眼科診療データベース
追従固視 | 生直後にもある程度認められる。 |
追従固視運動 | 中心窩の発達に伴ってできるようになる。1ヶ月で3.9秒 |
PCR法 | ウイルスDNAの検出法…DNAポリメラーゼにより増幅し、電気泳動する。 |
logMAR視力 | 視力表の段階を等間隔にするため対数をとった視力表。ETDRSチャートもその一つ。 |
経毛様体扁平部水晶体切除術 | 白内障摘出術の一つ。毛様体扁平部から水晶体赤道部を通して水晶体嚢内に刺入し、水晶体内容を除去する術式。 硝子体手術との同時手術、水晶体亜脱臼、先天性白内障などで用いられる。 |
涙腺炎 | 急性涙腺炎 症状)上眼瞼が発赤・腫脹。涙腺部に圧痛を伴う腫瘤を触れる。 原因)細菌またはウイルス感染 慢性涙腺炎 症状)上眼瞼外側が膨隆。無痛性の腫瘤を触れる。 原因)サルコイドーシス、悪性リンパ腫、白血病、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患。その他全身を侵す感染症。 診断)CT、MRI。試験切除。 |
特発性眼窩炎症 | 原因不明の慢性非肉芽腫性炎症が涙腺に生じ、慢性涙嚢炎の+B7症状を呈するもの。炎性偽腫瘍とも呼ばれる。 |
白内障術後眼内炎 | 4大起因菌:球球ブ腸にアクネス→「救急部長にアクセス」 @早期発症型:急性化膿性炎症 黄色ブドウ球菌、腸球菌、レンサ球菌属(肺炎球菌など)、グラム陰性菌(緑膿菌、Moraxella属) 術後24〜48時間以内の発症が普通。多くは3〜4日後頃までには顕在化。 自覚症状:急激な眼痛、視力低下。 他覚症状:充血、浮腫、眼脂、眼瞼腫脹、前房混濁、前房蓄膿、眼圧上昇、硝子体混濁 A中期発症型:亜急性炎症 急性型起因菌より弱毒のCNSが代表菌 術後数日〜10日頃まで、あるいは週単位で 炎症は軽度、経過も比較的緩慢。 抗菌薬とストロイド薬に反応し、中止すると再燃を繰り返す。 B晩期発症型:慢性炎症 P.acnes眼内炎 術後2〜9ヵ月後に慢性虹彩毛様体炎を発症。 特徴:後嚢の白色塊 plaque 抗菌薬やステロイド薬により寛解し再発を繰り返す。 |
白内障術後眼内炎 (感染性と無菌性)の鑑別 |
感染性…多かれ少なかれ疼痛と眼脂(+) 無菌性(水晶体、眼内レンズなどが原因)…疼痛・眼脂(±) |
キノロン耐性淋菌による結膜炎治療 | セフスパン400mg経口投与 |
画像で外眼筋腫大 を呈する疾患 |
1.眼窩筋炎…痛くて、筋を収縮できない 2.甲状腺眼症…痛くなく、伸展しない(硬縮している) 3.頚動脈海綿動静脈洞瘻…拍動性耳鳴り、眼圧上昇、結膜充血+++、動眼・外転神経麻痺、眼球突出:中年女性 4.悪性リンパ腫 5.白血病 |
ICPC動脈瘤 | 動眼神経麻痺(眼瞼下垂、瞳孔散大、対光近見反応障害、眼球運動障害) |
視神経の部位別疾患 | @optic nerve…視神経炎 CT、MRIで陰性、STIRで陽性 A視神経乳頭炎…視神経全長が炎症 Bレーベル病 視神経の炎症ではない STIR…等信号 Cpia mata (軟膜) 白血病、悪性リンパ腫…炎症ではない。視神経周囲が高信号になる |
高齢者の飛蚊症 | 眼内悪性リンパ腫の初発症状として、硝子体炎、硝子体混濁を生じることがある |
子供の再発性霰粒腫 | クラリス50mgを続けて治ることがある |
角膜 | |
zoster sine herpete | VZVによる虹彩毛様体炎が顔面の皮疹を伴うことなく発症したもの |
帯状ヘルペス | 水痘・帯状ヘルペスウイルス(VZV)による 虹彩毛様体炎、桐沢型ぶどう膜炎を発症することあり |
樹枝状角膜炎 | HSVによる |
偽樹枝状角膜炎 | VZVによる。ただし、CL、アカントアメーバ角膜炎によるものをさすことがある |
Hutchinsonの法則 | VZVの再活性化によって発症する眼部帯状ヘルペスにおいて、その約1/3に虹彩毛様体炎が合併。鼻に皮疹を認める例で合併しやすい。 |
角膜真菌症 | ミコナゾール、フルコナゾールが第一選択 |
PCR法 | ウイルスDNAの検出法…DNAポリメラーゼにより増幅し、電気泳動する。 |
SPKの部位別診断 | @上方型…春季カタル、SLK、結膜結石、アレルギー性結膜炎 A瞼裂型…ドライアイ、神経麻痺性角膜症、糖尿病角膜症、ブドウ球菌性角膜炎 B下方型…兎眼、ドライアイ、結膜弛緩症、ブドウ球菌性眼瞼結膜炎 C全体型…薬剤毒性、ドライアイ、春季カタル、ミースマン角膜上皮変性症、、伝染性軟属腫(水イボ) D散在型…Tigeson E点状集合垂直…ドライアイ |
Stem cell 障害 | ・VOP`消失 ・表層性血管侵入 ・結膜上皮の角膜内侵入(delayed stainning) 先天性…無虹彩症 二次性…熱・薬品 原発性…スチーブンス・ジョンソン cf:アルカリ腐食 治療:洗眼、ステロイド内服・点眼 透明治癒するかは、POVが一部でも残存する(Grade3a)か完全消失(Grade3b)かによる |
眼類天疱瘡 | ・眼表面乾燥 ・結膜嚢が浅い(結膜嚢短縮) ・角膜内に周辺部血管侵入・混濁 |
フルオレセイン染色 | 正常では tight junction で通過できない細胞間に流れて行って染色される Early stainning…上皮欠損部位 Delayed stainning(数分後)…バリア機能障害 |
epitheal crack line | 上皮欠損の修復過程あるいは上皮欠損発生直前の所見 |
角膜上皮の流れ | ・ハリケーン ・epitheal crack line |
角膜バリア機能障害 | ・Delayed stainning ・バスクリン |
薬剤毒性角膜障害の治療 | 防腐剤無添加人工涙液のみにする 回復まで時間がかかる(1ヶ月以上) 眼圧コントロールの必要があるときは、一時的に内服(アセタゾラミド(2錠)) ドライアイのとき ベースラインに戻った後に治療(ドライアイだけにする) 炎症が強いとき 点眼追加せず、ステロイド内服(例:ベタメサゾン内服 1mg 4日間(4日間位では副作用なし)) |
角膜混濁の病態別分類 | 炎症(+)…浸潤性 炎症(−)…瘢痕性、沈着性 |
角膜ジストロフィーの治療 | @実質浅部まで…PTK Aそれ以深…角膜パーツ移植(DLKPなど) |
カタル性角膜潰瘍 | 別名:周辺部角膜浸潤 marginal catarrhal ulcer) ブドウ球菌またはその毒素によるアレルギー反応 実質内に炎症状の白色潰瘍 |
神経麻痺性角膜症 | 三叉神経第1枝障害時 三叉神経は知覚を伝達するだけでなく、角膜上皮に対し栄養的な作用もする 部位…角膜中央部 |
ヘルペス性角膜炎 | 子供の頃、初感染(無症状または結膜炎) 三叉神経に潜伏感染 再発性ヘルペス 初感染が起きていない人も多い 樹枝状角膜炎(Terminal bulb , Epitheal infiltration(潰瘍部に浸潤) ) 実質型 円板状角膜炎→(遷延・瘢痕化:実質への強い細胞浸潤、瘢痕、壊死)→壊死性角膜炎 |
実質型ヘルペス性角膜炎 | ステロイドは漸減(1ヶ月毎、半年かけて) ステロイド結膜下注射は再発しやすいので避ける |
アカントアメーバ | ○コンタクトレンズ装用 ○激しい眼痛 ・放射状あれば診断してよい ・ヘルペスに似た症状を呈することがある 偽樹枝状病変、円板状浸潤 ・治療:抗真菌剤(点眼+内服)+角膜切除…三者併用療法 |
RAの傍中心部角膜穿孔 | ・シェーグレンに多い ・急激に穿孔(1週間)、穿孔部周辺はきれい ・炎症所見に乏しい |
有水晶体眼性水泡性角膜症 | ○レーザー虹彩切開術後 ・角膜内皮炎(ヘルペス) ・Fuchs角膜内皮ジストロフィー |
円錐水晶体 | ・水晶体前面または後面の中央が徐々に突出 ・近視化 ・水晶体の形状の変化はごく微量なため、通常の細隙灯検査では見逃されることが多い ・Alport症候群…コラーゲンの遺伝子異常により基底膜に異常→腎炎、難聴、水晶体前面突出 |
角膜上皮接着障害 (再発性角膜びらん) |
・基底膜障害(+) ・治療…接着不良上皮を除去(基底膜やBowman膜を傷つけないように鈍的に除去) 除去後、抗生剤眼軟膏点入と圧迫眼帯、または治療用ソフトコンタクトレンズ(MUCL) ヒアルロン酸点眼薬 それでも治癒しない場合、 anterior stromal puncture(ASP)…基底膜を細い針で穿刺 それでも治癒しない場合、 phototherapeutic keratectomy(PTK)…接着不良上皮を除去しスムーズな切除面 |
角膜上皮の流れ | ・ハリケーン ・epitheal crack line |
薬剤毒性角膜障害の治療 | 防腐剤無添加人工涙液のみにする 回復まで時間がかかる(1ヶ月以上) 眼圧コントロールの必要があるときは、一時的に内服(アセタゾラミド(2錠)) ドライアイのとき ベースラインに戻った後に治療(ドライアイだけにする) 炎症が強いとき 点眼追加せず、ステロイド内服(例:ベタメサゾン内服 1mg 4日間(4日間位では副作用なし)) |
角膜混濁の病態別分類 | 炎症(+)…浸潤性 炎症(−)…瘢痕性、沈着性 |
角膜ジストロフィーの治療 | @実質浅部まで…PTK Aそれ以深…角膜パーツ移植(DLKPなど) |
カタル性角膜潰瘍 | 別名:周辺部角膜浸潤 marginal catarrhal ulcer) ブドウ球菌またはその毒素によるアレルギー反応 実質内に炎症状の白色潰瘍 |
神経麻痺性角膜症 | 三叉神経第1枝障害時 三叉神経は知覚を伝達するだけでなく、角膜上皮に対し栄養的な作用もする 部位…角膜中央部 |
ヘルペス性角膜炎 | 子供の頃、初感染(無症状または結膜炎) 三叉神経に潜伏感染 再発性ヘルペス 初感染が起きていない人も多い 樹枝状角膜炎(Terminal bulb , Epitheal infiltration(潰瘍部に浸潤) ) 実質型 円板状角膜炎→(遷延・瘢痕化:実質への強い細胞浸潤、瘢痕、壊死)→壊死性角膜炎 |
アカントアメーバ | ○コンタクトレンズ装用 ○激しい眼痛 ・放射状あれば診断してよい ・ヘルペスに似た症状を呈することがある 偽樹枝状病変、円板状浸潤 ・治療:抗真菌剤(点眼+内服)+角膜切除…三者併用療法 |
RAの傍中心部角膜穿孔 | ・シェーグレンに多い ・急激に穿孔(1週間)、穿孔部周辺はきれい ・炎症所見に乏しい |
有水晶体眼性水泡性角膜症 | ○レーザー虹彩切開術後 ・角膜内皮炎(ヘルペス) ・Fuchs角膜内皮ジストロフィー |
円錐水晶体 | ・水晶体前面または後面の中央が徐々に突出 ・近視化 ・水晶体の形状の変化はごく微量なため、通常の細隙灯検査では見逃されることが多い ・Alport症候群…コラーゲンの遺伝子異常により基底膜に異常→腎炎、難聴、水晶体前面突出 |
角膜上皮接着障害 (再発性角膜びらん) |
・基底膜障害(+) ・治療…接着不良上皮を除去(基底膜やBowman膜を傷つけないように鈍的に除去) 除去後、抗生剤眼軟膏点入と圧迫眼帯、または治療用ソフトコンタクトレンズ(MUCL) ヒアルロン酸点眼薬 それでも治癒しない場合、 anterior stromal puncture(ASP)…基底膜を細い針で穿刺 それでも治癒しない場合、 phototherapeutic keratectomy(PTK)…接着不良上皮を除去しスムーズな切除面 |
前房出血 | |
前房出血の予後 | 少量の出血 自然に消退 大量の出血 角膜染色(角膜血染)…ヘモグロビン、ヘモジデリン →前房洗浄が必要 |
外傷による前房出血 | 隅角後退、虹彩離断 出血の消退後かなり経過して眼圧が上昇することがある (何年後もある) (鈍的外傷の3.4%が緑内障に進展) 内眼手術 トラベクレクトミー トラベクロトミー ECCE,ICCE |
虹彩や隅角の新生血管の破綻 | 糖尿病網膜症 網膜中心静脈閉塞症 内頚動脈閉塞症に代表される眼虚血症候群 Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎 ぶどう膜炎の一種 片眼性 前部ぶどう膜炎、虹彩異色、虹彩萎縮、白内障 隅角に新生血管→緑内障 前房穿刺時に前房出血(Amsler sign) 転移性虹彩腫瘍 白色調またはピンク色 腫瘍内血管の破綻による前房出血をみることがある 進行すると眼圧上昇→緑内障 若年性黄色肉芽腫 juvenile xanthogranuloma 母斑の一種 顔面に好発 眼症状 ときに虹彩のびまん性の肥厚ないし限局性の小結節 しばしば再発性の前房出血、続発緑内障 自然消退する |
炎症(虹彩毛様体炎) | |
前房蓄膿を来たす疾患 | ベーチェット病 多核白血球(好中球)→きれいなニボー形成 さらさらして可動性に富む ベーチェット病以外の前部ぶどう膜炎(AAU) フィブリンが混在するため中央部がわずかに盛り上がる 細菌性眼内炎(内眼手術後の眼内炎や転移性眼内炎) 多核白血球 クラム陰性桿菌などでは角膜潰瘍を生じる 水晶体起因性眼内炎 多核白血球、マクロファージ 中枢神経系白血病 まれに白血病細胞が眼内に浸潤し、偽前房蓄膿を生じる |
前房蓄膿を来たさない疾患 | サルコイドーシス VKH病(初発時) 桐沢型ぶどう膜炎 トキソカラ トキソプラズマ |
前房蓄膿の計時的変化 | 6時方向の Pigment pallet(色素塊) 増加 …虹彩炎の既往を示す |
虹彩毛様体炎 繊維素の析出 |
AAUが代表的疾患 cf:AAUの特徴 強い充血 デスメ膜皺 繊維素析出 前房蓄膿 cf:AAU 糖尿病虹彩炎 潰瘍性大腸炎に伴うぶどう膜炎 強直性脊椎炎に伴うぶどう膜炎 HLA-B27関連ぶどう膜炎 |
角膜後面沈着物 keratic precipitates(KPs)の特徴 |
サルコイドーシス 大小不同 白色、豚脂様(境界不鮮明、やや厚みがある) ←組織球、類上皮細胞 VKH病再燃時 一定の大きさ、境界鮮明 ヘルペス性虹彩炎/桐沢型ぶどう膜炎 高密度のKPs(+高眼圧)→終焉とともに、色素を含んだKPs ←限局性の虹彩色素脱出 隅角の色素の増加 VZV+レクトミー→濾過胞にも色素沈着することあり HSV内皮炎 円盤状の角膜実質浮腫に一致したKPs ポスナー・シュロスマン症候群 少数、中型、厚みがある、境界明瞭 瞳孔領からやや下方に存在 Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎 小型、白色、辺縁の毛羽立った(とげ状) 広範囲にびまん性に存在 計時的に、色素を含むことがある |
虹彩後癒着を起こしやすいぶどう膜炎 | ベーチェット病 潰瘍性大腸炎、AAU等 |
虹彩後癒着を起こしにくいぶどう膜炎 | ポスナー・シュロスマン症候群 Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎 |
腫瘍 | 眼内悪性リンパ腫・白血病 転移性虹彩腫瘍 |
黄斑円孔 | |
黄斑円孔の自覚症状 | 中心暗点は自覚しない |
黄斑円孔 fluid cuff |
円孔の縁取り ・新鮮例…突出 ・陳旧例…扁平、沈着物 |
Watske-Allen sign | 円孔幅より細いスリット光を黄斑円孔部に照射すると、円孔部で細く見える(thinning) |
黄斑円孔 Gass分類 |
Stage1A 中心窩剥離 Stage1B 黄斑剥離(切迫円孔、潜伏円孔、円孔の拡大) 以上、牽引が取れて自然寛解する可能性があるので、手術せず経過観察 Stage2 pseudo−opeculum化、潜伏円孔+列隙 Stage3 円孔+pseudo−opeculum Stage4 円孔+PVD |
黄斑円孔 手術適応 |
Gass分類 Stage2以上。ただし、明らかな視力低下があれば1Bでも。 発症後2年以内は適応 特に6ヶ月以内は積極的適応 |
黄斑円孔の恒久的閉鎖 | @後部硝子体皮質の除去…増殖膜の除去 Aガスによる円孔周囲組織の伸展・圧迫 B内境界膜 ILM の除去 |
中心性漿液性脈絡網膜症 | |
慢性のCSC | 再発を繰り返したり、網膜剥離が持続 他科でステロイド薬投与、慢性腎不全が背景にあることがある |
CSS 治療 |
3〜6ヶ月以上待っても治らない場合、漏出点が中心窩から離れていればレーザー凝固を考慮 |
加齢黄斑変性症 治療 |
中心窩外CNV…レーザー光凝固 中心窩…光線力学療法 |
ドライアイ | |
眼表面感染起因菌 | SSPM…Staphylococcus,Streptococcus,Pseudomonus,Morax |
肺炎球菌の治療薬 | βラクタム(ベストロン(セフメノキシム)) |
真菌 | @糸状菌型 Fusarium …植物外傷。羽毛状で辺縁不整。治療にピマリシン必須。:外因性。健常人でも生じる A酵母菌型…内因性(ステロイド、免疫不全状態など) 検査:ファンギフローラY |
アカントアメーバ | 寄生虫。99%CLの不適切装用関与。 治療:アゾール系(抗ウイルス薬)+ソウハ、クロルヘキシジン、PHMB 強膜炎を合併すると痛い。 放射状→輪状浸潤の形を呈する。 |
マイボーム腺炎角膜上皮症 | @P.acnesが起因菌…若い女>男。 霰粒腫と角膜フリクテンを繰り返している若い女性では、P.acnes が起因菌であることが多い。 治療:フロモックス…1ヶ月まで内服可能 クラリス…200mg 分2で長期投与可能 Aブドウ球菌が起因菌…高齢者。結節病変、SPK。 角膜瘢痕化抑制…抗原の排除 上皮・実質細胞のサイトカイン抑制…フルメトロン点眼 |
薬剤性角膜障害 | wash out しても、おそらくコンプライアンス悪い。ベタメタゾン1.0mg内服が有効。 Delayed Staining …wash out には時間がかかる(2ヶ月) 真の薬剤性角膜障害の傷は角膜のみ 動きのある上皮障害(ハリケーン角膜症:幹細胞疲弊) |
角膜渦状混濁 | @Fabry病 渦状角膜混濁、白内障、乳頭浮腫、網膜血管拡張 Aアミオダロン(アンカロン)角膜症 角膜上皮深層に褐色の渦状の色素沈着を呈する。 アミオダロン(心臓病薬)投与患者の2/3に発症。 |
角膜の厚さ比 | 角膜の厚さ比 上皮:実質:内皮=0.1:1:0.01 角膜のバリア機能比 上皮:実質:内皮=2000:1:10 |
角膜上皮バリア | @細胞膜 Atight junction |
Mooren潰瘍 | 角膜関連抗原が関与。 治療:シクロスポリン内服。治療用SCL連続装用。Keratoepitheal plasty?(KEP)(めくれ上がった潰瘍周辺部を除去) |
RA | 血管炎が起こっている。 抗TNF−α抗体治療 |
杯細胞 goblet cell | ムチンを分泌。結膜のほぼ全域に存在。 杯細胞が減少する疾患…眼類天疱瘡、Stevens-Johnson症候群、熱化学腐食、放射線角結膜上皮症 |
palisade of Vogt(POV) | 健常な輪部上方における放射状のひだ構造。角膜上皮の幹細胞 stem cell が存在。 |
ドアイアイの分類 | 1.涙液減少型…@シェーグレン症候群(SS):水分減少 Aシェーグレン症候群以外(Non-SS):水分減少 2.蒸発亢進型…@マイボーム腺機能不全(MGD):油分減少 A瞬目不全(VDTなど):相対的油分減少 Bコンタクトレンズ:相対的油分減少 C上皮の角化関連疾患(Stevens-Johnson症候群など):ムチン減少 |
ドライアイの自覚症状 | @目が乾く…上皮障害 A涙が出る…反射性 B手足が冷える(自律神経?) C充血…上皮障害 D10秒以上目を開けているのがつらい |
ドライアイの落とし穴 | 結膜の傷が重要。結膜障害>角膜障害 |
涙液減少に対する問診 | @知覚神経障害…角膜切開手術(LASIKなど)、糖尿病、高齢、点眼液(βブロッカー、NSAID) A顔面神経障害(中枢性)…脳外科手術など B抗コリン作用薬剤…精神科薬(不眠症など) C涙腺障害…Stevens-Johnson症候群、膠原病、高齢 |
涙液量を変えない染色法 | @フルオレセイン試験紙に2滴点眼液をたらして強く振り切る(付けすぎるとかえって見にくい) A下眼瞼縁のメニスカスの涙液の水際を少しだけ染色(結膜をこすると刺激になる) |
BUT | 3回測定して平均する。異常値:平均≦5秒 |
涙液メニスカス | 眼表面全体の涙液量の75〜90%が貯留。 まずフルオなしで見る。 高さの目安 cut off : 0.25mm |
角膜糸状物 | 代表的疾患:乾性角膜炎 ムチン質の核とそれを囲む増殖・変性した角膜上皮細胞から成る。 |
凹んでいる眼瞼縁 | その部位でマイボーム腺が欠如しているということ |
閉塞性MSGの典型的SPK | @プラグ形成 A中央やや下の上皮障害(Reflex loop が正常のため程度は軽い) |
蒸発亢進の3つの”コン” | パソコン エアコン コンタクト |
HCL装用眼のドライアイ | @3時−9時ステイニング ABitot 斑(泡沫用変化) B瞼裂斑(炎) |
シリコーンハイドロゲルCL | 硬いためエッジで結膜圧迫 |
瞬目時の摩擦が関係する ドライアイのリスクファクター |
@Lid Wiper Epitheliopathy (LWE)(上眼瞼反転した眼瞼縁付近の上皮障害) ASLK B結膜弛緩症(CCh)…強い瞬目で結膜が出てこないか見ることが大事 |
ドライアイ診断ステップ | 問診、メニスカスの高さと涙の汚れを観察 最少量のフルオレセインを投与 @BUTの測定(3回平均) A上皮障害の観察、スコアリング(結膜→角膜) B上流のリスクファクターのチェック(MGD、兎眼、3つのコン、SLK、CCh、LWE) |
ドライアイ確定診断 | 1,2,3をすべて満たす→ドアイアイ確定 1,2,3のうち2つを満たす→ドライアイ疑い 1.症状(眼不快感、視機能異常) 2.涙液異常:@またはA @Shirmer T法≦5mm ABUT≦5秒 3.上皮障害:@、AまたはB @フルオレセインスコア≧3 Aローズベンガルスコア≧3 Bリサミングリーンスコア≧3 *角膜、鼻側結膜、耳側結膜それぞれの障害を0〜3度に判定 |
シルマーテストT法 | 感度、特異度、再現性に限界あり 異常値:≦5mm/5分 |
人工涙液点眼回数 | 涙液中のムチンや脂質も洗い流すため、1日10回までとする。 |
防腐剤無添加人工涙液 | ・ソフトサンティア ・アイリスCL…PF容器入り 1,000円 |
アイリスCL | PF容器入り防腐剤無添加人工涙液 1,000円 |
ヒアルロン酸点眼の 使い方例 |
通常 ヒアルロン酸点眼をまず先に、1分後に防腐剤無添加の人工涙液を点眼 …ヒアルロン酸の保水性を生かす。防腐剤希釈。 防腐剤を含んでいる場合には、1日6回までとする。 ドライアイの場合…眼表面(とくに結膜)に炎症が関与している ドライアイで、充血や点眼をしても刺激症状が強い場合には、炎症の上乗せを考える。 ・低力価ステロイド点眼(0.1%フルオロメトロン) ・防腐剤無添加のステロイド点眼はないので、点眼回数は2回程度とする。 |
自己血清点眼 | ビタミンA、EGF等が含まれる。 |
涙液減少型ドライアイの 点眼治療法 |
初診例では、防腐剤無添加の人工涙液 頻回点眼(6〜10回/日)を1ヶ月 →SPKが下方にシフトするかどうか観察する。 軽症…SPKが下方1/3に限局 防腐剤無添加人工涙液 7回/日 or ヒアルロン酸点眼 6回/日 中等症…SPKが下方1/3を越えるが、角膜中央を含まない 防腐剤無添加人工涙液 7〜10回/日 and ヒアルロン酸点眼 6回/日 0.1%フルオロメトロン点眼、抗菌剤 2回/日(眼脂・刺激症状ある時) 重症…SPKが角膜中央を含み、角膜全体に分布 点眼は中等症と同じ。 点眼で改善しない場合には、涙点プラグ挿入に移行する。 |
ドライアイの注意所見 | @糸状角膜炎 Amucus plaque ・角膜表面でのムチンの蓄積→ヒアルロン酸は使用しない ・比較的重症なドライアイに見られる→涙点プラグの適応になることが多い …ただし、turn over が悪くなり、ムチンがより蓄積する可能性がある ・刺激症状が強い場合は、低力価ステロイドを処方する |
BUT短縮型ドライアイ | ・角膜上皮障害の程度に比して、乾燥感、眼精疲労などの自覚症状が強い ・涙液量は正常 |
BUT短縮型ドライアイの治療 | 防腐剤無添加人工涙液・ヒアルロン酸点眼 単独もしくは併用 6回/日 眼精疲労が強い場合…0.025%サイプレジン点眼 1回/日(自家調整) それでも自覚症状が改善しない場合、涙点プラグ挿入を考慮 |
結膜弛緩症を伴う 涙液減少型ドライアイ |
涙液メニスカス機能不全→ドライアイの悪化 点眼液の貯留量↓→点眼効果↓ 異所性涙液メニスカス形成→涙液の不安定化 結膜−結膜、角膜−結膜の摩擦による炎症 点眼治療 クラビット・0.1%フルメトロン 2回/日 ソフトサンティア点眼液 6回/日 ヒアルロン酸点眼は使用しない…炎症が悪化 ↓ 改善しない場合、手術 術後はヒアルロン酸の点眼も使用可能 |
SLKを伴うドライアイ | 防腐剤無添加人工涙液 低力価ステロイド点眼(0.1%フルメトロン) ビタミンA点眼 血清点眼 ↓ 改善なし 上・下涙点プラグ挿入 |
薬剤性角膜上皮障害 | 原因 ・防腐剤、アミノグルコシド系抗菌薬、非ステロイド抗炎症薬、抗緑内障薬(βブロッカー、プロスタグランジン製剤)、抗ウイルス薬 ・ドライアイでは、涙液量が少なく、turnoverが低下していることから、薬剤や防腐剤の影響を受けやすい 角膜所見 ・delayed stainning → epithelial crack line ドライアイ+薬剤毒性 ・角膜上皮障害?結膜上皮障害 薬剤性が疑われた場合 ・全ての点眼液を中止、防腐剤フリーの人工涙液(ソフトサンティア)で wash out ・約2週間〜1ヶ月で改善 予防 ・できるだけ防腐剤を含まない点眼薬を処方 タリビッド点眼液、クラビット点眼液 ユニットドース点眼(インタールUD、ヒアレインミニ) 防腐剤フリー容器(チマバック、リンベタPF、ブロキレートPF、クモロールPF) ・緑内障合併例では、βブロッカーでは、上皮への影響が少ないカルテオロール(ミケラン、ブロキレート)を選択する ・白内障術後では、非ステロイド抗炎症薬やリンデロンA(フラジオマイシン含有)を避け、リンデロン、リンベタPFを選択する |
上・下涙点プラグ挿入術後 | ・涙液のturn over が低下し、薬剤および防腐剤の影響が出やすくなる ↓ 防腐剤を含む点眼液 1〜2回/日 防腐剤無添加の人工涙液 6回/日(眼脂のwash out) ヒアルロン酸は中止 |
ドライアイとステロイド点眼 | ・BUT、シルマー値は改善しない ・自覚症状改善 |
ステロイドによる角膜混濁の軽減 | ・0.1%ベタメサゾン(リンデロン)点眼 抗菌薬点眼 併用 ・効果の発現に時間がかかる まず1ヶ月継続 効果を判定 2〜3ヵ月継続 効果に合わせて中止 ・若年者のほうが効果が早く高い ・眼圧、水晶体のチェック |
治療用コンタクトレンズ | ・アキュビュー…薄い 1ヶ月交換 ・plano D …厚い 1mmを超える大きな穿孔創の角膜穿孔 長期間使用ではない(例外:水泡性角膜症など) 抗菌剤併用 必要においてステロイド併用 上皮の接着に1〜2ヶ月かかる |
涙点プラグ | 0.6mm以下…SFP 0.7mm以上…PP 初心者はフレックスプラグ 脱落 肉芽 白色塊 フレックス 3+ − − スーパーフレックス + ± − 迷入しやすい パンクタル ± 3+ 3+ BUT短縮型…適応(+) 結膜弛緩症…適応(−) |
結膜弛緩症 | 続発する疾患 ・球結膜下出血 ・いわゆる”慢性結膜炎”(充血、眼脂) ・マイボーム腺機能不全 緑内障眼には禁忌 涙洗して他方の涙点から少しでもreflexあれば手術無効 |
マイボーム腺機能不全 | ・閉塞性:涙液油層の減少→涙液亢進型ドライアイ ・脂漏性:@眼瞼縁における炎症…炎症による刺激症状 Aマイボーム腺における脂質の蓄積…蓄積による圧迫感、ドライアイの2つが症状の原因 脂肪酸→眼瞼縁の炎症、組成の変化→粘度↑、蓄積 |
マイボーム腺開口部付近の 異常所見 |
VIP-DR @Vascularity AIrregularity BPlugginng CDigital pressure DRetroplacement(MC-Jの乱れ)…マイボーム腺は皮膚側に開口(mucocutaneous junctionは瞼縁内側にある) |
マイボーム腺内の常在細菌の正常化 | テトラサイクリン系(ミノサイクリン)抗菌薬内服 →静菌+リパーゼ活性↓ → 細菌叢の正常化 →消炎、油脂の正常化 |
BUT短縮型ドライ | 症状 ・SPKほとんどなし ・非常に強い症状:乾燥感、眼精疲労、上眼窩神経痛など) しばしば若い年齢層のCL装用・VDT作業の不耐症の原因 涙液が極端に不安定→見え方不安定→調節の酷使→強い眼精疲労、上眼窩神経痛 |
夜間兎眼 | ・就寝時の眼瞼閉鎖不全による乾燥 ・ベル現象のため、角膜最下方に上皮障害 ・重症例では糸状物を伴う ・眼軟膏の就寝前投与が有効 ・昼間兎眼もある…瞬目不全、大きな目 |
LASIK後のドライアイ | ・術直後よりBUT、シルマー値低下 数ヶ月は乾燥症状が持続する ・角膜への神経切断→角膜知覚↓…神経麻痺 ・角膜上皮危弱…接着・分裂能↓、角膜上での涙液の安定性↓ ・治療:ヒアルロン酸、人工涙液点眼 重症例には涙点プラグを考慮 薬剤毒性も起こしやすい(ドライアイ+知覚低下) |
Meige症候群 | ・大脳基底核の異常…両側の眼瞼痙攣 口、顎の不随意運動が特徴、眼乾燥感を訴える ・角結膜上皮障害は基本的にない ・治療抵抗性のドライアイとして治療される ・治療:抗パーキンソン薬、向精神薬、ボツリヌス毒素 ・チェックポイント ドライアイの診断基準を満たしているか 角膜上皮障害に比較して目の違和感が強くないか 眼瞼下垂の存在や開瞼努力時に口、舌、顎の不随意運動がないか ・局所点眼麻酔薬点眼→開瞼しやすくなるはずなのに改善しない |
上輪部角結膜炎(SLK) | ・中年女性に好発、70%にドライアイを併発 ・甲状腺機能亢進症 1/3に合併 ・不定愁訴…診断には下方視が鍵 ・治療戦略…涙液減少、角化抑制、摩擦軽減 ・検査…甲状腺機能チェック、涙液量減少 ・病因…明らかな発症原因は不明 眼瞼と結膜の摩擦、上方の結膜弛緩症 ・3要素…瞬目による摩擦、ドライアイ、結膜弛緩症 ・具体的治療法 人工涙液、ヒアレイン 涙点プラグ 治療用コンタクトレンズ 外科的切除…結膜弛緩症 |
ドライアイによる糸状角膜炎 | ・角膜・結膜上皮・分泌物(ムチンなど)→点状の上皮欠損部に付着、上皮細胞がからまる ・点眼治療 →涙点プラグ…上下涙点 +治療用コンタクトレンズ(アキュビュー)…角膜糸状物付着の抑制 +抗菌点眼薬 4回 |
眼表面異常を来たす疾患 | ・原発性 眼類天疱瘡 スチーブンス・ジョンソン症候群 MRSA感染しやすい 瘢痕期でも網膜下組織に高度の炎症細胞浸潤 →移植で拒絶反応を起こしやすい GVHD ・続発性 熱・化学腐食 再発性翼状片 トラコーマ ビタミンA欠乏症 |
眼類天疱瘡 | ・緩徐に進行する原発性の角結膜上皮疾患 ・本態は上皮基底膜の抗原に対する自己抗体が存在し、基底膜に自己抗体が結合することにより炎症が生じる ・眼結膜表面の疲弊→結膜侵入、結膜嚢短縮(◎結膜嚢が浅くなっていく!) ・眼手術・処置で容易に遷延性角膜上皮欠損 ・末期には重度のドライアイ ・治療:初期は点眼治療 末期は表層角膜切除+輪部移植+羊膜移植+MMC処理 術後…サイクロスポリン内服・点眼+血清点眼 で再発例少ない |
Graft vs Host Disease | ・角膜移植に限らず、白血病への骨髄移植などどんな移植でも起こる ・ドナーの免疫細胞がホスト細胞を攻撃 急性型(3ヶ月以内)…結膜炎 慢性型(3ヶ月以後)…ドライアイ ・治療:シクロスポリン+人工涙液+自己血清の点眼 ・ドライアイ…半数に起こる ・重症化例もある |
慢性眼瞼縁炎 | Anterior blepharitis…まつ毛付近 ・毛瘡性…ブドウ球菌による化膿性炎症→睫毛禿 治療:抗菌眼軟膏 ・脂漏性…眼瞼皮膚の皮脂腺の分泌過多による炎症で非感染性→睫毛禿(−) 治療:局所の清浄化 Posterior blepharitis…マイボーム腺開口部 ・MGD ・Mibomitis |
閉塞性MGD | ・予想外の高度SPK生じることあり ・涙液減少合併 ・薬剤毒性合併 ・マイボーム腺炎角膜上皮症 治療:クラリス 1日1錠 SPKが治るまで クラリスは静菌+抗炎症 一旦治ると再発しない |
Pseudoepiphora | ・軽度のドライアイで流涙を感じる ・防腐剤無添加人工涙液点眼 ・不定愁訴 ・ドライアイ+結膜弛緩症でも流涙生じることあり 治療:ますソフトサンティア点眼液 |
重症スチーブンス・ジョンソン | ・ソフトサンティア点眼液 ・プラグの閉鎖性の確認 感染閉鎖なら角膜障害(−) |
緑内障 | |
PACGの背景 | 「高齢な女性で遠視眼」 女性?男性 遠視??近視 中年以降(50歳代以降が多い)、70歳代に発症はピーク アジア人?欧米人 |
毛様体ブロック緑内障 | 別名:悪性緑内障 または aqueous misdirection glaucoma 通常、濾過手術などの術後に突然の高眼圧として発症する緑内障 極端な浅前房、高度の眼圧上昇 ピロカルピンによりかえって眼圧上昇、通常の緑内障手術が無効 原因:毛様体ブロック(原因不明)→房水の硝子体腔への流入(aqueous misdirection glaucoma)→水晶体・虹彩の前方移動→隅角閉塞 治療:アトロピン点眼により毛様体筋を弛緩させ毛様体ブロックを解除する 硝子体手術あるいはYAGレーザー前部硝子体破壊術により硝子体腔の房水を前房へ導く流路を形成 |
急性PACG治療の一例 | @2%サンピロ点眼液 10分毎に数回 Aマンニトールまたはグリセオール点滴(500ml/30分) …容量が少ない(300ml以下)、または点滴静注速度が遅い(1h以上)と眼圧下降効果が減弱の可能性 糖尿病…マンニトール 腎疾患…グリセロール(80%が肝で代謝。腎障害が高度なら内科医と連絡を保ち治療に当たる Bダイアモックス(500mg)静注 Cβブロッカーの点眼1回 Dステロイド点眼4回/日…消炎目的 |
Van Herick法 | 鼻側および耳側の周辺前房深度/角膜厚比<1/4→積極的に隅角検査を行わなければ隅角閉塞を見落とす可能性あり Grade1:PAC<1/4CT Grade2:PAC=1/4CT Grade3:PAC=1/4〜1/2CT Grade4 or lager:PAC>=1CT |
偽落屑物質 | Zinn小帯の脆弱性(+) |
発達緑内障 | 胎生期における眼球の発育過程において、隅角の発達異常が生じた場合、房水の流出障害をきたすと緑内障になる(先天性緑内障)。 生後まもなくもしくは幼児期に発症するが、特に後者を発達緑内障developmental glaucomaと呼ぶことがある。 常染色体劣性遺伝。やや男児に多い傾向。遺伝子の発現頻度は低く、両親が保因者(キャリア)であっても生まれた子どもに発症する確率は低い。 |
SLT | Selective Laser Trabeculoplasty (half YAG) |
眼底異常?視野異常 | @10-2プログラム A30°以内より外側から視野障害が始まる場合も少ないため、周辺視野異常が疑われる例では30°〜60°の範囲の視野検査が必要 |
視野異常?眼底異常 | @正確に視野検査が行われていない…スクリーニングプログラムやゴールドマン視野計が診断補助になることがある A頭蓋内や副鼻腔病変など視神経への侵襲を来たす疾患を検索 B眼循環不全…内頚動脈を超音波検査 |
緑内障との鑑別 | ・(Superior segment optic hypoplasia)SSOH ・後頭葉梗塞による半盲 |
甲状腺眼症 | |
甲状腺眼症 概論 |
・自己免疫性の甲状腺疾患(Basedow病、橋本病)に伴って生じることが多い ・特にその症状の一つである眼球突出はBasedow病の眼症状と考えられてきたが ・TAOは甲状腺疾患がなくても生じる独立した自己免疫性疾患である ・甲状腺疾患に伴う場合でもその治療状況(甲状腺機能)とは直接の関連を持たない ・病型、症状は多様 |
甲状腺眼症 症状 |
・まぶたの異常…最も多い症状 ・瞼板筋の過緊張が原因の一つと考えられる 眼瞼後退(lid retraction 、びっくり眼) 眼瞼遅動(lid lag) …TAOの特徴的所見 ・眼瞼浮腫…朝に強い ・眼球運動障害(複視)…外眼筋の肥厚・繊維化に伴う筋の「伸展不良」による ・下直筋が傷害されやすいため、上方視時の複視が最初の自覚症状であることが多い ・外眼筋の肥厚が著明になると眼窩先端部で視神経を圧迫し、視力、視野障害をきたすことがある(甲状腺視神経症) ・眼球突出 ・4割に認められる。 ・外眼筋の肥厚よりも眼窩内軟組織(脂肪等)の腫脹が主体 ・眼球突出の程度は「眼球運動障害」、「甲状腺視神経症」の程度とは相関しない ・逆に言えば、眼球突出に伴わずに外眼筋の肥厚による眼球運動が生じるTAOが多数存在する |
甲状腺眼症 診断 |
・臨床診断 ・画像診断(CT,MRI)…外眼筋の肥厚 以下不可欠ではない ・甲状腺機能異常 ・自己抗体(TSH刺激性抗体、サイログロブリン抗体、抗TPO抗体)検出 |
