感染性ぶどう膜炎のマネージメント
T.診断のポイント
 多いもの
  サルコイドーシス
  原田病
  急性前部ぶどう膜炎

  ベーチェット病↓
  細菌性眼内炎↓
 
 1/3は原因不明

不用意にステロイドを使えないぶどう膜炎を見分ける
系統診察
 1.両眼性か片眼性か
  両眼性…体全体の病気を疑う
   VKH、サルコイドーシス、ベーチェット
  片眼性…感染症を疑う
   結核、ヘルペス、桐沢型
 2.部位と経時的広がり
  あるフォーカスから…感染
  全体が同時発症
 3.炎症の質
  肉芽腫性
   マイクロファージ+リンパ球
   細胞は集まっている
   VKH、サルコイドーシス(結節→雪玉状)
  非肉芽腫性
   好中球
   細胞の配置はばらばら
   ベーチェット病、真菌性眼内炎

  固まり病変
   まとまったKPs
   サルコイドーシス、CMV
  散らばり病変
   散ったKPs
   急性前部ぶどう膜炎、潰瘍性大腸炎

病原体によって対応する細胞は決まっている
 好中球
  細胞外微生物(真菌、緑膿菌…細胞外で増殖可能)
 マクロファージ、Tcellリンパ球
  細胞内微生物(結核、梅毒、原虫、ウイルス)

感染を疑う場合
 @片眼性
 A1ヶ所から始まる
 →炎症の質から病原体を推測


U.感染性ぶどう膜炎の治療の考え方
 急性…病理…抗生剤優先
 慢性…生体防御反応による炎症…抗炎症薬併用

1.急性感染症
 治療:抗生剤、ステロイドは×
 病原体除去

 転移性内因性眼内炎
  細菌:真菌=1:2
  半分はカンジダ…細菌より進行遅い

 サイトメガロウイルス網膜炎
  90%は潜伏感染
  免疫不全状態で活性化

2.亜急性感染症
 治療:抗生物質+ステロイド
 結核、梅毒、トキソプラズマ等、ARN
 結核
  サルコイドーシスとの鑑別困難
 梅毒
  いろいろなパターン
   ごま塩状、虹彩炎・視神経炎のみもある
 猫引っかき病
  星芒状白斑…7日目頃
   網膜分離症があった所に

3.慢性感染症
 治療:ステロイド
 HTLV−1関連ぶどう膜炎
  眼底
   小結節状沈着物
   ベール状硝子体混濁
  サルコイドーシスとの鑑別困難
  九州に多い
  キャリアのうち1/1000人が発症
 免疫回復ぶどう膜炎(immune recovery uveitis , IRU)
  免疫回復後、既に鎮静化し活動性のないCMV網膜炎罹患眼に硝子体混濁

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