緑内障診療のジレンマ
T.眼圧のジレンマ

 Goldmann圧平式=Gold standard

 圧平式眼圧計
  W=P×A Imbert-Fickの法則
  ただし、前提条件は表面が乾燥し、膜が無限に薄いこと
  現実に則すと…
  W+S=P×A1+B
   S:表面張力 B:角膜を押し付ける力
  中心角膜厚520μmの時のみ反発力Bと表面張力Bが釣り合う
  ただし、表面張力は温度により異なる
  涙液も水+油からなり、油は水と表面張力が異なる
  non-disporsable prism vs disporsable prism
   測定値が一致しない(dispoの方が低く出る)
  prismの親水性と水の表面張力はメーカー間の違いにより異なる
  進行と乖離する場合は、機種のアーチファクトも考慮する


U.眼底・視野検査のジレンマ

 神経線維走行はvariationがある
 OCT
  眼軸長・屈折異常の影響で測定点が変化する
  眼軸長↑ならRNFL↓、GCC↓
 年齢↑すると感度↓
 屈折異常↑するとMD↓
 年齢↑・近視↑するとSAP感度↓
 眼球の不均等な拡張(Ectasis等)↑でSAP感度↓
  脈絡膜構造異常(視細胞配置変化・変形)↑
 年齢より屈折異常の誤差が大きい
  

V.トラベクレクトミーのジレンマ

 眼圧はよく下がるが
  感染
  低眼圧黄斑症
   レクトミーの20%で発症
   若年、男性、近視が危険因子
    近視では眼軸長25.7mm以上で要注意
   自己血結膜下注入
 レクトミー後眼軸長↓
  術後の脈絡膜肥厚…わずか
  Gass理論(生物物理特性依存強膜短縮)
   強膜自体が柔らかい

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