緑内障と紛らわしい神経眼科疾患
序論
 典型的視神経炎
  若い女性
  突然発症
  PAPD(+)
  眼球運動時痛(球後・上眼瞼)

 非典型的視神経炎
  既往のない視神経萎縮
  徐々に進行
  両眼同時
  無痛性
  ステロイド無反応

緑内障と非緑内障の視神経萎縮
 緑内障以外で陥凹拡大
 視神経萎縮が緩徐に進行する遺伝性疾患LHON、DOAの萎縮期は緑内障様乳頭陥凹あり
 他の臨床所見で判断
 迷ったら遺伝子解析

Leber遺伝性視神経症(LHON)
 10〜20才代 男
 両眼性
 重篤
 乳頭が異様に赤い→萎縮期は蒼白
 拡張性微細血管症

優性遺伝性視神経萎縮(DOA)
 OPA1遺伝子変異
 AD
 きわめて緩徐な進行
 両眼性視力障害
 乳頭蒼白化:緑内障様
 RAPD陰性が多い
 色覚異常

非典型的視神経炎
 乳頭:重篤な浮腫+硝子体炎症
 視力低下:2週後も
 無痛
 回復なし:ステロイド減量で再発

 視神経脊椎炎(NMO)
  40才代 女:男=9:1
  視力大きく低下
  ステロイド抵抗性
  抗アクアポリン4抗体(+)
  3脊椎以上の脊椎炎
  完全型:視神経炎+脊椎炎
  限局型:視神経炎または脊椎炎

 自己免疫性視神経症
  甲状腺関連抗体
  RF…関節リウマチ
  抗SS…シェーグレン
  抗核抗体…SLE
  その他

 CRION(慢性再発性炎症性視神経症)
  サルコイドーシス
  自己免疫性
  IgG4
  ステロイドに反応、減量で再発

 サルコイドーシス視神経症
  サルコイドーシスの5〜15%に中枢神経障害(とくに視神経)
  急性期はステロイドに反応するも離脱困難

 虚血性視神経症
  蒼白浮腫が分節状(上半分など)
  出血・白斑も出現
  網膜動脈狭細化
  病因:動脈炎症
  進行性
  全身:顎跛行等
  部位
   前部:乳頭浮腫
   後部:初期は乳頭正常
  原因
   術後
   ショック、大量出血
   動脈炎症、全身的な血管閉塞疾患
   中毒
    エタンブトール
    タバコ、アルコール弱視…LHON?
    メタノール
    アミオダロン
    シルデナフィル(バイアグラ)
    新規薬剤
     分子標的薬
     生物学的製剤

 Optic nerve sheath menigioma(ONSM)
  中年女性
  緩徐に進行、片眼性
  CT:tram-track sign
  治療:手術、放射線

 Foster-Kennedy syndorom
  同側視神経萎縮と対側乳頭浮腫
  前頭葉下面の病変、つまり前頭葉に局在し視神経を圧迫するような病変によって生じる。
  視神経の圧迫病変により同側の視神経を障害し、中心暗点、視神経萎縮を呈する。
  嗅覚脱失もありうる。
  脳圧が亢進すれば、対側のみ乳頭浮腫をきたすようになる。
  前頭葉の神経膠腫、嗅窩部の髄膜腫などによる。

参考文献
 『神経眼科疾患クローズアップ』

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