0.イトロダクション

高齢化により緑内障による失明が増加

 失明原因
  1990年 1位 糖尿病網膜症
      2位 緑内障 13%
  2002年 1位 緑内障 20%
      2位 糖尿病網膜症

緑内障診療で一番必要なことは進行を見極めること
 患者さんで困るのは中心視野障害…日常生活に支障


T.視野

緑内障視野障害によるQOL低下
 MDが5dB減少すると
  運転する人が約10%減少
  アルファベットの1分間の解読が17文字減少
 顔の認識力低下
  視野悪化するとコントラスト感度低下
 うつ病の有病率上昇 10.9%(正常者では6.9%)

治療による眼圧下降の限界
 ベースライン眼圧からの下降率 約30%
 low teen患者の視野障害割合
  50%が進行なし
  言い換えればlow teenでも50%は進行

視野障害の進行を見極めるための視野検査の間隔
 比較的早い進行 −1dB/Yを80%検出するのに
  年3回の検査で2年、年2回の検査で3年かかる

cpRNLTセクター
 右眼では7時と10、11時で進行が速い


U.OCT

視神経MRIパラメータ
 耳側血流
 模擬視野
 黄斑機能測定プログラム

緑内障の病態
 乳頭陥凹
  篩状板の孔は上下の部位で大きい=脆弱(孔がつぶれやすい)
  軸索障害→アポトーシス
   軸索絞扼
  篩状板の菲薄化
   NTG 早期から菲薄
   POAG 発症して菲薄化する

視力低下する緑内障
 中心暗点が起こる緑内障
 生活に不自由
 とくに中心下方

緑内障による黄斑障害
 初期から黄斑にも中等度の障害
 視野の上方がアーケード状に障害
 後発部位
  乳頭で右眼では、7時と11時
   7時(50%)>11時(45%)
 7時の障害は黄斑下方の障害を伴う
 7時と11時では神経支配領域が異なる
  視野障害は7時と9時の2つのパターンがある
 乳頭黄斑線維の障害
  papilla-macular bundle


V.レーザースペックル

眼循環
 有痛、発症、進行に関与

眼還流血圧=血圧−眼圧
 低いと緑内障の危険因子
 拡張期50mmHgを境にPOAG有病率上昇
 FAで乳頭の充填欠損filling defectに相関

OCTによる血流評価
 血管密度が測れる時代が来る
 PPGですでに乳頭血流低下

レーザースペックルフローグラフィー
 カラーマップ:部位別のMBR
 ハートビットマップ:波形解析

乳頭MBR
 緑内障病期と相関
 病早期から低下(厚より早い)

血流パラメーターと中心視野進行
 血流が悪いと視力低下しやすい
 血流因子は視機能に障害を起こす

近視型緑内障は0.3以下に低下することあり
 PPAには脈絡膜循環がない
      ↓
 乳頭黄斑繊維は乳頭耳側の血流の影響を受ける可能性がある
緑内障診療の質向上に役立つ検査

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