甲状腺眼症 治療法の選択 |
急性期…放置すると悪化 消炎、免疫抑制剤 ステロイド治療(とくにステロイドパルス療法) 眼瞼結膜の浮腫、発赤、球後痛、外眼筋の肥厚…ステロイドに良好に反応 眼窩内軟組織の腫大…ステロイドに反応しない→眼球突出の改善は困難 慢性期…進行しにくいが不可逆性 外科的治療(眼窩減圧術、斜視手術等) 禁煙 |
甲状腺眼症 Clinical Activity Score for TAO (甲状腺眼症の臨床活動性指数) |
T.痛 み 球後痛 (1点) 眼球運動時痛 (1点) U.発 赤 眼瞼発赤 (1点) 結膜充血 (1点) V.浮 腫 結膜浮腫 (1点) 涙丘浮腫 (1点) 眼瞼浮腫 (1点) 球後突出 (4点) (3ヶ月で2mm以上悪化) W.機能障害 視力低下 (3ヶ月で1段階以上低下)(4点) 眼球運動制限 (3ヶ月で5°以上悪化) (4点) 1点以下:経過観察(最長3ヶ月毎) 2〜3点:眼局所治療、ステロイド内服(プレドニゾロン30mgから漸減) 4点以上:ストロイドパルス療法(3クール、3ヶ月以上かけて漸減) |
サルコイドーシス 眼病変を強く示唆する臨床病変 |
1.肉芽腫性前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物25%(KPs48%)、虹彩結節) 2.隅角結節またはテント状周辺虹彩前癒着 3.塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状) 4.網膜血管周囲炎(主に静脈)および血管周囲結節 5.多発するろう様網脈絡膜滲出斑または光凝固斑様の網脈絡膜萎縮病変 6.視神経乳頭肉芽腫または脈絡膜肉芽腫 |
原田病 | |
原田病 病期 |
1.前駆期 70%に発生。 軽い頭痛、めまい、嘔気、微熱、感冒様症状が突然生じる。 頭髪を触るとピリピリする感じのあることがある。 2.眼病期 90%は両眼性 浸出性網膜剥離 強い前部ぶどう膜炎を伴う場合、毛様体扁平部剥離を生じ浅前房と眼圧上昇を来たすことがある ←治療:ステロイド薬+アトロピン点眼(ピロカルピン、レーザーPIは禁忌) さまざまな全身症状…内耳症状(耳鳴り、難聴)、髄膜炎症状(頭痛、頸部硬直)、頭髪のピリピリ感 3.回復期 夕焼け状眼底、杉浦現象(輪部に近い結膜の色素消失) 皮膚白斑、脱毛、白髪 4.再発期 豚脂様PKや虹彩結節を伴う肉芽腫性前部ぶどう膜炎 |
原田病 眼病変(両眼性) |
a.早期病変 びまん性脈絡膜炎 (a)多発性巣状網膜下液、または(b)胞状網膜剥離 b.晩期病変 (1)眼の脱色素 (a)夕焼け状眼底、または (b)杉浦サイン…輪部に近い結膜の色素の消失 (2)その他の眼症状 (a)多数の脈絡膜脱色素瘢痕巣、または (b)網膜色素上皮の色素移動や集積、または (c)再発性、あるいは慢性の前部ぶどう膜炎 |
雪玉状硝子体混濁 | 中間部ぶどう膜炎(周辺部ぶどう膜炎)、サルコ+B157イドーシス |
繊維血管性増殖組織 | fibrovascular proliferation(FVP) 糖尿病網膜症の一症状。 膜状の外観を呈したものを単に増殖膜と呼ぶ。 黄斑偏位や黄斑ひだを生じることがある。 |
シリコーンオイル | 疎水性の油状液体。水より軽いので、眼内では上方に位置する。 通常、硝子体切除後に眼内に注入し、1〜6ヶ月を目安に抜去する。 網膜との境界面のシリコーン下増殖、乳化したシリコーンによる眼圧上昇、水晶体との接触による白内障、角膜内皮との接触による帯状角膜変性、水疱性角膜症などの合併症がある。 |
硬性白斑 | 病的血管から血管外に漏出した蛋白質や脂質成分が外網状層で凝縮・沈着したもの |
軟性白斑 | 別名:綿花状白斑。 血管閉塞により網膜が虚血に陥り蒼白化したもの |
網膜前出血 | preretinal hemorrhage niveau形成 @内境界膜と神経繊維層の間の出血 A後部硝子体膜と内境界膜との間の出血 |
網膜出血 | @網膜浅層出血:神経繊維層(内境界膜の次の層)内の出血。はけ状。 A網膜深層出血:主に外網状層(Henle繊維層)内の出血。点・しみ状 dot and blot |
網膜下出血 | 視細胞と網膜色素上皮の+B180間、または網膜色素上皮とBruch膜間の血液貯留。円形または楕円形の暗い色調。ほとんど脈絡膜血管新生による。 |
Bruch膜 | 脈絡膜の最も網膜側にある組織。 加齢黄斑変性では、脈絡膜新生血管がBruch膜を破り網膜色素上皮下へ進入する。 機能 @血漿成分を透過させる:脈絡膜毛細血管によって運ばれてきた酸素や栄養物質を網膜色素上皮に透過させる。 A細胞の侵入を防ぐ |
眼底異常>視野異常 | @10-2プログラム A30°以内より外側から視野障害が始まる場合も少なくないため、周辺視野異常が疑われる例では30°〜60°の範囲の視野検査が必要 |
視野異常>眼底異常 | @正確に視野検査が行われていない…スクリーニングプログラムやゴールドマン視野計が診断補助になることがある A頭蓋内や副鼻腔病変など視神経への侵襲を来たす疾患を検索 B眼循環不全…内頚動脈を超音波検査 |
弁状裂孔の4大症状 | ・飛蚊症 ・光視症 (上記2つがあれば要注意) ・視野障害 ・視力障害 |
網膜裂孔の発生原因 | 1)網膜格子状変性裂孔型…硝子体牽引除去のために硝子体切除を行う 2)網膜格子状変性円孔型…強膜内陥術と眼外排液によって閉鎖させる 3)顆粒状組織型…顆粒状組織にPVDによる牽引が加わって剥離が発生。硝子体切除する 4)黄斑円孔型…硝子体切除 5)限局性色素型…格子状変性の亜型。裂孔により発生するので硝子体切除 6)硝子体基底部裂孔型…外傷による。強膜内陥術 7)巨大裂孔型…WWP(White With or without Pressure)に硝子体変性が加わって発生。硝子体切除 8)若年鋸状縁断裂型…鋸状縁の類嚢胞変性に関係して発生。強膜内陥術 9)その他の型…硝子体牽引に起因→硝子体切除 周辺部裂孔→強膜内陥術 |
裂孔原性網膜剥離 の予防手術適応 |
・症状(飛蚊症、光視症)を有する弁状裂孔 ・鋸状縁断裂 ・網膜剥離他眼の格子状変性、円孔 |
予防手術しても危険な 裂孔原性網膜剥離 |
・多発 ・裂孔が大きい ・硝子体出血 ・下方裂孔 |
周辺部トキソカラ症 | ・小児 ・犬回虫症 ・網膜周辺部に肉芽 ・生肉を食す成人にも |
高齢者の飛蚊症 | 眼内悪性リンパ腫の初発症状として、硝子体炎、硝子体混濁を生じることがある |
網膜剥離 | 視細胞層から内側の神経網膜(感覚網膜)と網膜色素上皮の分離 |
網膜神経上皮剥離 | Bruch膜最内層の網膜神経上皮の基底膜とその外側の内膠原繊維層の剥離 網膜神経上皮が一層としてBruch膜から剥離 |
脈絡膜剥離 | 毛様体・脈絡膜と強膜の剥離 脈絡膜上皮に液体が滲出 @特発性 A続発性 Buveal effusion 原因 @低眼圧 A脈絡膜循環障害 B脈絡膜の炎症 C手術 D強膜の肥厚 |
非虚血型CRVOの特徴 | ・視力0.1以上を保持 ・FAGで4乳頭径前後の無血管野 cf:光凝固の適応はない |
視細胞外節病(仮説) | Primary ・AZOOR…不可逆性 ・MEWDS…可逆性 ・macular microhole…foveaだけ視細胞外節欠損 ・網膜色素変性症 Secondary |
MEWDS | multiple evanescent white dot syndrome 多発性一過性白点症候群 ・20〜30歳代の女性 ・前駆症状:感冒様症状を伴うことがある ・片眼性 ・視力低下、霧視→軽度の虹彩炎、硝子体混濁、視神経乳頭の発赤 ・眼底:後極部から赤道部にかけて一面に、網膜深層の淡い灰白状滲出斑が多数散在 黄斑部に顆粒状の変化 ・視野:マリオット盲点の拡大、中心暗点 ・ERG、EOG:障害あり ・経過:数週間で滲出斑は消失。視力予後も良好。 ・治療:軽症例…自然治癒 視力低下が著しい症例、乳頭浮腫…ステロイド内服 |
高齢者の飛蚊症 | 眼内悪性リンパ腫の初発症状として、硝子体炎、硝子体混濁を生じることがある |
仮面症候群 | masquarade syndrome 悪性腫瘍がぶどう膜炎のような症状を呈する。 *原発性眼内悪性リンパ腫 網膜下の散在性の黄白色病巣、ベール状やオーロラ状の著明な硝子体混濁、網膜血管炎、比較的軽度な前眼部所見 |
テノン嚢 | 外眼筋は筋膜で包まれており、筋膜は前部では眼球を取り囲み、これを眼球被膜またはテノン嚢という。 |
春季カタル | ・アトピー体質の学童、とくに男児に好発 ・上眼瞼結膜の石垣状乳頭増殖や輪部結膜に堤防上隆起など増殖性変化を特徴とする ・角膜に、落屑様表在性点状角膜炎 潰瘍底に堆積物が沈着し遷延性の角膜上皮欠損を伴うShield(盾状)潰瘍 潰瘍内の堆積物が蓄積し角膜面よりやや隆起して観察される角膜プラーク ・悪化時に、激しい眼掻痒感や、角膜上皮障害のため、異物感や眼をあけていられないほどの眼痛や視力低下 ・SPKが活動性の視標となる (経過)SPK→角膜びらんとその周囲のSPK→(SPK消失し)角膜びらんのみ→角膜びらん消失 |
春季カタルの治療 | @抗アレルギー剤点眼液 A免疫抑制剤点眼液 Bステロイド点眼 or 眼軟膏 Cステロイド点眼(高力価)+ステロイド内服(体重1kgあたり0.6mgを1週間)・結膜下注射 D外科的治療 |
シクロスポリン点眼液 | パピロックミニ点眼液0.1%(参天) 効果:やや切れが悪い 炎症ではストロイド併用しないと効果薄い 効果あれば少しずつステロイド減量 春季カタル(新鮮例、中等度〜軽度) アトピー性皮膚炎・眼瞼炎を合併していないもの |
タクロリムス点眼液 | タリムス点眼液0.1%(千寿) 効果:パピロックミニよりかなり強い タリムス(1日2回点眼)≧0.1%ベタメタゾン(1日4回点眼) 抗アレルギー剤との2者併用が有効 重症例では0.1%ベタメタゾンと併用で強い抗炎症作用 比較的即効的 長期投与で感染症(ヘルペス角膜炎)に注意 |
パピロックミニ使用法 | 春季カタル:巨大乳頭、輪部トランタス斑 投与2〜4週で症状改善(効果はMAXになる。以後は維持。) それまでストロイドを中止しない。 中等度以上の症例にはステロイドを併用したほうが良い。 副作用出現率は7%(そのうち感染症は1.5%) アトピー性皮膚炎合併→副作用生じやすい。とくに15歳未満は要注意。 離脱:1日1回→2日に1回→週に1回と漸減。しかし、ずっと使い続けても良い。 |
眼内腫瘍 | 1)脈絡膜悪性腫瘍 肝転移する 2)転移性脈絡膜腫瘍 白色 原発巣 @肺癌:脈絡膜腫瘍の方が早く発見されることもある。 喫煙歴を聞くことが重要。 A乳癌:乳癌の手術後3年以上経って脈絡膜に転移することもある。 乳癌手術の既往を聞くことが重要。 3)眼内悪性リンパ腫 @網膜硝子体型 硝子体混濁 初期にはステロイドに反応することがある(眼内仮面症候群) Aぶどう膜型 軽度の隆起がある比較的境界明瞭な黄白色の腫瘤が網膜下に存在 4)網膜芽細胞腫 治療 第1選択:化学療法 |
小児に多いぶどう膜炎 | @若年性関節リウマチ(JRA) A尿細管間質性腎炎(TINU) B川崎病…一過性の虹彩炎 C樹氷状血管炎…網膜血管の樹氷状白鞘形成。一過性。 |
樹枝状角膜炎 | ゾビラックス眼軟膏1日5回で、数日で改善傾向が見られ、1週間以内に完治する。 |
ニューキノロン | 角膜にやさしいクラビット 抗菌力の強いガチフロ・ベガモックス 緑膿菌にはトスフロ・オゼックス→クラミジア |
角膜移植後抜糸の適応 | @緩んだ場合 A断裂した場合 B糸に沿った血管 C強度の乱視がある場合 |
角膜移植後のステロイド点眼 | 眼圧上昇や白内障を来たさない限りは、少量でも長期にわたって続ける方が拒絶反応予防に有効である |
角膜移植後の拒絶反応 | @KPsとそれに一致した(部分的)浮腫 Aホスト角膜は正常 B炎症はそれほど強くない |
翼状片の手術時期 | 輪部からの侵入が3ミリを超えると不正乱視→2ミリを超える程度で手術 |
翼状片の術後管理 | 1ヶ月間…デキサメタゾン+抗生物質 創閉鎖が完了した時点で残った糸が炎症を惹起している場合、抜去 2〜3ヶ月間…フルオロメトロン点眼液+トラニラスト点眼液 3ヶ月〜1年間…非ステロイド点眼液+トラニラスト点眼液 |
デルモイド嚢胞 | ・眼瞼の小腫瘤 ・出生直後より認め、大きさはほとんど変化しない ・100%手術 ・破裂したものは積極的手術適応 |
石灰化上皮腫 (毛母腫) |
・眼瞼の小腫瘤 ・出生直後にはほとんど見られず、次第に拡大する ・眼瞼中央に位置 ・皮膚面が紫青色を呈する ・皮下と癒着 ・100%手術 |
P.acnes眼内炎 | ・白内障術後眼内炎の一種 ・白内障術後にIOL面に白色の沈着物 ・術後1ヶ月頃(遅発性) |
ブルーフリーフィルター | フジフィルム Sharp Cut 50 (SC50) |
ドライアイに対する タリビッド眼軟膏 |
・眼瞼縁に1日3回投与(1〜2回で効くことも多い) ・効果は3時間以上続く ・患者さんに金属棒を渡す(硝子棒では割れる恐れあり) |
眼筋麻痺 | 動眼神経麻痺 trias 眼球外転、眼瞼下垂、散瞳 滑車神経麻痺 ・運転中にガードレールが歪むといった上下複視で気付くことが多い ・頭部傾斜試験で病側に傾けることにより、病眼が上転し、複視が増悪 外転神経麻痺 ・静脈洞内の障害(CCF)が多い |
色覚異常の分類 | 赤緑青 ●●● 正常3色覚(T) ××× 杆体1色覚(全色盲)(U) ●×× ×●× 錐体1色覚(全色盲)(V) ××● ×●● 1型2色覚(第1色盲)(赤色盲) ●×● 2型2色覚(第2色盲)(緑色盲) 2色覚(W) ●●× 3型2色覚(第3色盲)(青色盲) ▲●● 1型3色覚(第1色弱)(赤色弱) ●▲● 2型3色覚(第2色弱)(緑色弱) 異常3色覚(X) ●●▲ 3型3色覚(第3色弱)(青色弱) |
色覚異常の割合(日本) | 2型3色覚(46%) 2型2色覚(30%) 1型3色覚(15%) 色盲・3型色覚は極めて稀 1型は2型より色誤認率が高い |
色覚検査 | 石原検査表・SPP1ともに 75cm話して 3秒以内で |
SPP1 | 長所 色覚異常者に読める表が多く、心理的負担がとても少ない 石原表より先にするのが良い 1型、2型の分類能力に優れている デジタル数字で読みやすい 短所 単独では結果判定しにくい 色覚異常が軽微の場合、正常判定になることがある めくりずらい 結果判定 10表のうち8表以上の正答があれば正常色覚 分類表は1型、2型の読み方のどちらが多いかで判定 正常色覚者や軽度色覚異常者は、しばしば両方の文字を読むことがある →どちらが読みやすいか聞く(とくに分類型) |
石原色覚検査表U | 長所 検出能力は非常に優れている めくりやすい 短所 読めない表が多いため、被験者に心理的負担が大きい 保因者も誤読しやすい 小児では数字を判断しずらいことがある 結果解釈のポイント 定められた判定基準どおり間違い数がある→ほぼ確実に色覚異常 正常範囲内の間違い数でも、expected response→色覚異常の可能性大 unexpected responseは不注意、年齢や知能の問題による偶発的な誤り 正答であっても、解答に時間がかかる→色覚異常の可能性大 眼疾患による後天色覚異常がある場合 誤りが多いのにunexpected response |
パネルD-15 | Pass No errors Minor errors One error Fail 色相環を横切る誤りが1往復以上ある 結果解釈のポイント 色相環を横切らない誤りはPass 中等度異常者は、長い時間迷っていることがよくある |
パネルD-15 irregularな検査結果 |
可能性 検査を理解していない 集中できていない 色覚が未発達→数年の期間をおいて再検 心因性視覚障害 無造作に並べていくことが多い 視力低下や態度からも疑われる 環境条件が満たされていない 自然昼光 300lx以上 カウンセリング 小学生ではよくあることです 成長を待って再検査しましょう 日常生活では困りませんが家庭では穏やかに見守り観察してください 学校には配慮をお願いしておきましょう |
色覚検査の総合判定 | 仮性同色表で異常、パネルD-15でFail 強度異常 パネルD-15で1型と2型の分類推定可能 unexpected responseが多く、D-15の並べ方が非典型→後天色覚異常疑い 仮性同色表で異常、パネルD-15でPass 軽度〜中等度 仮性同色表での誤りが判定より少ない、パネルD-15でPass 微度の異常か正常 expected response→微度色覚異常を疑う |
後天色覚異常 検査 |
石原検査表 SPP2 パネルD-15 |
後天色覚異常 主な原因疾患 |
脈絡膜疾患 糖尿病網膜症 CSC RP 黄斑ジストロフィ 視神経疾患 緑内障 視神経炎 エサンブトール視神経症 遺伝性視神経疾患 正常色覚者 加齢 心因性視覚障害 |
先天赤緑色覚異常の混同色 | 1.赤と緑 2.オレンジと黄緑 3.緑と茶 4.青と紫 5.ピンクと白・灰 6.緑と灰・黒 7.赤と黒 8.ピンクと水色 1〜8 1型色覚 1〜6 2型色覚 |
小学校での色誤認 | 黒板:赤の読み取り 赤−白、黄―緑、赤―青 ホワイトボード:赤―黒 |
指導の目安 | パネルD-15 Fail…強度色覚異常 日常生活は困らないが、色誤認の頻度は案外多い 本人が自覚し、適宜、対策を講じるように促す 状況により周囲の配慮が必要 パネルD-15 Pass…弱度色覚異常 業務も学業もほとんど困らない。学校での配慮はほぼ不要。 極めて微妙な色を扱う際には支障をきたすこともある。 1型色覚…赤を暗く感じる 赤の警告表示や電光掲示板などでは注意する |
角膜移植後抜糸の適応 | 1.緩んだ場合 2.断裂した場合 3.糸に沿った血管新生が生じた場合 4.強度の乱視がある場合 |
翼状片の手術時期 | 輪部からの侵入が2mm。(3mmを超えると不正乱視が生じる) |
翼状片の術後管理 | 1ヶ月間デキサメサゾン+抗生物質→2ヶ月間フルオロメトロン+トラメラス→9ヶ月間非ステロイド+トラメラス |
デルモイド | 結膜の良性腫瘍。下耳側の角膜輪部にみられる白色半球状の腫瘤。 |
デルモイド嚢胞 | 眼瞼の小腫瘍。出生直後よりあり。大きさはほとんど変化しない。100%手術。 |
毛母腫(石灰化上皮腫) | 眼瞼の小腫瘍。出生直後なし。次第に拡大。100%手術。 |
「実践眼底疾患」 | 竹田 むねあき著 |
網膜円孔のPC適応 | 教科書的には壊死性円孔は光凝固の適応にならないと書いてあるが、湯沢先生は大きいものや上方のものは適応 |
格子状変性のPC適応 | 網膜剥離眼の対側眼。剥離眼の非剥離部。 |
色覚異常と就職制限 | 交通関係(飛行機、船舶、鉄道、バス)、消防、警察関係 |
SCLグループ分類 | T:低含水・非イオン U:高含水・非イオン V:低含水・イオン W:高含水・イオン 非イオン性 イオン性 含水率 <50% Group1 Group3 含水率 >=50% Group2 Group4 |
オルソケラトロジー | 20歳以上 近視度:−1.00D〜−4.00D 乱視度:−1.50D以下 3ヶ月毎の検査が必要。 自由診療(例:両眼で24万円) |
先天性鼻涙管狭窄症 | 1.抗生物質投与は2週間まで 新生児・乳児は、MRSAなど菌交替を起こしやすい。 2.涙嚢炎に抗生物質の点眼は無効 3.1才までマッサージとムコゾール点眼 改善なければprobing |
SLK | 原因 @涙液の局所的な欠乏説 A眼瞼とのフリクションによる摩擦説 B結膜弛緩により炎症説 など 検査 @シルマーテスト 治療 @人工涙液、ステロイドホルモン点眼 A涙点プラグ B治療用CL |
ぶどう膜炎のステロイド治療 | 短期に炎症を抑える プレドニン 30〜40mg/日 週に5〜10mg減量 ステロイドを内服開始すると、半年くらい内服を続けることになる。 前房内炎症←リンデロン、サンテゾーン点眼 外眼部炎症←フルメトロン点眼 |
ぶどう膜炎の ステロイド内服のチェック事項 |
1.感染症を否定する。 感染性ぶどう膜炎←抗生物質の硝子体投与(全身投与) *ステロイド投与は数日遅れてもカバーすることができる。しかし、抗生物質は取り返しが付かない。 2.全身投与の適応を確認する。 局所療法に抵抗する重篤な眼炎症が適応。 3.必要な検査をする。 全身検査と副作用のチェック 4.治療計画を持つ。 治療が長期に及ぶため。 |
小児のぶどう膜炎の特徴 | @慢性になりやすい。→白内障、Band Keratopathyを引き起こす。 Aストロイドをあまり投与できない。(リューマトレックスが有効) B前眼部炎症だけなら、瞳孔管理が最重要。 Cステロイド点眼は効果がないことが多い。 |
ぶどう膜炎 診療上の注意事項 |
@全身検査をする。 Aリンデロンまたはサンテゾーン点眼、およびミドリンP点眼 B感染症だと危険だから、結果が出るまで毎日診療する。 C前日よりひどく悪化したら病院へ。 |
ぶどう膜炎のリンデロン・サンテゾーン点眼の使用法 | 1日8回から開始し、回数を漸減する。 0.1%リンデロンの効果≧0.1%フルメトロンの効果 |
神経学的瞳孔異常 (総論) |
副交感神経↑ →瞳孔括約筋↑ →縮瞳 (→瞳孔散大筋↓) 交感神経↑ →瞳孔散大筋↑ →散瞳 (→瞳孔括約筋↓) ・実際には、筋力が強い瞳孔括約筋により瞳孔径が決まる。 ・明室:副交感神経↑ →縮瞳 暗室:交感神経↑ →散瞳 光 → 中枢 → 瞳孔径 視覚路 瞳孔運動路 <入力系> <出力系> 対光反射 瞳孔径の左右差 近見反射(輻輳・縮瞳・調節) |
神経学的瞳孔異常 (出力系障害) |
1.出力系障害:瞳孔不同 瞳孔括約筋(副交感神経支配)× →明所で散瞳 瞳孔散大筋(交感神経支配) × →暗所で縮瞳 瞳孔径は明室と暗室で測定することが必要。 瞳孔不同…遠心路経路に限る。 瞳孔径の測定 1)明室での測定…遠方固視、瞳孔計を縦に当て、●で比べる。下から光。 2)暗室での測定…下から弱い光。直像鏡の光を弱くして、徹照して測る。 瞳孔不同 1)明室で著明となる→縮瞳できない→大きい瞳孔が障害側(副交感神経×) @眼瞼下垂、眼球運動×→動眼神経麻痺 A上記がない場合→瞳孔緊張症(Adie症候群…近見反射で縮瞳する) 散瞳を伴った動眼神経麻痺…特に若年者、頭痛を合併する場合 内頚動脈の後交通動脈分枝部動脈瘤→直ちに脳外科へ紹介(緊急) 2)暗室で著明となる→散瞳できない→小さい瞳孔が障害側(交感神経×) Horner症候群…眼瞼下垂を合併 生理的瞳孔不同 @暗所で20%が0.1mm未満〜0.4mmの瞳孔不同がある。 A明所で20%にある。 B0.6mm以上の差は非常に稀。 C明所・暗所で差がない。 |
神経学的瞳孔異常 (入力系障害) |
2.入力系障害:対光反射異常 直接・間接対光反応↓ 相対的入力瞳孔反射異常(RAPD) 対光反応の見方 (半)暗室、光を横あるいは斜め下より入れる。量と速さを見る。 RAPDの見方…Swinging Flash Light Test 暗室で遠方固視。3〜5秒間当てて、すばやく他眼に。 正常であれば、強く縮瞳した後に少し散瞳し安定する。 1眼の出力系障害(散瞳状態)であっても判定できる。 |
神経学的瞳孔異常 (中枢障害) |
3.中枢障害:対光反応と近見反応の乖離 Light-Near-Dissociation(LND)…対光反応(−)近見反応(+) ・Argyll Robertson瞳孔…縮瞳を伴う DM、MS、神経梅毒、慢性アルコール依存症 ・中脳背側症候群 後交通動脈分枝部付近を圧迫する腫瘍(松果体腫瘍等)…複視を訴える 近見反射の見方 ・明所でも可 ・視標を50〜30cm手前から少し下方より近づける。 ・しっかり視標を固視してもらう(!) ・暗室なら再散瞳を見る。 |
狭隅角眼 | 機能的隅角閉塞(AAC)で、7年間で40%にPASが発生。 狭隅角眼では、明所で57%、暗所で85%の機能的隅角閉塞あり。 暗所で3象限の機能的隅角閉塞→LI等の適応を考慮。 狭隅角眼で眼圧が上昇するのは10% |
近視の原因 | 1.遺伝 @東アジア人であること A両親のうち1人以上が近視 2.環境 @30cm未満の距離での近見作業 A30分以上続けての近見作業 B屋外活動の時間をとることは予防になる |
強度近視 | 病的近視 −8D以上 人口の約1% |
家庭での近視のスクリーニング | 0.5のランドルト環で3方向が正答できればOK 3歳半で95%が視力検査可能 |
視力の発達 | 1歳 0.2 2歳 0.5 3歳 0.9 4歳 1.0 *ランドルト環は3〜4歳でできるようになる。 |
幼児の視力低下の所見 | 1.行動の変化 2.固視交代をしない斜視 |
弱視の分類 | ・不同視弱視…左右差2D以上の通常遠視。左右差が大きい場合は近視でも生じる。 ・斜視弱視…斜視があり、固視眼が固定(とくに乳児内斜視) ・屈折異常弱視…遠視および乱視が両眼共強い場合に生じる。 ・形態覚遮断弱視…先天性白内障など |
弱視の頻度 | 3歳6ヶ月の小児で、1.5% |
弱視を放置したときの問題点 | 1.立体視の低下…精密な作業をする上で不利 2.高齢化で健眼が傷害されると、社会的失明に至る。→失職、怪我 |
乳児の弱視の判定法 | ・定性法 ・固視交代の頻度 ・遮蔽による嫌悪感 |
点眼2剤の間隔と効果 | 30秒 55% 2分 67% 5分 100% |
MALTリンパ腫 | extranodular リンパ節外 marginal zone リンパ濾胞の周り Bcell lymphoma B細胞リンパ腫 mucosa associated lymphoid tissue 粘膜関連リンパ装置 cf:Bリンパ球の生活史 骨髄幹細胞→(mantle layer 外套層)→(marginal layer 辺縁帯)→形質細胞 |
Mikulicz病 | 両側の涙腺・耳下腺・唾液腺が対称的で持続性(3M以上)の無痛性腫脹。 リンパ増殖性病変 非腫瘍性IgG4関連疾患 ステロイドに反応。 |
マイボーム腺異常 (MGD)の分類 |
閉塞性(分泌減少型)(頻度大) ・閉塞、分泌↓ ・涙液蒸発更新型ドライアイの原因 ・診断基準 @自覚症状 Aマイボーム腺開口部周囲異常所見 VIPDr Bマイボーム腺開口部閉塞所見 脂漏性(頻度小) ・マイボーム腺の分泌亢進 ・ホルモン異常等 ・涙液メニスカスのfoaming |
マイボーム腺異常 (MGD)の診断 |
・自覚症状(眼不快感等) ・眼瞼縁の不整(楔状欠損)、plugging、Mybo line移動、開口部付近の血管拡張 ・Meibumの分泌減少 ・マイボーム腺の短縮、脱落 |
マイボーム腺異常 (MGD)診断のコツ |
@上げて見る 眼瞼の血管拡張所見を観察するため、親指をそって添えて眼瞼を上げて見る A圧して見る マイボーム腺の脂の色や形状を観察するため、マイボーム腺の開口部を圧して見る B染めてみる マイボラインの移動や不整を確認すため、フルオレセイン染色をする |
白内障術後眼内炎 | 術後から発症までの日数 〜 3日 34% 〜 7日 61% 〜13日 81% Stage分類 T 前房炎症 U 前房蓄膿、フィブリン V 硝子体混濁 |
強度近視の合併症 | CRA CNV SRH(Subretinal hemorrhage) MH 黄斑部網膜分離 |
前房蓄膿 | ベーチェット病 非定型抗酸菌 NKリンバ腫 |
ぶどう膜炎併発 白内障手術 |
術前3ヶ月の消炎があることが最低条件 |
ぶどう膜炎の 続発緑内障 |
@繊維柱帯炎、隅角結節←ステロイド点眼 A閉塞隅角(テント状PAS)←トラベクレクトミー Bステロイド緑内障…診断困難 多くのステロイド緑内障はダイアモックス内服で眼圧低下しない。 見かけ上のストロイド緑内障がある 炎症強いと房水産生↓…眼圧↓ ステロイドで炎症沈静化で房水産生↑…眼圧↑ C瞳孔ブロック←PI |
ぶどう膜炎の 虹彩後癒着 |
・ベーチェット病、原田病では30%以上に発生。 予防の治療 (軽度)ミドリンP 1日1〜2回 →4回まで (中度)硫酸アトロピン併用 (重度)点眼のみで解除不可 ミドリンP結膜下注射(0.1ml+2%キイシロカイン0.2ml) 連続3日間で90〜100%解除。 cf:トロピカミド(ミドリンP)…副交感神経遮断 フェニレフリン(ネオシネジン)…交感神経刺激→血圧上昇 |
糖尿病網膜症 硝子体手術の適応 |
@硝子体出血…1ヶ月経過を見ても吸収傾向なし …無治療、NVGあり A牽引性網膜剥離・黄斑症 B黄斑浮腫 *シリコンオイル 再発予防 VGEF流入予防 |
糖尿病網膜症 薬物療法 |
・黄斑症(+)…局所性・びまん性(毛細血管瘤)←TA(VEGF等のサイトカイン産生抑制等) ・NVG←アバスチン テノン嚢下投与 硝子体内投与 NVGの病期…前緑内障期→OAG期→ACG期 虹彩隅角NV(+)←アバスチン+PC(+手術) |
角膜実質混濁 | ・瘢痕性…感染後、陳旧性角膜実質炎→外科的治療 ・沈着性…リン酸カルシウム→帯状角膜炎 Sphingomyelin→Fabry病…渦状角膜 角膜ジストロフィ ・浸潤性…炎症(+) EKC、カタル性(ブドウ球菌) 中央部…感染、栄養障害(兎眼等) 周辺部…角膜辺縁潰瘍等(RA等) |
CCF | 障害を受ける神経 @外転 A動眼 B滑車 C顔(V1) 症状 @拍動性眼球突出(拍動のためAT測定困難)、眼瞼腫脹、眼圧上昇 ACaput Medusae(眼球結膜の充血) B血管雑音 C眼球運動障害、複視 *蜂窩織炎との鑑別が困難 眼脂(−)、眼球突出(+)、AT測定困難 |
大人の上下斜視 | 原因 先天性 上斜筋または下直筋麻痺(形成または付着異常) 後天性 a)麻痺性 中枢性…動眼または滑車神経麻痺 末梢性…上または下直筋麻痺 b)神経筋接合部異常…重症筋無力症 c)機械的運動制限…甲状腺眼症、網膜剥離、眼窩底骨折 ・上下斜視が長期間続いた場合 融像しようとして代償機能…頭位異常(→肩こり) ・診断のポイント 頭部傾斜やChin up/down等の頭位異常があれば、頭位を治してから眼位や複視の有無を調べる。 ・治療はプリズム等で代償頭位を治しながら、時間をかけて行う。(プリズムは複視が無くなる最小限で) ・複視の自覚が少なければ、無治療で経過観察する。 |
眼結核 | @ツ反(+) 硬結10mm×10mm以上で強陽性と考える A他の疾患なし B抗結核治療で眼炎症所見↓ 症状 地図状脈絡膜炎型、ぶどう膜炎型、強膜炎型等さまざまな病型 |
強膜炎 | ○眼脂のない結膜炎はこれを疑っておく。 病型分類 びまん性、結節性、壊死性、後部型 原因 @全身…感染(結核等)、炎症性疾患(膠原病、RA、慢性腎不全) A眼局所感染…バックル BMMC、5−FUによる強膜軟化症…翼状片手術、緑内障手術 合併症 前眼部 強膜菲薄化(Blue sclera)、角膜潰瘍、虹彩炎、白内障、緑内障 後眼部 Staphyloma、網膜皺、網膜剥離、穿孔 非感染性の場合の治療 局所 ステロイド頻回点眼(Steroid Responderがいるので5回から開始→1時間毎) ステロイド結膜下注射 シクロスポリン点眼 全身 非ステロイド(NSAID) ステロイド(重症例 0.5〜1.0mg/kg) 免疫抑制剤(MTX等) 生物学的製剤 *4割にステロイド+免疫抑制剤の全身療法を必要とする。 |
βブロッカーの副作用 | ・除脈 50回/分以下では慎重に投与 ・慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんに注意 「最近頻回に咳が出るようになった」「息苦しくなった」 |
狭隅角眼 | ・狭隅角眼・機能的隅角閉鎖(AAC)は7年で40%にPASを生じた。 ・狭隅角眼では、明所で57%、暗所で85%のAACを生じている。 ・暗所で3象限にAACがあればLIの適応ではないか。 ・狭隅角眼に対するLI、白内障手術の適応は不明である。 ・狭隅角眼で眼圧上昇は10%。 |
ぶどう膜炎 日常診療での診断のポイント |
感染症→片眼性 自己免疫疾患→両眼性 眼内リンパ腫→高齢、ステロイド抵抗性 |
ぶどう膜炎 感染症とリンパ腫診断のポイント |
感染症と眼内リンパ腫は、臨床症状と全身検査だけでは確定診断ができない →眼内局所の生検 |
単純ヘルペスT型 :HSV-1(HHV-1) の臨床診断名 |
ヘルペス性虹彩炎 角膜内皮炎 急性網膜壊死 |
単純ヘルペスU型 :HSV-2(HHV-2) の臨床診断名 |
急性網膜壊死 |
帯状疱疹ヘルペス :VZV(HHV-3) の臨床症状 |
急性網膜壊死 虹彩炎 眼部帯状疱疹 Zoster sine herpete |
サイトメガロウイルス (HHV-5) の臨床症状 |
ポスナーシュロスマン症候群 角膜内皮炎 サイトメガロウイルス網膜炎 |
CMV前部ぶどう膜炎 | 免疫能は正常(HIV陰性) 高齢者(50歳以上) 片眼性、眼圧上昇を伴う虹彩炎 半数はポスナーシュロスマン症候群に類似 半数は角膜内皮炎 Coin lesion(円形のKPs) バルガンシクロビル内服が有効(消炎と眼圧下降) |
ヘルペス性ぶどう膜炎 :HSV、VZV、CMV |
片眼性 高齢者(50歳以上) 高眼圧 豚脂様KPs VZV…隅角の色素沈着 虹彩萎縮 CMV…角膜内皮障害 |
オルソケラトロジー 適応 |
中等度以下の近視 −4.00D以下の近視 −1.50D以下の直乱視、−0.75D以下の倒乱視 ドライアイ、知覚低下、円錐角膜等の疾患がない 20歳以上 処方者は日本眼科学会指定の講習会とメーカーの講習会を受ける |
オルソケラトロジー 特異的な合併症 |
Quality of vision の低下 コントラスト感度低下 ハロー、グレア Iron ring 短い茶褐色の角膜上皮内の色素沈着 病的な異議はなく治療は必要ない 装用を中止すると消失する |
CMV角膜炎 | 実質炎と内皮炎(線状もしくは円形のKPs) 首座は内皮(不明角膜炎の4割はCMVと関連) 繰り返す虹彩炎、水泡性角膜症 治療:ガンシクロビル内服・眼軟膏(70%が治療に反応) 特発性、角膜移植後の内皮型角膜炎→前房水採取…PCR…病原ウイルスの同定 |
OCT信号 | 光学的に均一な所(細胞核で詰まっている所:内顆粒層、外顆粒層)→反射散乱が少ない→低信号→黒 光学的に不均一な所(視神経細胞の樹状突起や軸索が絡み合っている所:視神経繊維層、内網状層、外網状層)→反射散乱が多い→高信号→白 |
網膜前膜による偽黄斑円孔 | 将来歪視症出現したら受診してもらう |
網膜色素上皮萎縮 | 網膜色素上皮萎縮…軽度の脱色素 網膜色素上皮裂孔…重度の脱色素(例:AMD瘢痕後PEが縮む) OCTのレーザー光が深く下層に行くので白く輝いた像を呈し、脈絡膜血管が透見される (網膜色素上皮が消失するRP、網膜外層消失するAZOORも同様の所見) 網膜色素上皮炎…網膜色素上皮萎縮を伴う網膜下灰白色病変 |
動眼神経麻痺で発症する脳動脈瘤 | 21日以内に30%が破裂する 破裂すれば50%の致死率 未破裂のうちは治療可能 |
成人動眼神経単独麻痺の原因 | 動脈瘤 20% 虚血性 20% *両者の鑑別は困難なため、まず動脈瘤を疑い当日中に脳神経外科紹介が必要。 |
動脈炎性虚血性視神経症 | 高齢者 側頭部痛 視力低下の重傷度が高い 初診時視力は指数弁以下が54% Jaw claudication≒顎を動かすと歯が痛い |
エタンブトール視神経症 | 1年以上持続または視力0.1以下になれば、視力回復は困難 特に腎機能の悪い人は危険 |
圧迫性視神経症 | 初期では視力低下軽度のことがある RAPD陽性 視野異常はさまざまな欠損を呈する |
動眼神経麻痺と視神経症の合併 | 脳腫瘍等重篤な疾患を示唆 |
円錐角膜に対する角膜クロスリンキング(CXL) | リボフラビン(VB2)にUV照射により活性酸素を発生させ、角膜が硬くなり、進行予防する 適応@14歳以上 A進行性 Bペルーシド C医原性 D角膜厚400?m必要 初期には効果的な治療法であるが、HCLで十分な矯正視力を得られる人には困難 |
角膜リング | PMMA製リングを挿入 リング径大、リング内径小の程、角膜をフラット化する効果大 適応@21歳以上 ACL・眼鏡不可 B中心角膜がclear C円錐角膜、ペルーシド Dリング挿入部450?m必要 早期手術が有効 重症化すれば、リング+CL −1〜−4Dの近視矯正が可能 |
某眼科病院涙道外来の先天性鼻涙管閉塞症の治療指針 | 生後3ヶ月までに70%、12ヶ月までに90%が自然治癒。 12ヶ月までは保存的療法のみで経過観察。 診断 通水は不要。 臨床経過が重要。 時期 様子(涙、眼脂、左右差) 逆流(涙嚢圧迫で粘液または膿は?) 発育(奇形:ダウン症候群…骨性鼻涙管閉塞を含め鼻涙管閉塞症が多い 鼻閉・鼻汁:鼻の治療により改善することがある) フルオロセイン消失試験 治療 初期:経過観察 抗生剤は眼脂が出る時のみ(1日2回まで) マッサージ プロービング 涙嚢炎・眼瞼炎等の合併症がなければ、3歳まで待って行う 再プロービングは最低1ヶ月空ける |
新生児の封入体性結膜炎 (クラミジア性結膜炎) |
