角膜手術の新しいトレンド

T.新しい角膜移植

従来の角膜移植のイメージ
 全層角膜移植
  透明治癒率 73%
  問題点
   内皮細胞が持続的に減少 1.5〜2.0%/年(通常0.3〜0.5%/年)
   大きい乱視
   駆逐性出血
   拒絶反応
   本当に全層を取り替える必要があるのか?

角膜疾患での障害部位
 瘢痕性角結膜障害
  角膜上皮幹細胞疲弊
 遺伝性ジストロフィ
  いずれかの層の障害
 実質炎後の混濁…実質の混濁
 水泡性角膜症…内皮機能不全

新しい角膜移植…角膜パーツ移植
 輪部移植
 DALK
 DSAEK(内皮移植)

輪部移植
 瘢痕性角膜障害眼
 角膜上皮の幹細胞を移植
 アログラフトでは拒絶反応対策が必要
 自己輪部移植後安定してから角膜全層移植することもあり

DALK Deep Anterior Lamellar Keratoplasty
 内皮機能には問題がない角膜が対象
 内皮+デスメ膜を残す手術
 手術後拒絶反応なし
 Big bubble technique
 適応
  格子状角膜ジストロフィ
  円錐角膜のCL不耐症

DSAEK
 ケラトームカットした内皮+後部実質を角膜後面から貼り付ける
 内皮機能不全眼が対象
 適応
  内皮機能不全
  PKPよりも早期に適応
  術後視機能がPKPより良い
  水泡性角膜症では角膜実質混濁や新生血管がおこってくる


U.フェムトセカンドレーザー Femtosecond Laser の利用

 極短光
 光切断 photo-dysruption
 zigzag切開を使ったPKP
  術後乱視 4.5D→3.0Dに減少
 lamellar surgery への応用
  無縫合ALK anterior lamellar keratoplasty
   適応:角膜感染症後の前部混濁
   術後CL装用

V.羊膜の利用

羊膜の特徴
 半透明
 免疫原性が少ない

利用法
 @眼表面のカバー
   アルカリ・酸外傷
 A基質の補填
   角膜穿孔例等
 B培養上皮のキャリア
   輪部上皮・口腔粘膜を培養する際のキャリア
   →再生医療につながる
   単一角膜上皮前駆細胞からシート作製
   無血清培地で角膜上皮シート作製可能
   例)培養自己輪部上皮移植
      右眼の輪部の一部→羊膜上で培養して左眼へ+PKP
     培養自己口腔粘膜上皮移植
      両眼の輪部×の場合+PKP





 
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