ドライアイ:診断のアプローチ
ドライアイの「新しい」定義
・ドライアイとは、様々な要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患
・眼表面疾患を包括する広い概念
・単一疾患ではない
・症候群
・サブタイプ(病型)の診断が重要
・共通する病態もある
・「涙液膜の不安定性」
検査・診断法
・角結膜上皮障害を検出する検査
・涙液の検査
・シルマーとBUT
・「涙液膜の不安定性」を検出するため
・フルオレセインを活用することが重要
・利点 細胞毒性が低い
・結膜上皮の観察も重要
・中央から下方1/3に強いが、輪部には接しない
・シェーグレン症候群…Patchy pattern
・瞬目不全…SPKが下方にあって区画性
・下方に限局したパターン
マイボーム腺機能不全
結膜弛緩症
・上方に限局
SLK
SEAL superior epithelial arcuate lesion
・フルオでも結膜上皮障害観察可能
・バックグラウンド pooling に注意
・時間が経つと全体的にstainされてしまう
・Marx’s line も見る
粘膜皮膚移行部の変化に注目
MGDではirregular になる
ドライアイの診断:涙液の検査
「涙液膜の不安定性」の検査
BUTの測定が基本
BUする機序
@涙液の蒸発説
A表面張力説
BU不安定化の4つの因子
@涙量↓…シルマーテスト
A表面張力↑
B蒸発↑
C角膜表面の水濡れ性↓
1)涙量↓
シルマーT法(正常≧10mm 異常≦5mm)
再現性は以外に高い
涙液減少型の診断に必須
患者さんにはやや苦痛
メニスカス高で涙液分泌量を推定できる
2)涙液の表面張力↑
表面張力↓の方が有利
脂質の関与が大きい
臨床的にはマイボーム腺の観察で評価する
閉塞性MGD
開口部の閉塞…続発性炎症
乾燥した塞栓…内容物を圧出すると一時的に軽快
脂漏性MGD
瞼縁の泡形成 foaming
リパーゼで脂質が分解され、遊離脂肪酸↑(鹸化反応)
細胞障害性
界面活性作用
細菌培養ではブドウ球菌検出
3)蒸発↑
ドライアイは涙液減少型と蒸発亢進型に大別される
涙液の油層が蒸発抑制に大きな役割
4)親水性↓(ムチン異常)
疎水性の細胞表面と涙液をなじませるにはムチンが重要
臨床的には.ローズベンガル
研究的には、WGA(Wheat Germ Agglutinin)による膜ムチンの染色
SCL装用者ではBUTは短縮
ムチン減少型ドライアイか?
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