新生児結膜炎の10% 成人では充実性で大型の濾胞形成が特徴的、眼脂 新生児では濾胞形成は生じず、強い充血、浮腫を生じビロード状になり、高頻度に偽膜を生じる。 治療:フルオロキノロン、マクロライドの局所頻回投与(点眼は1時間おき、眼軟膏は1日5回) 新生児クラミジアは高率に上咽頭クラミジア感染を合併→肺炎合併に注意 |
Chlamydia trachomatis | 生活環 基本小体 EB…感染性 網様体 RB…非感染性、増殖 ウイルスと同様に感染細胞内に封入体を形成(Prowazek小体) 抗菌薬は網様体にしか効かない 点眼:マクロライド系、ニューキノロン系が有効…基本的に耐性はない 眼軟膏:エコリシン、タリビッド 1日5回 6〜8週 内服:ミノマイシン、クラリス 1〜2週 治療に2〜3ヵ月かかる |
クラミジア感染症 治療 |
アジスロマイシン(ジスロマック)1000mg1回投与またはジスロマックSR2g単回投与剤 |
クラミジア結膜炎 | 適応承認がとれているのは、タリビッド眼軟膏(1日5回、6〜8週間投与) 1日5回の点入遵守は困難なので、代替処方は1時間毎の点眼(6〜8週間投与) 点眼薬 マクロライド系(エコリシンなど) 第3,4世代フルオロキノロン(ガチフロキサシン、トスフロキサシンなど) アジスロマイシン内服により十分治療可能と考えられる |
Anderson-Patella CP criteria |
Pattern偏差で、最周辺部を除き、p<5%の連続する3点があり、そのうち1点がp<1% GHTが正常範囲外 PSDまたはCPSD p<5% |
Munchhause症候群 (慢性虚偽性障害) |
自分で自分の体を傷つけて、身体の病気を装う 病気に逃げ道を求める 眼科では、ベノキシール点眼併用自傷 |
緑内障薬の角膜上皮障害作用 | ・βブロッカー…麻酔作用による麻痺性角膜症 ・PG…細胞活性化、炎症誘起作用 |
DR発症率 | 2型DM 罹病期間5年で14%、15〜19年で57%が糖尿病網膜症を発症 |
角膜上皮病変を伴う角膜炎 | ・角膜潰瘍に眼脂が張り付いている→緑膿菌 ・汚い上皮障害→アカントアメーバ(←病巣擦過、クロルヘキシジン) ・円錐角膜→MRSA……………角膜真菌症と似ている ・全層角膜移植後→角膜真菌症…MRSAと似ている |
ドライアイの点眼療法 | 米国ではシクロスポリン点眼が軽度〜中等度のドライアイに多用されている。 ストロイド点眼…自覚は良くなるが、他覚所見は変わらない。 合併症:眼圧↑、感染、角膜上皮への影響 明らかに炎症が絡んでいる場合に使用する。 ドライアイ患者はキノロン耐性が多いというデータがある。 |
ドライアイの内服治療 | ・ドライマウスに対する内服 ムスカリン受容体(M3)作動薬…唾液腺、涙腺、汗腺の分泌促進 サリグレン 30mg 1日3回毎食後 サラジェン 5mg 1日3回毎食後 まずは1日1錠から試すのが良い。 ・眼表面の抗炎症 必須オメガ酸(オメガ3) |
ぶどう膜炎のステロイド治療 | 短期に炎症を抑える プレドニン 30〜40mg/日 週に5〜10mg減量 ステロイドを内服開始すると、半年くらい内服を続けることになる。 前房内炎症←リンデロン、サンテゾーン点眼 外眼部炎症←フルメトロン点眼 |
ステロイド内服のチェック事項 | 1.感染症を否定する。 感染性ぶどう膜炎←抗生物質の硝子体投与(全身投与) *ステロイド投与は数日遅れてもカバーすることができる。しかし、抗生物質は取り返しが付かない。 2.全身投与の適応を確認する。 局所療法に抵抗する重篤な眼炎症が適応。 3.必要な検査をする。 全身検査と副作用のチェック 4.治療計画を持つ。 |
小児のぶどう膜炎の特徴 | @慢性になりやすい。→白内障、Band Keratopathyを引き起こす。 Aストロイドをあまり投与できない。(リューマトレックスが有効) B前眼部炎症だけなら、瞳孔管理が最重要。 Cステロイド点眼は効果がないことが多い。 |
ぶどう膜炎の診療上の注意事項 | @全身検査をする。 Aリンデロンまたはサンテゾーン点眼、およびミドリンP点眼 B感染症だと危険だから、結果が出るまで毎日診療する。 C前日よりひどく悪化したら病院へ。 |
ぶどう膜炎の日常診療での診断のポイント | 感染症→片眼性 自己免疫疾患→両眼性 眼内リンパ腫→高齢、ステロイド抵抗性 |
ぶどう膜炎 感染症とリンパ腫診断のポイント |
感染症と眼内リンパ腫は、臨床症状と全身検査だけでは確定診断ができない →眼内局所の生検 |
単純ヘルペスT型:HSV-1(HHV-1)の臨床診断名 | ヘルペス性虹彩炎 角膜内皮炎 急性網膜壊死 |
単純ヘルペスU型:HSV-2(HHV-2)の臨床診断名 | 急性網膜壊死 |
帯状疱疹ヘルペス:VZV(HHV-3)の臨床症状 | 急性網膜壊死 虹彩炎 眼部帯状疱疹 Zoster sine herpete |
サイトメガロウイルス(HHV-5)の臨床症状 | ポスナーシュロスマン症候群 角膜内皮炎 サイトメガロウイルス網膜炎 |
CMV前部ぶどう膜炎 | 免疫能は正常(HIV陰性) 高齢者(50歳以上) 片眼性、眼圧上昇を伴う虹彩炎 半数はポスナーシュロスマン症候群に類似 半数は角膜内皮炎 バルガンシクロビル内服が有効(消炎と眼圧下降) |
ヘルペス性ぶどう膜炎:HSV、VZV、CMV | 片眼性 高齢者(50歳以上) 高眼圧 豚脂様KPs VZV…隅角の色素沈着 虹彩萎縮 CMV…角膜内皮障害 |
眼瞼腫瘤 | |
「眼瞼腫瘤」の本態 | 炎症…霰粒腫 腫瘍…イボ、ホクロ 嚢胞…“マイボーム腺嚢胞” |
眼瞼部位別嚢胞 | 1.毛嚢 Epidermoid cyst類表皮嚢胞(粉瘤) 中はケラチン(垢) 外傷性 非外傷性…毛嚢が閉塞→粉瘤 2.汗腺 汗腺嚢胞 3.Moll腺(アポクリン汗腺) Moll腺嚢胞 4.マイボーム腺 ・“マイボーム腺嚢胞”…部分切除で再発する。 ・霰粒腫…炎症。嚢胞ではない。→上皮がないから再発しない。 5.副涙腺 Wolfring腺嚢胞…増大すると円蓋部に 6.球結膜 ・結膜リンパ管嚢胞…膠原病に多い(?)。強膜と癒着。 自然消退ありうる。 ・上皮性嚢胞 |
眼瞼嚢胞と霰粒腫との内容物の鑑別 | “マイボーム腺嚢胞”…マイボーム腺とその内部が閉塞 脂腺癌(“マイボーム腺癌”)…マカロニまたは茹でたジャガイモのような柔らかい固形物 霰粒腫…膿と黄色の粘り気のあるゲル→陳旧化すると白色繊維性 |
脂腺癌の転移 | 直径15mm以上は転移しやすい。 病悩期、切開回数とは無関係。 |
狭隅角眼 | ・狭隅角眼・機能的隅角閉塞(AAC)で、7年間で40%にPASが発生。 ・狭隅角眼では、明所で57%、暗所で85%の機能的隅角閉塞あり。 ・暗所で3象限の機能的隅角閉塞→LI等の適応を考慮。 ・狭隅角眼で眼圧が上昇するのは10% |
神経学的瞳孔異常 | |
瞳孔運動と神経 | 副交感神経↑ →瞳孔括約筋↑ →縮瞳 (→瞳孔散大筋↓) 交感神経↑ →瞳孔散大筋↑ →散瞳 (→瞳孔括約筋↓) ・実際には、筋力が強い瞳孔括約筋により瞳孔径が決まる。 ・明室:副交感神経↑ →縮瞳 暗室:交感神経↑ →散瞳 光 → 中枢 → 瞳孔径 視覚路 瞳孔運動路 <入力系> <出力系> 対光反射 瞳孔径の左右差 近見反射(輻輳・縮瞳・調節) |
神経学的瞳孔異常 出力系障害: 瞳孔不同 |
瞳孔括約筋(副交感神経支配)× →明所で散瞳 瞳孔散大筋(交感神経支配) × →暗所で縮瞳 瞳孔径は明室と暗室で測定することが必要。 瞳孔不同…遠心路経路に限る。 瞳孔不同 1)明室で著明となる→縮瞳できない→大きい瞳孔が障害側(副交感神経×) @眼瞼下垂、眼球運動×→動眼神経麻痺 A上記がない場合→瞳孔緊張症(Adie症候群…近見反射で縮瞳する) 散瞳を伴った動眼神経麻痺…特に若年者、頭痛を合併する場合、 内頚動脈の後交通動脈分枝部動脈瘤→直ちに脳外科へ紹介(緊急) 2)暗室で著明となる→散瞳できない→小さい瞳孔が障害側(交感神経×) Horner症候群…眼瞼下垂を合併 |
瞳孔径の測定 | 1)明室での測定…遠方固視、瞳孔計を縦に当て、●で比べる。下から光。 2)暗室での測定…下から弱い光。直像鏡の光を弱くして、徹照して測る。 |
生理的瞳孔不同 | @暗所で20%が0.1mm未満〜0.4mmの瞳孔不同がある。 A明所で20%にある。 B0.6mm以上の差は非常に稀。 C明所・暗所で差がない。 |
神経学的瞳孔異常 入力系障害: 対光反射異常 |
直接・間接対光反応↓ 相対的入力瞳孔反射異常(RAPD) |
対光反応の見方 | (半)暗室、光を横あるいは斜め下より入れる。量と速さを見る。 |
RAPDの見方 | Swinging Flash Light Test 暗室で遠方固視。3〜5秒間当てて、すばやく他眼に。 正常であれば、強く縮瞳した後に少し散瞳し安定する。 1眼の出力系障害(散瞳状態)であっても判定できる。 |
神経学的瞳孔異常 中枢障害: 対光反応と近見反応の乖離 |
Light-Near-Dissociation(LND)…対光反応(−)近見反応(+) ・Argyll Robertson瞳孔…縮瞳を伴う DM、MS、神経梅毒、慢性アルコール依存症 ・中脳背側症候群 後交通動脈分枝部付近を圧迫する腫瘍(松果体腫瘍等)…複視を訴える |
近見反応の見方 | ・明所でも可 ・視標を50〜30cm手前から少し下方より近づける。 ・しっかり視標を固視してもらう(!) ・暗室なら再散瞳を見る。 |
成人外斜視の成因分類 | 1.小児期の外斜視の戻り 2.外斜視の放置 3.外斜視の進行 4.小児期の内斜視手術後の外斜視 |
成人外斜視の症状 | 小児と異なり自覚症状を訴える 1.眼位異常 2.眼精疲労 3.複視 4.斜位近視 |
外斜視定量の問題点 | 1.間歇性外斜視の場合、APCTが変動する 2.眼精疲労では外斜視斜視角が少ない 3.斜視術後にかなりの斜視が残存(斜視量を過小評価している) 4.斜視角が大きすぎて定量できない |
最大斜視角の検出 | 1.遮蔽法 アイパッチで非優位眼を40分間遮蔽 2.プリズム装用法 フレネル膜プリズム検眼セットを使用 非優位眼に膜プリズムを40分間装用 膜プリズムはAPCTの値と同等の値 1.2.のうちの大きいほうの値をとる |
高度な外斜視の定量法 | 1.角形プリズムを両眼に入れる 2.角形プリズムとプリズムバーの併用 3.フレネル膜プリズム両眼と角形プリズムの併用 *プリズムの重ね合わせによるプリズム角の単純な足し合わせは不可 |
成人外斜視 通常の後転短縮術 |
小児との違い 手術効果が大きい 術後の戻りが少ない →術後複視が生じる(内斜視になると)生活に支障 →斜視角の80〜90%を治療する |
成人外斜視 内直筋短縮術 |
成人で眼精疲労や複視を訴える症例に輻輳不全型外斜視が多い 遠見と近見の斜視角に差がある ・手術効果は近見が遠見に比べ7〜8剔スい ・戻りが生じる ・定量は遠見が内斜視にならないようにする |
成人外斜視 外直筋大量後転・内直筋短縮併用術 |
・2回の手術で大斜視角でも治療可能 ・1回でもほぼ矯正 ・外転障害やや有り |
成人外斜視 術後複視を来たさない工夫 |
1.フレネル膜プリズムを用いて、低矯正・適正矯正・過矯正を体験してもらう 2.過矯正で複視出現の場合、内斜視にしない |
成人外斜視の 背理性複視 |
・PATを行い、低矯正・過矯正で複視の自覚を確認 ・原則、術後内斜視をつくらない(低矯正手術) ・PATで背理性複視があっても、本人が気にならなければ問題なし |
狭隅角眼 | ・狭隅角眼・機能的隅角閉塞(AAC)で、7年間で40%にPASが発生。 ・狭隅角眼では、明所で57%、暗所で85%の機能的隅角閉塞あり。 ・暗所で3象限の機能的隅角閉塞→LI等の適応を考慮。 ・狭隅角眼で眼圧が上昇するのは10% |
急性網膜壊死が網膜剥離になる確率 | 50〜75% |
白内障術後眼内炎 | リンパ球のspike状KPs ベール・オーロラ状硝子体混濁 白色網膜下浸潤病変 |
AMD前駆所見 | ドルーゼン 軟性ドルーゼン OCT:RPEラインの波状の隆起 PE異常 Drusenoid PED(ドルーゼンの癒合) OCT:PED内部に充満した反射塊 |
MDの低下 | NTG:0.3〜0.8dB/年 正常者:0.1dB/年 |
インターフェロン網膜症 | 1〜3ヶ月後に発症 ・軟性白斑→網膜出血→BRVO ・自然の改善(6ヶ月以内) |
アカントアメーバ角膜炎 | ・病型多彩 ・進行すると胞子形成により治療抵抗性 ・片眼性の強い眼痛と視力障害 ・初期 ・原因不明の上皮障害 ・輪部炎症 ・Radial keratiits ・進行期 ・横楕円の円板状角膜炎 ・不整形の角膜潰瘍 |
OCT 網膜最外層の3本のライン |
IS −−−−−− IS−OS line OS −−−−−− 3rd line(第3のライン)(視細胞外節先端) RPE −−−−−− RPE line |
OCT参考文献 | 岸 章治「OCT眼底診断学」 |
OCTによる緑内障検査 | 1. 後眼部 @乳頭周囲サークルスキャン RNFLの厚さを測定。 A乳頭周囲マップ 面でRNFLの厚みを捉える。 診断力は高いが、自動診断はできない。 B視神経形状解析 乳頭の陥凹形状を測定する。 C黄斑部GCC(ganglion cell complex) NFL+GCL+IPL=GCC 感度・特異性とも約90% 強度近視等視神経変形を伴っている場合、自動診断プログラムはあてにならない。 中心視機能に関与するが確立されていない。 過剰診断気味。擬陽性が多い? 2.後眼部 フーリエドメインでは、40%しか強膜岬が見えない。 |
学童近視予防のERM | ・学童期の近視進行は、眼軸の過伸展が原因。 コホート研究の結果 1. 近視進行は、遺伝的因子が最も強い。 2. 近視進行は、都市部のほうが早い。 3. 近視進行は、I.Q.や学歴が高いほど早い。 4. 近視進行は、近業(時間、読書数、視距離)が強いほど早い。 しかし、関連性は弱い。 5. 近視進行は、戸外活動により抑制される。 |
ISGEOの PACGの進行概念 |
PACS ↓ 10〜20年後の10〜20% PAC ↓ 5年後の25〜30% PACG 合致しない症例もある。 |
浅前房→PACS への危険因子 |
・Lens vault (LV)(虹彩接触面からの水晶体前面までの高さ)が強い ・虹彩厚が厚い |
当演者による 閉塞隅角眼の治療 |
・LIはPAC眼に対しては有効。PACG眼、発作眼に対しては予後が悪い。 ・経時的観察して浅前房化、PAS増加→治療 |
前房深度と眼疾患 | ・OAGでも前房深度は経時的に浅くなる。周辺部で大きい。 浅前房眼ほど、緑内障悪化。 ・鈍的眼外傷により前房深度は深くなる。周辺部ほど開大する。 ・白内障手術:前房深度は深くなり、眼圧は下降する。 術前の前房深度が浅いほど、眼圧下降量が多い。 ・ぶどう膜炎の活性度の判定 原田病:ストロイド応答性の評価 ・チン小帯強度の推定 RP、嚢性緑内障 ・白内障進行度の評価 |
眼球運動麻痺 | |
間歇性外斜視 | 間歇性外斜視→斜視>斜位→恒常性外斜視になることがある 大斜視角の場合、非優位眼の内外直筋前後転術 整容面だけでなく、両眼視機能が改善しQOLも改善 たとえ、両眼視機能が改善しなくても、就職や結婚など社会的差別のため必要 高齢者の外斜視 大斜視角が多い(斜位に持ち込める) 手術効果大 MLF症候群を合併している場合がある |
眼球運動麻痺の原因 | @外傷 A血管障害 |
眼球運動麻痺の自然経過 | 自然治癒率約80% 血管障害では90%、外傷では50%で、50%は手術 自然治癒するまで複視で困る場合、フレネル膜プリズム 麻痺眼(または非優位眼)に |
動眼神経麻痺 | 原因 @外傷 A血管障害 … D動脈瘤→ただちに脳外科へ *動脈瘤 瞳孔所見だけで判断するのは危険 15〜20%だけに瞳孔異常 10数%は後日数日以内に散瞳 分かりにくくても、左右差で分かることがある 麻痺性麻痺では一旦軽快し、その後急激に増悪することがある |
滑車神経麻痺 | ・一見、斜視に見えない、複視を訴える患者 ・無散瞳眼底カメラで、指標を見させて撮影すると、中心窩が視神経乳頭下縁より下にある→外方回旋異常 診断 (1)後天滑車神経麻痺 (2)代償不全性上斜神経麻痺 顔面の非対称性増悪 回旋複視の自覚なし 上下偏位高度 幼少時の写真で斜頚あり 治療 全方位での複視の改善は困難 正面視と下方視の改善でQOL改善する |
外転神経麻痺 | 若年者の外転神経麻痺→先天性脳腫瘍 類上皮腫…視力・視野にまったく異常なし ・運動制限は軽微なことが多く、腫瘍が大きくなってから、複視が出ることがある cf:外転神経…解剖学上、炎症が波及しやすく、腫瘍などの圧迫病変に対し逃げ場がある。 動眼神経・滑車神経…炎症が波及しにくく、圧迫病変に対し逃げ場がない。 |
甲状腺眼症 | ・甲状腺機能が正常なことが多い(Euthyroid ophthalmopathy) ・両眼性とは限らない(片眼性が約半数) ・女性に多いとは限らない 甲状腺疾患は女性に多いが、甲状腺眼症は男1:女1.6 重症化は、男性の方がしやすい |
ぶどう膜炎 | |
ぶどう膜炎 診断・検査 |
頻度 ・3大ぶどう膜炎(サルコイドーシス、Vogt-小柳ー原田病、Becet病)…25% ・感染性ぶどう膜炎…15% ・原因不明…40% もし、ちゃんと検査してわからなければ、レコードと共に自信を持って「わからんぶどう膜炎」と診断する。 「検査済みぶどう膜炎」ということ 検査のポイント1 採血セットは項目を絞り、あくまで補助ツールとして使う。 (これだけで診断するのは困難) 検査のポイント2 最高頻度(13%)のサルコイドーシスを落とさないようにする。 サルコイドーシスの臨床診断基準(眼科で可能なもの) 1)両側肺門リンパ節腫脹 2)血清ACE血清高値 3)ツベルクリン反応陰性 6)血清あるいは尿中カルシウム高値 上記のうちの2項目以上 *胸部レントゲンとツベルクリン反応はするべきということになる。 検査のポイント3 ステロイド抵抗性の症例は生検を検討する。 ・眼内悪性リンパ腫 ・アクネ菌による遅発性眼内炎…前房水PCR 検査のポイント4 診察をこまめにして、しっかり経過を診る。 例)Becet病は症状だけで診断する。 =経過を診て初めて診断可能 Becet病眼症は放置しても寛解するのが特徴 診断が付かなくても治療は可能なので、気長な気持ちで診る (診断は1日して成らず) 必要以上に不安を与えず、多少の炎症はOKとする寛容さも必要 |
ぶどう膜炎 治療 |
主たる目的…過剰な眼局所炎症の抑制 基本:ステロイド薬の局所投与+散瞳剤による瞳孔管理 |
ぶどう膜炎 ステロイド全身投与 |
適応は慎重に、使うと決めたら十分な量を 本当に局所投与では不十分なのか 全身投与の可否(感染症等悪化の危険性はないか) 最低でも、プレドニン20〜30mg/日以上 (中途半端な使用は意味がない) 効かないときは、もう一度他の疾患を考慮 適応…Vogt-小柳ー原田病 相対適応…サルコイドーシス 慎重適応…わからんぶどう膜炎 感染性ぶどう膜炎(使用はありうる) |
原田病 ステロイド全身投与 |
大量漸減投与法 最終的には3〜6ヶ月投与 パルス投与法(これも漸減投与法)…入院期間短縮が目的 最終的には3〜4ヶ月投与 再発型原田病 全く別の病気…予後不良 再発型に移行させてないように努力する |
サルコイドーシス ステロイド全身投与 |
重症虹彩毛様体炎等に 初期プレドニン30〜40mg/日、重症では60mg/日から開始 ケナコルト後部テノン嚢下注、硝子体手術によりステロイド全身投与は減っている |
ベーチェット病 | |
ベーチェット病の 所見 |
多彩な全身症状…口内炎アフタは必発 前房蓄膿、網脈絡膜炎→萎縮→眼球癆 前房蓄膿発生率は1/3…非特異的 硝子体混濁発生率 びまん性 80% 雪球状 30% FAで羊歯状(もしくはシダ状)蛍光漏出発生率 80%…特異的 |
ベーチェット病 治療指針 炎症発作時 |
1)前眼部炎症 ステロイド局所投与 寛解期には原則として治療不要 発作予防はできない ステロイド緑内障発症のおそれがある フルオロメトロンは眼内移行しない 2)後眼部炎症 びまん性硝子体混濁や黄斑部浮腫→TAテノン嚢下注射 重症→ストロイド短期内服 |
ベーチェット病 治療指針 寛解期(従来) |
病態の抑制を目的 コルヒチン 1〜1.5mg/kg/日 内服 ↓無効の場合 シクロスポリン 5mg前後/kg/日 内服 ↓無効の場合 コルヒチンとシクロスポリンの併用療法…限界あり |
ベーチェット病薬の 副作用 |
コルヒチン…下痢 シクロスポリン…腎機能障害 神経ベーチェット病様中枢神経症状 コルヒチン・シクロスポリン併用…ミオパチー様神経症状 |
レミケード | インフリキシマブ(レミケード) 5mg/kgを定期的に点滴静注→最終的に2週間毎 ベーチェット病のうち難治の網膜炎に対して 適応:コルヒチン・シクロスポリン併用療法でも、とくに後眼部炎症を繰り返す症例 (症状が重症なのは、男:女=3:1) 副作用が無視できない症例 重症例でも約8割が視力向上 コルヒチンで無効なら、即レミケードに 不可逆的な変化(視神経・網膜の萎縮)に至っていないうちに使用すること 厳重な管理・副作用の監視が必要 副作用…感染症(結核等)、発疹・発熱 |
ベーチェット病類似の 前房蓄膿を呈する疾患 |
真菌性眼内炎、強直性脊椎炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、術後感染、細菌性眼内炎 |
ベーチェット病類似の 出血と滲出を伴う網膜炎 |
結核性網膜血管炎 |
ベーチェット病類似の 濃厚な網膜滲出性病変 |
トキソプラズマ |
桐沢型ぶどう膜炎 | |
桐沢型ぶどう膜炎 臨床症状 |
高眼圧が多い KPsの特徴 高密度/整然とした配列 ↓ 色素性KPsに変化 眼症:黄白色の顆粒状滲出 ↓数日単位で 黄色調に変化/出血 網膜虚血・壊死への進行 多発裂孔の形成 |
桐沢型ぶどう膜炎 起因ウイルス |
HSV−1、2またはVZV 片眼:両眼=6:1 起因ウイルス VZV:HSV=4:1 (HSVではほとんどがHSV−2) |
桐沢型ぶどう膜炎 治療 |
薬物のみで治癒するものが17%ある 内科的治療 1.抗ヘルペスウイルス薬 アシクロビル40〜60mg/kg/日 点滴(1日3回) 2.ステロイド プレドニゾロン1mg/kg/日 点滴/内服 3.アスピリン 外科的治療 1.超音波水晶体乳化吸引術 2.硝子体の可及的郭清 3.強膜輪状締結術 4.タンポナーデ(原則シリコンオイル) 5.タンポナーデ抜去(視機能が良ければIOL) |
桐沢型ぶどう膜炎 予後を左右する因子 |
最終視力が0.1未満が40% 視力予後を左右する因子 術前視力、網膜剥離の有無、手術回数 予後を大きく左右する視神経障害 視神経萎縮に至る要因 発症から手術までの期間 術前視力 手術回数 視力予後向上のためには なるべく早期に手術 網膜剥離を生じる前に 手術回数を減らす 現実問題として…手術適応決定が難しい 薬物のみで17%治癒 早期手術でも予後不良例が存在 観血的治療必要性の予測が困難 |
光凝固 | |
光凝固 正しい凝固汎を得るための基礎知識 |
1)凝固装置の焦点方式 Defocus方式(焦点ずらし)…大きめの凝固斑、前眼部のパワー密度が高い Parfocus方式(同焦点) …小さめの凝固斑、前眼部のパワー密度が低い 新しい焦点方式(シュアスポット等) 前眼部のパワー密度が低く、大きめの凝固斑が得られる 2)設定凝固斑の信頼性 凝固斑の均一性は機種により異なる 3)前置レンズ 広視野レンズで設定径を大きくしすぎると、前眼部への影響大 4)黄色着色IOL 20%弱のレーザー光がカットされる |
網膜剥離 | 網膜剥離の年齢分布 20歳位と60歳位の2峰性 網膜裂孔の発生頻度 成人の約1% 網膜剥離の発生率 1人/1万人/年 危険度の高い網膜裂孔 ・弁状裂孔 ・多発裂孔 ・大きい裂孔 ・網膜剥離の多眼の裂孔 10%に網膜剥離 無処置の裂孔の25〜30%→網膜剥離 格子状変性治療で網膜剥離の危険性↓ |
網膜剥離に対する光凝固 | 1)PCの適応 @絶対適応 ・飛蚊症、光視症など症候性弁状裂孔 ・多眼に網膜剥離の既往のある網膜円孔 A比較的適応 ・多眼に網膜剥離既往のない網膜円孔 ・多眼に網膜剥離の既往のある網膜格子状変性巣 B禁忌 ・既に網膜剥離の存在する裂孔 ・眼球打撲直後の壊死性網膜裂孔necrotic break 受傷後1週間経過を診て低出力PC 2)PCの限界 白内障、硝子体出血などの眼底透見不良例 網膜剥離存在例 網膜硝子体牽引が非常に強い例 3)術後経過観察 網脈絡膜癒着の完成には2週間以上かかる 新裂孔形成は1ヶ月後くらいにおこりやすい →術後2〜3週間は1週間毎の経過観察が必要 その後、macular puckerの発症にも注意 |
BRVOに対する光凝固 | @閉塞領域網膜に対するPC 一般的にBRVOの予後は良好 50〜60%は無治療で最終視力0.5以上 予後を決める因子は初診時視力 ↓ 初診時視力≧0.6 →自然経過をみる 周辺部に対するPC 新生血管出現してからPCすればよい 症例によっては、NPA広範囲ならPC 硝子体出血を予防する効果あり A黄斑浮腫にたいするPC 格子状PCとTAは同等の効果あり ただしPCでは凝固部の網膜感度低下 |
CRVOに対する光凝固 | @閉塞領域網膜に対するPC 非虚血型は経過観察 虚血型 新生血管発生→PC ハイリスクの虚血型→予防的汎網膜PC A黄斑浮腫に対するPC 格子状PC効果なし TA硝子体注で効果あり 非虚血型 6ヶ月経過観察→FA 黄斑浮腫に対して3ヶ月経過観察 虚血型 NPAにPC 黄斑浮腫に対してTA硝子体注、無効なら手術 |
糖尿病に対する光凝固 | 1)適応 @日本 NPA、PDR A米国 非常に重症なnon-PDR 選択的PCの概念は無い 2)網膜症の進行阻止を目的としたPC 小さなスポットサイズで行った疎なPCは効果が無い 過剰凝固→視野狭窄 汎網膜PC後、黄斑浮腫起こすことも少なくない 3)黄斑浮腫対策 @格子状凝固や毛細血管瘤凝固が基本 ATAテノン嚢下注併用有効例 ・PC後の黄斑浮腫の軽減 ・汎網膜PCに伴う黄斑浮腫の予防 ・毛細血管瘤凝固と併用して B限界 TA併用でも無効な場合は後部硝子体膜が張っている →硝子体手術を考慮 4)血管新生緑内障 汎網膜PC+アバスチン |
ぶどう膜炎 | |
豚脂様KPs | サルコイドーシス、原田病(とくに再発例) 両眼性、三角形を示すことが多い |
色素沈着を伴うKPs | ヘルペス |
CMV虹彩炎 | ステロイド無効、diffuseなKPs→前眼部PCRをする 中年以降、男性、片眼 |
難治性強膜炎 | リウマチ関連疾患における難治性強膜炎ではインフリキシマブを積極的に使用 |
後部強膜炎 | 原田病類似の臨床像をとる 眼球痛(眼球運動時)→緑内障発作と間違われることあり 漿液性網膜剥離を伴うことがある 治療 TAテノン嚢下注射 強膜開窓術 |
漿液性網膜剥離の鑑別 | 下方の網膜剥離→体位変換での網膜下液の移動の有無 あれば漿液性 CTで眼軸が短い→uveal effusion |
仮面症候群 原発性眼内悪性リンパ腫 |
びまん性棘状KPs 前部硝子体の”オーロラ状”細胞浸潤(濃いdense細胞浸潤) 特徴 網膜下浸潤病巣とベール状硝子体混濁 診断 硝子体生検 細胞診断、PCR診断 色素を伴ったKPs プレドニン内服を減量したら再燃 cf:日本では普通0.5mg/kg/日 最大量は1mg cf:プレドニン内服が効果なしの場合考えられる原因 @ステロイド不十分 TA硝子体注射で沈静化 A眼内悪性リンパ腫 治療:MTX硝子体投与が第一選択 |
ぶどう膜炎: 小児に対する ステロイド治療 |
慢性前眼部炎症が多い 白内障、帯状角膜症に注意が必要 OCT:黄斑浮腫あればMTX(リウマトレックス)内服考慮 前眼部炎症だけなら瞳孔管理が一番重要 ステロイド点眼は効果が無いことが多い |
ぶどう膜炎: 続発緑内障 |
ぶどう膜炎の40%で眼圧が上昇した。 うち30%が手術を要した。 ぶどう膜炎の10%が緑内障手術を要した。 |
角膜上皮障害 | |
SPK | PEE punctate epithelial erosion 透明、フルオ染色(+) 上皮細胞が脱落した跡 PEK punctate epithelial keratopathy 灰白色、フルオ染色(+)・ローズベンガル染色(+) Viabilityを失った細胞 三大原因疾患 @ドライアイ Aコンタクトレンズ B薬剤(点眼薬)…Delayed stain(角膜上皮のバリア機能障害 |
角膜 点状病変 |
@スマイルマークパターン SCL(GroupW:高含水・シリコンハイドロゲル) ACL装用眼で染色されない点状病変 マイクロシスト 低Dk/LのSCL装用者 mucin ball…シリコンハイドロゲルSCL 眼表面のムチンがこねられてボール状になったもの Bマイボーム腺角膜上皮症 マイボーム腺機能不全 マイボーム腺 菌の毒素に反応している ドライアイ、アレルギー性結膜炎の治療に反応しない…クラリス内服、フルメトロン点眼、クラビット点眼液 C重瞼術後の角膜上皮障害 ・糸による上皮障害→治療SCLして手術した施設へ ・術後の夜間兎眼…ドライアイより下方部位の角膜染色 DCogan角膜ジストロフィ 起床時眼痛 フルオロセイン染色しないが、break upしたような所見 Map-Dot-Finger-Print→再発性角膜びらん ELASIK-introduced neurotrophic epitheliopathy(LINE) 三叉神経切断によるreflex loop異常 ドライアイ症例で重症化 F薬剤毒性TS−1 経口抗悪性腫瘍剤(胃癌・大腸癌・肺癌・乳癌など) 内服を中止すると治るので、1クール終わるまで待つ GMeesemann角膜ジストロフィ 角膜上皮内に微小嚢胞 角膜上皮型ケラチンのK3、K12が関与 両眼性、まぶしい HTygeson 再発性角膜上皮炎、両眼性 星芒状のリンパ球浸潤 I薬剤毒性によるSPK ベースにドライアイが緑内障で長期点眼 |
角膜 線状病変 |
@CL下異物 ACL固着 BSEAL C角膜ヘルペス D偽樹枝状病変 ・面状の上皮障害の創傷治癒過程 上皮の過剰な脱落、増殖、移動の抑制 ・薬剤毒性 crack line ・アカントアメーバ角膜炎 偽樹枝状病変 円板状病変 Radial keratoneuritis ・痛みが強い、充血が強い ・CL装用者 cf:CL装用+ヘルペス様病変→アカントアメーバを疑え 角膜ヘルペスでは痛み・充血が軽い |
角膜 面状病変 |
@角膜ヘルペス 地図状潰瘍 A延性角膜上皮障害 B薬剤毒性、三叉神経障害、角膜ヘルペス、角膜移植後 |
眼球運動 | |
眼球運動系の評価法 | 1.固視 fixation →視力検査 2.両眼運動 →むき運動 version 3.単眼運動 →ひき運動 duction 4.眼位 →phoria/tropia 5.瞳孔不同 |
眼球運動障害の評価 のためのツール |
”見た目に動かないからと言って『麻痺』とは限らない!” 1.眼球運動制限の有無の判定 両眼 version →単眼 duction →眼位ずれ検査 2.拘束性 vs 麻痺性運動障害の判定 ひっぱり試験(forced duction test)…例)甲状腺眼症で外直筋肥厚 眼位性眼圧測定 3.筋原性 vs 神経原性麻痺の決定 テンシロンテスト…陽性→重症筋無力症 筋電図(EMG)、眼球運動図(EOG) |
眼球運動 検査の実際 |
1.視力検査→固視ができているかということ 視力不良→固有知覚(被検者の指を触って、そこを見させる) 2.両眼運動→むき運動 第1眼位(正面視)…固視機能 第2眼位(上下左右)…注視機能:ともひき筋 水平注視→橋の機能 垂直注視→中脳の機能 第3眼位(斜め方向)…単筋機能 3.眼位←眼球運動制限の有無の判定 斜視と斜位の診断 遮蔽試験→斜視 遮蔽・遮蔽除去試験→斜位 麻痺性 vs 共動性斜視の区別→眼球運動制限の最終判定 6方向の基本的むき眼位での交代遮蔽試験 |
水平性眼球運動障害 | |
外転障害 vs 外転神経麻痺 |
←外転神経麻痺 vs 神経核性麻痺 ABduction deficit vs AB nerve palsy Dr.Kashii's PseudoBCG: ← 外転神経麻痺=第6脳神経麻痺の6つのmimickers(もどき) Pseudo tumor orbitae = medial rectus myositis 内直筋炎 Blow out fracture = medial wall fracture 眼窩内側壁骨折 Congenital / Convergence spasm 先天性(Duane synd,Moevius synd)/近見反応の過剰(輻輳痙攣) Graves dis / myasthenia Gravis 甲状腺眼症/重症筋無力症 PseudBCGを除いた時、6ヵ月後の自然寛解率75%(Medical Sixth) |
ひっぱり試験 forced duction test |
拘束性 vs 麻痺性運動障害の判定 拘束性眼球運動障害 内直筋炎…非特異的眼窩炎症症候群 甲状腺眼症(IR>MR,SR>>LR) 眼窩吹き抜け骨折(眼窩底>内側 |
外転神経麻痺 vs 外転神経核障害 |
神経線維束障害…外転神経麻痺 核性障害 …水平注視麻痺 Duane症候群 vs Moevies症候群 Duane症候群…単眼性だが核性障害を伴う唯一の例 内外直筋が同時にはたらくので眼球後退が生じる ”外転障害+内転時のウインク”(左眼に多い) 異常神経支配のため内・外直筋両方が収縮 Moevies症候群…核性障害 左右眼とも上下視○、内外転× |
外転神経麻痺の主な原因疾患 成人 vs 小児 |
成人…虚血性血管障害、外傷、新生物 小児…外傷、新生物>炎症 成人の新生物…頭蓋底腫瘍(脊索腫、髄膜腫、鼻咽頭腫瘍、転移性腫瘍) 小児の新生物…テント上腫瘍(脳幹神経膠腫、小脳星細胞腫、上衣腫) 小児の炎症…ワクチン接種後、感冒様症状後、新生児一過性外転神経麻痺(Benson)など2〜3ヶ月で自然に治るものが多い |
動眼神経麻痺の診断 | |
動眼神経麻痺 診断の確定 |
診断の確定→2つのGの除外 Graves病←forced duction test 上転制限(IR)、内転制限(MR) 鑑別診断:眼窩吹き抜け骨折 MG←テンシロンテスト←小児:睡眠テスト、アイスパックテスト 眼瞼下垂…疲労現象(上方視を続けさせる) cf:外転神経麻痺では外方視を続けさせる |
動眼神経麻痺型眼球運動障害の特徴 | 単筋の運動障害の評価法 6方向の基本的むき眼位 第2眼位…核上性の制御をチェック 第3眼位…単筋機能をチェック 単独 vs 複合麻痺 上斜筋(滑車神経)麻痺の共存の有無の判定法 思いっきり下方視させる →内方回旋(+)…上斜筋の機能(+) (−)…上斜筋の機能(−) |
動眼神経麻痺と瞳孔 | 動眼神経麻痺の診断 瞳孔散大筋←交感神経 瞳孔括約筋←副交感神経 瞳孔散大筋麻痺…副交感神経のはたらき↑…暗所で瞳孔左右差↑ 瞳孔括約筋麻痺…交感神経のはたらき↑…明所で瞳孔左右差↑ 動眼神経麻痺における瞳孔の黄金則と適応の注意点(Trobe's Foot Notes) 微小梗塞 vs 内頚・後交通動脈瘤 微小梗塞による動眼神経麻痺は3ヶ月で4人に3人は完全に回復する。 |
成人 vs 小児の動眼神経麻痺の主な原因疾患 | 成人…原因不明、血管性、動脈瘤 小児…先天性>外傷性>炎症性、新生物 |
動眼神経麻痺の検査方針 | 治療すれば死を免れる動脈瘤は、治療のできない眼科医が、時間を浪費してはいけない! ただちに脳外科へ対診 ただし、40歳以上でisocoricであれば内科的精査も可能(症状出現2週間以内は2日毎の診察) |
垂直性眼球運動障害 | |
垂直眼球運動障害の診断 両眼性 vs 単眼性 |
単眼性上転障害の評価法 1.forced duction test→眼窩吹き抜け骨折 甲状腺眼症 2.Bell現象 3.前庭眼反射:人形の目現象 |
Parks-Bielschowsky3段階評価法 | 1.第1眼位で、どちらの眼が高いか。 2.左右を見た時、どちらので上下ずれが増強するか。 3.頭部を左右に傾けた(チルトした)時、どちらで上下ずれが増強するか。 理論的に責任筋を得ても、必ず実際の動きを見て決定する。 |
滑車神経麻痺の診断法 | 先天性 vs 後天性 "old-photo-scanning" 共動性の伝播(spread of commitance) |
Brown症候群の診断法 | 下斜筋麻痺とBrown症候群の鑑別 V現象、forced duction test |
AMD | |
AMD 疫学 |
患者数 約3万人 50歳から増え始め、60歳以上の男性に多い 失明原因の第4位 欧米だけでなく、日本でも増加傾向 AMDの自然経過 1年で視力は確実に低下 |
AMD 分類 |
1.前駆病変 1)軟性ドルーゼン…直径63μm以上が1ヶ以上あればAMD (視神経乳頭縁の網膜静脈根幹部径が125μm) 2)色素上皮異常 2.加齢黄斑変性 1)滲出型加齢黄斑変性 特殊型 @ポリープ状脈絡膜血管症(PCV) A網膜血管腫状増殖(RAP) 2)萎縮型加齢黄斑変性 |
AMD 診断基準 |
