ぶどう膜炎治療のトピックス
Ⅰ.サルコイドーシスの診断に重要なポイント
ぶどう膜炎の3大疾患
ベーチェット病…減少傾向
サルコイドーシス…増加傾向
原田病…変化なし
眼サルコイドーシス眼所見の感度・特異度
いずれも特異度は高いが
隅角結節またはテント状周辺虹彩前癒着 感度60と最も高い
とくに隅角結節が重要
通常は小さくて注意しないと見つけにくい
塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状)感度43とやや下がる
サルコイドーシスの治療
0.1%ベタメタゾン点眼 両眼1回を継続(止めない!)
隅角結節の予防のため…眼圧が上昇する
通院継続のため…眼圧上昇をチェック
可溶性インターロイキン2受容体 sIL-2R
サルコイドーシス、悪性リンパ腫のマーカー
サルコイドーシスの診断基準にもある
Ⅱ.忘れてはいけない感染性ぶどう膜炎
ARNの手術治療
網膜剥離に対する手術…ある程度網膜剝離が予見できる場合は予防手術
軽症であれば
手術治療なし
シリコンタイヤによるEncirclingのみ
重症であれば
PPV+PEA+Encircling+endoPC+SOタンポナーデ
Ⅲ.TNF阻害薬
アダリムマブ(ADA)使用の実際
良い適応
ベーチェット病…ADA単独
遷延性フォークト・小柳・原田病…PSL+ADA併用
サルコイドーシス…PSL+ADA併用
特発性ぶどう膜炎…PSL+ADA併用
TNF阻害薬(インフリキシマブ、アダリムマブ)
副作用としてなど重篤な感染症の可能性
結核
B型肝炎
感染症ぶどう膜炎の悪化
Ⅳ.免疫賦活化に伴うぶどう膜炎
免疫チェックポイント阻害薬関連ぶどう膜炎
免疫応答を抑制する「免疫チェックポイント」を阻害
→悪性腫瘍への免疫応答を高める
→自己免疫応答も高める
「免疫関連有害事象(irAE)
自己免疫疾患、炎症性疾患様の症状
虹彩毛様体炎、汎ぶどう膜炎
フォークト・小柳・原田病様のぶどう膜炎
新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン関連ぶどう膜炎
COVID-19に対するワクチン接種後の副反応
接種後2週間以内
免疫賦活化(活性化)に伴うぶどう膜炎
免疫チェックポイント阻害薬
COVID-19ワクチン
様々なタイプの炎症が誘導される
→既知のぶどう膜炎とは異なる病像
既知のぶどう膜炎が誘発・再燃
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