眼球運動障害
 運動系−末梢性運動障害←成人
    −核上性運動障害←小児
 異常過動…眼振

T.眼球運動系の評価法
 1.固視 fixation →視力検査
 2.両眼運動   →むき運動 version
 3.単眼運動   →ひき運動 duction
 4.眼位     →phoria/tropia
 5.瞳孔不同

眼球運動障害の評価のためのツール
  ”見た目に動かないからと言って『麻痺』とは限らない!”
 1.眼球運動制限の有無の判定
    両眼 version →単眼 duction →眼位ずれ検査
 2.拘束性 vs 麻痺性運動障害の判定
    ひっぱり試験(forced duction test)…例)甲状腺眼症で外直筋肥厚
    眼位性眼圧測定
 3.筋原性 vs 神経原性麻痺の決定
    テンシロンテスト…陽性→重症筋無力症
    筋電図(EMG)、眼球運動図(EOG)

検査の実際
 1.視力検査→固視ができているかということ
    視力不良→固有知覚(被検者の指を触って、そこを見させる)
 2.両眼運動→むき運動
    第1眼位(正面視)…固視機能
    第2眼位(上下左右)…注視機能:ともひき筋
                水平注視→橋の機能
                垂直注視→中脳の機能
    第3眼位(斜め方向)…単筋機能
 3.眼位←眼球運動制限の有無の判定
    斜視と斜位の診断
     遮蔽試験→斜視
     遮蔽・遮蔽除去試験→斜位
    麻痺性 vs 共動性斜視の区別→眼球運動制限の最終判定
     6方向の基本的むき眼位での交代遮蔽試験

U.水平性眼球運動障害の診かた
外転障害の診かた
1.外転障害 vs 外転神経麻痺 ←外転神経麻痺 vs 神経核性麻痺
    ABduction deficit vs AB nerve palsy
   Dr.Kashii's PseudoBCG: ← 外転神経麻痺=第6脳神経麻痺の6つのmimickers(もどき)
    Pseudo tumor orbitae = medial rectus myositis 内直筋炎
    Blow out fracture = medial wall fracture 眼窩内側壁骨折
    Congenital / Convergence spasm 先天性(Duane synd,Moevius synd)/近見反応の過剰(輻輳痙攣)
    Graves dis / myasthenia Gravis 甲状腺眼症/重症筋無力症
  
   PseudBCGを除いた時、6ヵ月後の自然寛解率75%(Medical Sixth)
2.ひっぱり試験(forced duction test)
   拘束性 vs 麻痺性運動障害の判定
    拘束性眼球運動障害
     内直筋炎…非特異的眼窩炎症症候群
          甲状腺眼症(IR>MR,SR>>LR)
     眼窩吹き抜け骨折(眼窩底>内側壁)
3.テンシロンテスト
4.外転神経麻痺 vs 外転神経核障害
   神経線維束障害…外転神経麻痺
   核性障害   …水平注視麻痺

   Duane症候群 vs Moevies症候群
    Duane症候群…単眼性だが核性障害を伴う唯一の例
           内外直筋が同時にはたらくので眼球後退が生じる
           ”外転障害+内転時のウインク”(左眼に多い)
            異常神経支配のため内・外直筋両方が収縮
    Moevies症候群…核性障害
            左右眼とも上下視○、内外転×
5.成人 vs 小児のY神経麻痺の主な原因疾患
   成人…虚血性血管障害、外傷、新生物
   小児…外傷、新生物>炎症

    成人の新生物…頭蓋底腫瘍(脊索腫、髄膜腫、鼻咽頭腫瘍、転移性腫瘍)
    小児の新生物…テント上腫瘍(脳幹神経膠腫、小脳星細胞腫、上衣腫)

    小児の炎症…ワクチン接種後、感冒様症状後、新生児一過性外転神経麻痺(Benson)など2〜3ヶ月で自然に治るものが多い

動眼神経麻痺の診断
1.診断の確定→2つのGの除外
   Graves病←forced duction test
    上転制限(IR)、内転制限(MR)
     鑑別診断:眼窩吹き抜け骨折
   MG←テンシロンテスト←小児:睡眠テスト、アイスパックテスト
    眼瞼下垂…疲労現象(上方視を続けさせる)
     cf:外転神経麻痺では外方視を続けさせる
2.動眼神経麻痺型眼球運動障害の特徴
   単筋の運動障害の評価法
    6方向の基本的むき眼位
     第2眼位…核上性の制御をチェック
     第3眼位…単筋機能をチェック
   単独 vs 複合麻痺
    上斜筋(滑車神経)麻痺の共存の有無の判定法
     思いっきり下方視させる
      →内方回旋(+)…上斜筋の機能(+)
           (−)…上斜筋の機能(−)
3.動眼神経麻痺と瞳孔
   動眼神経麻痺の診断
    瞳孔散大筋←交感神経
    瞳孔括約筋←副交感神経

    瞳孔散大筋麻痺…副交感神経のはたらき↑…暗所で瞳孔左右差↑ 
    瞳孔括約筋麻痺…交感神経のはたらき↑…明所で瞳孔左右差↑

   動眼神経麻痺における瞳孔の黄金則と適応の注意点(Trobe's Foot Notes)
    微小梗塞 vs 内頚・後交通動脈瘤
     微小梗塞による動眼神経麻痺は3ヶ月で4人に3人は完全に回復する。

4.成人 vs 小児の動眼神経麻痺の主な原因疾患
   成人…原因不明、血管性、動脈瘤
   小児…先天性>外傷性>炎症性、新生物
5.動眼神経麻痺の検査方針
   治療すれば死を免れる動脈瘤は、治療のできない眼科医が、時間を浪費してはいけない!
   ただちに脳外科へ対診
   ただし、40歳以上でisocoricであれば内科的精査も可能(症状出現2週間以内は2日毎の診察)


V.垂直性眼球運動障害の診かた
垂直眼球運動障害の診断
 両眼性 vs 単眼性

 単眼性上転障害の評価法
  1.forced duction test→眼窩吹き抜け骨折
               甲状腺眼症
  2.Bell現象
  3.前庭眼反射:人形の目現象

Parks-Bielschowsky3段階評価法
 1.第1眼位で、どちらの眼が高いか。
 2.左右を見た時、どちらので上下ずれが増強するか。
 3.頭部を左右に傾けた(チルトした)時、どちらで上下ずれが増強するか。

 理論的に責任筋を得ても、必ず実際の動きを見て決定する。

滑車神経麻痺の診断法
 先天性 vs 後天性
 "old-photo-scanning"
 共動性の伝播(spread of commitance)

Brown症候群の診断法
 下斜筋麻痺とBrown症候群の鑑別
 V現象、forced duction test
眼球運動の診かた

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