年齢50歳以上の症例において、中心窩を中心とする半径3000μm以内の領域に以下の病変が見られる。 1.前駆病変 1)軟性ドルーゼン…直径63μm以上のものが1個以上 (視神経乳頭縁の網膜静脈根幹部径が125μm) 2)網膜色素上皮異常 網膜色素上皮の色素脱失、色素沈着、色素むら、小型の漿液性網膜色素上皮剥離(直径1乳頭未満) 2.滲出型加齢黄斑変性 主要所見:以下の主要所見の少なくとも1つを満たせば確診とする 1)脈絡膜新生血管 検眼鏡所見、蛍光眼底造影によって診断 検眼鏡所見:網膜下に灰白色または橙赤色隆起病巣 蛍光眼底造影:FAまたはIA所見に基づく 2)漿液性網膜色素上皮剥離 直径1乳頭径以上。脈絡膜新生血管を伴わないものも含める 3)出血性網膜色素上皮剥離 大きさを問わない 4)線維性瘢痕 随伴所見:以下の所見を伴いことが多い 1)滲出性変化 網膜下灰白色斑(網膜下フィブリン)、硬性白斑、網膜浮腫、漿液性網膜剥離 2)網膜または網膜下出血 眼底に上記のような所見を認めたら、視力が1.0あっても、AMD専門医に紹介 |
滲出型AMDの治療 | PDT:ビスダイン+非発熱性レーザー AMD全体の3割、PCVに限れば5割で視力改善 AMDに対するPDT 1年後の自覚変化 自覚的な視力改善 3割 中心暗点、変視症の改善 5割 1年後の視力変化 改善25% 不変55% 悪化20% 薬物療法(抗VEGF療法) ルセンティスの場合 ANCHOR study : Predominantly classic CNV 12ヶ月で+11.3文字改善 MARINA study : minimally classic CNV+occult with no classic CNV 12月で+7.2文字改善 日本のある大学病院での結果 ・Typical AMD,PCVともに3割の症例で視力悪化 ・occult,PCVの方がPredominatly classic CNVに比べて、漿液性網膜剥離の残存した症例が多かった ・↑硝子体内に投与されたルセンティスがPE下に浸透しにくいからであろう ・アメリカのstudyより結果が悪かった 日本人には効きにくい? 経済的なこともあり、きっちり投与するのが難しい |
AMD 術後 |
術後下記症状の増悪があれば、視力の変化が無くても、治療実施病院へ再紹介 漿液性剥離 出血 網膜色素上皮剥離 硬性白斑 黄斑浮腫 |
高度近視緑内障眼 固視点近傍領域の視路障害パターン |
1.初期視野 下方中心視野に暗点が出やすい傾向 2.NFLD 乳頭黄斑神経線維束領域(PMB領域)に早期より生じやすい スクリーニング:Red free眼底写真 Red freeの欠点: 定量性がない 画像が暗いと見落としやすい diffuseなNFLDが写りにくい 定量:GCC program |
緑内障 mGCL | |
緑内障の進行速度とQOL | 50歳 MD-4dBで -2dB/年であれば、65歳で失明 -1dB/年であれば、80歳で失明 -0.5dB/年であれば、110歳で失明 |
緑内障 mGCL 早期診断 |
NFLDの出現は視野障害より6年早い 黄斑部GCLとRNFLは視野異常前から菲薄化する 黄斑GCL(Macular"GCL") 緑内障は神経節細胞が選択的に障害される 視野異常検出までに50%が障害される |
Preperimetric Glaucoma(PPG) | 細いNFLD 黄斑部GCLとRNFLの菲薄化 下方のGCLの方が菲薄化→下方の方がGONが始まりやすい |
GCC | GCC=NFL+GCL+IPL NFL:神経線維層(神経節細胞の軸索がある) GCL:神経節細胞層(神経節細胞の細胞体の核がある) IPL:内網状層(双極細胞と神経節細胞をつなぐ神経線維がある) |
近視眼の緑内障 | 緑内障発症ピーク 非近視眼 60歳代 近視眼 40歳代 20歳代でも発症がありうるということ 近視(<-3.0D)は緑内障の危険因子 視神経乳頭は多様に変形 しかしGCLは乳頭形態に依存しない上下対称性がある 初期緑内障検出力 HRT(C/D比)<cpRNFL<Macular GCC<FLV |
緑内障の進行速度判定 | Gold standardのHFA SITA24-2 standardでMD slope -1dB/年を検出するのに 6ヶ月毎の検査では 3〜6年かかる 4ヵ月毎の検査では 2〜4年かかる 3ヶ月毎の検査では 学習効果で結果が良くなる |
羊膜移植 | |
羊膜 | 子宮と胎盤の最内層…帝王切開時の胎盤などから採取 低い抗原性 |
羊膜移植 眼科的応用 |
T.羊膜グラフト:眼表面への新しい基質の供給 @再発翼状片 結膜切除後に強膜上への羊膜移植 結膜下細胞の増殖抑制 A瘢痕性角結膜癒着 スチーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、熱・化学腐食 角膜上皮幹細胞疲弊症 B水泡性角膜症(疼痛軽減) 視機能のない水泡性角膜症、帯状角膜変性 Cその他、結膜腫瘍、濾過胞再建 U.羊膜パッチ:眼表面の保護 @角膜穿孔(微小) 微小な角膜穿孔に対し、羊膜でカバーし創傷治癒を促す A遅延性上皮欠損 羊膜でカバーし、消炎と上皮化の促進 V.羊膜スタッフ:角膜実質の代替 @角膜穿孔 穿孔部に羊膜を充填(stuff=詰め物)し、穿孔部を閉鎖 |
羊膜移植 対称疾患 |
@翼状片 39% A瘢痕性角結膜癒着 18% 等 |
DSAEK | |
角膜内皮細胞 | 内皮細胞数正常かつ形態正常 健常 内皮数 2,500〜3,000 HX 60〜70% CV 0.25〜0.3 内皮細胞数正常かつ形態異常 現在、内皮にストレス(+) 内皮細胞数異常かつ形態正常 過去において異常があった 内皮細胞数異常かつ形態異常 現在異常が進行中 角膜内皮細胞数<400 → 水泡性角膜症 |
滴状角膜 | 内皮面に生じる多発性の疣状突出 |
Fucks角膜ジストロフィー | 原発性、両眼性に角膜内皮に滴状角膜を生じる AD 水泡性角膜症に対する角膜移植…DSAEK Type分類 FFC D1(late-onset,classic) FFC D2(early-onset) 年齢と性別は水泡性角膜症に影響を与えない 手術暦(内眼手術、レーザーPI)が水泡性角膜症の危険因子 cf:Non-guttate Fucks 進行性に内皮細胞密度↓(原因不明) Fucksに類似、しかし敵状角膜なし 落屑が関連? 落屑症候群→内皮細胞数減少 |
DSAEK (vs PKP) | 術後乱視が軽度…無縫合のため 術後早期に内皮細胞が30%減少、以後維持と考えられている PKPでは年々一定率が減少 |
ドライアイの定義 | 様々な要因による、涙液および結膜上皮の慢性疾患であり、眼不快感や視機能異常を伴う |
眼表面のフローレス染色の重要事項 | 最少液量での染色 多量の液量では、tear meniscus↑また上皮染色が不明瞭になる |
フローレス染色の仕方 | @フローレス紙についた水分をよく振って落とす Aフローレス紙の先端を軽く眼瞼結膜につける |
涙点プラグの合併症 | 肉芽形成→プラグ押し出し 太鼓締め Biofilm形成・感染 涙点の拡大 涙液によるぼやけ 涙道への迷入 角結膜上皮障害(内方視時) |
リング状のPKs coin lesion PKs |
CMV角膜内皮炎を疑う |
糖尿病網膜症 Davis分類 |
網膜症なし 単純網膜症 血管透過性亢進 毛細血管瘤 網膜点状・斑状・線状出血 増殖前網膜症 血管閉塞 硬性白斑 静脈異常 網膜内細小血管異常 増殖網膜症 血管新生 網膜・乳頭上新生血管 網膜前・硝子体出血 線維血管性増殖膜 牽引性網膜剥離 |
点眼 妊娠初期の催奇形性 |
妊娠初期(4〜7週)の絶対敏感期は重要。 長く見積もっても妊娠4ヶ月以降は関係ない。 点眼薬のように微量で全身移行の悪い投与方法で発現するかは疑問。 点眼で催奇形性につながったという事例は知られていない。 しかし、すべての点眼薬の使用を控えた方が無難。 |
点眼 胎盤移行 |
薬剤は一般に胎盤移行がありえるし、胎児への移行が証明されている薬剤もある。 抗菌点眼液では、仮に点眼1滴すべてが全身に吸収されたとしても、内服1錠の数百分の1に相当する量でしかないので、おそらく問題ないと思われる。 ただし、交感神経や副交感神経に作用する薬剤、PG製剤、炭酸脱水酵素阻害剤は避けた方が良いとされる。 |
点眼 乳汁移行 |
いくつかの薬剤では証明されているが、実際上問題になるものは少ない。 交感神経や副交感神経に作用する薬剤は避けた方が無難かも知れない。 |
色覚異常の頻度 | 先天赤緑色覚異常の発生頻度(日本人) 男性で5% 女性で0.2% 女性の保因者 10% |
Patchy pattern | シェーグレン症候群 |
BU不安定化の要因 | @涙量↓…シルマーテスト A表面張力↑ B蒸発↑ C角膜表面の水濡れ性↓ |
閉塞性MGD | 開口部の閉塞…続発性炎症 乾燥した塞栓…内容物を圧出すると一時的に軽快 |
脂漏性MGD | 瞼縁の泡形成 foaming リパーゼで脂質が分解され、遊離脂肪酸↑(鹸化反応) 細胞障害性 海面活性作用 細菌培養ではブドウ球菌検出 |
キープティア (アテロコラーゲン) |
冷所保存 体温にて、コラーゲン繊維素→再繊維化(ゲル化) 15分くらいかかる。瞬目を防いだ方がよい 使用15分前に室温にしておく 特徴 どんな涙点の大きさでもよい はずれない 涙点への影響がない 効果の持続は1〜2ヶ月 留置されているか視認できない 適応…シリコン製に置き換わるものではない 一過性の術後ドライアイ LASIK…2〜3ヶ月感覚↓、白内障等 軽度のドライアイ シリコン製涙点プラグに移行のステップ 涙点が非常に小さい(大きい)症例 シリコン製が使えなくなった症例 シリコン製プラグとコラーゲンプラグの比較 シルマー値 シリコン製 5.3mm↑ コラーゲン製 2.2mm↑ 角結膜上皮障害スコア シリコン製 2.0pt↓ コラーゲン製 4.4pt↓ |
ジクアス点眼液 | 2分後には、著名なムチン分泌促進作用 胚細胞は60分でムチン貯留が回復 涙液分泌促進作用の持続 刺激・しみる(10%前後)→あらかじめ説明しておく |
ドライアイ: ステロイド点眼の適応 |
・炎症が強い ・糸状角膜炎 ・Patchy pattern |
コマ収差 | 光線が水晶体に対し斜め・非対称に入っている 「像が尾を引く」、コマ(彗星)状の像 |
球面収差 | レンズの中央と周辺を通る光線の焦点がずれている 核白内障 |
三重視 | 核白内障(球面収差↑)+Y字縫合混濁 |
retrodots (点状の水晶体混濁) |
瞳孔領面積の50%以上で視機能障害 (ハルトマン像の滲みで確認可) |
水晶体欠損 | 実際はチン小帯欠損 非常に大きな高次収差 治療はIOL |
核白内障 | 近視化 核白内障の視機能異常 @色覚変化…黄色がかって見える A球面収差 cf:後嚢下白内障…収差ではなく散乱 |
後発白内障 | @後嚢線維化 ASoemerring BElschnich真珠 C前嚢混濁…IOL嚢内固定時 D液状後発白内障 |
液状後発白内障 | 術後2年以上経過後、残存皮質等が液化しIOLと後嚢の間に乳白色の液状物が溜まる コントラスト感度が低下 治療:視力障害なければ経過観察でも良い。 視力障害があればYAG後嚢下切開 前部硝子体混濁は生じる 発症時期 ・早期型…IOL前方偏位(+)近視化(+) ・晩期型…IOL前方偏位(−)近視化(−) 合併症:糖尿病網膜症、緑内障、ぶどう膜炎… |
YAG合併症 | 虹彩炎 一時的眼圧上昇 CME |
角膜移植後 拒絶反応発生率 |
角膜内皮移植(DSAEK/n-DSAEK)…2〜3% PKP…10〜30% |
角膜内皮移植の長所 | @テノン嚢下麻酔のため麻酔時の苦痛と危険が少ない (PKP…球後麻酔と顔面神経ブロック) Aclosed surgery (PKP…open skyになるため、眼球内容脱出や駆逐性出血の危険) B術後の視力が3〜6ヵ月後に落ち着く (PKP…約1年後) C不正乱視がほとんど出ない (PKP…不正乱視が強く出て、両眼視できないことがある) D外傷に強い (PKP…眼球打撲により移植片がずれて穿孔することがある) |
角膜内皮移植の時期 | 部分的にも実質浮腫が出てきた場合が考える時期 |
魚眼病 | 両眼性角膜混濁 低HDL血症(5〜10mg/dl程度) LCAT活性異常 遺伝:AR 組織:脂肪滴が主にBowman膜と実質に沈着 治療:角膜移植(PKP) *若年者に老人環様でびまん性の角膜混濁を認めた場合、脂質代謝異常を疑う必要がある |
LCAT遺伝子変異 | ・家族性LCAT欠損症 ・魚眼病 |
低HDLコレステロール血症+角膜混濁 | ・家族性LCAT欠損症 ・魚眼病 ・アポリポ蛋白A−1欠損症 ・Tangier病 |
CLとクレンジングオイル | CL first ・CL装用してから化粧する ・CLはずしてから化粧落とし |
T型アレルギーが関与する炎症性疾患 | アレルギー性結膜炎…90% 通年性…10% 季節性…80% アトピー性角結膜炎…4% 春季カタル…4% 巨大乳頭結膜炎…2% |
花粉症の有病率 | 増加傾向 1998 2008 花粉全体 20% 30% スギ 16% 27% スギ以外 11% 15% 最近の傾向 若年化 5〜 9才 14% 10〜19才 31% 高齢化 60〜70才代 |
花粉症の症状 | 自覚症状 掻痒感 ほぼ100% くしゃみ、鼻水 75% 充血 55% 他覚所見 瞼結膜充血 95% 球結膜充血 50% |
アレルギー性結膜疾患スコア | 軽度(+) 球・瞼結膜充血…数本の血管拡張 中等度(++) 球・瞼結膜充血…多数の血管拡張 高度(+++) 球・瞼結膜充血…全体の血管拡張 |
T型アレルギー反応 | 即時相(5〜20分後) 肥満細胞 mast cell 脱顆粒 →ヒスタミン、ロイコトルエン、TNF-α、IL-4、IL-13 遅発相 Th2cell>肥満細胞 好酸球浸潤 組織障害 |
アレルギー性結膜炎初期治療 | 有効性が報告されている点眼薬 ザジテン ケタス/アイビナール リザベン パタノール |
花粉症によるアレルギー性結膜炎治療方針 | 花粉飛散前 初期療法 花粉飛散時 軽症 メディエータ遊離抑制剤 or 抗ヒスタミン剤 中症 メディエータ遊離抑制剤 + 抗ヒスタミン剤 重症 メディエータ遊離抑制剤 + 抗ヒスタミン剤 + ステロイド |
細菌性結膜炎 | 0歳以下と50歳以上にピーク 眼の防御機能が悪い世代 小児は結膜炎の割合が多い 8〜9割 結膜炎 11歳以上 1/3 結膜炎 2/3 角膜潰瘍・角膜炎 小児では2歳以下に結膜炎のピーク 生後3ヶ月〜4歳に細菌感染が起こりやすい |
小児の結膜炎の特徴 | 瞼結膜充血 球結膜充血+溢血斑 pink eye ほとんどがグラム陽性菌 濾胞を欠くウイルス性結膜炎ありうる 濾胞のある細菌性結膜炎ありうる 10歳以下 ヘモフィルス属…G(−)…キノロンが1st choiceだが効きが悪い 連鎖球菌 CNS 黄色ブドウ球菌 11歳以上 corynebacterium、黄色ブドウ球菌で1/2…G(+) CNS propionibacteria acnes |
corynebacterium | G(+) 長期装用SCLデポジットの原因の一つ SCLに菌塊があっても結膜炎を起こしてこない 治療:セフェム系点眼薬が著効 キノロンは効かない 逆に、キノロンが効かなければ、corynebacteriumを疑いセフェム系を投与 |
新生児 産道感染 | 淋菌、クラミジア |
シリコンハイドロゲルCLの長短 | 長所 低含水でも酸素透過性が高い →乾燥しにくい →充血が減る 蛋白の汚れは付きにくい…蛋白除去剤は使わないほうが良い 短所 素材が固めである →異物感 →SEAL、CL乳頭結膜炎 脂質の汚れが付きやすい…こすり洗いを指導 |
眼窩骨裂孔を通る神経・脈管 | 重要度1→視神経管…頑丈な蝶形骨 視神経 重要度2→上眼窩裂(筋紡錘内)…頑丈な蝶形骨 動眼神経 外転神経 長毛様体神経(散瞳を司る) 重要度3→上眼窩裂(筋紡錘外)…頑丈な蝶形骨 滑車神経 涙腺神経 三叉神経第1枝 重要度4→下眼窩裂…もろい上顎骨 三叉神経第2枝 |
眼窩類表腫 (デルモイド) |
後発部位…眼窩骨の結合部 骨膜からの前摘出が必要 |
調節性内斜視 | 発症年齢が遅いので両眼視機能の予後は良い 眼鏡で治療 遠視…単眼レンズ、多焦点レンズ、累進レンズ 原因 遠視(屈折性調節性内斜視) 高AC/A比(非屈折性調節性内斜視)…多焦点レンズ |
調節性内斜視 治療後の近見斜視角 |
10刪ネ下 眼鏡+プリズム+手術 93% 眼鏡のみ 65% |
調節性内斜視 近見立体視の比較 |
どうしても立体視なしがある→外斜視へ移行しやすい プリズム、手術の追加 先天性乳児内斜視 6ヶ月時、100%両眼視・立体視(+)…発症時期 |
間歇性外斜視 | 発症が遅い(生後6ヶ月以降) 両眼視機能の予後は良好 近見時は外斜位 近見立体視は保たれやすい 術後の戻りが多い とくに遠見の外斜視が再発しやすい 遠見立体視の予後は不良 240sec以下は30%しかいない 術後の戻りが原因 どんな術式でも戻る |
間歇性外斜視 立体視の測定 |
近見立体視 Circle 1/9 800sec 7/9 60sec 以下で正常 9/9 40sec 遠見立体視…市販の器械なし |
間歇性外斜視 年齢と立体視の自然推移 |
近見 7才で70%が80sec以下に改善 遠見 10才で70%が80sec以下に改善 *5才から7才までは乖離していて10才で追いつく 就学前から小学校低学年では、遠見立体視不可は以上ではない 間歇性外斜視は小学校高学年まで手術せず経過を見ても良いかもしれない |
固定斜視 strabismus fixus |
強度近視により生じる斜視 Highly myopic strabismus 「強度近視性斜視」(造語)とでも言うべきもの 女性に多い 眼球が筋円錐から脱臼している 治療:手術 union of the SR and LR 上外直筋逢着 KOKI プラスチックフレームは下へずり落ちるのを防ぐ |
結膜弛緩症 | 症状:異物感、間欠性流涙 機序@涙液メニスカス機能不全 A機械的作用 病態@涙液量正常→間欠性流涙 A涙液量正常→ドライアイ悪化 治療:メニスカス再建 眼表面の可及的スムージング 手術@切除術 確実に弛緩結膜除去可能 A逢着術:結膜と強膜を逢着 手術時間短い、出血少ない |
近視性CNV (mCNV) |
50才以下のCNVの約6割 進行が速いため、早期の治療開始が望ましい |
脈絡膜血管腫 | ・びまん性…Sturge-Weber syndrome 「トマトケチャップ眼底」 ・限局性 やや黄色みがかったオレンジ色の円形〜楕円形 表面平滑で軽度隆起 続発性網膜剥離をしばしば伴う 自然経過は様々 自覚症状または滲出性変化(+)→長期経過で半数が0.1以下の視力に 無症状→経過観察 有症状→PDT(主流) 抗VEGF抗体療法 |
先天性視神経形成異常 | double ring (視神経乳頭周囲) 中隔視神経異形成症(弱視の一原因) 診断基準:MRI |
偽水晶体CME | Irvine-Gass syndrome 白内障術後1〜2ヶ月で生じる 自然治癒だと数ヶ月かかる ネパフェナック(ブロナック)点 1日2回1ヶ月 |
プリズムvsフレンネル膜 | プリズム:片眼5凾ワで、両眼10 フレンネル膜:片眼20凵A両眼40 |
部分調節性内斜視 | 調節麻痺剤使用し、完全矯正した眼鏡を少なくとも半年常用→ 10刪ネ上の内斜視が残存→ 遠近とも斜視角が一定→ 部分調節性内斜視→ 残存斜視角に対して手術 |
交代性上斜位 (DVD) |
遮蔽眼が上転 上斜位は変動(日により、眼位により) ときには左右差あり |
眼瞼痙攣 重症例 |
@眼輪筋の過度な収縮により不随意運動(閉瞼等)が両側に生じる疾患で、中枢伝達機能の障害を主な原因とし、他の神経学的・眼科的異常が原因となっていないもの A持続的な筋緊張によりしばしば捻転性、反復性の運動や異常姿勢を来たす病態であるジストニアが眼瞼周辺の筋に局所的に生じた病態。 B他の顔面筋や舌、咽頭、頸部筋にまで及ぶものをメージュ症候群という C本態性のほかに、薬物性、症候性がある |
眼瞼痙攣 主訴 |
@まぶしい(95%) A目を開けていられない、目をつぶっていた方が楽(92%) B目が乾く(51%) C瞬きが多い(26%) D手指を使わないと開瞼できない(16%) E片目をつぶる(16%) F眠気(8%) …眼瞼痙攣よりドライアイを想起しやすい |
眼瞼痙攣 患者の特徴的行動例 |
ドライアイ等では決して見られない大事な鑑別点 @停車中の車に激突転倒 A歩行中バイクに接触、転倒骨折 B犬の散歩中、立木に激突 Cテニスボール顔面に D自転車走行中、高みに乗り上げ転倒骨折 E月に3回も追突事故、運転やめた |
眼瞼痙攣 簡便検査 |
@「ぽんぽこぽん」、「ぽんぽこぽん」に合わせて、軽く歯切れよい瞬目を2度繰り返してもらう。 Aリズムよく、眉毛部の動かない、軽やかな瞬きができれば合格。 B眼瞼痙攣患者の大多数では、これがうまくできない。 |
眼瞼痙攣 程度分類(若倉) |
T)訴えに対応した他覚的所見が得られない U)軽瞬、速瞬が不規則または強瞬しかできない VA)強瞬時、開瞼に著しい遅れや痙攣(失行型) VB)瞬目させると中途で痙攣が生じたり閉瞼状態 W)診察室でも大半が閉瞼状態 X)全く開瞼できない |
PG製剤 上眼瞼深化 |
6ヶ月使用で ルミガン 60%、トラバタンズ 43%、タプロプロスト 13%、キサラタン 0% |
眼圧下降効果 | 無治療→キサラタン(眼圧15%↓)→βブロッカー併用/CAI併用(どちらでも20%↓) 併用してもそれほど眼圧は下がらない |
MD | −15dB 危険領域(無治療から50年にあたる) −20dB 生活不自由 −25dB 機能的失明 |
MD 進行速度 |
−0.5dB/Y (CNTGS) −0.27dB/Y (日本人平均、無治療、3年間) −1 dB/Y 進行確定例(早い人) 術後 −0.3dB/Y 下方視野障害はより早く不自由を感じる |
緑内障 専門医に紹介すべき例 |
@MD≦−15dB A下方暗点 B固視点近傍暗点 |
錐体ジストロフィー | 比較的若年…発症 40歳未満が72% 両眼性 後天性色覚異常 ERGで錐体系の減弱(中心暗点) 男:女 3:2 黄斑部異常 85% *原因不明の視力低下、眼底所見(−) →錐体ジストロフィーも疑い、CPで中心暗点の有無を調べる |
網膜海綿状血管腫 | 暗赤色の血液を貯留する網膜内の嚢状に拡張した毛細血管瘤の集まり 片眼性、孤発性、女性に多い 経過観察が推奨される 血管腫自体の増加や増大はない 皮膚や脳内にも血管腫があることがある |
Ring melanoma 毛様体輪状黒色腫 |
圧迫性…悪性リンパ腫のため いくつかのサブタイプあり |
老視の手術 | モノビジョン Conductive Keratopathy(CK)…術後の戻り大 遠近両用LASIK…まだ実用的な視力得られず 白内障手術(多焦点)…白内障には有用 角膜インレー |
老視矯正角膜インレー | 原理:焦点深度の増加 手術:点眼麻酔 フェムトセカンドレーザーでFlap 屈折手術 優位眼はFlapを戻して終了 非優位眼に角膜インレー挿入 術後:点眼、涙点プラグ 合併症:ドライアイ(10%) ハロー・グレア(12%) 術後近見視力:0.6 短所:暗い場所や細かい近見作業は困難→近用眼鏡併用 慣れが必要。場合により半年以上 |
学童期の弱視 治療 |
12才以下 眼鏡+訓練 13才〜 未治療なら 眼鏡+訓練 治療済みでもまだ25%が改善 |
学童期の弱視 屈折矯正 |
内斜視(+)遠視(+)→完全矯正 残余内斜視には手術 内斜視(−)遠視(+)→度数差は最大50%ただし3D以内 乱視(+)→完全矯正(乱視軸に注意) |
学童期の弱視 健眼遮蔽とペナリゼーション |
・いつ遮蔽を始めるか? 眼鏡だけの視力改善 3〜7才で未治療の不同視弱視で60% 93%で2段階以上の視力改善 45%で治癒 ・健眼遮蔽vsアトロピン 6ヶ月で最終視力は同じになる ・毎日遮蔽できない場合は一日おきでも効果はあると期待してよい 1年後で視力差なし |
学童期の弱視 弱視治療の終わり方 |
・8才以下で治療終了した場合24%で視力低下 6〜8時間/日の遮蔽の後中止→42%再発 2時間/日の遮蔽の後中止 →14%再発 ◎遮蔽を中止する際は漸減していく 1)眼鏡 2)アトロピン 毎日 3)アトロピン 2日/週 4)中等度弱視 2時間/日 遮蔽 高度弱視 6時間/日 遮蔽 5)視力が改善停止し弱視が残ったら、遮蔽時間を増やす 6)漸減しながら遮蔽中止 2年以内の再発がほとんど→2年間経過観察 ・眼鏡だけでも不同視弱視の視力改善あり ・遮蔽時間を長くしても視力改善に直結せず ・アトロピンによるペナリゼーションでも健眼遮蔽と同じ効果がある |
間歇性外斜視 自然経過 |
斜視角 10刪ネ上改善 19% 不変 58% 悪化 23% コントロール(斜位の保持) 改善 26% 不変 51% 悪化 23%(14%が手術) |
間歇性外斜視 評価 |
・斜視角 ・分類 ・コントロール(斜位が保たれているか) |
間歇性外斜視 眼位 |
・近見 ・遠見 ・9方向…◎まず左右の動きを比べ、次に上下の動きを比べる ・戸外を見たときの眼位 著しく遠いところを見たり、明るい所で片目つむりをしないかを確認する |
間歇性外斜視 分類 |
・基礎型 ・輻輳不全型 ・開散過多型 偽の…高AC/A、Tenocious fusion 真の… |
間歇性外斜視 手術時期 |
年齢:4歳以上 斜視角:20刪ネ上(戻りの内斜視があるため) 立体視:悪化したら コントロール状態も考慮 |
間歇性外斜視 屈折異常 |
・アジア人…外斜視多い 近視性屈折異常多い ・内斜視の90%が20才までに近視化(欧米人) ・手術による治療で近視進行に差はなし |
間歇性外斜視 調節 |
優位眼のある間歇性外斜視では両眼視時の調節量が異なる |
眼鏡処方 チェックポイント |
処方箋どおりか? 視力は良いか? 眼位は良いか? レンズ中心間距離は処方どおりか? 頂点間距離は保たれているか(左右対称か?) 具体的なポイント レンズの前傾角をチェック テンプル・モダンのチェック 上から見て斜めに装用していないか…大きすぎる 眼鏡に対する患者さんの不満点 最多はフレーム強度 |
斜視の再発 | 完全に診察を中断しないで、6ヶ月ごとに経過観察 悪化したら、2時間/日の遮蔽から始め1時間/日へ漸減 |
抗GQ1b抗体症候群 | 動眼神経等に抗ガングリオシド抗体 jitter現象 上方注視→眼瞼下垂(疲労現象) Fisher症候群の原因になる 外眼筋麻痺 小脳性失調 腱反射喪失 治療:ステロイドパルス |
成人型卵黄様黄斑変性 | peculiar foveovascular dystrophy(Gass) まれな疾患 40〜60才 家族性(−) 黄斑病変:1/3〜1/4乳頭径 視力低下は緩徐 合併症:まれに網脈絡膜新生血管 視力予後:10%以下は0.5以下。それ以外は0.6以上を推移 |
卵黄様黄斑変性 鑑別疾患 |
年齢 遺伝 特徴 Best 若年 AD EOG↓ A-V MD 成人 AD 成人型卵黄様黄斑変性 成人 なし AMD 高齢 なし ドルーゼン、CNV |
SRT | 神経網膜および脈絡膜に障害を与えずRPEのみを標的とするレーザー 病的RPEのみを破砕 thermo-mechanical disruption メラノソーム周囲のみ温度上昇→微小嚢胞 |
菌状息肉症 | 菌状息肉症(MF):皮膚原発のT細胞リンパ腫 慢性的に経過 病気:紅斑期、扁平・浸潤期、腫瘍期 上強膜炎 充血・眼痛 治療:ニムスチン(アルキル化剤、適応外) |
視神経乳頭上動脈瘤 | 動脈分枝・動静脈交差部に多い 通常は経過観察 まれに網膜血管閉塞症を起こすことがある |
眼窩筋炎 | 特発性眼窩炎症の外眼筋型 原因:感染、自己免疫 症状 充血 眼球運動制限 片眼ときに両眼 眼痛を伴う複視 治療 急性型:ステロイドによく反応 慢性型:ステロイドにあまり反応しない 診断:CT、MRIが有効 |
眼窩腫脹 鑑別疾患 |
甲状腺眼症…約半数で甲状腺機能異常 頚動脈海綿動静脈洞瘻 MALTリンパ腫…前眼部所見乏しい 転移性眼窩腫瘍 |
薬剤多発性脳神経麻痺 | 結核、敗血症 中枢神経系の脱髄疾患 TNF-α阻害剤は副作用として脳神経麻痺を悪化 |
OCT 高信号部 |
IS/OSライン 外境界膜 外顆粒層 内顆粒層 |
Watzke-Allen sign | 黄斑円孔に円孔直径より細い幅のスリット光を当てる 患者さんには真ん中の光のラインが細く見える 黄斑部が円孔により対応する網膜が広がるため、逆に像は小さくなる |
POAG 眼圧日内変動 |
日内変動における最高眼圧、日内変動幅…独立した危険因子 眼圧コントロール良好でも視野悪化…上記が大かもしれない |
波面センサー 白内障術前検査 |
@角膜不正乱視 角膜高次収差…術後矯正視力・コントラスト感度不良 A角膜屈折力の均一性 オートレフだけでは不十分 術後IOLの度数ずれが起こる可能性あり B角膜球面収差 非球面IOLは角膜の球面収差を補正 効果は個人差あり C角膜不正乱視 視力に限界がある可能性あり トーリックIOL適応の可能性 多焦点IOLは慎重適応 |
ReSTOR | 回析型多焦点IOL add+3.0D 眼鏡換算+2.5D 推奨近点40cm add+4.0D 眼鏡換算+3.0D 推奨近点30cm |
先天性緑内障 | 1万〜3万2千人に1人 pretty eye 大きい目 →牛眼 Buphthalmos トリアス ・流涙 ・羞明 ・眼瞼痙攣 6ヶ月までは角膜拡大 不正乱視 6ヶ月以降3才までは眼球拡大…眼軸が伸びる 生後〜3才の視神経乳頭 全体拡大型乳頭(陥凹拡大なし) |
発達緑内障 | 発達緑内障…隅角形成異常 早発型 10才未満 治療:薬物無効 手術…ロトミー、再手術も多い 術後、IOL管理と弱視管理 遅発型 10〜20才 |
DSAEK | メリット 屈折度変化少ない 外傷に強い 拒絶反応起こりにくい(発生しても軽微) アメリカでは45%がDSAEK 適応 角膜内皮機能不全眼 アルゴンレーザーPI後の水疱性角膜症 フックス角膜ジストロフィ 白内障術後 早め(実質が障害される前に) 術後長期にわたり視力が向上し続ける 術後視力に関する要因 年齢 前方散乱 上皮下混濁 術後角膜内皮細胞炎症 最初1年間は減少するが、その後減少量は少なくなる 3年でPKPを逆転 合併症 ドナーのdislocation(術後低眼圧) Graft failure 空気瞳孔ブロック 晩期感染症 遠視化(1D程度)…角膜厚↑のため 高次収差 前面 PK=DALK>DSAEK>正常 後面 PK=DALK=DSAEK>正常 眼圧 角膜厚大きくなるが、眼圧に関与せず正確に測定可能 |
角膜疾患 所見の把握 |
1)混濁部位 @浅層/深層/全層 A境界明瞭/不明瞭 B限局性/びまん性 2)混濁の実体 @細胞浸潤の有無(炎症?免疫?) A瘢痕 B浮腫 実質…内皮機能↓の場合必発 上皮 C異常タンパクの沈着 格子状角膜変性症 実質の浅層〜深層の境界明瞭な混濁 境界明瞭→移植は不要 斑状角膜変性症 実質全層のびまん性混濁でコントラスト感度 実質全層かつびまん性→移植 |
強度近視 | 日本では失明原因の5位 等価球面度数 −8D以下 分類 単純強度近視 病的強度近視 後極部疾患合併 2%(日本人) 基本的に進行性 |
近視性脈絡膜新生血管 (mCNV) |
Type2CNV 平坦で小型(1乳頭径以下) 中心窩下または傍中心窩下 正確な病態は不明 経過 多くは黒い色素沈着を伴うFuchs斑→網脈絡膜萎縮→視力低下 診断 FA:Type2CNV ICG:滲出性変化に乏しい OCT:網膜色素上皮上の隆起病変 滲出性変化経度 cf:特発性CNV mCNVと違いICGで初期に過蛍光、後期に旺盛な漏出 mCNVと同様に若年性かつType2 非観血性治療 TA…効果低 PDT…保険外適応、視力改善効果弱い 抗VEGF…効果あり 黄斑下CNVでは萎縮性変化が問題 cf:VEGF 血管内皮細胞を分裂・増殖 血管透過性↑ 炎症性サイトカイン |
近視眼黄斑疾患の進展形式 | 中心窩分離症 ↓比較的緩徐…進行予防、早期診断、適正な時期の介入 黄斑円孔 ↓比較的急速…確実な復位、迅速な対応 網膜剥離 |
近視黄斑円孔の分類 | Flat type…網膜嚢胞、安定 Schisis type…進行速い→早い手術が必要(円孔形成の前に) 網膜が足りない状態…円孔が閉鎖しにくい |
GCL 正常値 |
MIRL(Macular inner retinal layer) 機種によってnormative dataが違う 中心10°位を測定 正常値(TOPCON) 40 NFL 70 GCL+IPL 110 NFL+GCL+IPL 中心窩の左右で厚みを比較すると、乳頭側の方が厚い |
OCT トプコンの正常データベース |
251眼、20〜79才の正常眼 注意点 若年者 20才未満は20才のデータ 高齢者 80才以上は79才のデータ 高度近視眼の評価は十分注意 |
OCT 網膜のline |
網膜 NFL GCL INL OPL ONL ELM IS/OS RPE Choroid 4つのline @ELM(外境界膜) AIS/OS Bコストライン(錐体細胞外節先端)…見えないことがある CRPE |
黄斑円孔 診断の注意点 |
小さいと見逃すことがある Walzke-Allen test 眼底をスリットで見ながら、スリットラインが切れたり細くなっていないか尋ねる 中心暗点の自覚がないか |
網膜前膜 | 症状:視力低下、変視 治療:硝子体切除、ERM剥離(+ILM剥離) 予後:変視の回復は遅い/不十分→患者さんの術後納得度低 視力回復はIS/OSlineの回復による OCT:術後網膜表面はでこぼこ |
DME 分類 |
@硝子体牽引性 A嚢胞性 |
BRVO 黄斑病変類型 |
@CME型 ASRD型(漿液性網膜剥離) BCME+SRD型 C萎縮型…@〜Bは経時的に萎縮型に移行 D膨化型…網膜肥厚 |
BRVO アバスチン治療予後 |
ほとんど元通りの視力には改善しない 網膜萎縮・菲薄化・構造の乱れのため 7割が再発 |
白内障術後の視力低下 | SRD 偽水晶体性類嚢胞性黄斑浮腫 術後1〜2ヵ月後 別名 Irvine-Gass syndrome 治療:非ステロイド点眼・内服 ステロイド点眼・テノン嚢下注射(○) アバスチン 視力良好なら経過観察でも良い |
萎縮性AMD | Dry type, Atrophic type, early ARM(国際分類) CNV(−) 進行緩徐 治療不可 |
CNV | 眼底所見:出血と硬性白斑に注意 OCT:SRDに注目 Freundらによる分類 Type T neovasculization Occult CNV AMDで最も頻度が高い(PCVもその一種) 新生血管はBruch膜とRPEの間に存在 CMEよりも漿液性網膜剥離が発現しやすい 新生血管が十分成熟しているのでVEGF療法の効果不完全 Type U neovasculization Classic CNV Bruch膜、RPEを貫いて網膜下で新生血管が発育 Type V neovasculization 網膜内新生血管 RAP 治療原則 病変が網膜下→硝子体注射 病変が色素上皮下→PDT |
色素上皮剥離 (PED) 成因別分類 |
@漿液性PED 中心窩近傍、小型、変視→PDT適応の場合あり 経過観察も可。ただしCNV発生に注意 A出血性PED…AMDに準じた治療必要 二ボーを形成する場合あり B線維血管性PED…AMDに準じた治療必要 C原因不明 |
色素上皮剥離(PED) 治療を急ぐ場合 |
AMD 硝子体注射後再燃 網膜下出血 |
色素上皮剥離(PED) 治療を急がない場合 |
中心窩病変(+)だが自覚(−) 網膜内・網膜上病変 |
CRVO 疫学 |
男女差なし 頻度 0.1〜0.4% ただし、その内1%が1年以内に他眼にも発症 5年後には最大7%が両眼性に発症 眼底所見:ERMがしばしば(+)…原因不明 |
CRVO/BRVO 発症危険因子 |
高血圧症、年齢、ヘマトクリット 日本人は欧米人・他のアジア人に比べ高率 |
CRVO 血液循環による分類 |
@虚血型 前眼部NV(ルベオーシス) 一般に10%が罹患 非虚血型…10%以下 虚血型…35%がルベオティック緑内障に A非虚血型 一般に出血少、初診時視力良好 治療 内科的、外科的あるも決定版なし |
CRVO PCの効果 |
CVO study @PC…非還流型にはNV抑制なし A格子状PC…3年後浮腫改善するが、視力障害改善はしない |
CRVO 硝子体手術の効果 |
Standard PPV(硝子体切除術) 明らかな有効性なし |
CRVO/BRVO 薬物治療 |
現在は黄斑浮腫改善が目的(対処療法) tPA ステロイド 抗VEGF TAテノン嚢下注射 SCOREstudy TAテノン嚢下注射はCRVOに有効 しかし抗VEGFの方が有効 |
CRVO 治療 |
ステロイド TA オザデックス(眼内ステロイド留置) ルセンティス…効果大 |
CRVO/BRVO 自然予後 |
BRVO 1/3 視力改善 1/3 視力0.5〜0.1 1/4 視力0.1以下 CRVO 無治療で視力は低下 |
