わかりやすい網膜・黄斑ジストロフィ
網膜色素変性症
 Rod-cone dystrophy
 眼底正常、若年者→見逃されることあり
  暗い所でよくぶつかる
 無色素性RPも発見困難
 Ellipsoid zoneが黄斑部にしかない
  黄斑部には全視細胞の20%しかない
 遺伝子:EYSが最多
      常染色体劣性遺伝型RPの約20%

錐体ジストロフィ
 羞明・昼盲、色覚異常、視力低下
 ring状黄斑変性
 OCT:EZ不明瞭
 中心暗点
 錐体は黄斑部には20%しかない
 眼底はさまざま
  Bull's eye
  黄斑萎縮
  正常眼底
 
 明るい所で見えにくい…錐体ジストロフィ
 暗い所で見えにくい……網膜色素変性症

Stargart病
 8〜12才の視力低下
 心因性と誤診されやすい
  軽度の黄斑萎縮に気付くことが重要
 黄斑ジストロフィ
  黄斑萎縮と黄色斑(flecks)
 OCT
  黄斑が薄い
  EZが不明瞭
 予後不良

Occult macular dystrophy
 黄斑のみの錐体障害
 診断:局所ERG
 視力は低下するが、全体視野は良好
 視力予後は比較的良く、0.1〜0.5に低下し、0.1以下はまれ
 眼底・FA正常
 OCT
  ELM
  EZ(IS/OS) :中心部で存在しない
  IDZ(cost):なしまたは不明瞭
  RPE


弱視と紛らわしい症例
 
 実は器質的疾患の場合がある
 一見眼底は正常
 OCT、ERGが重要
  OCT
   黄斑部の水平・垂直、詳しく水平だけでも
    RNFL、EZ
   マップ(GCC)

1.常染色体視神経萎縮(ADOA)
   RNFLはほとんどない、GCC↓
   パネルD−15:トリタン
    トリタンは1本でも出れば異常
   乳頭のvariationは多い
   ごくゆっくり進行し続ける

2.全色盲(杆体一色覚)
   眼振
   羞明…眼を細める
   眼底は正常が多いが、黄斑の反射が不明瞭で粗雑(黄斑萎縮)の場合もある
   OCT:EZが中心部でない…視細胞の病気
   生来の視力不良
   ERG:杆体は正常、錐体は反応なし
   AR
   
3.先天性網膜分離症(若年網膜分離症)
   遠視はあるが、弱視になるほどではない
   黄斑:車軸状眼底
   OCT:網膜分離、中心窩が盛り上がる→遠視
   XL

4.先天停在性夜盲(不全型)
   近視が強くないのに、強度近視のような視神経乳頭…視神経形状異常(三日月型)
   遠視〜近視
   OCT:正常
   ERG:杆体減弱
       陰性型(b波の振幅がa波より小)
   夜盲なし
   ARまたはXL
   視力矯正をすると成人になったとき0.7位に視力が上がることが多い

5.先天停在性夜盲(完全型)
   ERG:杆体は反応なし
       陰性型
   強い夜盲
   強度近視…近視眼底

6.黄斑低形成
   黄斑反射なし
   OCT:中心窩のくぼみなし

7.網膜色素変性症
   幼少時の発症あり

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