ベーチェット病
多彩な全身症状…口内炎アフタは必発
前房蓄膿、網脈絡膜炎→萎縮→眼球癆
治療指針
1.炎症発作時
1)前眼部炎症
ステロイド局所投与
寛解期には原則として治療不要
発作予防はできない
ステロイド緑内障発症のおそれがある
フルオロメトロンは眼内移行しない
2)後眼部炎症
びまん性硝子体混濁や黄斑部浮腫→TAテノン嚢下注射
重症→ストロイド短期内服
2.寛解期…病態の抑制を目的
コルヒチン 1〜1.5mg/kg/日 内服
↓無効の場合
シクロスポリン 5mg前後/kg/日 内服
↓無効の場合
コルヒチンとシクロスポリンの併用療法…限界あり
副作用
コルヒチン…下痢
シクロスポリン…腎機能障害
神経ベーチェット病様中枢神経症状
コルヒチン・シクロスポリン併用…ミオパチー様神経症状
新しい治療法…生物学的製剤
TNF阻害薬 インフリキシマブ(レミケード)
5mg/kgを定期的に点滴静注→最終的に2週間毎
ベーチェット病のうち難治の網膜炎に対して
適応:コルヒチン・シクロスポリン併用療法でも、とくに後眼部炎症を繰り返す症例
(症状が重症なのは、男:女=3:1)
副作用が無視できない症例
重症例でも約8割が視力向上
コルヒチンで無効なら、即レミケードに
不可逆的な変化(視神経・網膜の萎縮)に至っていないうちに使用すること
厳重な管理・副作用の監視が必要
副作用…感染症(結核等)、発疹・発熱
ベーチェット病であると正しい診断が必要
ベーチェット病では
前房蓄膿発生率は1/3…非特異的
硝子体混濁発生率 びまん性 80%
雪球状 30%
FAで羊歯状(もしくはシダ状)蛍光漏出発生率 80%…特異的
cf:前房蓄膿を呈する疾患
ベーチェット病、真菌性眼内炎、強直性脊椎炎、乾癬、潰瘍性大腸炎
術後感染、細菌性眼内炎
cf:出血と滲出を伴う網膜炎
ベーチェット病、結核性網膜血管炎
cf:濃厚な網膜滲出性病変
ベーチェット病、トキソプラズマ
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