薬剤の眼表面への影響
T.全身投与薬剤の角膜への影響
・抗癌剤
アドリマイシン、アルキル化剤等
・Major Tranquilizer
・Vortex keratopathy を起こす薬剤
アミオダロン(抗不整脈)
クロロキン
抗癌剤 TS−1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)
胃癌・肺癌などに対する経口剤
5−FUを基に変更した薬
ハリケーン状角膜炎
偽樹枝状病変’(crack line)
角膜上輪部の半円状の白濁病巣
中止で消失
涙道閉鎖
アマンタジンおよび Major Tranquilizer による角膜内皮障害
アマンタジン(抗パーキンソン)、フェノチアジン系、ブチルフェノン系大量投与
光毒性、内皮ドーパミン受容体刺激が原因か
デスメ膜皺
中止で改善
問診が大切
アミオダロン角膜症
商品名アンカラン(抗不整脈)
角膜下方1/3の上皮基底細胞内に渦状沈着 vortex keratapathy
中止で改善するが重篤ではないので投薬を中止するほどではない
Stevens-Johnson 症候群
急激に発症する皮膚・粘膜炎症性疾患
NSAIDs、抗菌薬を契機に
早期のステロイドパルス治療が有効
U.点眼薬の角膜への影響
悪化の順
SPK→上皮透過性亢進→crack line 、ハリケーン角膜症→遷延性上皮欠損
原因になる点眼薬
局所麻酔剤
アミノグリコシド系
抗ウイルス剤
NSAIDs
抗緑内障剤
局所麻酔剤
@上皮細胞の増殖・進展を抑制
Atear reflex loop 抑制
抗生物質
主剤・賦形剤による上皮細胞増殖を抑制
抗緑内障薬
β阻害薬
細胞毒性
知覚↓
涙液↓
ムチン↓
PG製剤
細胞毒性
上皮細胞増殖抑制
治療
点眼を減少もしくは中止
防腐剤無添加人工涙液で3〜4週間 wash out
角膜にやさしい点眼液から再開
局麻効果
カルテオロール(なし)<チモロール<<ベタキソロール
手術を考慮
炭酸脱水素酵素阻害剤(CAI)
炭酸脱水素酵素は内皮細胞におけるイオン・水輸送系の一端を担っている
ドルゾラミドによる角膜内皮機能不全
内皮密度低下、滴状角膜等
内皮機能不全眼には避けた方が無難
円錐角膜には使わないほうがよい
ラタノプロスト
@MMP活性がぶどう膜強膜流出路の透過性を亢進させるのが眼圧下降機序の1つ
眼表面での細胞外基質の分解を促進
A円錐角膜ではMMP活性を角膜実質で亢進させるので急激に進行する
BLASIK:角膜菲薄化のある患者への点眼も注意か?(keratectasia)
ラティーヌ(まつ毛育毛剤)
有効成分:ビマトプラスト
まつ毛の根元に塗る
FDA認可
薬剤毒性角膜症の治療
wash out が基本
簡単には治ってこないので、1週間くらいかけて少しでも改善傾向があるか見る
1ヶ月以上かかることも良くある
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