできるか?
 網膜が薄くなってきたり、白内障が進行して来ると影響するので不可
 視野検査だけが頼り

効率的な検査間隔は?
 MD slope -2.0dB/年(早い進行)で判定に要する期間
  1回/年→6年
  2回/年→3年
  3回/年→2年

緑内障の視野進行の有意性をMD値の変動から予測できないか?
 MD値の連続悪化とMD slopeの関係の有意性
  2回連続悪化
  3回連続悪化…将来悪化しやすい
  4回連続悪化…将来悪化しやすい

 3回連続悪化→対策が必要

急速な視野の悪化があった場合緑内障以外に何かあるのではないかと疑う 
 黄斑疾患とか頭蓋内病変

 例1:あまりにも早い進行”急に暗くなった”
  黄斑牽引による視野悪化だった例がある
 
 例2:陥凹大、大きな視野欠損
  髄膜腫による視野悪化だった

POAGでの最重要治療目標
 乳頭黄斑線維束(PMB)領域の中心視野を守る(QOLを守る)

しかしなぜ緑内障ではPMBが守られるのか?
 篩板の変化→軸索障害→アポトーシス
 PMBが通る領域の篩板の孔は小さい→軸索が守られる
 
しかし実際の臨床では早くPMBが障害されることがある
 無治療で日内眼圧変動10〜13mmHg
 −9D以上の近視

 下方PMB選択的障害
 いわゆる”近視乳頭”

早期緑内障PMB障害
 高度近視(−6D以上) 44%
 非高度近視 15%

 近視化は乳頭形態変化をもたらす

PMB早期障害問題
 視野からのアプローチ
  眼圧
   初期傍中心型<初期鼻側階段型
  DH頻度、全身的因子(低血圧、片頭痛、Raynaud等)
   中心暗点>周辺暗点

 進行リスク
  眼圧と眼圧非依存性因子がある

日本のNTG
 視野障害型の分類
  初期傍中心型の眼圧14mmHg<初期鼻側階段型の眼圧16mmHg
 眼圧低くても眼圧が重要と考えられる
 眼圧依存性でも非依存性でも徹底した眼圧下降を





   
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