CRVO/BRVO 治療予後 |
最も確実な要因…初診時視力 |
CRVO、DME 抗VEGF療法の効果 |
RVOに対し、抗VEGFはとても有効 CRVO/BRVO…VEGに依存しているため DME…VEG以外の要因もある |
急性網膜壊死(ARN) 原因ウイルス |
VZV(約80%) HSV(約20%) |
急性網膜壊死 (ARN) 臨床所見 |
早期の臨床所見 片眼性のKPsを伴う急性虹彩毛様体炎 網膜動脈を主体とした血管炎と眼底周辺部に散在する顆粒状黄白色病変 約30%で初診時に眼圧上昇 KPs+急性虹彩毛様体炎→眼圧上昇していても隅角閉塞なければ散瞳し眼底周辺部の観察必要 進行に伴い、眼底周辺部の顆粒状黄白色病変は、融合して濃厚な黄白色病変になる 眼内に感染したヘルペスウイルスを排除しようとする免疫反応が生じ、硝子体混濁↑ 約60%が2〜3ヶ月以内に網膜剥離を発症 ヘルペスウイルスや炎症に伴う視神経障害をもたらすことも視力予後不良の一因 |
急性網膜壊死 (ARN) 治療 |
原則…眼内のHSV/VZVの増殖阻止を目的とした抗ウイルス療法 第1選択薬:アシクロビル 2週間点滴静注 後療法:バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグ) 2週間以上内服 両眼発症例の左右眼の発症間隔が、約70%の症例で1ヶ月以内であるため 長期間経過後に僚眼に発症、僚眼に複数回にわたって再発を繰り返す症例あり VZVはアシクロビルに対する感受性低い ウイルスやその断片による過剰な免疫・炎症反応が関与→ステロイド全身投与も必要 硝子体手術により最終視力予後は変わらない |
涙道 触診 |
涙小管圧迫時の膿逆流→涙小管炎 涙嚢部圧迫時の膿逆流→涙嚢炎 |
涙道 通水検査 |
上涙点から逆流 通水可、膿逆流(+)→涙小管炎、涙石症 通水可、膿逆流(−)→通過障害なし、涙嚢皮膚瘻 対側涙点から膿逆流→涙嚢炎 血性逆流→腫瘍を疑う 涙道腫瘍の1/2は悪性 逆流(+)膿(−)→プロービング 膜様抵抗→先天性涙小管閉塞症 骨様抵抗→涙嚢上部閉塞 |
涙小管 | 内径0.7mm、長さ12〜14mm 上の方が入れやすい(走行が直線的) 下は走行が最後が上に曲がっている まずは涙点に垂直に挿入する |
先天性鼻涙管閉塞症 プロービング |
初回治療治癒率 90% 初回失敗による医原性涙小管閉塞形成 44% 鼻涙管背側偏位 5% 難治例であり この場合プローブを寝かせて挿入する 一般にブジーは押して挿入してはいけない さぐりながら挿入する |
先天性涙嚢ヘルニア | 生下時より涙嚢部に認められる暗青色や桃灰色の腫瘤 涙嚢に溜まる羊水の逆流 先天性鼻涙管閉塞症の1〜2% 涙嚢炎が無ければ眼脂(−) 鼻内に拡張し嚢胞様腫瘤により下鼻道を閉塞することあり 両眼に生じると呼吸障害ありうる 症状 生下時よりの涙嚢部腫瘤 涙嚢炎の合併(約半数) 呼吸障害 眼球の偏位 乱視(→弱視) 自然治癒率20%弱 治療 涙嚢マッサージ 軟膏を指に付けて上から下へマッサージ 強く押しすぎると腫瘤破裂 涙嚢穿刺 涙嚢ブジー(穿破困難) 涙嚢炎合併→抗生剤 下鼻道を嚢腫が占拠→下鼻道法による嚢腫切開術 |
涙道外来 | 兵庫県立塚口病院 眼科 涙道外来 火・木予約 涙管チューブ挿入なら当日施行可能 大阪回生病院 三村真士先生 |
黄斑の定義 | 中心窩を中心とする半径3mm(3,000μm) Cf:乳頭直径 1,500μm 視神経に入る静脈径 125μm |
AMD 疫学 |
日本人(久山町研究…nは大きくない) 滲出型 50歳以上の約0.7% 男>女 萎縮型 50歳以上の約0.1〜0.2% 白人 40歳以上の1.64% 50歳以上の2.06% …日本人は白人の半分の頻度 滲出型は日本全体で50万人 AMD 多因子疾患(複合疾患) 遺伝因子:CFH遺伝子多型 RA1遺伝子多型…日本人の15%にある 両親から受け継ぐと約7倍 片親から受け継ぐと約4倍の発症率 環境因子:◎喫煙、光暴露、生活習慣 遺伝因子なくても発症あり |
AMDの分類法 1.萎縮型と滲出型 |
萎縮型のOCT:PED萎縮、choroidal signal enhancement 滲出型のOCT:無〜中等度反射…CNV |
AMDの分類法 2.国際分類 |
視力異常(−)、早期:加齢黄斑症(軟性ドルーゼン、PE異常) 視力異常(+)、後期:AMD 地図状萎縮=萎縮型AMD 新生血管黄斑症=滲出型AMD @CNV APED B円盤状瘢痕病変 どれか1つ証明できればAMD(日本と違う) |
AMDの分類法 3.厚労省調査研究班分類 |
1.前駆病変 @軟性ドルーゼン APE異常 2.AMD 1)滲出型 CNV 滲出性/出血性PED 2)萎縮型 繊維性瘢痕 サブタイプ 狭義AMD PCV RAP…神経網膜内にNV AMDは基本的にはType2(色素上皮を越えて網膜下の新生血管) 近視性CNV、特発性CNV…Type1(色素上皮下の新生血管) |
AMD サブタイプの頻度 |
狭義AMD 35% 男、片眼が多い PCV 55% 男、片眼が多い 狭義AMDより5歳位若い RAP 5% 女、両眼が多い 高齢者も多い |
Large soft drusen | ハイリスク 125μm以上 |
ドルーゼンの分類 | @Soft drusen under RPE OCT:drusenの内容は無反射ではなく内容物に高輝度の密度あり Acuticlar drusen punctate under RPE FA:Stars in the sky OCT:小さくて突き上げる形(vitelliform detachment) その部位の色素上皮が傷むから BSubretinal drusenoid deposits above the RPE Reticlar (pseudo)drusen 広義AMDの20%にあり RAP、dryAMDに多く、PCVに少ない |
AMD 治療対象 |
@萎縮型は治療対象ではない Adryとwetは連続した病態 BwetAMDは直ちに治療 C漿液性PEDの問題(どうするか難しい) 小さなPED(1Disc以下)は治療対象ではない 日本では1Disc以下の漿液性PEDをwetAMDに入れない 大きなAMDはwetAMDに区分されるが、CNVが検出されない症例では治療の判断が困難 PCVへのPDTは大出血が引き起こされることがあり予測不能 |
MGD VIPDr |
@Vasclarity 血管拡張 AIrregularity 眼瞼縁不整 BPlugging CDigital pressure DRetro- or Unterplacement of mucocutaneous junction |
SLK | 上方の球結膜に弛緩 25%にドライアイ 30%に甲状腺疾患合併 治療:手術もあり…涙液減少がなければ完治 |
ドライアイ 摩擦 |
結膜弛緩症 SLK 眼瞼下垂 |
風疹 ぶどう膜炎 1.先天風疹症候群 |
妊婦が妊娠5ヶ月以内に風疹に罹患した際に生じるウイルス血症が胎盤を介して胎児に感染 白内障、網膜症、心疾患(動脈管開存、肺動脈狭窄)、難聴 妊娠早期(2〜3ヵ月以内)ほど発症率高く、重症化しやすい 白内障 約15% 生下時、白色瞳孔 網膜症 約22% ごま塩状眼底(salt-and-pepper retinopathy) 黄白色の色素斑と小さな色素の集積 視機能に影響を及ぼさないことが多いため治療必要なし |
風疹 ぶどう膜炎 2.風疹性ぶどう膜炎 |
学童や成人 感染の最盛期から回復期にかけて ぶどう膜炎を伴う網膜色素上皮炎 両眼性の軽度の肉芽腫性虹彩毛様体炎 後極部を中心として散在性の小白点 2〜3週間で瘢痕を残さず消失 ぶどう膜炎の治療を行う 一般に視力予後良好 Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎が風疹ウイルスが関与している |
Corynebacterium 眼感染症 |
高齢者の慢性結膜炎の主要な起炎菌の1つ 過半数の株で耐性 まずセフェム系抗菌点眼薬を使用 |
ドライアイ Reflex loop |
@眼→(瞬目の刺激)→脳 A脳→(分泌の指令)→涙腺 B涙腺→(分泌応答)→眼 @の障害 角膜への手術…LASIK、角膜移植、ECCE 糖尿病、神経麻痺性角膜症(脳神経外科手術) βブロッカー・NSAID等の点眼 CL装用 Aの障害 抗コリン作用薬内服(向精神薬、抗うつ薬) ストレス Bの障害 シェーグレン症候群・RA等の膠原病 GVHD ストレス 眼表面の炎症 |
Tear Meniscus の高さ | 正常値 0.2〜0.3mm |
乳頭出血 | NFLDに一致して rim atrophy に一致 正常でも6%にある |
レクトミー合併症 | @濾過胞感染 Aleakingブレブ 治療 非観血的:自己血清点眼等 観血的:濾過胞再建術等 濾過胞の範囲を拡大し内圧↓ Compression suture追加 眼圧が安定した濾過胞…低輝度、比較的厚みがある、漏出液が限局していない |
TASS | 内眼術後非感染性炎症 重篤:角膜内皮障害、虹彩損傷→閉塞隅角 術後眼内炎との早期の鑑別は困難 TASS 発症:24時間以内 症状:霧視 硝子体:鮮明 ステロイド反応性:良 術後眼内炎 発症:3〜7日後 症状:眼痛 硝子体:硝子体炎 ステロイド反応性:不良 |
Churg-Strauss症候群 | 全身性アレルギー性肉芽腫性血管炎 壊死性血管炎により小動脈毛細血管障害 眼合併症 14〜16%の発症率 CRAO、上強膜炎が多い |
トキソプラズマ症 | 先天性では再発、寛解を繰り返す場合有り |
ペルーシド角膜変性 | 角膜下方周辺部が非炎症性に菲薄化し一部が突出する 男>女 円錐角膜の類縁疾患 LASIKは禁忌 治療 軽症…HCL 重症…角膜移植 中心部が偏心しているので円錐角膜より困難 |
後部円錐水晶体 | 先天異常、まれ 片眼、散発 家族性ではAR 幼児期に発症し、年単位で次第に進行 視機能に影響すれば手術 全身疾患(Lowe症候群、心房中隔欠損症の合併報告有り 円錐部で強度近視化、周辺部で正〜遠視化 外傷により急激進行有り |
βブロッカー 全身性副作用 |
問診では限界 呼吸器系…喘息、COPDで禁忌 循環器系…不整脈、除脈に注意(慎重投与) 心不全は内科に照会 |
眼圧下降効果 | PGsで眼圧15.7%↓さらに β≒CAI併用で眼圧5%↓(≒1mmHg) つまり配合剤の追加効果は、コソプトで2mmHg↓ |
アムスラーチャート | 黄斑疾患に有用 片眼ずつ、30cm離す 10°の視野を見ている @中心点が見えるか A大きな四角の角はすべて見えるか B直線はゆがむか |
CSS 最近の知見 |
高齢者にも多い 適切に治療しなければ視力予後不良のことがある 素因は両眼性にある PDTが奏功する場合もある 機序 @脈絡膜血管透過性↑ ARPEへの負荷(PED) BRPEに小裂隙 |
黄斑浮腫 | 分類 @嚢胞 ASRD Bびまん性浮腫 治療 @初回:TAテノン嚢下注射 A強い場合、抗VEGF薬 B落ち着けばレーザーを考慮 |
ROP 予後 |
自然寛解が大半 重症例で光凝固、手術 |
ROP PC適応 |
Stage3 境界線の増殖組織が立ち上がる→PC適応 ただし、将来増殖性変化を疑う場合は、Stage2の血管蛇行でもPC |
ROP 危険因子 |
早産 低体重 長期人工呼吸 呼吸分圧の変動等 |
周術期の視機能障害 | 非手術眼の視力低下 虚血性視神経症、動脈閉塞、皮質盲、急性緑内障発作 発症頻度0.003〜0.0008% 危険因子 @長時間の伏臥位手術 A術中低血圧 B大量出血・大量輸血 C糖尿病、高血圧症、冠動脈疾患、脳血管疾患などの基礎疾患 |
虚血性視神経症 | 視神経へ供血する後毛様体動脈等の血流↓ |
DCR | 適応 慢性涙嚢炎 鼻涙管閉塞 原因 90%以上特発性 手術成功率 80〜90% 鼻外法 皮膚切開 骨窓を作成 鼻粘膜と涙嚢をつなぐ結膜弁 チューブ留置 鼻内法 全身麻酔 鼻粘膜を除去 骨性鼻涙管に骨窓 膜性鼻涙管を露出 リズミー作成 チューブ留置 入院6〜7日 術後、鼻洗浄が定期的に必要 フローチャート 通水試験→Y→保存的治療 →N→ブジー→Y→NST→N→DCR →N→DCR |
GON | GON=rim狭小化+NFLD 神経節細胞層アポトーシス→神経節細胞繊維層死 GCC 6×6mm=HFA 10-2に相当 |
近視性網膜分離症 | 強度近視に伴う黄斑円孔のない後極部網膜剥離 網膜内層の分離 原因: 牽引 網膜血管牽引 内境界膜牽引 ぶどう腫 症状:変視症、視力低下 診断:OCT 網膜分離型 中心窩剥離型 全層型(黄斑円孔型) 自然経過 網膜分離型→中心窩剥離型→円孔型 半数は中心窩剥離型で悪化 残りの半数は黄斑円孔または網膜剥離になる 手術適応 中心窩剥離型:手術効果期待大 網膜分離型、黄斑円孔型:効果期待小だが、患者さんの希望があれば手術考慮 |
Missing rectus | 眼窩閉鎖型骨折で外眼筋自体が骨で挟まれたもの cf:開放型骨折…明らかな骨折がある 閉鎖型骨折…一見骨折していないように見える 眼窩の若木骨折 骨の弾性により一度折れた骨が元の位置に戻ったもの 眼窩内組織(脂肪・外眼筋)が脱出 CTで外眼筋が陰影に隠れている(missing)ように見える 適切な時期(受傷後2〜4日以内が望ましい)に整復しないと、筋肉に繊維化を生じる 一定期間経過すると完治しない 手術が大きいほど眼球運動の回復に時間がかかる Ocularocardiac reflexに注意 |
Ocularocardiac reflex | 三主頂:@嘔気 A除脈 B失神 眼部に分布する三叉神経→(迷走神経)→心臓 一般に不整脈はごくまれながら致死的な場合がある |
涙道閉鎖症 手術 |
再建手術 涙点チューブ 盲目的 涙道内視鏡 バイパス手術 DCR 鼻外法 鼻内法 結膜涙嚢吻合術 |
NST 術後プロトコール |
(例) チューブ2か月留置 2週間毎の涙洗 抗生剤・リンデロン点眼 通水 可→治癒 不可→再発 粘液の逆流→再発 |
NST 成功率 | (某施設)1年後 85%(涙嚢炎合併していると↓) |
DCR 成功率 | (某施設)1年後 89%(鼻内法) |
涙道閉塞症 部位別治癒率 |
涙点〜涙小管:94% 涙嚢〜鼻涙管:81% |
涙嚢炎 治療 |
治療成績:DCR>>NST NSTは涙嚢炎があると再発しやすい 涙嚢炎があると粘膜上皮障害が高度 |
Mooren潰瘍 | 中年以降、片眼性が多い 若年性、両眼性は予後不良例が多い 角膜肥厚と underminded 関与因子 外傷 異物 C型肝炎 鑑別診断 カタル性角膜潰瘍 RAなどの膠原病 Terrien角膜変性症 |
肥厚性硬膜炎 | 脳硬膜の肥厚した硬膜による直接圧迫・循環障害・炎症波及 顔面神経麻痺、不明熱・炎症反応、顕微鏡的多発血管炎 眼症状:視力低下、眼瞼下垂、眼球運動障害 |
インプラント法 | 強膜を半層切開、観音開き 合併症:脈絡膜完全露出、穿孔 |
後天網膜分離症 | 眼底周辺部の嚢胞様網膜変性が融合拡大 鋸状縁に接するドーム状の網膜隆起病変 表面は平滑(網膜剥離ではしわ) demarcation lineはっきりしない(網膜剥離と異なる) 進行は緩徐(87%進行なし) 遠視に多い 外網状層で分離(先天性と異なる) 外層と内層の分離(網膜剥離は網膜外層裂孔) 治療の絶対的適応 網膜剥離合併 比較的急速な網膜分離の進行・悪化 |
淋菌性結膜炎 | 角膜穿孔、充血(+++)、眼脂 泌尿器科所見(−) ペニシリン、テトラサイクリン、アミノグルコシド系、ニューキノロン耐性菌出現 ニューキノロン耐性率 44%(日本) 多剤耐性が増えている |
潰瘍底に白色沈着物 | ニューキノロン(トスフロ)…Corynebacterium |
アカントアメーバ | 疫学 水道水、海水、湖水、プール水、風呂水、土壌、ゴキプリ、ハエ等に生息 米でSCL装用者の100万人に1.6〜2人に発症 2週間交換SCL装用者に多い ケースの乾燥が大事 アカントアメーバは乾燥に弱い 症状の特徴 ◎角膜障害の割に強い毛様充血 線状の角膜神経炎 radial keratoneuritis(発症確率1/3) 多彩な角膜所見(白斑、角膜混濁) SCL装用者に多い 病期 初期…角膜上皮障害 移行期 完成期…浮腫、角膜実質病変 多層性、偽樹枝状病変 1ヶ月で移行期→完成期と進行 鑑別疾患 @○角膜ヘルペス A角膜真菌症 B角膜細菌症 |
アデノウイルス結膜炎 | 特徴的症状 瞼結膜に点状出血 潜伏期 数日〜2週間と長い 咽頭結膜熱PCFとの違い 潜伏期も感染性あり 抗体価 1〜2週で上昇 病型 @PCF B群 AEKC D群 症状の傾向 流涙が強い 点状出血 充血が強い ただし軽度では診断が困難 強く疑う臨床像 両眼性 82% 家族内発症 46% 角膜上皮下混濁 40% 消失するまで長期間のステロイド点眼は可 型別重症度 Ad3 PCF 結膜症状軽度 Ad4 EKC 結膜症状重症 アデノチェック 感度80% 特異性は高い 陽性率は第1病日67%(必ずしも高くない) |
サプリメント 安全表示 |
GMP規格:製造規格 JHFAマーク:製品規格 |
IOL混濁 グリスニング |
スリットで光学部中央全体に小さいつぶつぶの斑点 拡大して観察すると多数の輝点 IOL内部の小間隙に大きな水相分離が発生した状態 疎水性の温度による吸水率の違いにより余った水がIOL内に貯留した状態 開閉瞼によっても前房水温度は2°位変化する |
IOL混濁 ホワイトニング |
Sub-surface nano glistening(SSNG) アルコン製Acrisofで生じる IOL表面近くの混濁 徹照像で表面散乱(−) スリットでIOL前後面表層に散乱光の増加 若干視機能に影響 小さい水の相分離がIOL表面に限局して無数に発生した状態 無数の微小水相分離に光が反射・散乱し白濁したように見える 3年間までの研究では増加する |
IOL混濁 カルシウム沈着 |
ボシュロム製ハイドロビューで生じる スリットでIOL表面にカルシウム粒子を認める 眼底透見困難 IOL包装容器のシリコン化合物がIOLに付着 DM、透析、緑内障等とくに眼疾患、全身疾患患者に多発 |
涙嚢炎 | 症状 急性…疼痛、腫脹 慢性…疼痛なし 診断 Mucocoele ◎Micro-reflux test(MRT) 涙嚢部を圧迫してみて膿が出る→涙嚢炎(or涙小管炎)と診断可 Syringing(涙洗)で膿が出る→涙嚢炎(or涙小管炎)と診断可 *膿は透明、混濁に関わらず粘液であれば涙嚢炎 治療…手術できる施設に紹介 External DCR(鼻外法)…効果大、再発まれ ただし予定していたほどリノストミーができなかった場合再発あり Endoscopic endonasal DCR(鼻内法)…効果やや↓ Microendoscopic NLD intubation without a DCR…効果↓ Natural patencyでは70%の効果持続率 Assisted patency 涙道内視鏡での観察・処置を続ければ効果は持続可能 効果(経過良好例の場合) 自覚症状:NLDI>EDCR>XDCR TMH:NLDIが低くて良い |
涙小管炎 | 症状 典型例では、眼瞼を上げただけで火山から噴火するようにだらだらと膿が出る 涙点周囲の腫脹 病態 涙小管の水平部の涙点に近い側に憩室 涙道内視鏡所見 涙小管内の肉芽 治療 洗浄 石がなくなるまで除去 とくに大きいものは切開摘出(9%) |
Watering eye 治療方針 |
涙嚢炎合併→手術 それ以外(膿なし)→medical治療 満足が得られなければ手術 それでも治らなければmedicalで |
眼瞼腫瘍 色 |
茶褐色…母斑、脂漏性角化症、基底細胞癌 肌色〜黄色…化膿性肉芽腫、扁平上皮癌 黄色…霰粒腫、脂腺癌 辺縁に黒い所…母斑、基底細胞癌 真っ黒…基底細胞癌、悪性リンパ腫 |
眼瞼腫瘍 <茶褐色>@ 脂漏性角化症 Seborrhaic keratitis |
もっとも高頻度の良性腫瘍 老人性疣贅 表面が角化(ザラザラ)、凸凹、ときに擦過による出血 中心に陥凹あることもあり 表面・周囲に血管侵入なし 治療:液体窒素による冷凍凝固を数回繰り返す 外科的切除(V-Y flap) |
眼瞼腫瘍 <茶褐色>A 母斑 nevus |
ホクロ 母斑細胞が表皮下に集まったもの 睫毛の脱落なし 表面平滑でつやつや 治療 Shaving(削ぎ落とし) cf:小さい良性腫瘍…開放療法 Open treatment 眼瞼は血流良好のためすぐに上皮化する |
眼瞼腫瘍 <茶褐色>B 基底細胞癌 Base cell carcinoma:BCC |
睫毛は脱落してなし 辺縁に隆起した結節 形は不整(境界不明瞭) ぶよぶよしていて表面は凸凹 ときに中央に潰瘍化した凹み(癌が自壊) 血管が収束 ◎辺縁に黒い所(色素)がある!…強拡大で観察 治療 転移は少ないので境界から5〜10mm離して切除 ただし、眼瞼眼窩周辺は高リスク部位と考えられている 基底細胞癌モルフェア型 深部に浸潤する傾向がある 眼窩内容除去術が必要 母斑と似ているが違う点 1〜2ヶ月で増大(進行が緩徐でない) 睫毛の脱落 表面中央の潰瘍化した陥凹 血管(+) 黒くない基底細胞癌も稀だがある 血管(+)→悪性腫瘍 |
眼瞼腫瘍 <真っ黒> |
悪性リンパ腫 Malignant lymphoma 5年生存率 20% 際立つ黒さ 辺縁が染み出している |
眼瞼腫瘍 <黄色> |
脂腺癌 Sebaceous carcinoma マイボーム腺・Zeiss腺由来 高齢者(70才前後) 血管が収束 睫毛が脱落 リンパ節転移しやすい 手術 切除範囲広い:Switch flap法 鑑別診断 @脂腺過形成 良性腫瘍 白色(黄色ではない) 乳頭腫に似ている A脂腺腺腫(≒脂腺過形成) 黄色 B化膿性肉芽腫(埋没法後) 埋没糸が原因 |
結膜の色素性腫瘍 |
1)母斑細胞性母斑(母斑) 茶褐色を呈する境界明瞭な色素性良性腫瘍 母斑細胞が幼児期から徐々に増加し、思春期頃に目立ってくる いわゆる”ほくろ” 腫瘍に中に微小嚢胞をもつことが多い 2)メラノーシス 先天性のものと後天性のものがある 結膜上皮内の色素沈着であり隆起はないが、原発性後天性メラノーシス(primary acquiered melanosis:PAM)は悪性黒色腫の発生母地になることがある |
結膜の無色素性腫瘍 表面が不整 |
結膜上皮由来の腫瘍は表面がざらざらと凹凸不整に見える 1)乳頭腫 血管に富む赤いカリフラワー状の隆起性良性腫瘍 結膜との付着部は有茎性となっていることが多い あらゆる年代に生じるが、20〜30才代の若年層に多い 通常、単発性であるが、多発することもある 2)結膜上皮内新生物(CIN) 上皮細胞の異常で、異型細胞が基底膜を超えずに上皮細胞内にとどまる前癌状態 輪部付近に発症し角膜上に侵入する 様々な外観を呈し、丈が高くならずにびまん性に浸潤する場合、乳頭腫のような半球状を呈する場合、白板状を呈する場合などがある 3)扁平上皮癌 結膜上皮由来の悪性腫瘍 表面は凹凸不整で乳頭腫やCINと所見が類似している 輪部付近あるいは瞼結膜に発生することが多い |
結膜の無色素性腫瘍 表面が平滑 |
結膜上皮が正常で、結膜上皮下に腫瘍細胞が増殖している場合、表面は平滑に見える。 1)悪性リンパ腫(MALTリンパ腫) 結膜に発生する悪性リンパ腫のほとんどは悪性度の低いMALTリンパ腫 サーモンピンク色で、腫瘍細胞は結膜固有層をびまん性に浸潤、増殖するため表面は平滑 円蓋部に生じることが多い |
結膜の腫瘍性疾患 | 1)結膜嚢胞 球結膜(稀に円蓋部)に生じる半透明で境界明瞭な半球状の腫瘤 嚢胞の内腔を1〜2層の上皮が覆い、上皮封入嚢胞とも呼ばれる 2)リンパ管拡張 蛇行した管状の透明な隆起やドーム状に拡張した半透明の隆起 結膜嚢胞との鑑別が難しい場合がある 3)化膿性肉芽腫 ポリープ状あるいは半球状の赤い腫瘤 4)輪部デルモイド 下耳側の輪部に半球状の腫瘤が見られる先天性の病変 表面に毛髪を伴うことがある デルモイドとは”皮膚のような”という意味 5)皮様脂肪腫(結膜デルモイド) 輪部デルモイドと同様、先天性の皮膚様の病変 耳側球結膜から円蓋部にかけて生じる 表面に毛髪を伴うことがある 6)眼窩脂肪ヘルニア 結膜腫瘍と間違われることがある 眼窩の脂肪が結膜下に脱出したもの 上耳側が後発部位 結膜下に黄色い脂肪が観察される 硝子棒などで触診すると脂肪が奥に引き込まれる 中高年の男性に多い |
血管性腫瘍 分類 |
1.血管腫…苺状血管腫 2.血管奇形 1)Low-flow lesion 静脈奇形…海綿状血管腫 リンパ管奇形…リンパ管腫 2)High-flow lesion |
苺状血管腫 (乳児血管腫) |
毛細血管腫 自然退縮傾向だが眼周囲は異なる 増大時期と視角発達時期が一致→視覚刺激遮断弱視 症状:眼瞼腫脹、眼球突出 治療 ステロイド内服・局所注射…1/3に有効 色素レーザー…深部には無効 外科的摘出…技術的に困難 ○Propranolol(非選択的β-blocker)商品名インデラル 内服または点滴 ステロイド抵抗例にも有効 VEGF,bFGFの発現抑制→血管新生抑制 増殖期の第一選択はインデラル 第2選択は手術 血管腫を疑ったらまず小児科へ紹介 |
ドライアイ break 種類 |
@Spot break(丸break) 水の塗り付けとそれに続く油層進展にgap(=dimple)が生じている=濡れ性低下 非常に強い自覚症状 少量のF染色でないと見逃される BUT短縮型ドライアイ BUT:0秒 ALine break(線break) 涙液層完成後の水分蒸発の過程 重症涙液減少症 BArea break(面break) 水分が少なすぎて塗り付けられない BUT短縮型or重症涙液減少症 |
スリットの見方 | 直接照明法 スリット光の光学切片 病変の深さの観察に適する 間接照明法 スリット光の近傍組織に散乱させる 浸潤の程度の観察に適する 対象:角膜内病変 広汎照明法 眼瞼や結膜の病変の広がりの観察に適する 反帰光線法 虹彩や眼底からの反帰光線 微細な変化の全体像を捉えるのに適する 対象:拒絶反応線、上皮浮腫 強膜散乱法 Scleral scattering 輪部付近に光を当て実質内を走る光束で浮かび上がる像を観察 浸潤、沈着等の観察に適する 対象:アカントアメーバのradial keratoneuritis |
薬剤毒性 角膜障害 |
TS−1(胃癌・肺癌等) 5-FUのプロドラッグ ハリケーン状角膜炎 epithelial crack line 上輪部半円状の白濁病変 投薬中止で治る 涙道上皮障害による涙道閉塞も起こす アマンタジン(抗パーキンソン薬) Major tranquilizer(フェノチアジン系、ブチルフェノン系) 光毒性、内皮ドーパミン受容体刺激が原因 長期大量投与 内皮障害 投薬中止で治る アミオダロン(抗不整脈) 角膜下1/3に渦状沈着 |
出血性網膜色素上皮剥離 | 硝子体内ガス注入…中心窩から黄斑下血腫をどかす t-PA、抗VEGF併用 早期に治療する必要あり…準緊急 血腫→進行性網膜剥離 急速に進行するAMDがある |
前房蓄膿を来たさない疾患 | サルコイドーシス VKH病(初発時) 桐沢型ぶどう膜炎 トキソカラ トキソプラズマ |
AAU | 糖尿病虹彩炎 潰瘍性大腸炎に伴うぶどう膜炎 強直性脊椎炎に伴うぶどう膜炎 HLA-B27関連ぶどう膜炎 |
虹彩後癒着を起こしにくいぶどう膜炎 | ポスナー・シュロスマン症候群 Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎 |
散弾状脈絡網膜炎 | 40才以上が多い 両眼性 後極部〜赤道部に黄白色斑が多発 寛解と再発を繰り返す 前部ぶどう膜炎はないか軽微 長期予後は不良 CNV、視神経乳頭病変等 治療:ステロイド/シクロスポリン全身投与 |
AMPPE | 両眼性、30才以下 急性の視力低下、光視症 風邪様の前駆症状 数週〜数ヶ月で軽快 痕跡なし、軽い色素むら 視力予後良 |
急性網膜色素上皮炎 | 若中年者に多い 突然の霧視で発症 後極部網膜の深層に小さい灰白色の滲出斑 中心に黒い芯、周囲に輪状のhalo 数週間で色むらを残して視力回復 |
MEWDS | multiple evanescent white dot syndrome 多発性一過性白点症候群 急性散在性網膜色素上皮症と同一疾患 20〜30才代の女性に多い 片眼性 視力低下で発症 眼底一面に淡い灰白色滲出斑 黄斑部:オレンジ色の顆粒状の小斑点 マリオット盲点拡大 数週間で瘢痕を残さず治癒 視力予後も良好 |
ネコひっかき病 | ネコによるひっかき、噛傷の約1〜2週間後に赤色丘疹を生じ、さらに1〜2週間後にリンパ節腫脹 グラム陰性桿菌 結膜炎…Parinaud眼腺症候群 視神経炎、網脈絡膜炎 |
HTLV−T関連ぶどう膜炎 | HTLV-Tassociated uveitis(HAU) バセドウ病の既往が2割 前部ぶどう膜炎 硝子体混濁 網膜血管炎 |
樹氷状網膜血管炎 | 血管の白鞘化 血管閉塞(−) AIDS、CMV網膜炎 |
ベーチェット病 | 両眼 80〜90%以上 20〜50才 男性に多い 自己免疫疾患 HLA-B51 前房蓄膿≠ベーチェット 前房蓄膿を呈する疾患は30〜40ある 治療薬と副作用 コルヒチン:無精子症、無排卵 シクロスポリン:神経ベーチェット?、腎毒性・肝障害 インフリキシマブ:下痢、嘔吐、重症感染症(結核) |
ARN | 70%以上片眼性 水痘帯状ヘルペス、単純ヘルペス1・2型 初期には眼底周辺部の白色(!)病変、肉芽腫性前部ぶどう膜炎、高眼圧 周辺部から拡大する黄白色病変、網膜出血、網膜血管閉塞、硝子体混濁 発症1ヵ月後、黄白色病変の吸収、網膜萎縮 発症後1〜3ヵ月後、75%以上の発症率で網膜剥離 |
CMV網膜炎 | 乳幼児または成人で感染。以下は成人の場合 免疫低下状態 不顕性感染が多い 50%両眼 黄白色混濁病変に出血と萎縮巣 病変境界部分に顆粒状病変による境界 治療:眼内徐放性ガンシクロビル・インプラント…8ヶ月有効 |
トキソプラズマ | ネコの糞便から経口・経気道的に感染 10〜20才代が多い 先天性と後天性がある 再発機序 遅延型アレルギー説 原虫再活動説 後天性 乳頭隣接網脈絡膜炎 神経繊維層障害(扇型視野欠損) |
トキソカラ症 toxocariasis |
犬回虫幼虫、ネコ回虫幼虫が血行性に眼球内に侵入 最近は小児だけでなく、成人の発症もあり 病型 眼内炎型 後極部腫瘤型 周辺部腫瘤型…snowbank |
中間部ぶどう膜炎 | 別名:周辺部ぶどう膜炎、毛様体扁平部炎 原因不明 70〜90%が両眼性 小児〜成人 硝子体中の多数の炎症細胞、雪玉状混濁、網膜静脈炎 毛様体扁平部から鋸状縁に塊状の黄灰白色〜白色滲出病巣(snowbank)…毛様体扁平部炎 慢性化して長い経過 |
地図状(匐行性)脈絡膜炎 | 30〜50才代(20〜70才とも)…幅広い年齢層 両眼性が多い 原因不明 病態:脈絡膜と網膜色素上皮の炎症と脈絡膜導入血管の閉塞 前眼部炎症なし 診断…眼底所見 急性期:不整形・癒合 黄斑部や視神経乳頭辺縁部に黄灰色の病巣が出現 数週〜数ヶ月で色素沈着を伴う脈絡膜瘢痕・萎縮 PEと脈絡膜血管板が萎縮して脈絡膜血管が透見 再発 病巣辺縁より拡大進行 FA;早期低蛍光、後期過蛍光 治療:確立されたものはない 鑑別診断:AMPPE ステロイドテノン嚢下注射(効果不明) |
虚血性視神経症 分類 |
50歳以上に突発する失明原因として最多 血管障害部位別分類 @前部虚血性視神経症(anterior ischemic optic neuropathy:AION) 短後毛様動脈の閉塞→視神経乳に循環障害 A後部虚血性視神経症(posterior ischemic optic neuropathy:PION) 球後視神経の循環障害 原因分類 @動脈炎型:巨細胞性動脈炎に由来 A非動脈炎型 |
非動脈炎型前部虚血性視神経症 non-arteritic ischemic optic neuropathy :NAION) |
突発する片眼性視力障害で発症 一般的に朝起床時に気づかれることが多い 受診時には病態がほほ完成されていることが多い 他の神経学的症状や全身症状はみられない 視力障害の程度:1.2〜光覚なしまでさまざま 短後毛様動脈の支配領域単位で、神経線維束欠損型の(とくに下方)視野障害 視神経乳頭に連続する弓状暗点や水平半盲 患眼でRAPD陽性 視神経乳頭:蒼白腫脹、乳頭辺縁から火炎状出血伴うことあり 4〜6週で視神経は萎縮 予後不良と言われていたが自然回復も多い |
眼精疲労 原因 |
調節性・屈折性 老視・遠視 症候性 ドライアイ、緑内障、自律神経失調症など多岐にわたる 筋性 間欠性外斜視、斜位 20刪ネ上の間歇性外斜視→手術適応 不等像視性 神経性 不安神経症、うつ病など |
間歇性外斜視 分類(眼位の差) |
基礎型 遠見=近見 開散過多型 遠見>近見 輻輳不全型 遠見<近見 眼精疲労を起こしやすい 過剰に調節し斜位に持ち込む際に近視化(斜位近視)することがある 抗コリン薬(抗不安薬・睡眠薬、Parkinson病治療薬など)は調節力を低下 |
緊張性輻輳 | 解剖学的な眼球の安静位置は、やや外側を向いている 意識のある状態ではわずかな輻輳が起こる |
BRVO 一専門家の治療方針 |
視力0.6以上→経過観察 視力0.5以下→STTA SRF(+),CEP(+)→Sheathtomy 反応悪い→IVB 1年以上遷延する黄斑浮腫→Focal PC 遷延する黄斑浮腫+ERM→硝子体手術 |
CRVO 一専門家の治療方針 |
虚血型(全体の10〜20%)…PRP 非虚血型(全体の80〜90%)…PCしない 発症早期(〜3M)→tPA+TA 緑内障なし→tPA+TA 黄斑浮腫あるが上記を満たさない→アバスチン ルベオーシス→アバスチン+PC tPA…虚血状態で細胞毒素↑ APC(注射用アナクトC):虚血状態で細胞保護作用 |
春季カタル | 上眼瞼結膜 石垣状巨大乳頭 角膜輪部 充血、トランタス斑 角膜 落屑様 遷延性角膜炎 シールド潰瘍、角膜プラーク 新生血管、角膜混濁 性差・年齢 男 7割 4才〜、8、9才がピーク:年少者 病態 巨大乳頭 白濁…好酸球 粘性眼脂…ムチン+好酸球 |
ストロイド レスポンダー | 0.1%デキサメサゾン 3回/日 1〜2週間 10才未満 10才以上 low responder(≦5) 0 7 intermediate responder(6-15) 5 4 high resipondr(≧15) 4 0 フルオロメトロン 6回/日 1ヶ月 3〜9才 low responder(≦5) 70% intermediate responder(6-15) 30% |
カルシニューリン阻害剤 | パピロックミニ 2週間でTrantas dots消失 巨大乳頭 リンデロン+リボスチン 無効例 +パピロックミニ→粘性眼脂↓、角膜障害↓ ステロイド離脱率 6ヶ月で3割が可 副作用…重篤な例は少ない タリムス…重症型に使うことが多い 1ヶ月で巨大乳頭消失 ステロイド離脱率 54% 副作用…あまりない。 熱感、刺激感 比較 パピロックミニ タリムス 効果マイルド 効果強い 持続性 即効性(1W) 防腐剤なし 防腐剤入り 軽〜中症例 重症例 抗アレ・ステ併用 単独使用、急性増悪期 使用方法 寛解維持→シクロスポリン+抗アレ 軽〜中症例→シクロスポリン+抗アレ 重症→タリムス さらに増悪あれば→ステロイド追加 免疫抑制剤は1ヶ月使用して効果と副作用を確認する 効果がない場合は漫然と使用せずステロイドに戻す |
メージュ症候群 | 本態性眼瞼痙攣、口顎・頸部ジストニアを合併 ドライアイの6〜8% 50〜60才に好発 男女比 1:2〜3 |
眼瞼痙攣 | 診断がつくまで長い…平均3.75年 ドライアイと合併すると見逃されやすい 見逃されないために 瞬目が多い…本来ドライアイではない症状 確信が持てない時は、電子メトロノームの音に同期して瞬目してもらう 1分間に60回の瞬目…重症では不可だが軽症では可 100回の瞬目…軽症でも不可 他に、連続、軽・強瞬目テスト ほぼ確定診断できる症状 1.歩行中に眼を閉じてしまい人にぶつかる 2.自転車・自動車で走行中、眼を閉じてしまうためにぶつかる 治療抵抗性のドライアイ、瞬目過多→眼瞼痙攣を疑う 向精神薬内服による眼瞼痙攣も一定割合である ドライアイの数%には眼瞼痙攣がある |
先天眼瞼下垂 | @単純性 A瞼裂狭小症候群 B先天下垂:マーカスガン C先天下垂:先天外眼筋線維症 |
後天眼瞼下垂 | @動眼神経麻痺 重症筋無力症 テンシロンテスト 上方視テスト…30秒後下垂 バセドウ病を合併しやすい バセドウ病もMGを合併しやすい A慢性進行性外眼筋麻痺 Kearus-Sayre症候群…網膜色素変性症+ B眼咽頭ジストロフィー フランス系カナダ人 Cホルネル症候群 交感神経麻痺…縮瞳 フェニレフリンテスト→眼が開く D外傷性 手術せず自然回復を半年待つ E機械性 例)粘液腫 |
偽眼瞼下垂 | @眼瞼皮膚弛緩症 A眉毛下垂 眉毛を上げる B眼瞼痙攣 BUT短縮…ドライアイと誤診される 治療:ボトックス C無眼球 義眼床形成 D眼球陥凹 例)眼窩底骨折 E下斜視 例)甲状腺眼症 Fバセドウ病眼症の片眼眼瞼後退の反対側 治療:患側の眼瞼延長 G外斜視の片目つむり |
