眼症状から分かるアレルギー
IgE依存性即時型アレルギー
 アレルゲンに対し10日くらいで感作成立
 ヒスタミン遊離→症状誘発

1.食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
 食物+運動・NSAIDs→アナフィラキシー
 通常の小麦アレルギーは全身の膨疹と思われていたが、眼瞼腫脹も症状にあった
 毎日パンを食べている人→月1回片目だけ眼瞼腫脹ということがありうる
 血液反応(+)ブリックテスト(−)ありうる
  負荷試験 アスピリン+うどん→眼瞼腫脹、息苦しい、鼻汁…血管性浮腫
  小麦によるFDEIAは3〜4日続く

加水分解コムギ
 グルテンを分解させたもの…人工産物
 世界中で広く使われる
 加水分解コムギ石鹸
  過半数で目のかゆみ、流涙…局所即時型アレルギー
  交差反応で自然界のコムギ蛋白質とも反応

2.花粉−食物アレルギー症候群

例:シランカンバの交差反応→リンゴ・モモ…口腔アレルギー症候群

食物のアナフィラキシー
 目のかゆみ、眼瞼浮腫、鼻閉
 ハンノキ、大豆(豆乳)
 IgE-RASTでは陰性
  感度・特異度低い
  大豆と豆乳はアレルゲン・コンポーネントが異なる
 豆乳アレルギー
  花粉症合併 100%
  ハンノキIgE陽性 100%

モモアレルギー
 春
 モモ一切れで眼瞼浮腫・鼻汁
 ハンノキ(+)モモ(−)
 モモアレルゲンコンポーネントで(+)

口腔アレルギー症候群
 バラ科 リンゴ・モモ→眼瞼腫脹
 ハンノキ、シラカンバ、オオアワガエリ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ

食物では(−)でも花粉で(+)多い
皮膚テスト、ブリックテストが有用
 アレルゲンコンポーネントを用いた血液検査
治療:抗ヒスタミン薬、アドレナリン注射

皮膚科での眼症状
 湿疹、皮膚炎…ステロイド外用
 蕁麻疹…一過性の浮腫(数時間)…抗ヒスタミン薬内服
 血管性浮腫…一過性の浮腫(数日)…抗ヒスタミン薬内服

外用薬使用上の注意
 リンデロンA軟膏…硫酸フラジオマイシンによる接触性皮膚炎
 PF点眼液も有用
 眼軟膏はステロイドの効果が弱い(week群)
 皮膚科用は良く効き(medium群)、短期で終わりやすい

アトピー性皮膚炎(眼瞼炎)の治療
 ステロイド外用→
 2才以上ならプロトピック(タプロリムス)軟膏(小児0.03%、大人0.1%)→
 保湿軟膏(プロペト、サンホワイト、プラチナベースなど)

まとめ
眼瞼はアレルギーの感作が成立しやすい
眼瞼腫脹は重篤な全身性の食物アレルギーかもしれない
ステロイド外用・点眼でも接触性皮膚炎を起こしえる
治療
 第1選択 抗ヒスタミン
 第2選択 ステロイド…重症例

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