眼窩疾患に対する治療について

T.非特異的眼窩炎症

非特異的眼窩炎症
 特発性眼窩炎症(眼窩炎症性偽腫瘍)
  様々なタイプがある
   anterior type
   diffuse type
   apical type
   lacrimal type
   myopic type
  眼瞼腫脹
   眼瞼下垂を伴わない
   MRIで脂肪に炎症
  眼瞼挙筋にも炎症が及ぶことあり
  眼瞼溝が浅くなる
  治療
   ステロイド著効
   無治療で治ることあり
   よく再発
  治療指針
   臨床所見(炎症所見)、画像所見(副鼻腔との連続性を否定)から診断
   抗生物質の有効性を否定
   経過観察
   >ステロイド内服
   >>トリアムシノロン局所注射
   >>手術
   >>メトトレキセレート内服(リウマチに準じて)
   >>放射線療法


U.特異的眼窩炎症

バセドウ病眼症
 眼科に特異的な自己免疫疾患
 眼瞼腫脹、眼球突出、両眼上転障害、複視
 MRI:眼窩炎症

 バセドウ病
  2つの主な標的ターゲット
   甲状腺→甲状腺機能亢進症
       甲状腺腫
   眼窩組織→バセドウ病眼症
 
 自然経過
  Wirersingaの仮説による活動性より遅れた経過(Fundeの曲線)
  ピークを超えても0には戻らず
  組織:筋肉→脂肪に変質
  終わる病気

 CAS(clinical activity score)よりもMRIの方が診断的価値が高い
  MRIで繊維化と脂肪変性

 治療
  繊維化なし→内科的治療
   TA眼窩内注射
   ステロイドパルス療法
   放射線療法
  繊維化・脂肪変性あり→外科的治療
   斜視
   眼瞼
   前部脂肪

  パルス療法の副作用
   心停止
   消化性潰瘍穿孔
   劇症肝炎
   重症感染症

  手術
   眼窩減圧術等…視神経症、眼球突出
   上前部眼窩脂肪除去
   ミューラー筋切除術+眼瞼矯正術

リンパ増殖性病変

 B細胞リンパ球の生活史
 
  骨髄:遺伝子再構成
   ↓
  外套層 mantle layer→●マントル細胞リンパ腫

  胚中心→●濾胞性リンパ腫
   ↓遺伝性変異
  辺縁帯 marginal zone→●MALTリンパ腫
   ↓
  形質細胞→●骨髄腫
   ↓
  抗体産生

 B細胞リンパ腫の鑑別
       細胞表面マーカー 死亡
       CD5  CD10 CD30
  マントル  ○  ×  ○  無
  濾胞性  ×  ○  ○  有
  MALT   ×  ×  ○  有

   マントル→MALTとリンパ球の成熟度が高くなる
 
 リンパ腫の診断
  病理
  遺伝子再構成…サザンプロット法
  染色体検査…G-banding、染色体転座
  フローサイトメトリー…CD5,CD10,CD30

 リンパ腫の治療
  結膜MALTリンパ腫…切除、冷凍凝固
  放射線治療、化学療法…専門他科に依頼

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