花粉症 検査キット |
イムノキャップラピット(CapRAST法) ヤケヒョウダニ、ゴキブリ、ネコ、イヌ、ブタ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ 5分待って15分で展開(計20分) |
角膜浸潤 感染性vs免疫性 |
感染性 中央部 単発 円形 免疫性 辺縁部 角膜輪部から等距離の瘢痕病巣 多発性(時間的・空間的) 輪部に平行な楕円形 境界鮮明(周囲の角膜浮腫なし) 判断つかないとき 抗菌点眼で2,3日加療し効果を確認 |
緑膿菌 | わずかな栄養源で増殖 →水周りに存在、院内感染ありうる 角膜への接着性 緑膿菌>>黄色ブドウ球菌 線毛を介して接着 エラスターゼ・プロテアーゼなどの酵素や病原因子を放出 所見 円板状 実質融解を伴う輪状膿瘍 周囲への強い角膜浮腫 治療:ニューキノロン+アミノグリコシド 頻回点眼 スピーディに治る 翌日にも効果出現、1Wで瘢痕化 治っても、角膜混濁、乱視が残る…ムンテラ必要 緑膿菌のCL眼への感染 初期パターン 1)最初は小さな病巣から 輪状病変も円板状病変も周囲浮腫もない ◎とげ状の浸潤 辺縁が”菌糸状” 病巣が拡大し円板状へ 2)治療開始→角膜浮腫→”見かけ上”増悪することあり パラドクス…”緑膿菌の逆襲” 浸潤自体は↓ 治療開始後48時間以内に改善するのが普通 |
CL-induced acute red eye (CLARE) |
免疫学的機序+感染 特徴 CLのケアが悪い 両眼 エピソードが長い 抗菌剤に抵抗性 血管侵入 MGD 治療:抗菌剤+ステロイド 鑑別困難例 CL中止+抗菌点眼で2〜3ヵ月経過を見る 感染(−)→ステロイド点眼 |
落屑緑内障 | 続発緑内障の一種 PE緑内障…90%OA 10%CA 落屑症候群の35%〜50%に落屑緑内障 視野進行速い 鑑別診断:家族性アミロイドニューロパチー 治療 @点眼 ASLT…効果は一時的 Bロトミー…POAGと同等の効果 目標眼圧がlow teenでは推奨されない レクトミー…POAGと同等の効果 視機能予後はあまり良くない 初期〜中期:ロトミー・トリプル 後期:レクトミー・トリプル |
白内障術後 内部倒乱視化 |
IOL偏位による内部乱視変化 角膜後面乱視の影響 視力≧0.7を得るにはC<1.00D以下にする必要あり |
ヘルペスウイルス診断キット | チェックメイト ヘルペスアイ |
角膜内皮細胞 | 六角形 neural crest 由来 2500〜3000/mm2 ポンプ機能…Na/Ka ATPase バリア機能…focal tight junction 含水率・厚さを一定に保つ |
Peter's奇形 | 後部円錐角膜 T型 円錐角膜+角膜混濁 U型 T型+白内障 |
スペキュラー | CD…細胞密度 2,000/mm2以下が異常 CV…変動係数 0.35以上が異常。現在の内皮障害を鋭敏に検出 6A…六角形細胞出現率 50%以上が異常。現在の内皮障害を検出 CD正常、CV・6V異常…慢性的な内皮ストレス CD異常、CV・6V正常…過去に大きな内皮喪失 CD異常、CV・6V異常…現在内皮障害が進行中(Fuchs、内皮炎等) |
緊急を要する眼球運動障害 | @動眼神経麻痺 A有痛性眼筋麻痺 B複合神経麻痺 C核上性眼球運動障害 D後天性眼振 E小児・若年者での急性発症 |
動眼神経麻痺 | 動眼神経麻痺>>外転神経麻痺>滑車神経麻痺 動眼神経麻痺…動脈瘤→すぐに専門医に紹介 |
有痛性眼筋麻痺 | Tolosa-Hunt症候群 虚血性の糖尿病性動眼神経麻痺 眼窩内病変(眼窩蜂窩織炎、外眼筋炎、後部強膜炎) Gradenigo症候群(三叉神経痛と外転神経麻痺) 眼筋麻痺性片頭痛 |
複合神経麻痺 | 3つの眼球運動神経のうち複数が麻痺するもの 頭蓋内病変や全身疾患の可能性 |
核上性眼球運動障害 | MLF症候群等 中枢神経系病変の早期検索が必要 |
後天性眼振 | 動揺視、めまいを訴え、垂直性や回旋もある |
小児・若年者での急性発症 | 脳炎、髄膜炎、脳幹腫瘍、重症筋無力症の可能性 |
強膜炎 ステロイド初期投与量 |
強膜炎の病型や程度によるが、通常プレドニゾロン換算25〜50mg/日 |
PACD | 周辺前房深度 peripheral anterior chamber depthの略 |
白内障術後感染性眼内炎 | 1)急性→硝子体手術 @3日以内…黄色ブドウ球菌、G(−) A10日以内…表皮ブドウ球菌を含むG(+) 2)遅発性…術後2〜10ヵ月後 視力予後良好、治療:点眼・硝子体注射 鑑別診断 @TASS(Toxic anterior segment syndrome) 術中に前房内に混入した非感染性物質により起こる無菌性術後炎症 眼痛(−)〜(+) AIrvine-Gass syndrome 白内障術後CME 前房・硝子体内の炎症物質による |
バセドウ病 | 上眼瞼後退 眼瞼腫脹 眼瞼溝(Sulcus)がなくなって、眉毛が付け根から突き出る |
バセドウ病眼症 | 明室で診察 >眼瞼異常:暗室では分りづらい >眼球突出度:暗室では測れない 顔写真…眼底写真のように変化を見る 視力低下…眼の所見にとらわれず眼窩内病変も疑う MRI…診断に必須 |
バセドウ病 自然経過 |
治療で良くなるが元通りには戻らない 眼症には活動期があるが、活動期終了後も自然経過として眼症は徐々にしか良くならない |
バセドウ病 Late phase |
腺維化 脂肪変性→眼球突出 |
甲状腺眼症の活動性の評価 Clinical activity score (CAS) |
後眼窩の自発痛や違和感 上方視、下方視時の痛み 眼瞼の発赤 眼瞼の腫脹 結膜の充血 結膜の浮腫 涙丘の発赤・腫脹 |
バセドウ病眼症 マネージメント |
初期(活動期)…流涙 末期…ドライアイ |
バセドウ病眼症 治療方針 |
中等度以上で活動性あり→ステロイドパルス+放射線 90%に有効 30%に眼球運動制限が残る 全身副作用はきわめて多彩 まぶたの腫れ 経結膜上眼瞼挙筋ケナコルト注入 20%に有効 15%が増悪 0.7%に緑内障発生 |
眼窩炎を疑う所見 | 眼痛、眼瞼腫脹、結膜充血 |
CCF carotid-cavernous fistula 頸動脈海綿静脈洞瘻 |
頚動脈海面静脈洞 @外転神経A動眼神経B滑車神経C眼(X1)神経 症状 @拍動性眼球突出、眼瞼腫脹、眼圧上昇(拍動のためAT測定困難) ACaput Medusae(眼球結膜の充血) B血管雑音 C眼球運動障害・複視 治療 自然治癒、保存、TVE 鑑別診断 眼窩蜂窩織炎(鑑別困難) 眼脂(−)、眼球突出(+)、AT測定困難 |
成人の上下斜視 | 原因と診断 先天性…上斜筋または下直筋麻痺(形成または付着異常) 後天性 @麻痺性 中枢性…動眼または滑車神経麻痺 末梢性…上または下直筋麻痺 A神経筋接合部…重症筋無力症 B機械的運動制限 甲状腺眼症 網膜剥離 眼窩底骨折 上下斜視が長期間持続した場合 頭位異常…融像しようと代償機能 頭部傾斜やChin up・down等の頭位異常があれば頭位を治してから眼位や複視の有無を調べる 治療はプリズム等で代償頭位を治しながら時間をかけて行う プリズムは複視がなくなる最少限でよい 複視の自覚が少なければ無治療で経過観察する |
虹彩後癒着 予防治療 |
ベーチェット病、原田病では30%以上に虹彩後癒着 予防治療 @軽度の炎症 ミドリンP点眼 1日1〜2回(4回まで可) A中等度の炎症 硫酸アトロピン点眼 併用 B癒着を点眼のみで解除する場合 ミドリンP結膜下注射(0.1ml+2%キシロカイン0.2ml) 連続3日間で90〜100%解除 |
特発性黄斑円孔 手術適応 |
Stage1Bでは約60%がPVDを生じて自然回復 Sgage2以上で手術適応 発症から6ヵ月経過すると円孔の閉鎖、視力回復とも不良 |
外傷性黄斑円孔 手術適応 |
自然閉鎖も多い 3〜6ヵ月は経過を見て、自然閉鎖しなければ手術 |
黄斑前膜・黄斑ひだ 手術適応 |
明確な基準はない 術前視力が不良な場合には良好な術後視力を期待できない 0.7が一つの目安 |
糖尿病黄斑浮腫 手術適応 |
ERMによる牽引があれば手術 なければ明確な基準はない |
RVOに伴う黄斑浮腫 手術適応 |
絶対的適応は存在せず |
近視性中心窩分離症 手術適応 |
黄斑円孔が合併する前段階で手術適応 |
甲状腺眼症 定義 |
甲状腺機能異常や甲状腺に関連する何らかの免疫異常により眼周囲の組織に炎症を来たし、さまざまな眼症状を来たす自己免疫疾患。 甲状腺機能亢進症のみに伴うとするのは古い考え方。 甲状腺機能が正常でもありうる。 |
甲状腺眼症 疫学 |
臨床的に明らかな眼症は、甲状腺機能亢進症患者の約50% そのうちの75%では機能亢進の診断を受ける前後1年以内に眼症が出現 |
甲状腺眼症 眼瞼症状 |
上眼瞼後退症…もっとも頻度が高い 注視方向で大きく変化(Kocher徴候) 正中より外方で上眼瞼の挙上が著明(lateral flare) 下向きの追従眼球運動で上眼瞼の動きが眼球運動より遅れる(lid-lag) 眼瞼腫脹 上眼瞼の発赤 |
甲状腺眼症 角結膜症状 |
閉瞼不全のためドライアイを合併 下眼瞼の内反 |
甲状腺眼症 眼球突出 |
日本人では頻度が低く、眼窩減圧術を要するものは稀 |
甲状腺眼症 眼球運動障害 |
高齢で発症 最も多いのは外上転方向への運動障害 外上方と内上方を見させて比較する 起床時に最もひどく日中は軽快する(重症筋無力症と逆) |
甲状腺性視神経症 | 眼窩先端部付近での外眼筋と結合織の体積の増加によるspindle crowding |
甲状腺眼症 眼圧 |
上方視で眼圧が1〜15mmHg以上上昇 必ずしも緑内障の存在を意味しない |
甲状腺眼症 薬物療法 |
甲状腺に対する治療を行っても、眼症自体の経過・予後には影響しない ステロイド:第一選択 上眼瞼後退症・眼瞼浮腫 トリアムシノロン上眼瞼局所注射 |
甲状腺眼症 放射線治療 |
主体である貧食細胞や線維芽細胞は放射線抵抗性が強いので、主な標的はリンパ球 眼症状発症から6ヶ月以内 |
甲状腺眼症 手術療法 |
@眼瞼手術 上眼瞼後退による閉瞼不全 A眼窩減圧術 外眼筋肥大による圧迫性視神経症や兎眼による重篤な角膜障害 B外眼筋手術 無治療で経過して複視 |
急速な視野の悪化 | @黄斑病変 A頭蓋内病変 |
Break up の種類 | Spot…(軽症) 水濡れ性↓ 膜型ムチン↓ Line…(軽〜中等度) 水分↓ Area…(重症) 水分がほとんどない(BUT=0) →mucous plaque,filament 涙点プラグの良い適応 Rondom Break…(軽症) 瞬目毎に変化 蒸発亢進 |
Anderson&Patellaの判断基準 | PSD or CPSD:p<5% or GHT:WONL or パターン偏差の確率plot(PD plot) 最周辺部を除き、p<5%の3点以上が隣接、かつうち1点がp<1% |
涙点プラグの適応 | 変化しないSPK 糸状角膜炎 Mucousプラーク Short BUT |
涙点プラグの不適応 | 感染症疑い 薬剤毒性 |
角膜各層の厚さ | 上皮:実質:内皮=0.1:1:0.01 |
角膜各層のバリア機能 | 上皮:実質:内皮=2000:1:10 |
眼表面のバリア機能 | 角膜:結膜=10:1 薬剤は角膜では上皮障害、結膜では上皮下(結膜炎) |
低眼圧黄斑症 | レクトミーの10% 黄斑皺壁→硝子体手術 |
視神経乳頭低形成(傾斜乳頭、SSOHなど)の視野異常パターン | 鼻側階段ではない マリオット盲点に向かう楔状暗点 ”盲点に くさび打ち込む 低形成” なお、SSOHではGCCは正常 |
PGs注意点 | CME ヘルペスの再活性化 |
緑内障と判断を誤りやすい乳頭 | 近視乳頭 大乳頭、小乳頭 傾斜乳頭症候群 視神経乳頭低形成:SSOHなど 先天異常:乳頭コロボーマ、乳頭小窩、朝顔症候群など 網膜疾患:循環障害、変性など 視神経疾患:前部虚血性視神経症(AION)など |
conventional outflow | 隅角の繊維柱帯から傍シュレム管(内皮網)→シュレム管→集合管→上強膜静脈 房水の80〜95% |
unconventional outflow | uveoscleral outflow ぶどう膜・強膜組織を経て流出 房水の5〜20% |
DALK 対象疾患 |
実質混濁を起こす角膜ジストロフィ 角膜実質炎後の角膜混濁 実質の菲薄を伴う円錐角膜など |
学校保健安全法 眼感染症 |
第二種:飛沫感染するもので、児童生徒の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性が高い。 咽頭結膜熱:出席停止の基準は、主症状が消退した後2日を経過するまで。 第三種:学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性がある。 流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎 |
プールで感染しやすい結膜炎 | 咽頭結膜熱(プール熱) 第二種感染症 アデノウイルス3型・7型 飛沫・接触感染 潜伏期間:5〜7日 出席停止の基準:主要症状の消退後2日間の経過まで 流行性角結膜炎(はやり目) 第三種感染症 アデノウイルス8型 接触感染 潜伏期間:1週間以上 出席停止の基準:感染の恐れがないと認められるまで 急性出血性結膜炎(アポロ病) 第三種感染症 エンテロウイルス70型 接触感染 潜伏期間:24〜36時間 出席停止の基準:感染の恐れがないと認められるまで |
角膜上皮障害 (障害度順) |
1.表層上皮細胞障害による点状表層角膜炎 superficial punctate keratopathy:SPK 発生部位から推測される原因疾患 @上方:瞬目による機械的摩擦に関連 結膜結石、SLK(CCh合併)、春季カタル、アトピー A瞼裂部:神経麻痺性角膜症、薬剤毒性 B下方:涙液減少型ドライアイ、兎眼、ブドウ球菌性眼瞼角結膜炎、アトピー Cびまん性:重症ドライアイ、薬剤毒性、Meesman角膜上皮変性症 2.基底膜異常による角膜上皮びらん 再発性の角膜上皮びらん himidesmosomeや基底膜の部分的な消失、変性 SPK(-)、充血(+) 原因:外傷(頻度1%以下)、格子状角膜ジストロフィー、糖尿病 治癒後も上皮細胞の表面不正、F染色にてダークスポット 3.基底細胞の障害による角膜上皮欠損、角膜潰瘍 渦状のハリケーン角膜症 epitheal crack line 遷延性角膜上皮欠損(Persistent epithelial defect:PED) 原因:創傷治癒の障害あるいは基底膜、ボウマン膜の障害 上皮の欠損部位は丸みを帯びて円形となり、欠損部辺縁は上皮が厚く盛り上がる 角膜潰瘍 障害が角膜実質まで及んでいる 4.上皮幹細胞障害による角膜上皮幹細胞疲弊症候群 |
黄斑浮腫のOCT像 | 1.スポンジ状浮腫 最も頻繁 嚢胞様間隙 網膜血管のバリア破綻から組織間隙への水分貯留の移行段階 2.嚢胞様浮腫 網膜内の細胞が極度に腫脹、あるいは網膜全層に著しく水分貯留が起きている 網膜血管の透過性亢進が主体とは考えにくい スポンジ状浮腫(+)…遷延化した病態 スポンジ状浮腫(−)…急激に水分貯留が引き起こされる病態 3.漿液性剥離 |
強度近視の黄斑疾患 | @中心窩分離症 A黄斑円孔 B黄斑円孔網膜剥離 |
中心窩分離症 | 黄斑部に牽引がかかり、網膜形態に異常を来たす最初の段階 網膜が分離し、ときに網膜剥離に至る 1.網膜分離型(Retinoschisis)…中心窩の網膜剥離(−) 2.中心窩剥離型(Foveal detachment)…中心窩の網膜剥離(+) 網膜分離型→中心窩分離型→黄斑円孔と進展 |
黄斑部毛細血管拡張症 Idiopathic macular telangiectasis (IMT) |
特発性に黄斑部網膜の毛細血管拡張所見を呈する症候群の総称 Type 1 IMT:Aneurysmal Telangiectasis 片眼性がほとんど(94%) 男性が90% 平均発症年齢 40才前後 日本で多いタイプ 検眼鏡所見 大小さまざまの毛細血管瘤が確認できる場合あり 中心窩耳側に、輪状の硬性白斑を伴う黄斑部浮腫 OCT:嚢胞様の水分貯留を伴う網膜の肥厚所見 FA:傍中心部毛細血管および毛細血管瘤 治療:光凝固による直接凝固が基本 Type 2 IMT:Perifoveal Telangiectasis 欧米で多いタイプ 両眼性 平均発症年齢 55才 検眼鏡所見…毛細血管瘤は目立たない Stage1:正常 Stage2:一部網膜の透明性低下、クリスタリン様物質 Stage3:網膜血管が急に途絶 Stage4:色素塊 Stage5:網膜下新生血管 OCT @網膜圧の増加は明らかでなく、むしろ減少することも多い AIS/OSラインの消失 BFAでの蛍光漏出や貯留と一致しない網膜内外層の萎縮や嚢胞様変化 新生血管の有無により nonproliferative stage…有効な治療法なし proliferative stage…抗VEGF? |
視細胞外節の病態 | 1.消耗 PCゲーム後の中心暗点 2.微小欠損 a.特発性 macular maicrohole b.続発性 CSC後、黄斑円孔の自然寛解、網膜剥離術後など 3.炎症性破壊 原因は不明だが、外節への自己免疫が疑われる a.AZOOR(acute zonal occult outer retinopathy) 光視症+耳側視野欠損または中心部暗点 OCT:黄斑部でのIS/OS欠損(外節の選択的破壊) b.MEWDS(multiple evanesent white dot syndrome) マ盲点の拡大+虫食い状の暗点 眼底に白斑が多発 OCT:IS/OSのびまん性破壊 4.外節の伸長 5.外節の脱落 漿液性剥離が遷延し視細胞がアポトーシス 6.外節物質の貯留 卵黄様黄斑ジストロフィ(Best病) 黄斑に卵黄様物質が蓄積 7.外節の変性 a.Occult macular dystrophy(Miyake disease) 眼底は正常で、黄斑だけ錐体機能低下 OCT:黄斑のみ外節が欠損 b.網膜色素変性 杆体→錐体の障害 c.錐体杆体ジストロフィ 小児例では眼底が正常なため弱視と誤診されることあり OCT:Occult macular dystrophyに類似 8.硝子体牽引による外節欠損 perifoveal PVDによりMuller cell coneを介して外節も挙上 9.続発性外節欠損 網膜剥離、黄斑円孔、黄斑浮腫など |
出血性結膜リンパ管拡張症 | 結膜リンパ管拡張症の拡張部に血管からの血液流入 自然消退することが多い 血塊が大きく穿刺で解消しない場合外科的摘出 |
β遮断薬 | 内因性交感神経 β遮断作用 刺激作用(ISA) カルテオロール β1,β2 + 10 チモロール β1,β2 − 5〜10 ベタキソロール β1 − 2 β1:循環器(心不全、除脈) β2:呼吸器(喘息、肺気腫(閉塞性肺疾患)) ISA:循環器・呼吸器の副作用が少なくする 受容体選択性(β1、β2) Tachyphylaxis…効果↓("Timolol Holiday") チモロールXE…ゲル化剤を添加 ミケランLA…アルギン酸を添加 |
ブリモニジン | α2刺激 房水産生↓ 効果は0.5%チモロールと同等 神経保護効果の可能性 副作用 2〜数ヶ月で結膜炎 アレルギーが多め 幼児(2歳未満)禁忌 5歳以下要注意 高血圧薬との併用注意 |
酒さ rosacea |
白人に多い 赤ら顔 眼瞼炎、ドライアイ、フリクテン様炎症 |
前眼部眼瞼炎 | 眼瞼縁の睫毛根部におけるブドウ球菌の感染 ブドウ球菌のもつ外毒素が原因 眼瞼皮膚のびらん、潰瘍→睫毛乱生、睫毛禿 squamaous type collarette(フィブリン様の膜様物) ulcerative type 堅い痂皮を生じ剥がすと潰瘍 外毒素による角膜下方1/3にSPK 免疫反応によるカタル性角膜浸潤、角膜フリクテン 若年者(特に女性)の角膜下方のSPKでは、Meibom腺炎を伴う(Meibom腺炎角結膜) 治療 眼瞼の清拭 ブドウ球菌に感受性のある抗菌薬 点眼ではガチフロなどの第四世代ニューキノロン |
後部眼瞼炎 (Meibom腺炎) |
Meibom腺炎角結膜上皮症…Meibom腺炎から角結膜上皮障害 フリクテン型…炎症細胞浸潤、表層血管侵入 若年女性、とくに思春期に再発を繰り返す Propiobacterium acnesによる遅延型アレルギー反応(DTH)? 非フリクテン型…SPK等 性別・年齢に傾向無し 起因菌もさまざまか 治療 P.acnesに対して 内服:初期は殺菌的に作用するセフェム系、その後静菌的に作用するクラリスロマイシン 点眼:セフェム系が有用 |
単純ヘルペスウイルス | 初感染は大部分が乳幼児 ほとんどは不顕性感染、1〜10%が顕性化 乳幼児に多いが、まれに成人にも 眼瞼およびその周囲に、臍窩を伴った小水疱 皮疹は片眼の上下眼瞼に広がることが多い VZVと異なり、顔面正中線を越えることあり 皮疹は約1週間で自然治癒 |
水痘帯状疱疹ウイルス | 初感染は水痘の形→三叉神経節に潜伏→帯状疱疹で発症 高齢者、DM、免疫能の低下した患者に発症 顔面正中線、三叉神経枝領域を守る 鼻背から鼻尖部は三叉神経第1枝(眼神経)の分枝である鼻毛様体神経が分布 →角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎、網膜炎、外眼筋麻痺の恐れ |
小児で鎌状網膜剥離 | @眼トキソカラ:眼内炎型、後極部腫瘤型、周辺部腫瘤型あり Aコーツ病:男子、片眼性 BFEVR:AR CPFV後極部型:先天性鎌状網膜剥離 |
クローン病 | 12〜20%に眼疾患合併 非肉芽腫性前部ぶどう膜炎が多い 何らかの遺伝因子に、腸内細菌などの環境因子が加わり、腸管マクロファージ主体の過剰な免疫反応を引き起こし発症する他因子疾患(明らかな原因は不明) |
外転障害の原因 | 外転神経麻痺 PseudBCG Pseudo tumor orbitae = medial rectus myositis 内直筋炎 Blow out fracture = medial wall fracture 眼窩内側壁骨折 Congenital / Convergence spasm 先天性(Duane症候群,Moevius症候群)/近見反応の過剰(輻輳痙攣) Graves disease / myasthenia Gravis 甲状腺眼症/重症筋無力症 |
甲状腺眼症 | 眼瞼浮腫 眼瞼後退 ◎眼瞼遅滞(眼球を動かすと眼瞼が遅れて動く) |
糖尿病網膜症の有病率 | IDDM(TypeT) 5年未満 0% 10〜15年 25〜50% 15年〜 75〜95% NIDDM(TypeU) 11〜13年 23% 14〜16年 43% 16年〜 60% |
LASIK 術後早期合併症 |
1.裸眼視力が不十分 低矯正・過矯正 SPK…点眼治療 2.矯正視力が不十分 a.角膜上皮の問題 SPK等 b.角膜層間炎(diffuse lamellar keratitis:DLK) F染色にて、点状混濁が角膜上皮でなくフラップ下にある 治療:ステロイド点眼 c.フラップの皺襞 F染色にて、フラップのずれや皺 フラップ縁にギャップ→フラップ中央に皺がある可能性 散瞳下で徹照光で観察するとよくわかる 治療:フラップ整復 d.フラップ下異物 角膜上皮細胞、分泌物、線維など 角膜上皮細胞 @術中にフラップ下に角膜上皮細胞が入った場合 フラップ下に小さな島状の上皮細胞 大きさ・厚さが増す→角膜融解 Aフラップ縁の接着不良で術後に上皮細胞が入ってくる場合 迷入細胞がフラップ周辺にとどまり瞳孔縁に至らなければ経過観察 e.照射ずれ 矯正しても視力が出にくい 角膜形状解析、波面収差解析 単眼複視、グレア、ハロー |
角膜クロスリンキング 原理 |
リボフラビン(ビタミンB12)点眼をして長波長紫外線を照射 コラーゲン線維間の架橋結合が増える |
角膜クロスリンキング 適応 |
現在進行している円錐角膜・角膜拡張症 角膜形状、視力、屈折度数を数ヶ月あけて2回以上測定 SteepestKや自覚屈折度数、自覚乱視度数が増加→進行中と判断 角膜の厚みが最も薄い部分で400μm以上 紫外線照射による内皮細胞障害を防ぐため |
オルソケラトロジー 適応 |
年齢:20歳以上 小児に対するオルソ…アジアでは近視進行抑制目的で多い 対象:屈折値安定 S-1.00D〜-4.00D C-1.50D以下 ケラト 39.00D〜48.00D 眼疾患なし シルマーテスト 5mm以上/5分 内皮細胞が十分存在 禁忌 円錐角膜 定期検査に来院できない 治療中に運転が必要 注意すべき症例 慎重 瞳孔径大→グレア 不適 パイロット、車両運転手 |
原田病 後眼部型の再燃予防 |
2ヶ月以内:プレドニゾロン20mg以上 3ヶ月以内:プレドニゾロン10mg以上 6ヶ月以上:ストロイド投与 |
糖尿病網膜症 Davis分類 |
NDR(網膜症なし) SDR(単純網膜症) 血管透過性亢進 毛細血管瘤 網膜点状・斑状・線状出血 硬性白斑、網膜浮腫 prePDR(増殖前網膜症)血管閉塞 軟性白斑 静脈異常 網膜内最小血管異常 PDR(増殖網膜症) 血管新生 網膜・乳頭上新生血管 網膜前硝子体出血 線維血管性増殖膜 牽引性網膜剥離 |
仮面症候群 | PIOL 全身性悪性リンパ腫の脈絡膜転移 |
PIOL | 多彩な病変 とげ状KPs 前部硝子体滲出性病巣 ベール状硝子体増殖 黄斑部の小さな滲出性病巣 網膜下増殖病巣 硝子体生検 PIOL→頭・全身検査重要(軽症) 6割に脳合併症 初発 眼83% 脳16% 細胞診 45%陽性 サイトカインIL-10/IL-6>1 92%…診断価値が高い 遺伝子再構成 81% 5年生存率 61% |
網膜色素線条 Angioid streaks |
網膜色素線条そのものは治療外 黄斑CNV合併→視力低下、再発多い、周囲萎縮 AS合併CNVは怖い 全身疾患と関連疾患 弾性線維性仮性黄色腫(PXE) 皮膚、眼、心疾患 10〜30万人に1人 AR 皮膚所見:黄白色丘疹 石灰沈着(Kossa染色) 大動脈弓の石灰化 ASはPXEの診断基準の1つ Ehlers-Danlos症候群などのと合併 眼底所見 AS 乳頭から放射状の黒褐色や黄白色の線条 梨子状眼底 黄斑から耳側に色むら 乳頭周囲萎縮 OCT:ブルッフ膜の断裂・肥厚 CNV合併で脈絡膜菲薄化 繊維化CNVと周囲萎縮 Comet's tale atrophy 周辺の小萎縮斑 RPE上のdopesit |
MD slope | 5〜6回検査必要(2〜3年かかる) -0.3dB/Y そのままで -0.5〜 中〜長期的治療の変更・追加 -1.0〜 早めに次の治療(手術を含め) |
角膜デルモイド | 強主経線上にデルモイドを含む斜乱視 屈折異常の程度:デルモイドの大きさと相関 単純切除…早期からHCLによる不正乱視の矯正が可能 角膜移植(表層/全層)…手術時期が問題 |
発達緑内障の診断 | 牛眼→診断容易 緩徐に進行するタイプ→診断困難 角膜浮腫(−) 流涙、羞明、眼脂 遷延する場合は疑って慎重に経過観察 異常発生と診断時期の間に2〜3Mのタイムラグあり ポイント ◎乳頭陥凹拡大 眼圧 角膜径…3才まで大きくなる 角膜浮腫…不顕例あり 前房深度…年齢に依存 |
緑内障と判断を誤りやすい視神経関連疾患 | @慢性炎症性脱髄性多発神経炎:緑内障様視野異常 A炎性視神経萎縮:NFLDを呈する B下垂体腫瘍術後:緑内障様視野異常 C原因不明の視神経症:急激な視力低下 |
網膜の10層 | 内境界膜 神経線維層 神経節細胞層 内網状層 内顆粒層 外網状層 外顆粒層 外境界膜 桿体錐体層 網膜色素上皮 |
K−W分類 | GradeT:動脈径が静脈径の50%以下 GradeU:交差現象が乳頭から1乳頭径以上離れた場所で存在 GradeV:網膜出血や綿花状白斑 GradeW:網膜出血や綿花状白斑を乳頭浮腫 |
急性発症で急変する眼瞼下垂 | IC−PC動脈瘤 片眼性眼瞼下垂 複視(内転障害) 瞳孔散大(動眼神経麻痺) 内頚動脈解離 頭痛 暗所での瞳孔不同(ホルネル症候群) |
ヘルペスウイルス 分類と潜在部位 |
HHV−1:HSV1 三叉神経節 HHV−2:HSV2 仙骨神経節 HHV−3:VZV 脊髄後根神経節 HHV−5:CMV T cell、マクロファージ、N cell HHV−6:HHV−6 造血前駆細胞、中枢神経 |
比較中心暗点 | 特発性視神経炎 MS NMO(抗アクアポリン抗体陽性) 虚血性 外傷 レーベル 視神経発赤 上下弓状神経線維腫脹 FA:傍乳頭毛細血管網 中毒 栄養 網膜ジストロフィ AZOOR 片眼性、女性に多い ステロイドパルスで改善なし 錐体ジストロフィ Occult macular dystrophy |
BRVO 治療 |
まだ有効な治療法は確立していない 1.薬物療法 全身合併症(高血圧、高脂血症、高血圧など)の把握とコントロール 2.レーザー光凝固術 網膜無還流野もしくは黄斑浮腫に対して 非施行より2段階以上の視力改善が2倍以上の確率 だが施行しても40%は視力改善せず12%は0.1以下 3.ステロイド治療 SCOREstudyでは無効 4.抗VEGF薬 BRAVOstudyではこれまでのどの治療よりも有効 今後本疾患の治療の中心になると思われる 5.硝子体手術 抗VEDF薬無効、再発を繰り返す症例に適応 明確なエビデンスはない |
近視性網膜症 | @びまん性萎縮病変 A限局性萎縮病変 BLacquer cracks C黄斑変性(黄斑部萎縮) |
近視性CNV | 発症の危険因子 @Lacquer crack A限局性病変 B脈絡膜の循環遅延 予後 自然経過は不良 治療 抗VEGF薬 |
CLとTMH | Tear meniscus=眼表面の涙液の80〜90% CL装用によりTMH↓ TMH高い方がより↓ SCLの材質の違いによるTMHの変化 含水率高い→よりTMH↓ CL TM↓→pre lens tear film 菲薄化 →breakしやすい →眼瞼との摩擦↑→CLの動き大 結膜との摩擦↑→乾燥・異物感 乾燥感 CL装用3時間以降で自覚しやすい CLのドライアイの考え方 昔:涙液蒸発型 今:(特異な)涙液減少型 |
角膜混濁 | 1.浸潤…活動性がある @感染性 角膜中央部 単発 円形 A非感染性 角膜周辺部 多発性 輪部に平行な楕円形 ◎境界鮮明(とくに角膜中央側) 2.瘢痕…活動が終わっている |
CL装用者の角膜混濁の特徴 | @病巣以外に広範囲に及ぶスリガラス状の浸潤 A複数の感染病巣…非CLの場合と異なる |
緑膿菌性角膜潰瘍 | 融解傾向の強い病変 病巣周辺の角膜浮腫の範囲が広い 円板状の病巣 初期治療 ニューキノロン+アミノグルコシド頻回点眼 よく反応する 翌日には減少して、約1週間で瘢痕化 アミノグルコシド点眼は早めに減量 2〜3日後から減量し、7〜10日で中止 長期使うと上皮障害 その後、ニューキノロンをゆっくり切っていく 治療の2つのゴール @起炎菌を消滅させる A視機能を回復させる…長期を要し、角膜移植も 初期のパターン@ 最初は小さな病巣から始まる 不整形、”棘状”の辺縁 病巣が拡大し円板状に 数時間単位で拡大 初期のパターンA 病巣の拡大なし 周囲の角膜浮腫 毛様・結膜充血 視力低下(1.2→手動弁)…一旦どんと悪くなる |
アイファガン点眼液 | チモロールより効果はやや弱い BAK(−) 神経保護作用が期待される(米の報告) 副作用 局所:濾胞性結膜炎(6ヶ月位してから) 全身:とくになし ときに傾眠傾向 禁忌 低体重出生児、新生児、乳児、2歳未満 効果の違い トラフでの強さ順 PGs β α2 CIA 時間帯と効果 PGs、CAI:1日を通じて β:日中強い、夜間弱い α2:夜間は効果少ない |
白内障術後の悪性緑内障 | 房水が後部硝子体に流入 治療 アトロピン点眼…毛様体筋を弛緩 ×ピロカルピン点眼…毛様体筋を緊張させるため禁忌 YAGレーザー 後嚢切開+前部硝子体膜切開 無効なら、硝子体手術 |
瞬目の摩擦による角膜症 | CF(糸状角膜物) SLK LWE |
suprachoroidal buckling | scleral bucklingの問題点…buckleで強膜を内陥 機械的眼球運動障害 角膜形状変化 脈絡膜循環障害 scleral bucklingの目的 硝子体牽引を緩める 原因裂孔周囲の網膜と脈絡膜を癒着させる suprachoroidal buckling suprachoroidal spaceに粘弾性物質(ヒーロンX)を充満 ヒーロンXは外皮内で8〜12M残留 網膜冷凍凝固・PC・脈絡膜癒着に充分な期間 |
特発性眼窩炎症 (眼窩炎症性偽腫瘍) |
様々なタイプがある anterior type diffuse type apical type lacrimal type myopic type 眼瞼腫脹 眼瞼下垂を伴わない MRIで脂肪に炎症 眼瞼挙筋にも炎症が及ぶことあり 眼瞼溝が浅くなる 治療 ステロイド著効 無治療で治ることあり よく再発 治療指針 臨床所見(炎症所見)、画像所見(副鼻腔との連続性を否定)から診断 抗生物質の有効性を否定 経過観察 >ステロイド内服 >>トリアムシノロン局所注射 >>手術 >>メトトレキセレート内服(リウマチに準じて) >>放射線療法 |
バセドウ病眼症 | 眼科に特異的な自己免疫疾患 眼瞼腫脹、眼球突出、両眼上転障害、複視 MRI:眼窩炎症 バセドウ病 2つの主な標的ターゲット 甲状腺→甲状腺機能亢進症 甲状腺腫 眼窩組織→バセドウ病眼症 自然経過 Wirersingaの仮説による活動性より遅れた経過(Rundleの曲線) 1〜3年 ピークを超えても0には戻らず 組織:筋肉→脂肪に変質 終わる病気 治療 繊維化なし→内科的治療 TA眼窩内注射 ステロイドパルス療法 放射線療法 繊維化・脂肪変性あり→外科的治療 斜視 眼瞼 前部脂肪 手術 眼窩減圧術等…視神経症、眼球突出 上前部眼窩脂肪除去 ミューラー筋切除術+眼瞼矯正術 |
眼に関係するヘルペスウイルス | 初感染時の疾患 再活性化時の疾患 HSV−1(HSV−1)口唇ウイルス 口唇ヘルペス、角結膜炎 HSV−2(HSV−2)性器ヘルペス 性器ヘルペス VZV (HHV−3)水痘 帯状疱疹 CMV (HSV−5)無症候性 肺炎、網膜炎など |
角膜ヘルペス | @上皮型 dendritic keratitis terminal bulb 欠損辺縁部が強く染色→全体がきれいに縁どられる geographic keratitis 遷延化して上皮欠損が拡大 全体が縁どられた特徴は保たれる A実質型 円板状角膜炎だけでなく腫々のパターンの角膜混濁あり 壊死性角膜炎 実質型の重症型 B内皮型(炎) KPsを伴った角膜浮腫 VZVが原因のこともある |
帯状ヘルペス角膜炎 | 眼合併症は皮疹のピークより遅れて生じる Hutchinsonの法則 鼻尖・鼻翼に皮疹→眼合併症 偽樹枝状角膜炎 周辺部の多発性角膜上皮下浸潤 円板状角膜炎 内皮炎 角膜ぶどう膜炎 delayed mucous plaque 帯状疱疹後、数ヶ月以上たってから角膜上皮下に小さい少し隆起した偽樹枝状・星芒状の病変 治療 免疫反応が主の病態、かつ再発がまれ ステロイド点眼の積極的使用 |
サイトメガロウイルス角膜内皮炎 | 角膜浮腫+KPs(とくに coin lesion) 再発性・慢性の虹彩毛様体炎、眼圧上昇 中高年の男性 免疫正常者に発症 |
ヘルペスによる網膜炎 | ARN HSV-1,2<VZV PORN きわめて稀 AIDS患者 CMV網膜炎 |
PCV | 橙赤色隆起病変 OCT 急峻な立ち上がり notch sign double layer sign |
抗癌剤による眼障害 | 1.眼瞼浮腫 グリベック:慢性骨髄性白血病と消化管間質腫瘍 2.角膜上皮障害 キロサイド:白血病 TS−1:胃癌 タルセバ 3.涙道障害(流涙) TS−1 4.網膜障害 1)taxane系薬剤 アブラキサン 2)tamoxifen網膜症 3)MAPキナーゼ経路阻害剤 |
糸状角膜炎の治療 | 点眼麻酔後、ガラス棒で擦過除去、または無効鑷子でつまんで除 接着が強い場合、スプリング剪刀で起始部を切除 防腐剤無添加の人工涙液点眼およびステロイド点眼で消炎 涙液減少型ドライアイ→上・下涙点プラグ 治療用コンタクトレンズと防腐剤無添加の人工涙液併用 ヒアルロン酸点眼はムチンを蓄積、炎症を増強する可能性あり ムコスタ点眼もムチン分泌促進のため悪化させる場合あり 眼瞼下垂、眼瞼内反症、眼瞼痙攣などの眼瞼疾患や固定内斜視が基礎疾患のことがある |
MD値 | 日本人 無治療 NTG:-0.27dB/年 -15dB:危険領域 -20dB:生活不自由度増加 -25dB:機能的失明 手術を考慮 -1dB/年と進行が速い MD<-15dB 下方視野障害 |
