アレルギー性結膜疾患

T型アレルギーが関与する炎症性疾患
 アレルギー性結膜炎…90%
  通年性…10%
  季節性…80%
 アトピー性角結膜炎…4%
 春季カタル…4%
 巨大乳頭結膜炎…2%

花粉症の有病率…増加傾向
     1998  2008
 花粉全体 20% 30%
 スギ    16% 27%
 スギ以外 11% 15%

 最近の傾向
  若年化
    5〜 9才  14%
   10〜19才 31%
  高齢化
   60〜70才代

自覚症状
 掻痒感 ほぼ100%
 くしゃみ、鼻水 75%
 充血 55%

他覚所見
 瞼結膜充血 95%
 球結膜充血 50%

アレルギー性結膜炎での各症状のつらさの度合い
 @眼のかゆみ
 A異物感・充血

アレルギー性結膜炎でかゆみ以外で治療してほしい順序
 @眼の赤み(充血)

アレルギー性疾患診療ガイドラインのスコア
 軽度(+)
  球・瞼結膜充血…数本の血管拡張
 中等度(++)
  球・瞼結膜充血…多数の血管拡張
 高度(+++)
  球・瞼結膜充血…全体の血管拡張

T型アレルギー反応
 即時相(5〜20分後)
  肥満細胞 mast cell 脱顆粒
  →ヒスタミン、ロイコトルエン、TNF-α、IL-4、IL-13
 遅発相
  Th2cell>肥満細胞
  好酸球浸潤
  組織障害

アレルギー性結膜炎初期治療
 有効性が報告されている点眼薬
  ザジテン
  ケタス/アイビナール
  リザベン
  パタノール

花粉症によるアレルギー性結膜炎治療方針
 花粉飛散前
  初期療法
 花粉飛散時
  軽症 メディエータ遊離抑制剤 or 抗ヒスタミン剤
  中症 メディエータ遊離抑制剤 + 抗ヒスタミン剤
  重症 メディエータ遊離抑制剤 + 抗ヒスタミン剤 + ステロイド

トピックス
 1.点鼻薬で眼症状軽快
   鼻腔への抗原投与により眼症状が出現
   ステロイド、抗アレルギー点鼻薬で眼症状軽減
   "Nasal-ocular reflex"
 2.H4受容体拮抗剤がアレルギー性結膜炎に有効
 3.遺伝子組替米(Transgenic rice)によるアレルギー発症抑制
 4.抗ヒスタミン剤以外による皮膚掻痒感の抑制
  Semaphorin 3A(反発性神経ガイダンス)

春季カタルの治療
 @抗アレルギー剤点眼液
 A免疫抑制剤点眼液
 Bステロイド点眼 or 眼軟膏
 Cステロイド点眼(高力価)+ステロイド内服・結膜下注射
 D外科的治療

 結膜アレルギー性炎症は角膜上皮創傷治癒を遅延させる。
 また、角膜上皮欠損が結膜での炎症を増悪させる。





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