先天赤緑色覚異常への対応
T.分類と病態
              錐体
正常         L  M  S
1型 2色覚     −  M  S
   (異常)3色覚 − M’M S
2型 2色覚     L  −  S
   (異常)3色覚 LL’−  S

U.色覚検査法
 1.仮性同色表
  1)石原式国際版38表
     検出表と分類表から成る
     検出率 99%
     型判定のアノマロスコープ一致率 85%
  2)標準色覚検査表第1部(SPP)
     検出表と分類表から成る
     検出率 99%
     型判定のアノマロスコープ一致率 96%

 2.パネルD−15
  パス…正常、軽度〜中等度異常(正常だけではない!)…95%が異常3色覚、5%が2色覚
  フェイル…強度異常、1型…95%が2色覚、5%が異常3色覚
       強度異常、2型
     型判定のアノマロスコープ一致率 99%

  パス
   一つだけのエラー one error
   横断しないわずかな誤り minor error
  フェイル
   横断がある


 3.使い分け
  スクリーニング
   石原式
  程度(強度かどうか)
   パネルD−15
  異常の種類(型分類)
   SPP、アノマロスコープ

V.患者さんへの説明のしかた
 正常とは違う色感覚であることを説明
  赤みや緑みを感じる力が弱い
  色だけで判断しなければならない場合に注意し、他人の助けを借りる
 小児に対して親は色について厳しく問い詰めない
  さりげなく色の話題を出して物の色を教える
 劣等感を抱かせない
  様々な能力の一つと考える
  将来の進路を考慮

W.職業選択
 色覚異常の程度が弱くても不向き
  染色・線維関係、印刷業、アパレル、インテリアコーディネーター、塗装業
  交通・運輸、職業運転士、医療関係の一部
 色覚異常の程度が強い場合不向き
  警官・保安関係、調理師、美容師、電気工事士

X.その他
 非定型例は心因性の可能性あり
 赤緑フィルター(ダルトン眼鏡)は利用できる場合がある

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