眼瞼痙攣 | 眼瞼痙攣 眼輪筋の過度な収縮 眼輪筋の痙攣 開瞼失行 眼瞼下垂合併 眉毛位置異常合併 まばたきが多い 眼を開けていられない 人混みで人や物にぶつかる 危険を感じるので車や自転車の運転を避ける 重症度スコア Jankovic score…誘発試験 BSDI…生活度 治療 放置→進行 ボトックス…第一選択 6〜12W持続(最短3ヶ月間隔) 大半は継続必要 寛解10%あるが自然寛解でも10%ある コントロールはほとんどの症例で良好 症状が軽いほど持続期間が長い 眉毛挙上障害による眉毛動揺がある場合、効きにくい 開瞼失行に対する手術 眼輪筋切除 前頭筋吊り上げ術 眉毛挙上術 複雑化の要因 @開瞼失行 A眉毛挙上不全 B下眼瞼痙攣=”下眼瞼くっつき症候群” C上眼瞼皮膚弛緩症 |
スズメバチ等による刺傷 | 早期の前房洗浄が有効 |
角膜移植後のヘルペス角膜炎 | ドナーとホストの上皮が入り混じっているので、典型的な樹枝状角膜炎を呈しないことが多い 上皮欠損がホストグラフトジャンクションを越える |
流涙症 | 1.分泌過多による分泌性流涙 三叉神経刺激 @結膜異物、角膜異物 A感染性角膜炎 B急性結膜炎 Cアレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、春季カタル、巨大乳頭性結膜炎 D点状表層角膜症 E再発性角膜びらん Fドライアイ(奇異性流涙) G睫毛内反、睫毛乱生 H顔面神経麻痺 I縫合糸の露出 J牛眼 Kワニの涙症候群 2.導涙性流涙 1)大人 @涙道ポンプ機能低下:兎眼、眼瞼下垂、眼瞼外反、眼瞼弛緩 A涙道メニスカスが遮断:結膜弛緩 B涙道の閉塞:抗緑内障点眼、IDU、アミノグルコシド系、抗癌剤、アルカリ外傷、SJ症候群 2)小児 @先天性鼻涙管閉塞症 A先天性涙嚢ヘルニア:涙嚢部発赤腫脹 B先天性緑内障 C先天性涙点欠損、涙小管形成不全、涙嚢欠損、涙点の位置異常、涙小管断裂 3.導涙性流涙と分泌性流涙が混在 @甲状腺疾患:眼瞼突出→兎眼 A瞬目不全:眼類天疱瘡の瞼球癒着・結膜嚢短縮 B眼瞼外反と内反 |
PGs副作用 | 1.角膜ヘルペス 発生機序不明 2.白内障術後→CME、ぶどう膜炎 血液網膜関門、血液房水関門が障害→血管透過性亢進 3.結膜充血 4.角膜上皮障害 5.眼瞼色素沈着 6.虹彩色素沈着 6.睫毛の変化 7.Prostaglandin associated periorbitopathy(PAP) 上眼瞼下垂、DUES、皮膚弛緩、眼窩脂肪の萎縮、眼球陥凹、下眼瞼の膨らみの平坦化、下方強膜の露出 |
涙小管炎 治療 | 生食で洗浄後、希釈ポピドンヨード液(32倍〜50倍)で涙道内洗浄 菌石ある場合は、涙点切開を行い、菌石の除去と希釈ポ液による洗浄を繰り返す |
涙嚢炎 治療 | 2.5mlのシリンジに希釈ポ液を入れ、直針で涙小管経由で涙嚢内に入れる 涙嚢が軽く膨らんできたら注入を止めて吸引すると膿がシリンジに逆流する この操作を繰り返す |
先天性鼻涙管閉塞症 治療 | プロービングを行う前に、母親に点眼と面貌による涙嚢マッサージを指導 綿棒を用いて内眼角の下方の上顎前頭突起の壁(前涙嚢稜)に沿って綿棒を垂直に押し込んでマッサージを繰り返す 通常、点眼の前後に1日3回、1分間行う 小児の涙嚢を大人の指でマッサージすることはできない 指についた菌で感染を引き起こすため、綿棒でできない場合はマッサージをしないように指導する 1〜2週間しても軽快しない場合、検査をかねたプロービングの適応 闇雲なプロービングは治療を困難にする 自然開通を期待する場合、涙嚢炎が慢性化してプロービングが困難になる場合がある 治療困難例は全身麻酔下で涙道内視鏡を用いた治療 |
ドライアイ 上流の原因の鑑別 |
水濡れ性の低下 BUの拡がりが急速 蒸発亢進 BUのタイミングが涙液の動きが止まった後 BUの拡がりがゆっくり 涙液分泌の低下 涙液が上方に移動するスピードが遅い BUのタイミングが涙液の動きが止まる前 |
ヘルペスウイルス角膜炎 | 上皮型 HSV1 樹枝状角膜炎 地図状角膜炎(端はdendric) 実質型 円板状角膜炎(実質浮腫) 壊死性角膜炎(血管進入、混濁) 病態は免疫反応 治療:アシクリビル+ステロイド 内皮型 VZV 周辺部より生じる角膜実質浮腫・上皮浮腫+KPs 内皮細胞が脱落 病態不明、内皮細胞のウイルス感染または宿主の免疫反応 |
MGD 治療 |
根本的な治療法はない 1.患者教育 Warm compress(温罨法) 蒸しタオルはすぐ冷めるためあまり効果ない 桐灰「あずきのチカラ」(電子レンジ)が有用 lid hygiene アイシャンプー(メディプロダクト)ナチュラルローソンで販売 オキュソフト(ホワイトメディカル) 2.上記+人工涙液点眼・脂質点眼 3.上記+ミノマイシン・テトラサイクリン内服 クラリス…最近のリパーゼ分解 200〜400mg/日 分2 最低3ヶ月から4ヶ月 定期的に採血…肝・腎機能チェック 4.上記+抗炎症剤の追加 |
軟性ドルーゼン | 直径63μm(乳頭縁での静脈直径126μmの1/2)以上の軟性ドルーゼン1個以上 →前駆病変と診断可能 OCT 内部反射を伴ったRPEのドーム状隆起 IS/OS line不明瞭化 進行するので問題 小さいドルーゼン ↓ 大きいドルーゼン ↓ 色素沈着 ↓ 萎縮………血管新生→CNV→滲出型 色素脱出 ↓ 地図状萎縮→萎縮型 ドルーゼンのてっぺんの色素沈着 CNV発生のサインになりうる 集簇性軟性ドルーゼン RAPの危険因子 |
萎縮型AMD | 診断基準 境界明瞭な地図状萎縮(GA) GA→CNV発生頻度はかなり高い 萎縮型でもCNV発生ありうるので観察必要 中心窩外GA…治療の対象 |
Reticular pseudodrusen (RSD) |
80才以上に多い とくに上耳側 細かい点々のドルーゼン 日本人のAMD患者の10〜20% CNV発生しやすく、RAPに多い(50〜80%) 出血・浮腫があればすぐに紹介 |
眼窩骨折 分類 |
1.部位 下壁 内壁 内下壁 上壁=頭蓋底骨折 外壁=頬骨骨折 2.形状(折れ方) 開放骨折 明らかに折れている 閉鎖型骨折 一見折れていないように見える 骨の弾性により元の位置に戻る(若木骨折) 眼窩組織が骨折線に絞扼(トラップ) white-eyed blow out fructure 所見に乏しい |
眼窩骨折 問診 |
だぶって見える 正面視での複視の訴えは少ない 眼を動かすと痛い 複視の自覚がないこともしばしば 頬がしびれる 三叉神経第U枝は小鼻、口唇、歯茎も支配 鼻をかんでまぶたが腫れた 気腫 嘔気 迷走神経反射 口を開けにくい、開けると痛い、噛み合わせができない 頬骨・上顎骨骨折 鼻閉感 鼻骨骨折 鼻水 頭蓋底骨折(髄液鼻漏) |
大阪回生病院 今川幸宏先生 |
眼瞼下垂 皮膚弛緩症 内反症 睫毛乱生(部分的も含む) 眼瞼外反 顔面神経麻痺 閉瞼不全 悪性腫瘍 甲状腺眼症 |
上下斜視 | 複視の出現 5凵@明確な複視 3凵@複視が出ることがある 水平斜視では40刪ネ下では複視を訴えない 原因 外傷、動眼神経麻痺、脳梗塞等 治療 非侵襲 プリズム眼鏡、フレンネル膜眼鏡 角度大では分厚い 角度小でも違和感が出ることがある 手術 回旋なし(上下斜視のみ)→上下直筋 回旋あり→斜筋+上下直筋 手術適応 自然治癒なし…眼鏡で改善せず 6ヶ月以上経過 6ヶ月以内でも手術希望あれば 麻酔 昔は全麻 JCHO大阪病院ではまず点眼麻酔、次にテノン嚢下追加 |
原田病 | 前房炎症、多発性滲出性網膜剥離が初発病変 視神経乳頭浮腫(90%):しばしば発赤して境界不明瞭 脈絡膜下に多量の浸出液が貯留すると網膜皺襞 発症後2ヶ月を過ぎると、ぶどう膜炎は消退しはじめ下液は吸収 眼底周辺部に小白斑、眼底・皮膚・睫毛・眉毛・毛髪の脱色素が始まる 2Mを過ぎると、ぶどう膜炎は消退し始め網膜下液は吸収される 眼底周辺部に小白斑、角膜輪部・眼底(95%)、皮膚(25%)、睫毛、眉毛、毛髪(60%)の脱色素が始まる 2〜3M後には脈絡膜色素脱失のため「夕焼け状眼底」 治療:ステロイド大量療法またはパルス療法 遷延例にはシクロスポリン |
SLE | 眼症状はドライアイと網膜症 網膜症:出血を伴う綿花状白斑 閉塞性血管炎を起こしやすい 網膜症の治療:ステロイド全身投与 |
眼部帯状疱疹 Herpes zoster ophthalmicus HZO |
若年者でも発症するが、細胞性免疫能が低下した50才以上の中高齢者で急増 三叉神経節に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化 発症は通常生涯に一度だが、免疫不全者では数回繰り返し発症することがある |
Hatchinson徴候 | 鼻背、鼻尖部の皮疹は鼻網様体神経の炎症を示唆する所見であり、眼合併症の発症頻度が有意に効率となる |
眼部帯状疱疹 眼合併症 |
眼瞼に限局した場合は麦粒腫と誤診されやすい+B861 まれに皮疹を欠くことがある(無帯状疱疹 zoster sine herpete) 強膜炎、上強膜炎 偽樹枝状角膜炎:角膜表層から隆起した病巣で、染色性が弱く、末端膨大部がない 数ヶ月から数年後に発症することがある(delayed pseudodendrite) アデノウイルス結膜炎の多発性角膜上皮下浸潤類似の円形病巣 強膜炎に連続して新生血管を伴い周辺部角膜に生じる角膜炎(強角膜炎) 単純ヘルペスウイルスによるものと類似した円板状角膜炎 肉芽腫性虹彩炎 続発緑内障 虹彩萎縮 網膜血管炎 動眼神経麻痺 全眼筋麻痺 海面静脈洞瘻症候群 視神経炎 |
眼部帯状疱疹 合併症 |
抗ウイルス薬の全身投与を7日間 通常はパラシクロビルまたはファムシクロビルの内服 重症例、免疫能低下例ではアシクロビル点滴静注 急性期の眼合併症に対し、アシクロビル眼軟膏 炎症の程度に応じてステロイド点眼 虹彩炎には散瞳剤 炎症が持続または再燃した場合、ステロイド点眼 |
SLK | 因子 @眼瞼圧上昇 A涙層不足によるドライアイ B上方結膜弛緩症増悪 治療 @涙層不足に対し、ジクアス A眼表面摩擦の軽減のため、ムコスタ Bプラグ挿入 C明らかな上方Cchが存在すれば弛緩結膜を切除 |
腫瘍随伴網膜症 paraneoplastic syndrome |
体内に腫瘍が発生した患者で、中枢神経に直接的な浸潤や転移を伴うことなく神経系の異常を呈する疾患群 CAR:cancer-associated retinopathy MAR:melanoma-associated retinopathy 夜盲、視野欠損(+光過敏症、光視症)→中心視野障害、視力低下 |
心因性視覚障害 検査 |
視力 例)すべて逆に答える 全く反応しない 近見と遠見が乖離 打ち消し法 6割以上で1.0以上 反応せず 1割 遠視側に振ってから、徐々に減少させて、視力を見る 中心フリッカー 値にばらつき 結果の矛盾 やる気がない 6Hzでも動いていると答える 色覚 非定型的 全くでたらめで再現性に欠ける 頑張ろうという態度に書ける 視野 8割に異常 偽陰性が多い |
心因性視覚障害 疫学 |
男女比 男:女=5:1 原因 家庭 45% 学校 20% 不明 25% *寂しいという気持ちの表れであることが多い 対策 心因性について説明 原因と思われることを解決 通院してもらう…通ってもらうことで安心 プラセボ点眼 1日4回 治癒 3割 |
網膜分離症 | 先天性 老人性…周辺部、網膜嚢胞 続発性 乳頭部先天性…乳頭ピット、乳頭低形成(←眼杯閉鎖不全)、朝顔症候群 強度近視…牽引 硝子体網膜症候群…牽引 増殖網膜症 その他(緑内障?) |
乳頭部先天異常に伴う網膜剥離 | 乳頭ピット 朝顔症候群 乳頭周囲ぶどう腫 乳頭コロボーマ |
乳頭ピットの網膜剥離 | 40%に網膜剥離発生 乳頭耳側が50%以上 網膜分離の中に網膜剥離がある 網膜剥離発症年齢 平均30才 子供では打撲が契機 分離症のみでは視力良好 自然経過 分離→剥離 子供では自然回復あり |
再発性角膜上皮びらん | 原因:上皮下に角膜上皮残渣物 治療:上皮接着不良部位をゴルフメス(背面の鈍の方)で掻破し残渣物を除去 痛いときは、NSAID1滴1回だけ点眼 その後、2ヶ月治療用SCL(最低でも1ヶ月) 正常な接着になるまでには2ヶ月かかる |
アミロイド | 涙液+ラクトフェリン(変性した蛋白の一種)→角膜バリア通過して凝集・集合 |
アミロイドの角膜沈着 | 角膜ジストロフィー 膠様滴状 格子状 顆粒状typeU(旧アベリノ) 2次性(女性が80%) 睫毛 治療:角膜表層切除+治療用SCL+内反症手術 円錐角膜 コンタクトレンズ等 |
シールド潰瘍 | Shield=西洋の盾 円形ないし楕円形 |
結膜ヘルペス 輪部ヘルペス |
結膜、輪部に denrite lesion |
結膜嚢胞 | 移植嚢胞 結膜手術後、外傷 貯留嚢胞 副涙腺の閉塞 |
TS−1 薬剤毒性 |
角膜上皮障害 涙小管閉塞 結膜上皮侵入…まれだがある(上方が多い?) |
結膜上皮乳頭腫 | 有茎型 Pedunculated type 花弁型 Sessile type |
デレン | 角膜周辺部の凹窩 涙液で覆われないため乾燥 原因:翼状片、レクトミー後、瞼裂斑等の輪部結膜のelevation 治療:抗乾燥、眼軟膏、治療用SCL |
遷延性角膜上皮欠損 | SPK→ハリケーン角膜症→Epithelial crack line→遷延性角膜上皮欠損 |
前駆病変 | 6〜24ヶ月間隔で観察 |
AMD カテゴリー |
カテゴリー1:少数の小型ドルーゼン カテゴリー2:多数の小型ドルーゼン 少数の中型ドルーゼン カテゴリー3:大型ドルーゼン 多数の中型ドルーゼン 黄斑部の中心窩外地図状萎縮 カテゴリー4:滲出型 萎縮型 |
AMD サプリメントの適応 |
カテゴリー3、4 |
立体視のスクリーニング | 2 pencil法 上下で2本の鉛筆の先を合わせる Titmas stereo test 7/9 60秒で中心窩融像 |
抗カルジオリピン抗体 | 抗リン脂質抗体症候群を始めとする膠原病の検査 SLE、RA、SS、Becet病に適応 |
視神経乳頭血管炎 ODV |
Optic disc vasculitis 若年者のCRVO様眼底を見れば一応疑う ・乳頭浮腫型 ・CRVO型 |
毛様網膜動脈 | 正常者の30〜40%に存在 脈絡膜循環に起因 ODVで閉塞を合併することがある |
外眼部感染症 問診 |
@ヘルペス、カタル性角膜炎、再発性角膜びらんの既往 A前医 抗生物質・ステロイド点眼の使用 B全身:アトピー、自己免疫疾患、糖尿病 C外傷 D乳幼児との接触生活→肺炎球菌(30歳台と60歳台に多い) E鼻閉→黄色ブドウ球菌 Fコンタクトレンズ |
外眼部感染症 重要な細菌 |
グラム陽性球菌:黄色ブドウ球菌、肺炎球菌 グラム陰性桿菌:インフルエンザ菌、緑膿菌 |
緑膿菌 | CLが原因…若年者…ケースの汚染 鼻涙管閉塞…高齢者…溜まった涙液で増殖 輪状膿瘍 初期はムチン様物質付着、不整形 治療:キノロン点眼 1時間毎のようにしっかりと 一過性炎症増悪 緑膿菌、モラクセラ |
PED (遷延性上皮欠損) |
円形、灰白色 菌は陰性 治療:抗菌薬↓、消炎薬・ステロイド↑ |
セラチア | CLケース |
MSSA角膜炎 | アトピー |
MRSA角膜炎 | キノロン耐性 易感染性眼表面 |
肺炎球菌角膜炎 | 小児からの飛沫感染 軽い外傷を契機 6歳以下の健常小児で肺炎球菌とインフルエンザ菌保菌率50% |
細菌性結膜炎 3大起因菌 |
黄色ブドウ球菌 インフルエンザ菌 肺炎球菌 |
細菌性結膜炎 黄色ブドウ球菌 |
片眼が80% |
細菌性結膜炎 インフルエンザ菌 |
感冒症状を伴いやすい 75% 両眼 55% |
細菌性結膜炎 肺炎球菌 |
小児接触率高い 90% 両眼 60% 球結膜充血が強い EKCと間違えやすい |
細菌性角膜炎 治療 |
MSSA、グラム陽性球菌疑い:フルオロキノロン(1時間毎)+セフェム系(1時間毎) 緑膿菌、グラム陰性桿菌疑い :フルオロキノロン(1時間毎)+アミノグルコシド系(1日4〜5回) ○夜間受診なら、2つの点眼薬を交互に15分毎に3時間点眼 |
グラム陽性球菌の炎症遅延 | 感染アレルギー ステロイド点眼のタイミング 抗菌点眼後ある一定の効果後ぐずぐずして治らないとき |
併発症としての細菌性角膜炎 | マイボーム腺炎、眼瞼炎 涙道閉塞、慢性涙嚢炎 毒素に対する反応? 遅延型過敏反応? |
再発しやすい結膜炎 | 鼻腔内黄色ブドウ球菌保菌率 90%と高い(permanent carrier) |
細胞密度(CD) | 正常≧2,000 <500なら水泡性角膜症の危険性 |
デスメ膜断裂線 | 円錐角膜…横方向 分娩時外傷…縦方向 牛眼…同心円 Haarb's striae |
PE関連角膜内皮症 | PEX→高度の内皮障害 内皮にPEX沈着 浅前房ほど内皮数少ない |
薬剤性内皮障害 | 抗パーキンソン薬 アマンタジン(シンメトリル) 抗精神病薬(うつ病) Major tranquilizer ブチロフェノン系 フェノチアジン系 イミノディベンジル系 |
ムンプス角膜内皮炎 | ムンプス、水疱瘡→内皮炎 |
網膜色素変性症 | Rod-cone dystrophy 眼底正常、若年者→見逃されることあり 暗い所でよくぶつかる 無色素性RPも発見困難 Ellipsoid zoneが黄斑部にしかない 黄斑部には全視細胞の20%しかない 遺伝子:EYSが最多 常染色体劣性遺伝型RPの約20% |
錐体ジストロフィ | 羞明・昼盲、色覚異常、視力低下 ring状黄斑変性 OCT:EZ不明瞭 中心暗点 錐体は黄斑部には20%しかない 眼底はさまざま Bull's eye 黄斑萎縮 正常眼底 明るい所で見えにくい…錐体ジストロフィ 暗い所で見えにくい……網膜色素変性症 |
Stargart病 | 8〜12才の視力低下 心因性と誤診されやすい 軽度の黄斑萎縮に気付くことが重要 黄斑ジストロフィ 黄斑萎縮と黄色斑(flecks) OCT 黄斑が薄い EZが不明瞭 予後不良 |
Occult macular dystrophy | 黄斑のみの錐体障害 診断:局所ERG 視力は低下するが、全体視野は良好 視力予後は比較的良く、0.1〜0.5に低下し、0.1以下はまれ 眼底・FA正常 OCT ELM EZ(IS/OS) :中心部で存在しない IDZ(cost):なしまたは不明瞭 RPE |
弱視と紛らわしい症例 | @常染色体視神経萎縮(ADOA) A全色盲(杆体一色覚) B先天性網膜分離症(若年網膜分離症) C先天停在性夜盲(不全型) D先天停在性夜盲(完全型) E黄斑低形成 F網膜色素変性症 |
常染色体視神経萎縮 (ADOA) |
RNFLはほとんどない、GCC↓ パネルD−15:トリタン トリタンは1本でも出れば異常 乳頭のvariationは多い ごくゆっくり進行し続ける |
全色盲(杆体一色覚) | 眼振 羞明…眼を細める 眼底は正常が多いが、黄斑の反射が不明瞭で粗雑(黄斑萎縮)の場合もある OCT:EZが中心部でない…視細胞の病気 生来の視力不良 ERG:杆体は正常、錐体は反応なし AR |
先天性網膜分離症 (若年網膜分離症) |
遠視はあるが、弱視になるほどではない 黄斑:車軸状眼底 OCT:網膜分離、中心窩が盛り上がる→遠視 XR |
先天停在性夜盲(不全型) | 近視が強くないのに、強度近視のような視神経乳頭…視神経形状異常(三日月型) 遠視〜近視 OCT:正常 ERG:杆体減弱 陰性型(b波の振幅がa波より小) 夜盲なし ARまたはXR 視力矯正をすると成人になったとき0.7位に視力が上がることが多い |
先天停在性夜盲(完全型) | ERG:杆体は反応なし 陰性型 強い夜盲 強度近視…近視眼底 |
黄斑低形成 | 黄斑反射なし OCT:中心窩のくぼみなし |
眼内腫瘍 | 小児 白色 悪性 網膜芽細胞腫 良性 星細胞過誤腫 成人 白色 悪性 脈絡膜転移癌(腎眼は例外で赤色) 悪性リンパ腫 黒色(褐色):以下の鑑別は困難 悪性 悪性黒色腫 網膜下液、オレンジ色素、腫瘍辺縁が乳頭の3mm以内 良性 母斑・黒色細胞腫 |
眼窩原発悪性腫瘍 | 成人 悪性リンパ腫、涙腺由来の悪性腫瘍が多い 小児 肉腫が多い 急速に増大する場合、横紋金肉腫をまず考える |
遺伝性網脈絡膜疾患 | 1.進行性夜盲症 @網膜色素変性症 Aコロイデレミア B脳回状脈絡膜萎縮 Cクリスタリン網膜症 2.停在性夜盲 @小口病 A白点状眼底 B先天停在性夜盲 3.錐体機能不全 @錐体(杆体)ジストロフィ A杆体1色覚 BS錐体1色覚 4.黄斑ジストロフィ @Stargardt病 ABest病 B中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィ Cオカルト黄斑ジストロフィ |
網膜色素変性症 治療 |
@0.15%ウノプロストン A網様体神経栄養因子インプラント BアデノウイルスPE由来因子による遺伝子治療 CiPS再生医療 |
コロイデレミア | 全脈絡膜萎縮 X-linked 進行性の急進性狭窄 母(保因者)に眼底異常 adeno-associated virus vector |
脳回状脈絡膜萎縮 | ぼこぼこしたものが周辺から中心へ AR 高オルニチン血症 幼少時より夜盲、進行 |
クリスタリン網膜症 | AR 中年発症(すなわち軽度) 夜盲 網膜に光沢のある点状沈着物 |
白点状眼底 | AR 眼底に無数の白斑 黄斑・錐体ジストロフィ合併 |
MacTel | 特発性 毛細血管瘤とFA漏出 Type1と2(Yannuzzi分類) |
MacTel Type1 |
血管瘤型 男性、片眼、40才位、日本人に多い 初診時視力 0.5位 無治療で治ることがある 悪化なら治療 PCで血管瘤凝固 特徴的な所見 硬性白斑+血管瘤+黄斑浮腫 耳側縫線を巻き込んで広がる 鑑別診断 BRVO(とくに黄斑分枝) DR 放射線網膜症 |
MacTel Type2 |
傍中心型 検眼鏡的に所見なし 性差なし、両眼、50〜60才、欧米人に多い 網膜の不透明化 FA:耳側から始まる漏出 OCT:網膜内外層の萎縮、網膜下新生血管 原因:Muller cellの変性?→毛細血管変化は二時的か 自然経過:変視症、読書能力↓ 鑑別診断 糖尿病網膜症 放射線網膜症 黄斑円孔 AMD 病初期の診断は困難 治療:有効なものなし PCは無効、むしろ有害 |
CRVO 基礎知識 |
起床時に気付くことが多い 若年者でも発症 乳頭炎型のCRVO 全身検索 まずステロイド 危険因子:高血圧症、糖尿病 遠視、緑内障眼に多い |
CRVO 疫学 |
BRVOの1/5〜1/10 僚眼に生じるリスクは年間1% 偶然に生じる疾患と考えられる 視力予後 初診時視力と強く相関 何もしなければ少し悪くなる 所見 黄斑浮腫…視力に直結 黄斑部NPA…視力↓↓ 周辺部NPA…NVGのリスク |
CRVO 分類 |
切迫型 impending 非虚血型 non-ischemic 虚血型 ischemic CRVO hemi-CRVO |
切迫型CRVO | 主幹静脈の拡張・蛇行、斑状の網膜出血 視力障害(±) 軽度の黄斑浮腫(±) FA:NPA(−) 黄斑浮腫による視力低下が無ければ経過観察 |
非虚血型CRVO | NPA少ない 予防的PRP不必要 切迫型→虚血型への進展はありうる |
虚血型CRVO | 広範囲NPA NV、硝子体出血に対してPRP とくにNVG予防が重要 虹彩/隅角NV NPA、視力低下、蛇行大…リスク大 3ヶ月がピーク 1年以内に生じて、それ以降は稀 3ヶ月までにPC 抗VEGF阻害剤で遅らせられるが、遅れて発症することあり 病態を治すのではないため 日本での考え方 まずPC 欧米での考え方 CVO studyでは有意差無し NV(+)ならPC |
CRVO 治療目標 |
非虚血型 黄斑浮腫に対して 虚血型 NVG予防・治療 視機能の大きな低下 黄斑浮腫があれば治療検討 |
CRVO まとめ |
最終視力は最初の視力に相関 非虚血型:PRPは原則不要 ME:治療を考慮 非虚血型:NVG予防のためPRP推奨 高度な視力低下になることが多い |
CRVOに伴う網膜虚血 | 軟性白斑 retinal whitening BRVOの1/5〜1/18 周辺部の斑状出血 大型…虚血 小型…非虚血 急な出血↑(とくに大型)…再閉塞を疑う 非虚血型のOCT 急峻なSRD 網膜内層の層構造の乱れ…実際は虚血を示唆 |
CRVO 治療 |
内科的 抗VEGF阻害剤…第1選択 即効性あり 繰り返し必要 外科的 |
CP Learning Effect |
最初は低めに出て、1〜2年間徐々に上がり、3〜4回目にピークになることが多い |
CP QOL |
下方は上方の2倍重要 10°内方は外方より4倍重要 |
PPC CP |
ハンフリー SWAP blue on yellow SAP white on whiteに5年先行 特異度・再現性は落ちる 進行の判定には疑問 オクトパス Flicker perimetry |
薬剤性眼瞼痙攣 | Sensory-motor dysintegration 過敏…ジストニア 精神症状…抑うつ 感覚過敏 本態性:薬物=6:4 症状 開瞼困難 羞明 眼痛・異物感 主訴 まぶしくて開けにくい 痛くて開けにくい 白内障術後の10%に発症 治療 ボトックス…軽症に Muller筋タッキング 抗コリン薬(アーテン) 固有知覚の応用 遮光レンズ(刺激↓)、クラッチ眼鏡(感覚トリック) 疾患の理解(家族を含め) 起因薬物 デパス 感覚過敏が強い 睡眠剤 ギャバa受容体作動薬 ベンゾジアゼピン ベンゾジアゼピン環を持たない非ベンゾジアゼピン(マイスリー等) cf:ロゼレム、ベルソムラなら可 |
Pachychoroidal neovasculopathy | アジア人に多い 脈絡膜肥厚と拡張脈絡膜血管の直上にあるT型CNV PCVを呈する CSCの既往歴 |
若年者の視神経乳頭陥凹 | 若年者の緑内障 発達緑内障 続発緑内障 発達緑内障 虹彩・隅角の形成異常 1.早発:10才未満 2.遅発:10〜20才代 3.Peters、無虹彩等 ◎同心円状に拡大 続発緑内障 主な原因 ステロイド 先天性白内障術後 20% 未熟児網膜症 網膜芽細胞腫 POAG 40才以上でも0.3% NTG 40才未満で0.9%の報告 視神経乳頭異常との鑑別が必要 SSOH 鼻上側NFLD 乳頭血管の上方偏位 乳頭上半分の蒼白化 日本人の有病率0.3% |
ぶどう膜炎 診断のポイント |
1.両眼性か片眼性か 両眼性…体全体の病気を疑う VKH、サルコイドーシス、ベーチェット 片眼性…感染症を疑う 結核、ヘルペス、桐沢型 2.部位と経時的広がり あるフォーカスから…感染 全体が同時発症 3.炎症の質 肉芽腫性 マイクロファージ+リンパ球 細胞は集まっている VKH、サルコイドーシス(結節→雪玉状) 非肉芽腫性 好中球 細胞の配置はばらばら ベーチェット病、真菌性眼内炎 固まり病変 まとまったKPs サルコイドーシス、CMV 散らばり病変 散ったKPs 急性前部ぶどう膜炎、潰瘍性大腸炎 |
ぶどう膜炎 治療のポイント |
急性…病理…抗生剤優先 慢性…生体防御反応による炎症…抗炎症薬併用 1.急性感染症 治療:抗生剤、ステロイドは× 病原体除去 転移性内因性眼内炎 細菌:真菌=1:2 半分はカンジダ…細菌より進行遅い サイトメガロウイルス網膜炎 90%は潜伏感染 免疫不全状態で活性化 2.亜急性感染症 治療:抗生物質+ステロイド 結核、梅毒、トキソプラズマ等、ARN 結核 サルコイドーシスとの鑑別困難 梅毒 いろいろなパターン…ごま塩状、虹彩炎・視神経炎のみもある 猫引っかき病 網膜分離症があった所に星芒状白斑…7日目頃 3.慢性感染症 治療:ステロイド HTLV−1関連ぶどう膜炎 眼底:小結節状沈着物、ベール状硝子体混濁 サルコイドーシスとの鑑別困難 九州に多い。キャリアのうち1/1000人が発症 免疫回復ぶどう膜炎(immune recovery uveitis , IRU) 免疫回復後、既に鎮静化し活動性のないCMV網膜炎罹患眼に硝子体混濁 |
眼部帯状ヘルペス | 虹彩炎を伴うことがある 分節状萎縮 sector atrophy 鼻毛様体神経を介して鼻尖側が |
黒色細胞腫 | 虹彩に黒い腫瘤 |
緑内障点眼薬 副作用 |
β:喘息、COPDに禁忌 α2:脳血管障害あり→血圧↓ アイファガン:濾胞性結膜炎 グラナテック、アイファガン:急性結膜炎(しばらくすると突然) |
特発性黄斑円孔 | 黄斑部の視細胞が広がる→ 見え方としては物が小さく見える。暗点なし。 |
アムスラーチャート | 固視点が見えるか…中心暗点 周囲の四角が見えるか…視野 内部の網目が見えるか…傍中心暗点 線が歪んでいないか 動き、揺れ、輝き、色の変化 異常部位の位置 |
強度近視 治療 |
浮腫(+)=活動性(+)→治療の対象 PDTはしない 抗VEGF阻害剤 早期治療が重要 83%は3回までの注射でドライに 追加治療(再発) 早期の再発も多い 治療の問題点 再発(経過観察は1M→3M→6Mへと) 網脈絡膜萎縮 抗VEGF阻害剤を4年間注射で70〜80%でCRAが進行 mCNVが生じやすい眼球形状 後部ぶどう腫 posterior staphyloma MTM myoic tracition maculopathy |
レーベル病 LHON |
急性〜亜急性の高度な視力低下、中心暗点 若年者(高齢者もありうる) 男女比:男が80〜90% DNA変異があるうちの、男40〜50%、女10〜20%に発症 喫煙、飲酒、外傷が発症の契機になることがある ミトコンドリア病 コエンザイムQ10が有効か 母型遺伝 X染色体連鎖劣勢遺伝子の関与? |
自己免疫性視神経症 | 何らかの自己抗体(+)の視神経炎 脱髄ではない |
optic disc pit | 視神経乳頭コロボーマの軽症型 楕円形の灰白色〜白色の陥凹 30才位 黄斑剥離を合併→pit macular syndrome |
prism diopter | 凵℃牛キ/距離 例:40凵{40凵80 40凵21.8° 40凵{40凵43.6° 43.6°=95.2 ∴40凵{40凵95.2 |
外眼筋 名称と作用方向 |
RSR RIO LIO LSR RLR RMR LMR LLR RIR RSO LSO LIR |
外眼筋 神経支配 |
動眼神経(NV):MR、SR、IR、IO 滑車神経(NW):SO 外転神経(NY):LR 覚え方”LR6SO4” |
眼球運動の用語 | ひき運動 duction…単眼運動 外転(外ひき) 内転(内ひき) 上転(上ひき) 下転(下ひき) 内回旋 外回旋 向き運動 version…両眼の同じ方向への運動 右向き 左向き 上向き 下向き 右回旋 左回旋 よせ運動 vergence…両眼の逆方向への運動 輻輳 開散 内回旋 外回旋 |
ティトマスステレオテスト | Fly 3000sec=26mm浮き上がる Circle 1…800sec=7mm浮き上がる 6…80sec =0.7mm浮き上がる 9…40sec =0.35mm浮き上がる |
Hirschberg | 角膜辺縁 45° 瞳孔辺縁 15° |
偽外斜視 | 大きな陽性κ角 ROPに多い 黄斑が耳側にずれている…黄斑変位 陰性κ角は強度近視性斜視でみられることがある |
カバーテスト | 1.固視眼を見つけて遮蔽 2.遮蔽していない目の動きを見る 3.アンカバーで反対眼の動きを見る 4.固視眼を交代し、逆眼を遮蔽 5.斜位の場合は、さらに交代カバーでずれを見る |
斜視角の定量 | 交代プリズムカバーテスト Alternate(×Alternative) prism cover test |
上斜筋麻痺 | 下斜筋過動 上斜筋麻痺の頭位異常 健側に頭部頸斜 健側に顔を回す 顎下げ Park's 3 step method R−L−R(右上斜視、左方視で悪化、右頭部頸斜で悪化):右上斜筋麻痺 R−R−R:左下斜筋麻痺 L−R−L:左上斜筋麻痺 L−L−L:右下斜筋麻痺 *RRR・LLLは下斜筋麻痺、RL交互は上斜筋麻痺 |
オルソケラトロジー 近視進行抑制 |
メカニズム:周辺部遠視性デフォーカスの改善 OK後コマ様収差↑→偽調節量↑、多焦点性→毛様体筋の調節負荷を軽減…アトロピンと共通 近視進行抑制効果 AT>OK>BFSCL |
CMV内皮炎 | サイトメガロウイルス:ヘルペス科 易感染性のない人にも感染 診断基準 小円形に配置する白色KP(coin lesion):確定 繰り返す虹彩毛様体炎 内皮細胞減少 治療 アシクロビル× ガンシクロビル○ 再発 1/3 ガンシクロビル点眼持続で予防可能 予後 透明61% 移植18% 内皮機能不全21% |
PCV | 検眼鏡所見:燈赤色隆起病変(専門医のカラー写真だけの確定診断率47〜70%) 日本人に多い PCV 55% tAMD 35% RAP 5% OCT RPEの急峻な隆起(ポリープ状病巣) Double layer sign 脈絡膜が厚い…脈絡膜血管透過性亢進 Pachychoroid neovasculopathyの一種 網膜下血腫症例の多くがPCV PCVの中にはCSC類似の所見を示すものがある |
RAP | 網膜血管由来のNVが網膜下へ増殖 女性の多い 検眼鏡所見 網膜内出血 多発性癒合状ドルーゼン OCT CME PED断裂し網膜内新生血管と癒合 脈絡膜薄い 脈絡膜膜の厚さ PCV>tAMD(正常付近)>RAP 傍中心窩の網膜新生血管網から発生 →中心窩はCMEのみことあり →CSCに見える Retinal pseudodrusen RAPで80% 上方血管アーケードに多い 3年以内に必ず僚眼に発症 →必ず両眼の検査が必要 僚眼の所見は特徴的 多発性ドルーゼン RAP 巨大瘢痕 |
MLF症候群 WEBINO症候群 |
片眼の外斜視+両眼の内転障害=MLF症候群 さらに+交代性外斜視=WEBINO症候群(Wall-eyed bilateral internuclear ophthalmoplegia) |
屈折性弱視 | 遠視は+2.00D、近視は-5.00Dより眼鏡処方を考慮 |
間歇性外斜視 | 眼精疲労 輻輳不全で(+) 両眼視時の視力低下(斜視近視)では(−) 大人の場合 斜視角大→近視化(−1D以上) 手術適応 眼精疲労 and/or 遠見時ボケ 読書困難 行飛ばし…どこをよんでいるのかわからなくなりませss 行反復 小人の間歇性外斜視 小学校入学前 整容的な面もあるが、読書困難を防ぐためにも |
DME タイプ |
嚢胞様黄斑浮腫 漿液製網膜剥離 スポンジ様網膜膨化 |
AMD 血管由来と治療 |
tAMD…NVは脈絡膜由来 抗VEGF阻害剤が有効 PCV……NVは脈絡膜由来 抗VEGF阻害剤は血管閉鎖力が弱い 視力0.5以下→PDT単独/併用 RAP……NVは網膜由来 再発しやすく難治性 治療:PDT+抗VEGF阻害剤 |
PCV | 検眼鏡所見:燈赤色隆起病変(専門医のカラー写真だけの確定診断率47〜70%) 日本人に多い PCV 55% tAMD 35% RAP 5% OCT RPEの急峻な隆起(ポリープ状病巣) Double layer sign 脈絡膜が厚い…脈絡膜血管透過性亢進 Pachychoroid neovasculopathyの一種 網膜下血腫症例の多くがPCV PCVの中にはCSC類似の所見を示すものがある |
RAP | 網膜血管由来のNVが網膜下へ増殖 女性の多い 検眼鏡所見 網膜内出血 多発性癒合状ドルーゼン OCT ◎CME PED断裂し網膜内新生血管と癒合 脈絡膜薄い 脈絡膜膜の厚さ PCV>tAMD(正常付近)>RAP 傍中心窩の網膜新生血管網から発生 →中心窩はCMEのみことあり →CSCに見える Retinal pseudodrusen RAPで80% 上方血管アーケードに多い 3年以内に必ず僚眼に発症 →必ず両眼の検査が必要 僚眼の所見は特徴的 多発性ドルーゼン RAP 巨大瘢痕 |
DM 角膜合併症 |
角膜びらん 基底膜露出 遷延性角膜上皮欠損(Persistent epithelial defect:PED) 原因:創傷治癒の障害あるいは基底膜、ボウマン膜の障害 上皮の欠損部位は丸みを帯びて円形となり、欠損部辺縁は上皮が堤防状に盛り上がる 全層移植後16%にPED発生 DM+硝子体出血に合併する網膜上皮剥離の22%がPED |
緑内障 SAP |
網膜神経線維の消失 - 5dB 20% -10dB 40% |
分泌性流涙症 原因 |
内反症…強瞬目テスト 外反症…pinch test,snap back test CCh 大きな翼状片 |
高度の涙小管閉塞 原因 |
EKC 角膜ヘルペス 薬剤副作用 抗癌剤 TS−1 |
家族性滲出性硝子体網膜症 FEVR |
網膜血管形成不全を基盤とする網膜硝子体異常。 網膜血管の成長が不十分なため、周辺部網膜に無血管帯を生じ、ROP類似の病態を呈する疾患。 病像:無血管領域と網膜血管先端部異常から、牽引網膜、網膜ひだ、網膜全剥離まで多彩。 近視 家族性で原因遺伝子が多く見つかっているが、孤発例も多い。 再燃や晩期合併症が起こりえるため、長期にわたる定期検査が必要である |
HbA1c急速低下 | HbA1cが10%以上から急に低下した場合 まれに線状出血、乳頭新生血管、著名な網膜浮腫 光凝固や硝子体手術に抵抗し著名な視力低下 まず抗VEGF阻害剤を施行しながら、線状出血が減少したら徐々に光凝固 |
