角膜内皮疾患に対する新規治療法の開発
角膜内皮細胞
 バリア機能+ポンプ機能
 角膜の透明性維持

水泡性角膜症
 角膜内皮密度は通常 2,000〜3,000/mm2
 外傷、手術、PI、Fuchs等で500/mm2以下になると水泡性角膜症発症
 日本の患者数1万人、手術数年間3千人

 現在の治療法は角膜移植
 角膜移植の問題点
  手術侵襲
  慢性的なドナー不足
  移植後の内皮細胞↓


新規治療法

 @培養角膜内皮シート移植
 A培養角膜内皮細胞注入
 B角膜内皮薬物治療

 @A:中〜末期水泡性角膜症
 B :初期水泡性角膜症

 AB:ROCK阻害剤の有効性の発見

 ROCK阻害薬
  Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬
  ヒトES細胞の培養に有用
   細胞接着↑
   細胞増殖↑
   アポトーシス↓

 @培養角膜内皮シート移植
   内皮細胞採取→
   T型コラーゲンシートに移植→
   内皮細胞増殖

   培養DSAEK
    ヒト内皮細胞は培養が困難
    非増殖性のため、Fibroblast様に形質転換する

 A培養角膜内皮細胞注入
   +ROCK阻害薬を注入しうつむき姿勢
   細胞接着促進による角膜内皮の生着

   Fibroblast様角膜内皮細胞
    異常なECM産生にはTGF−βが関与
     ECM:細胞外マトリクス

   MSCS:ヒト脊髄内間葉系幹細胞順化培地で増殖

 B角膜内皮薬物治療
   ROCK阻害剤点眼で、角膜浮腫↓内皮増殖↑
   PI-3キナーゼ/AKT経路を活性化し、細胞同期阻害蛋白p27の分解を促進
   Fuchsや白内障術後等の部分的角膜内皮障害に有効
   アポトーシス抑制
   DSAEK後

角膜内皮障害
 正常  2,000以上細胞/mm2
 Grade1 1,000〜2,000細胞/mm2
 Grade2 500〜1,000細胞/mm2
 Grade3 500細胞/mm2未満で角膜浮腫(−)
 Grade4 水泡性角膜症、角膜浮腫・混濁

 治療
  Grade1〜3:点眼治療
  Grade4:再生医療(培養角膜内皮細胞移植)→手術(DSAEK→全層角膜移植)

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