緑内障の網膜形態

緑内障の進行速度とQOL
 50歳 MD-4dBで -2dB/年であれば、65歳で失明
             -1dB/年であれば、80歳で失明
            -0.5dB/年であれば、110歳で失明

2つの鍵
 早期発見
 進行速度の検出

T.早期診断
 NFLDの出現は視野障害より6年早い
 黄斑部GCLとRNFLは視野異常前から菲薄化する

 cpRNFL(乳頭周囲網膜神経線維)
  OCTシングルスキャンcpRNFLセクター解析では細いNFLDは発見しにくい

 3D−OCT、Red freeはNFLD検出に強い
  NFLDはNFLの走行に沿っているので、3D−OCTが有用である

 黄斑GCL(Macular"GCL")
  緑内障は神経節細胞が選択的に障害される
  視野異常検出までに50%が障害される

 正常眼の黄斑部RGC complex
  GCL厚はRGC密度を反映

 正常網膜層厚マップ
  NFLは左右対称ではない(鼻側にganglion cell多)、上下には対称
  年齢とともに菲薄化するが、対称性は維持される

 初期緑内障のGCL菲薄化の特徴
  急峻かつ局所的…神経感度異常と相関
  網膜厚は不変

 Preperimetric Glaucoma(PPG)
  細いNFLD
  黄斑部GCLとRNFLの菲薄化
  下方のGCLの方が菲薄化→下方の方がGONが始まりやすい

 GCC=NFL+GCL+IPL
  NFL:神経線維層(神経節細胞の軸索がある)
  GCL:神経節細胞層(神経節細胞の細胞体の核がある)
  IPL:内網状層(双極細胞と神経節細胞をつなぐ神経線維がある)


近視眼の緑内障
  緑内障発症ピーク
   非近視眼 60歳代
   近視眼  40歳代
    20歳代でも発症がありうるということ

  近視(<-3.0D)は緑内障の危険因子
  視神経乳頭は多様に変形
   しかしGCLは乳頭形態に依存しない上下対称性がある

  初期緑内障検出力
   HRT(C/D比)<cpRNLF<Macular GCC<FLV


U.緑内障の進行速度判定
 Gold standardのHFA SITA24-2 standardでMD slope -1dB/年を検出するのに
  6ヶ月毎の検査では 3〜6年かかる
  4ヵ月毎の検査では 2〜4年かかる
  3ヶ月毎の検査では 学習効果で結果が良くなる
 視野障害進行と形態異常進行は必ずしも一致しない
 SD−OCT値はコンスタントに菲薄化
  Mean cpRNFL -3μm/年
  Mean mGCC -3μm/年
 CP+cpRNFL+mGCLを総合した解析が提案される





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