T.ぶどう膜炎の診断のポイント

 発生率
  @サルコイドーシス 11%
  A原田病 7%
  B急性前部ぶどう膜炎 6.5%↑
  C強膜炎 6.1%
  Dヘルペス虹彩毛様体炎 4%
  Eベーチェット病 3.9%↓
  F細菌性眼内炎 2.5%↓
  G仮面症候群 2.5%↑

  半分は感染が原因
  1/3は原因不明

 日本
  三大ぶどう膜炎25%→20%に減少
  感染症多様化
  原因不明1/3

 ぶどう膜炎採血セット
  スクリーニング用…これだけで診断に至ることはむしろまれ
  体調チェック用
  免疫異常スクリーニング用
  感染症スクリーニング用

 検査のポイント
  @最高出現率のサルコイドーシスを見逃さない
    BHL…胸部レントゲン
    ACE
    ツ反
    Ca値
  Aステロイド抵抗性なら生検してみる
    前房穿刺、硝子体生検…細胞診でしか分らないことがある
    さらにPCR、抗体検査へ


U.ぶどう膜炎の治療のポイント

 主たる目的は過剰な眼局所炎症の抑制
  合併症の予防
  不可逆的な機能障害の回避
  「対処療法」以上でも以下でもない
  引き際(エンドポイント)を明確に

 基本
  ステロイド局所投与+散瞳剤

 補助治療
  1.全身薬物治療
   1)ステロイド全身投与
     基本的に慎重に
     使用する場合は十分量を
     適応:原田病
     相対適応:サルコイドーシス(TAテノン嚢下注、硝子体手術もあり)
     慎重:原因不明、感染性
   2)免疫抑制剤(シクロスポリン):「ネオーラル」
     ベーチェット病およびその他の非感染性ぶどう膜炎に対し、併用によりステロイドの全身投与量減少の可能性
   3)生物製剤
     インフリキシマブ(レミケード)…点滴
      2W、6W、14W、以後8W毎
     アダリムマブ(ヒュミラ)…注射薬
     エタネルセプト(エンブレル)
      自己注射可
      ベーチェット病以外のぶどう膜炎も対象
      長期投与で効かなくなってくる
      非常に高価で医療経済を圧迫

  2.外科的治療
   1)白内障手術
     @posterior synechia
     Aチン氏帯
     B術後炎症と視覚↑眼底検査可能化とのリスクとベネフィットを秤にかける
   2)硝子体手術
     確実に適応は拡大している
     続発性PVR
     遅延性サルコイドーシス(黄斑浮腫、硝子体混濁)
     仮面症候群
   3)チューブシャント術
     ぶどう膜炎に続発する緑内障…難治性
眼炎症疾患のマネージメント

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