黄斑疾患の病診連携 v.2
抗VEGF療法
MARINA,ANCHOR Study
滲出型AMD
新生血管黄斑症
黄斑浮腫
→上記疾患で視力低下の抑制・改善ができるようになった
メリット
CNV縮小
網膜浮腫・下液の吸収
→早期の視力改善
デメリット
安易に選択
病態の根本的治療ではない…繰り返し投与必要
高額
MARINA,ANCHOR Study 月毎の視力変化
導入期
視力↑↑
1ヶ月目>2日目>3日目
毎月1回計3回必要
維持期
悪化させない治療
維持期の戦略
Proactive療法…悪化する前に定期的に注射
PRN(pre re nata)…悪化の徴候があれば注射
現在の大勢
1ヵ月後との経過観察が前提
悪化の徴候をどこにするか?
Treat and extend
悪化しなくても来院すれば注射
注射間隔を2週間ずつ伸ばす
悪化すれば2週間ずつ短縮
ラニビズマブ臨床試験
Marina,Anchor:monthlyが視力改善効果◎
CATT:PRN、monthlyが◎
CATT Study 1年視力
ラニビズマブ、ベバシズマブで差がない
PRN、monthlyで差がない
CATT Study 2年視力の推移
ラニビズマブ、ベバシズマブで差がない
monthly>PRN 差がある
monthlyは視力悪化のリスク減
ただし、完全なドライ化の維持はRPEの萎縮を招くという報告あり
Treat and Extend
診察日には毎日、次から2週間ずつ延長、最長3ヶ月間隔
monthlyより少ないが投与回数は多い
すべての人にtreatする必要があるのか疑問
総注射回数減少のために
variable dosing(テーラーメード)
初回治療でもPDTとの併用治療の可能性検討
必ずしも導入期は3回投与しない(dry plus 1)
経過中dryなら治療をスキップ(Check and extend)して間隔を延長
視力不変で網膜下液だけの再発なら投与スキップもあり
網膜下液はあまり視力低下を起こさない
治療に反応が悪ければ別治療に移行
滲出性AMDの基本的治療指針
CNVの位置
中心窩を含まない→PC
中心窩を含む
病変タイプ
典型的AMD→抗VEGF
PCV
抗VEGF…視力が良い場合
抗VEGF+PDT
PDT
RAP
抗VEGF+PDT(または視力良好なら抗VEGFのみ)
アイリーア
VEGF−AすべてのアイソフォームおよびPIGFを阻害
結合活性が長い
アイリーア 83日以上、ラニビズマブ 30日
VIEW試験
視力維持率は1年と2年で同じ
ルセンティスに非劣性
維持期の戦略
Proactive
1ヶ月毎のルセンティス→2ヶ月毎のアイリーア
再発までの期間延長を期待されたがあまりない
負担減でもやはり高額
ルセンティスのtachyphylaxis、non-responderのレスキューになる
ルセンティスを超える薬効
再燃を完全に止められない
網膜下出血、炎症、脳血管イベント(?)の合併症ありうる
その他の疾患の治療選択
ERMの黄斑浮腫→硝子体手術
BRVOのPC後の浮腫
aneurismが原因ならPC
黄斑疾患の病診連携
怪しいかなと思ったら視力が良くても紹介
黄斑疾患は治療前と後の視力が相関
しばらく経過観察可能な場合
視力良好、自覚変化が乏しい
アムスラーで異常なし
長期経過例
発症初期のCSC
網膜に構造変化のないERM(変視なし、視力低下なし)
RPEの不整
軟性ドルーゼンのみ
ただし要注意
とくに両眼性ではRAP発症(視力低下)
3年以内に両眼に発症するリスク高い
早めに紹介
急激な視力低下、変視、自覚悪化
出血、白色(黄色、橙色)滲出物
原因不明だが何か変、とくに若い人
OCTにて網膜下液・浮腫→治療対象
mCNVは拡大が早い
維持期の管理
視力低下伴う滲出の再発→紹介
1ヶ月毎の診察
患者の指導
日頃から片眼ずつアムスラー(10度の視野に相当)
見えにくくなったら急いで受診
対側眼の観察
片眼AMDの19%が2年以内に対側眼に発症
ブロナック点眼液の補助効果の可能性
ラニビズマブ投与回数↓した
中心網膜厚↓…浮腫↓か
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