調節性内斜視 | 眼鏡装用後も内斜視が残存する部分調節性内斜視が多い →プリズム眼鏡、手術 最善の治療を行っても200秒より良好な立体視を獲得すのは約半数、1/3はまったく立体視を獲得できず 治療成績の向上…早期の遠視発見 非調節麻痺下でも遠視を検出できるスクリーニング…Spot Vision Screener |
間歇性外斜視 | 遠見立体視の発達は近見立体視より遅く、同等のレベルに達するのは11歳以降 低年齢では戻りが大きいため、手術は11歳以降 手術適応 低年齢:近見立体視が低下ないしは消失 11歳以降:遠見立体視が不良か斜位の維持能力が低い 斜視角が大きくても、日常ほとんど顕性外斜視なし→手術適応なし 大人まで待つと、大きな肉芽形成するので、中学生くらいで手術 |
アデノウイルスの型 | 37型…角膜上皮障害、リンパ節腫 54型…子供で重症化、混濁を残す |
白内障術後 眼圧上昇 |
粘弾性物質の洗浄不足 落屑症候群 悪性緑内障 浅前房、異常な高眼圧 治療:YAGまたは外科的な後嚢切開 |
YAG合併症 | 裂孔原性網膜剥離 潜在していた嚢内の弱毒菌感染の硝子体内への拡散 |
DME 影響を与える全身背景 |
高血圧 脂質異常 貧血 腎不全 HbA1c急速低下 |
DME 治療 |
一般に難治 1st Choiceは抗VEGF阻害剤…効きにくい 硝子体手術 後部硝子体癒着に対して 後部硝子体剥離ある場合、内境界膜除去 ERM→抗VEGF阻害剤無効、手術適応 |
眼類天疱瘡 治療 |
初期の局所療法 フルオロメトロン点眼液0.1% ×非ステロイド性点眼薬→角膜穿孔 炎症増悪…全身免疫療法追加 |
アカントアメーバ角膜炎 | 初期 偽樹枝状病変 不均一な上皮下浸潤と微小な点状白濁 強い毛様充血 放射状角膜神経炎 成長期(移行期) 淡い輪状病変 完成期 円板状病変 |
嚢性白内障 | PE 進行が速い 日内変動が大きい 内皮細胞減少 難聴が多い |
脳神経疾患由来の眼症状 | 1)うっ血乳頭 2)黒内障 目が一時的に見えにくくなる 3)眼球突出、充血 頭蓋内動静脈シャント(外眼筋麻痺を伴うことあり) 治らない、悪化する充血(結膜炎と誤診)→CCFを疑う 4)顔面痙攣 脳腫瘍 血管障害(脳動脈瘤など) 5)視野狭窄 脳腫瘍 脳動脈瘤(巨大) 脳梗塞 6)動眼神経麻痺(複視) @糖尿病 A脳幹梗塞 突然の激しい頭痛+動眼神経麻痺→すぐに脳神経外科を紹介 B動脈瘤 7)視力低下 大型脳動脈瘤 |
注意を要する緑内障 | PE…視野進行が速い 閉塞隅角緑内障 続発緑内障 中心視野障害から始まる緑内障 眼圧変動が大きい アトピー…ろ過手術が難しい 早期手術 唯一眼 |
アイファガン点眼液 副作用 |
結膜アレルギー 球結膜にも濾胞 すぐに生じるとは限らない めまい |
眼底病変と病院紹介 | ME→紹介 PED、RD→基本的に紹介。それのみで視力良好ならしばらく経過見ることも可能 mCNV→早期治療必要 抗VEGF阻害剤注射後の視力低下 網膜下出血、色素上皮裂孔→再紹介 強度近視によるブルッフ膜断裂 CNV(−)…単純出血→経過観察 CNV(+)→直ちに抗VEGF阻害剤 |
円錐角膜 CL処方のポイント レンズサイズの選択 |
アピカルタッチ 2点・3点接触・フラットメソッドで処方 フルオレセインパターン優先 角膜曲率半径にとらわれずせんたく レンズ最周辺部の評価重視 レンズ上方のフィッティングを最も重視 BCの選択に迷った場合は、ケラト値に頼らずまずはBC7.80を選択し、トライアル&エラー サイズ↑ 角膜径が大きい 瞼裂幅が広い 脱落 ズレ 上眼瞼の引き上げ不良 初心者 サイズ↓ 角膜径が小さい 瞼裂幅が狭い 角膜周辺部への圧迫 下方の浮きが大きい 重症度が上がるにつれて、BCは小さくなる フルオレセインパターン検査 Step1:レンズ中央部・中間周辺部の適合性を確認(BC評価) |
円錐角膜 CL処方のポイント フィッティング検査 |
上部 :重要度大 中央部:重要度中 下部 :重要度小 Step1 レンズ中央部・中間周辺部の適合性を確認 軽度 3点接触 中央部:アピカルタッチ 中間周辺部:パラレル 重度 2点接触 中央部:アピカルタッチ 中間周辺部:フラット Step2 ベベル幅を確認 Step3 レンズ上方の最周辺部の適合性を確認…最重要 下方視させて、上眼瞼を上げ、レンズを上方にずらして、上方角膜輪部の圧迫の有無を確認。 |
線状出血 | 浅層 網膜繊維層内 |
しみ状出血 | 深層 網状層・内顆粒層内 視力に影響しやすい |
新生血管をきたす疾患 | CRVO/hemiCRVO DR 内頚動脈閉塞症 脈絡膜腫瘍 ぶどう膜炎 |
絶対緑内障 治療 |
目的:疼痛の除去 濾過手術 毛様体破壊 アルコールブロック治療 眼球摘出 |
悪性リンパ腫 | MALT(mucosa-associated lymphoid tumor)リンパ腫が大半 ゆっくり発達 自然寛解例もあるが、経過からの診断は困難 症状が少ない 悪性度は低い |
反応性リンパ過形成 | 眼瞼浮腫、眼位異常、複視、結膜充血 |
涙丘組織の特徴 | 脂腺、毛根がある |
涙丘腫瘍の治療 | 経過観察→化学療法、局所治療としての放射線 |
眼窩腫瘍と好発年齢 | 小児 血管腫 中年 涙腺他形成腺腫 高齢 リンパ腫 |
結膜乳頭腫 | 打ち上げ花火状の血管新生を伴うカリフラワー状の結膜隆起病変 ヒトパピローマウイルス HPV 若年者に多い 治療:切除 再発しやすい、再手術はマイトマイシンC併用 |
化膿性肉芽腫 | 小児で涙に血が混ざる症例に多い 霰粒腫、翼状片手術後にも起こりうる |
涙腺嚢胞 | 原因:外傷、炎症 涙腺またはその導管の閉鎖 |
GONもどき | GCCにて緑内障類似の所見を呈す 1.軟性白斑後 虚血→神経繊維層浮腫→RGC死→NFLD形成 高血圧網膜症の既往歴 経産婦の妊娠中 肝臓病(INF投与) 腎臓の病気 2.網膜血管閉塞 ARVO、BRVO 3.ICC(intrachoroidal cavity) 乳頭周辺部の陥凹部に多い |
RGCとMD値 | RGC20%喪失→MD値5dB低下 40% 10dB 1/2喪失してやっとMD値の低下として現れる |
PPG 治療介入の視標 |
乳頭出血の出現 眼圧が15mmHg以上 年齢が60歳以下 |
PDCA | peripapillary diffuse chorioretinal atrophy 強度近視の失明のリスク大 |
涙小管炎 診断 |
涙点の膨隆・発赤・腫脹・拡大・開大 流涙はある場合とない場合がある 涙道閉塞を合併すれば流涙あるので、流涙あれば涙管通水検査 通水+で上下どちらかから連なる眼脂→涙小管炎 涙小管内腔が拡張しているため、通水時に通水針の遊びが多い 通水検査で出血が多い 涙点プラグの迷入が原因のことあり |
涙小管炎 治療 |
眼瞼皮膚側に指先を置き眼瞼結膜に綿棒を差し込む できるだけ深く涙嚢側から涙点に圧迫しながらスライドしていく |
涙嚢炎 治療 |
外科手術 ゴールデンスタンダードはDCR 急性で腫れが強い場合、本来涙嚢がある場所を穿刺 |
薬剤性角結膜障害 1.角膜上皮障害 |
S−1 エルロチニブ(商品名タルセバ) |
薬剤性角結膜障害 2.角膜内皮障害 |
クロルプロマジン メジャートンキライザー アマンタジン パーキンソン病 |
薬剤性角結膜障害 3.角膜上皮内沈着 |
アミオダロン 抗不整脈 渦巻き状または放射状の茶褐色の沈着 クロルプロマジン メジャートランキライザー 視力障害なし インドメタシン 視力障害なし SJSの原因薬 |
薬剤性網膜障害・ぶどう膜炎 | 抗がん剤 タキモシフェン(ノルバデックスなど) タキサン系抗がん剤 パクリタキセル(ブラキサンなど)、ドセキタキセル(タキソテールなど) 分子標的薬 ステロイド剤と生物学的製剤 ステロイド 漿液製網膜剥離 steroid induced central serous chorioretinopathy 多発性後極部網膜色素上皮症 生物学的製剤 感染性ぶどう膜炎の悪化・発症 抗てんかん薬 小児てんかん薬 ビガバトリン(サブリル) 抗糖尿病薬 シタグリブチン(ジャヌビア)…網膜症悪化 ピオグリタゾン(アクトス)…黄斑浮腫 向精神薬 クロルプロマジン(コントミン) チオリダジン(メレリル) うっ血性心不全、上室性不整脈薬 ジゴキシン…錐体細胞の機能障害 多発性硬化症(MS)治療薬 フィンゴリモド、ナタリズマブ SLE、皮膚エリテマトーデス ヒドロキシクロロキン(ブラケニル) |
近視性固定内斜視 | 進行性 内下転位 上直筋と外直筋の間に脱臼 鑑別診断 外転神経麻痺 外眼筋繊維症 |
小児視神経炎 | 両眼性 ウイルス感染、ワクチン 予後 10才以下>10才超 全体の20%に後遺症 抗Aqp4抗体陽性視神経炎等もある 全視神経炎患者の10% 治療 ステロイドパルス…初回は有効 血漿交換 |
動脈炎性前眼部虚血性視神経症 | 高齢者 突然の視力低下 全身倦怠感 側頭痛 両眼性 |
Fischer症候群 | 急性の眼外筋麻痺 運動失調 腱反射↓ 感染が引き金 |
IRVAN | idiopathic retinal vasculitis,aneurysm and neuroretinitis SRD 視神経乳頭に網膜細動脈瘤 星芒斑 網膜血管炎 動脈分枝部の動脈瘤 視神経網膜炎 乳頭上新生血管 治療:ストロイド、光凝固 |
CFC症候群 | Cardio-Facio-Cutaneous syndrome 精神遅延 特徴的顔貌 心疾患 皮膚疾患 |
角膜上皮ステムセル疲弊症候群 | 先天性 先天無虹彩 後天性 薬剤毒性、腫瘍など |
Ocular surface squamous cell neoplasia | carcinoma in situ 上皮基底膜は正常 結膜扁平上皮癌 上皮基底膜を破壊 栄養血管あり 花火様微小血管 転移はまれ 再発性高い F点で境界あり |
結膜乳頭腫 | 好発部位;下眼瞼、涙丘 多発性、有茎(3D的) |
結膜扁平上皮癌 | 好発部位:輪部 単発性、水平に拡大(2D的) |
アルカリ眼外傷 | 15分以上洗眼 |
重症薬疹 | 体表に占める罹患面積の違いから SJS 皮膚以外の臓器に重篤な症状 TEN toxic epidermal necrosis 致死率高い 急性期 充血、偽膜、上皮欠損 感冒様症状が先行 薬剤内服の既往 高熱(40℃)、発疹 充血、爪の異常 口唇、口腔粘膜、出血性びらん |
眼類天疱瘡 | 原因不明だが、基底膜に対する自己免疫と考えられる 60才以上、薬剤毒性 慢性に進行だが、白内障手術などで急性増悪もある 睫毛乱生とドライアイを伴う高齢者で疑う 眼結膜円蓋部の短縮 |
乳幼児の鼻涙管閉塞症 | 1才まではマッサージ…96%自然治癒 〜6M 経過観察 6〜12M 希望によりブジー 13M以上 全麻で内視鏡 |
ポスナーシュロスマン症候群 | 虹彩萎縮 隅角色素沈着 手術が必要になるのは内皮細胞↓ CMV虹彩炎が含まれる VZV虹彩炎では内皮細胞減少はなし 重篤な緑内障では手術し、発作回数↓ |
甲状腺眼症 | 甲状腺眼症 Thyroid ophthalmopathy または Thyroid eye disease TED 病期 活動期 治療:消炎…ステロイドパルス療法・内服・局所注射 半年〜1年 喫煙により重症化…禁忌 非活動期 眼球突出 眼球は外方に偏位…Disfuguring proptosis 輻輳失調…Moebius徴候 圧迫性視神経症(5%) 眼瞼腫脹 睫毛内反 流涙 |
原田病 | 虹彩毛様体炎型 乳頭浮腫型 両眼の視神経腫脹 高頻度にAIONを合併→視野障害 漿液性網膜剥離型 |
悪性リンパ腫 | 高齢者 ステロイド抵抗性 細胞診 |
RVO 出血と浮腫 |
出血:血栓/高血圧症→静脈内圧上昇→血圧上昇→赤血球漏出 浮腫:血流速度低下→VEGF↑ |
樹枝状角膜炎 地図状角膜炎 |
Epithelial infiltration Terminal bulb 角膜中央部に発生が多い FL染色が鮮やか 治療 アシクロビル 1Wで軽快 2W〜1Mで中止 偽樹枝状角膜炎 帯状ヘルペス タイゲソン:星芒状に似る。ステロイドが有効。 SCL:輪部に沿って |
円板状角膜炎 | 治療 アシクロビル 1日3〜5回 0.1%ベタメサゾン 1日3回 アレルギーなのでステロイドを使うが、2ヶ月で切る。 軽度では使わない。 円板状角膜炎を繰り返すと、壊死状角膜炎 鑑別診断 アカントアメーバ 激しい眼痛 実質型ヘルペスでは神経が障害され痛くない |
HSV−2 眼感染症 |
新生児への産道感染 成人の結膜炎・角膜炎:性行為 ARN |
PCV 治療 |
抗VEGF阻害剤 単独でポリープ退縮率 20% PDT ポリープはほぼ消退 網膜色素上皮裂孔 術後出血…抗VEGF阻害剤併用でリスク低下 PDT併用したほうが効果大 |
真菌性角膜炎 | 診断 グラム染色 ファンギフローラY染色 培養・塗沫せずに抗真菌薬投与は無い 中央部に大量の好中球が蓄積 周辺部擦過し、3W培養 ポイント 進行が遅い 植物外傷 潰瘍辺縁不整 Hyphate ulcer 盛り上がった固い病巣 抗真菌薬 アゾール系→細胞膜合成阻害…静菌的 ポリエン系(ピマリシン)→細胞膜合成阻害…殺菌的 キャンディン系→細胞壁合成阻害 症状 眼脂少ない 前房内細胞、前房蓄膿、Endothelial plaque 治療目標 痛みの軽減が最大の目標となる |
緑内障 MD値と手術適応 |
手術適応 -1dB/Y -0.5dB/Yでも-15dB/Y以下 下方傍中心暗点-0.5dB/Yで-10dB/Y |
緑内障 新しいrisk factor |
低血圧 片頭痛、冷え性 →網膜循環が悪いと考えられる |
緑内障 視野検査 |
最初の2回は怪しいと考える 急に進行する時は、緑内障以外(白内障、網膜疾患等)を再検討 ±2dBは変動範囲内…眠たかったからかも MD-15〜20dBからは10-2を中心に 30-2で-0.2dBでも、10-2で-0.9dBということがありうる ブリンゾラミド、ドルゾラミドは効果に有意さなし(2回でも) |
小児緑内障 診断基準 |
眼圧>21 C/D比増大進行 Haab線または角膜径拡大(13mm以上) 眼軸長伸長による近視化 GONと再現性ある視野欠損 上記のうち2つ |
ステロイド外用薬 | デルモベート リドメックス 小児緑内障の原因になりうる |
輪部機能不全 外科的治療 |
輪部機能が一部残存している場合 偽翼状片切除や表層角膜移植など 輪部機能が完全になくなっている場合 (程度が軽いものから) 角膜上皮移植 自己輪部移植、もしくはsimple limbal transplantation 培養自己輪部移植 他家輪部移植 培養他家輪部上皮移植 培養自己口腔粘膜上皮移植 人工角膜移植 |
AZOOR | 主に弱年女性 光視症を伴った急激な視力低下・視野欠損 視野欠損はさまざまなパターンだが、盲点拡大が多い OCT:EZ line↓ 原因:不明 治療:確立されたものは無い |
黄斑ジストロフィ | 卵黄状黄斑ジストロフィ 別名ベスト病 Stargardt病(スタルガルト病) 小児期〜青年期 黄斑部の萎縮病巣とそれを取り囲む黄色班(flecks) オカルト黄斑ジストロフィ(潜在性黄斑ジストロフィ) 進行性に両眼の黄斑機能低下 遺伝性で、典型的にはAD OCT:EZ↓ 錐体ジストロフィ、錐体−杆体ジストロフィ 網膜全体の錐体機能が進行性に低下 黄斑に萎縮病巣 遺伝性。 OCT:EZ↓ X連鎖性若年網膜分離症(先天網膜分離症) 両眼性の視力低下 黄斑部に車軸状の網膜分離(初診時90%) 中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィ 両眼に境界明瞭な円形の黄斑部萎縮病巣:特徴的 OCT:網膜外層およびPEの菲薄化 |
Coats病 | 原因不明の網膜血管の拡張と血管瘤 →異常血管からの漏出のよる滲出製網膜剥離、硬性白斑の沈着 若年男性(中央値5歳)、片眼性 |
Fucks角膜ジストロフィ (FECD) |
滴状角膜=角膜内皮下に細胞外マトリクス蓄積 Scatteringで角膜裏面にKPs様の茶色い色素(ぶどう膜炎と誤診されることあり) デスメ膜皺 常染色体優性遺伝。中年以降。男:女=1:2.5 短眼軸、狭隅角 水泡性角膜症→内皮移植 症状:羞明 スペキュラ:dark area 紹介のタイミング 羞明、視力低下の自覚 水泡性角膜症 狭隅角 |
角膜実質混濁 | 治療:全層または表層角膜移植 不正乱視に対しHCL、だめなら角膜移植 紹介のタイミング 瞳孔領にかかる角膜混濁によって視力低下の場合 |
薬剤性上皮障害 | 抗緑内障薬(βブロッカー、PGs) 抗生物質(アミノグルコシド系) 抗ウイルス薬(ゾビラックス) 抗癌薬(TS−1) 治療:休薬と人工涙液によるWash out 数ヶ月かかることが多い |
後天性急性共同性内斜視 (スマホ斜視) |
軽症〜中等度近視 低矯正眼鏡でも…極端な近業作業を長時間可能なため もともと融像機能が脆弱が多い傾向 両眼視機能は斜視が発症しても保たれている 20cm以内では正常人でも片眼視 過剰な輻輳反応 内斜視化で固定 寝ながらスマホ→片眼視 治療 念のため、頭部病変否定 大角度で改善しないことが多い 2〜3ヶ月様子を見て、早めに手術 ボトックス有効との報告あり 術後の両眼視は良好 予防 20cm以内でスマホを見ない 低矯正眼鏡を使わない 意識的に目を動かせたり瞬目する |
Sagging eye 症候群 | sagging =たるみ 加齢によりPulleyが劣化しゆるむ そのため外直筋が下がる 上下斜視+回線斜視 目の周りの皮膚もたるんでいることが多い 8刪ネ上で視力に影響 治療:プリズム眼鏡、手術 |
円錐角膜 フィルター |
第1フィルター(大前提) オートケラト 乱視度数2D以上 第2フィルター(時間や手間がかからない) オートケラト:STEEP K値≧45D 全身疾患:アトピー性皮膚炎を有する 年齢:40歳未満 家族暦の有無 癖:目を擦る 妊娠・出産期の女性:進行する可能性 ダウン症候群 第3フィルター(時間や手間がかかる) オートケラト:マイヤー像の歪み データの左右差:屈折・視力・K値 データの同一日のばらつき:屈折・視力・K値 データの経時的変動:屈折・視力・K値 |
円錐角膜 HCL不耐症に対する治療 |
ピギーバック 強膜レンズ Prosthetic Replacement of the Ocular Surface Ecosystem(PROSE) 角膜内レンズ 有水晶体眼内レンズ(Implantable collamar lens,ICL) |
PPE | Pachychoroid pigment epitheliopathy CSCでは血管の透過性が亢進し網膜下液が溜まる 反対眼でも網膜下液はないが、透過性亢進し部分的なPE障害を起こしている …これがPPE。すなわち、CSCのようでSRFないもの |
PNV | Pachychoroid neovasculopathy PPEの特徴がありCNV(+) 今までAMDと思われていた |
Pachychoroidのスペクトラム | CSC→PNV:慢性化したCSCからCNV発症することは知られていた PPE→PNV |
PachychoroidからCNVを 発症する機序 |
脈絡膜中大血管層が拡張→脈絡膜細血管板層が消失→CNV発症 |
新しいAMDの発症メカニズム | 軟性ドルーゼン→neovascular CNV→滲出性AMD…従来の概念 + PPE→PNV→滲出性AMD…新しい概念 CSC→PNV→滲出性AMD…新しい概念 |
緑内障手術の分類 | 1.濾過手術 1)繊維柱帯切除術 トラベクレルトミー 2)プレートのないチューブシャント手術(エクスプレス) 3)プレートのあるチューブシャント手術(バルベルト) 4)その他の濾過手術 全層濾過手術(Scheie手術)、非穿孔性繊維柱帯切除術(nonpenetrating trabeculectomy) 2.流出路再建術 1)繊維柱帯切開術 トラベクトロミー 2)MIGSの流出路再建術 トラベクトーム、スーチャー繊維柱帯切開術、カフークデュアルブレード、マイクロフック 3)白内障手術併用眼内ドレーン iStent 4)隅角癒着解離術 5)隅角切開術 3.瞳孔ブロックを解消する手術 1)周辺虹彩切開術 4.毛様体破壊術 昔、冷凍凝固→眼球癆になりやすい 今、マイクロパルス |
眼表面摩擦関連疾患 | 1)SLK(Superior limbic keratoconjunctivitis) 上眼瞼結膜と上方の角結膜間の摩擦亢進 2)LWE(Lid wiper epitheliopathy) CL装用者に高頻度 3)ドライアイ |
緑内障 アドヒアランス |
1.なぜ続かない 点眼を忘れる 治療の有効感が低い 副作用がある COPD 慢性の咳・痰、労作時の息切れ 進行してくると息苦しさ・呼吸不全 40歳以上の8.6% 有病率8.6% 5%しか診断されていない βブロッカー禁忌 洞性除脈(50未満) 房室ブロック U・V度 心原性ショック βブロッカーの意外な副作用 幻視(黄色い花模様、カラフルな水玉、黄色い稲妻等) 2.モチベーション↑ 視野障害の体験(黒く見えるのではない) GCC 眼圧手帳 副作用を最初に説明 院内テレビ(日眼「視野と自動車運転」 |
ステロイド内服 | 長期に作用が持続するロングアクティング…リンデロン…投与期間が短期間 使用時間が短いショートアクティング…プレドニン…投与期間が長期 すべての合成ステロイド薬は1錠中にコルチゾール20mg(生理的コチルゾール1日量)に相当する作用を有する。 0.5mg/kg{プレドニゾロン(PSL)換算}から開始するのが一般的 炎症が再燃した場合、その前の投与量にもどす 通常、1錠がPSL換算5mg相当の錠剤を使用するが、PSL10mg以下であれば1錠が1mgの錠剤を使用 PSL10mg以下に減量できない場合は、シクロスポリンなどの免疫抑制剤併用 長期使用の場合、骨粗鬆症予防薬併用、肝腎機能のチェック |
分離母斑症 | 眼瞼の場合、上下眼瞼に拡がる。 外反症、眼瞼下垂、悪性化を来たすことがる。 治療:切除 |
無虹彩症 | 虹彩の完全または不完全欠損 合併症…眼球全体にありうる 角膜症 白内障 高眼圧・緑内障 黄斑低形成 小眼球症 眼球振盪症 |
SHRM | Subretinal hyperrefractive material 加齢黄斑変性症での 繊維性瘢痕 出血 滲出物(フィブリン) 卵黄様物質 |
ファブリー病 | 渦状の角膜混濁 渦の中心は角膜下方 鑑別診断:ある種の薬物の長期服用者 心機能障害、脳血管障害、腎機能障害、被角血管腫 多種多彩な複数臓器にわたるため、早期発見が大事 |
眼瞼良性腫瘍 | 脂漏性角化症(老人性疣贅) 茶褐色、中高年、表面凸凹、角化 母斑細胞母斑 茶褐色、瞼縁に多い、表面平滑、境界鮮明、小児期から存在 結膜側は平坦 母斑細胞が真皮内で増殖 鑑別診断 上皮の腫瘍 表面が凸凹 真皮の腫瘍 表面がつるつる 瞼縁に好発 毛母腫(石灰化上皮腫) 若年、まぶた 石のように固い 乳児血管腫(いちご状血管腫) 新生児の1% 生後1M〜 内服で治癒 表皮嚢腫(粉瘤(アテローム)) デルモイドシスト(皮様嚢胞) 瞼板と関係なし 上眼瞼外側に好発 |
眼瞼疣 | 尋常性疣贅 伝染性軟属腫(水いぼ) |
眼瞼悪性腫瘍 | 基底細胞癌 黒色調、深部に浸潤、軽い隆起と中心部陥凹、硬い 下眼瞼70%、次に内眼角 転移は稀 分類 隆起中心部陥凹型 樹状強皮症型 ポイント 白内障手術世代、黒色、結節潰瘍、下眼瞼 脂腺眼 黄色調、硬い、瞼結膜に凸凹・隆起 しばしば霰粒腫と誤診 霰粒腫は結膜側は平坦 結膜に硬いパチンコ玉のような隆起を見たら注意 切開したらボロボロした塊が出る ポイント 白内障手術世代、黄色、硬い、結膜が凸凹 扁平上皮癌 メルケル細胞癌 赤色〜赤紫色のドーム状隆起 高悪性度 頻度 良性:母斑性母斑 脂漏性角化症 悪性:基底細胞癌 脂腺癌 悪性を疑うポイント 高齢、大きくなる、形が変化、薬に反応しない、硬い 紹介先 WEB”がん情報サービス” 日赤、阪大、関西医大 |
Eales病 | 特発性網膜静脈周囲炎 網膜血管の閉塞をきたす 30〜40歳代の男性に多い 別名:若年性再発性網膜硝子体出血 治療:NPAに光凝固 |
未熟児網膜症 ROP |
光凝固を行っても9%は予後不良 Aggressive posterior ROP(APROP) 網膜内シャント血管 急速に進行 Stegeに関係なく網膜出血出現 |
網膜芽細胞腫 | 実質性腫瘤と腫瘤内石灰化 急速な進行 |
SAP | -5dB 20% -10dB 40% 網膜神経細胞が消失 |
CCh | 繰り返すHSはCChと相関 手術適応 自覚症状 繰り返すHS 整容 術式 切除・縫合 バイポーラで余った結膜を焼灼 強膜への縫着 |
毛包虫症 | 繰り返す霰粒腫の原因になりうる 毛包虫 Demodex ほとんどの人で顔面に存在 「顔ダニ」 「ニキビダニ」…毛根に棲息 「コニキビダニ」…皮脂腺に棲息 ほとんど無害 治療:眼瞼洗浄…アイシャンプー 薬剤内服 眼科でなければ、フォノトリン(スミスリンパウダー、スミスリンシャンプーが第2種医薬品として市販) |
ドライアイ診断基準2016 | 1.自覚症状 2.涙液層不安定化(BUT≦5) 1.2.とも(+)→ドライアイ 疑い例はなくなった シルマー値、上皮障害は関係なし |
進行性の円錐角膜 | 原因不明 500人に1人 治療:角膜クロスリンキング(CXL) 適応 若年者(高校生位)で進行が早い例 ペルーシド 医原性角膜拡張症 保険適応外 |
ドライアイ治療の注意点 | ヒアルロン酸点眼 水分があって初めて保水効果を示す なければ「ダマ」になる 眼軟膏 涙液動態が悪くなる 涙点プラグ 上下片方では効かない 閉じていない方の代行機能がはたらく キープティアが効かないからプラグが効かないわけではない |
AIR | Autoimmune retinopathy 自己免疫 CAR(carcinoma)、MAR(malignant melanoma) 若い女性 網膜外層障害 |
眼瞼痙攣の自覚症状 | 光がまぶしい 95% 目をつぶっていたほうが楽 92% 目が乾く 51% 目を自然に閉じてしまう 49% 目がごろごろする、うっとうしい 41% |
眼瞼痙攣とドライアイ | 眼瞼痙攣のドライアイ合併率 97% ドライアイ治療しても治らない場合、眼瞼痙攣を疑う |
眼瞼下垂のテスト | 上方注視1分 眼瞼下垂が悪化 閉瞼1分 眼瞼下垂が改善 アイスパックテスト |
RVO | RVOの定義 有病率 成人 5人/1000人 危険因子 緑内障 加齢 高血圧 発症機序 血栓→酸素↓→VEGF↑ CRVOの分類 非虚血型 10乳頭未満のNPA 虚血型 30乳頭以上のNPA 急速に視力低下 60%以上 ルベオーシス 黄斑浮腫 RVOにおけるVEGF 治療:抗VEGF阻害剤(アイリーア>ルセンティス) CRVO 急性期 切迫型:経過観察、STTA 視力 ≧0.9:経過観察、STTA、ルセンティス 0.4〜0.9:アイリーア、ルセンティス <0.4:アイリーア 慢性期 ME再発:抗VEGF阻害剤、PPV+ILM剥離 レーザー MA併発:直接PC |
グラム陽性球菌 | 肺炎球菌、ブドウ球菌 治療:キノロン系+セフェム系 |
グラム陰性桿菌 | 緑膿菌、セラチア、淋菌、モラクセラ 治療:キノロン系+アミノグルコシド系(トブラシン(日東メディック)) |
TGFBI関連 角膜ジストロフィ |
角膜ジストロフィの代表的な責任遺伝子であるTGFBI遺伝子はケラトエピテリンという蛋白質をコードする。 角膜ジストロフィでみられる混濁はこれらの変異した蛋白質の沈着。 PTKしても角膜移植(全層でも)しても再発する。 Reis-Bucklers角膜ジストロフィ 顆粒状角膜ジストロフィ Avellino角膜ジストロフィ 格子状角膜ジストロフィ |
アトロピン点眼 | 1% 1日2回点眼 残余調節力 3日目でも1Dある 7日目でやっと0.2〜0.5D 7日間点眼が必要 副作用 顔面紅潮、発熱、心悸亢進、頭痛等 点眼直後の涙嚢部の強い圧迫1分間で予防可能 |
アトロピン遮蔽 | 片眼弱視治療 健眼に毎日1回 毎日10時間以内の健眼遮蔽と同じ効果 |
輻輳痙攣 | 内斜視化 |
調節痙攣 | 近視化 |
縮瞳痙攣 | 縮瞳化 |
眼瞼痙攣の治療 | ボツリヌス毒素注射 無効 10% 効果 3〜4M 副作用 10%(眼瞼下垂、兎眼・閉瞼不全等) 内服 抑肝酸 7.5g 毎食前 継続 眼鏡 クラッチ眼鏡 ばねで眼瞼を上げるのではなく触れるだけ(知覚の錯覚) 遮光眼鏡 95%の患者が羞明を訴える トライアルで自覚症状を確認し処方 手術 補助治療手段 眼輪筋切除+ミューラー筋縫縮 |
夜盲症 分類 |
先天(遺伝的)原因 非進行性 先天停在性夜盲 小口病 眼底白点症 進行性 網膜色素変性症 その他ジストロフィ 後天的原因 腫瘍随伴網膜症 腫瘍罹患歴(肺癌、良性を含む) ビタミンA欠乏症 消化管切除歴(炎症性腸疾患等) |
先天性夜盲症 非進行性 |
先天停在性夜盲 小口病 白点状眼底 |
先天停在性夜盲 | 完全型 不全型 両者とも眼底正常 ERGで鑑別 |
小口病 白点状眼底 |
金屏風眼底(水尾−中村現象) びまん性小白点 同様の眼底異常を呈する疾患があるのでERGで診断 先天網膜分離症、錐体ジストロフィ、X染色体劣性網膜色素変性保因者 |
網膜色素変性症 レーベル先天黒内障 |
進行性夜盲 原因遺伝子、メカニズムのオーバーラップあり |
レーベル先天黒内障 | 主に5歳以下で発症 夜盲、羞明、視力不良、眼振 |
錐体杆体ジストロフィ Stargardt病 |
進行性夜盲 原因遺伝子、メカニズムのオーバーラップあり |
網膜硝子体ジストロフィ | 硝子体ゲルが高度に液化・変性 ベール状の硝子体策状物 若年者でも胞状網膜剥離 診断には家計調査が重要 家族性滲出性硝子体網膜症 網膜血管の成長が不十分なため、周辺部網膜に無血管帯を生じ、ROP類似の病態を呈する疾患 Stickler症候群 眼症状+Pierre-Robin sequence(口周辺の異常) Wagner病 比較的若年者で白内障 Goldmann-Favre病 @硝子体変性および網膜分離症を伴う網膜色素変性症様眼底 A夜盲と消失型あるいは著しく障害されたERG B進行性の視機能障害 C併発白内障 D常染色体劣性遺伝 先天性網膜分離症 頻度が高いのは、FEVRとStickler Goldmann-Favreは極めて稀 |
SDRに見えるPDR | 静脈異常 数珠状拡張 ループ形成 重複化 |
AMD 鑑別診断 |
強度近視 網膜色素線条 |
RVO 鑑別診断 |
網膜細動脈瘤 アーケード内に限局したBRVOは鑑別困難 病変部位の拡大とFAが参考になる MacTel Type1 FAで血管の走行を確認 高血圧網膜症 過粘調度症候群をきたす血液疾患 白血病 マクログロブリン血症 Idiopathic retinal vasculitis,aneurysms,and neuroretinitis(IRVAN) FAで不規則なNPA |
脈絡膜血管腫 | 脈絡膜発症の良性腫瘍 片眼性 比較的頻度が高い 橙色の隆起性病変 FA:早期から過蛍光 黄斑部に滲出性網膜剥離→抗VEGF阻害剤 隆起が目立たない初期は見逃されやすいので、OCTで湾曲を観察 |
脈絡膜悪性黒色腫 | 茶色〜黒褐色 表面のPEが障害されると、橙色〜黄白色を呈することがある(病名に惑わされないように) 進行するとブルフ膜を穿孔し、網膜下に浸潤し、マッシュルーム状を呈する |
転移性脈絡膜腫瘍 | 扁平 原発巣は乳癌と肺癌が多い 隆起は一つのこともあれば複数個のこともある 無治療例では短期間に増大する |
非肉芽腫性ぶどう膜炎 | 浸潤細胞:好中球+リンパ球 ベーチェット病、HLAB-27AAU、感染性眼内炎 |
肉芽腫性ぶどう膜炎 | 浸潤細胞:マクロファージ+リンパ球 サルコイドーシス、ヘルペス性虹彩毛様体炎、急性網膜壊死 |
前房蓄膿を来たすぶどう膜炎 | HLAB-27AAU ベーテェット病 非典型的であれば下記を疑う 手術を含めた既往歴、全身検査、治療への反応性が重要 内因性眼内炎(細菌、真菌) 外因性眼内炎 梅毒性ぶどう膜炎 悪性リンパ腫 糖尿病虹彩炎 TASS |
HLAB-27AAU | 片眼性 充血・疼痛が強い フィブリン析出を伴う 上に凸の前房蓄膿 炎症期間は2〜3ヶ月 |
ベーチェット病 | 両眼性 充血・疼痛は軽度 フィブリン析出はない 平坦な前房蓄膿 数週で自然寛解 |
糖尿病虹彩炎 | 両眼性であるが、片眼のこともある 充血 フィブリン析出 上に凸の前房蓄膿 高血糖:◎HbA1cがとくに高値(通常は12以上) 糖尿病網膜症所見が見られるが、相関はしない |
細菌性眼内炎 | 大小不同で不正なKPs 眼脂、充血、眼痛 フィブリン析出 WBC、CRP、ESR(血沈)が上昇 肝膿瘍、尿路感染症、肺膿瘍、細菌性心内膜炎や糖尿病が基礎疾患にあり、肺炎桿菌や大腸菌などのグラム陰性桿菌が起因菌のことが多い |
真菌性眼内炎 | 充血はあまり強くない KPsは白色微細 上に凸の前房蓄膿 β-D-グルカンの上昇 カンジテック(カンジダキット)(発売中止)陽性 外科手術後や化学療法、免疫調整薬、副腎皮質ステロイドによる治療中など免疫能が低下した状態に加え、IVH、静脈留置カテーテル、尿道カテーテルなどを使用した場合 |
悪性リンパ腫 | 充血などの炎症所見に乏しい KPsは白色微細 ステロイドに抵抗性 診断的治療目的の硝子体手術(細胞診、IL-6/IL-10、IgHの遺伝子再構成) 高齢者に多く、オーロラ状と言われる特徴的な硝子体混濁を呈する |
梅毒性ぶどう膜炎 | 眼所見は多彩であり、肉芽腫性、非肉芽腫性の前眼部炎症を呈する その診断には血清梅毒反応が必須 RPR、TPHAが共に陽性 |
TASS | 充血 強い前房内浸潤細胞 フィブリン析出 前房蓄膿が見られるも、KPsは白色微細で集積性、粘調性が低い |
光視症 原因疾患 |
中枢性 閃輝暗点 Visual snow syndrome 脳腫瘍、てんかん、一過性脳虚血発作など 末梢性 PVD関連(網膜裂孔、網膜剥離を含む) ジギタリス網膜症 散弾状脈絡網膜症 AZOOR complex(AZOOR,PIC,MEWDSなど) 転移性脈絡膜腫瘍 |
Visual snow syndrome | 症状:視野全体に無数の細かいツブツブとしたものが常時見える 63%で光視症を伴う 平均年齢:30歳、性差なし 原因:不明だが60%で片頭痛を伴うので、脳の血流障害が関与か? |
ジギタリス網膜症 | 特徴的な黄色視の他にしばしば光視症を伴う 原因:薬剤による視細胞/RPEのイオン輸送系の障害→錐体・桿体障害 |
散弾状脈絡網膜症 birdshot chorioretinopathy |
HLA A-29が陽性の自己免疫性脈絡網膜炎 視力障害以外にしばしば光視症を伴う 炎症性脈絡膜循環障害の関与が示唆される IA:滲出斑は初期から低蛍光 OCTA:深部脈絡膜の血流障害 |
AZOOR complex | AZOOR細分類 T.(初期に)眼底に異常なし→(狭義)AZOOR U.眼底に異常あり AZOOR complex…AZOORと同じ疾患spectrum 患者背景がAZOORと同じ AZOORを合併 多発消失性白点症候群(MEWDS) 点状脈絡膜内層症(PIC) Acute macular neuroretinopathy(AMN) 多巣性脈絡膜炎(MFC) |
AZOOR complex 光視症の特徴 |
暗点内(!)が光る 拍動性、振動性、泡のような、花火、ちらつくストロボのような、ぐるぐる回る… 視野欠損改善とともに光視症も減少 慢性の光視症:遅発性網膜変性を生じる ↓ 病気の活動性とリンクすることを示唆 |
光視症の病態 | 閃輝暗点(前兆):脳血流障害 散弾状脈絡網膜症:炎症性脈絡膜循環障害 AZOOR complex:炎症性脈絡膜循環障害 ↓ 共通病態:眼と脳の循環障害 光視症の病態(の一部)に関与 |
Uhthoff現象 | 視神経炎で、長時間の入浴や炎天下の外出などで,あるいは感冒や運動など体温上昇が起こる状態で,視力低下が発現または増悪することがある |
小児の視神経炎 | RAPD!(散瞳して眼底検査より大事) 確定診断:MRI ウイルス感染・ワクチン接種後の発症 Uhthoff現象 眼球運動痛、赤緑色覚異常 乳頭炎型が多く、球後視神経炎はまれ 視神経炎と診断がついたら、抗アクアポリン4抗体・抗MOG抗体測定 |
石原色覚検査表Uコンサイス版 | 誤読表数 1以下…正常色覚 2から3…アノマロスコープによる判定が必要 4以上…先天色覚異常 |
パネルD−15 | pass:中等度以下…色誤認が少なく、異常をあまり自覚していない fail:強度…かなりの色誤認。日常生活・職業上困難に遭遇 |
肺炎球菌角膜炎 | 匐行性角膜潰瘍…楕円形を呈し、病巣が移動するように拡大する 病変の大きさに比し深部へ進展しやすく、強い前房炎症を呈する 治療:セフェム系の感受性が非常に高い ベストロンを頻回点眼するなら生食で溶解 |
CL重症感染症 | アカントアメーバと緑膿菌が2大起炎菌 |
羞明をきたす網膜疾患 | 羞明をきたす網膜疾患…錐体反応が悪い 錐体自体の障害 錐体機能不全症候群(先天性の停在性の錐体の機能障害) 症状:羞明、視力低下、眼振等、色覚異常 診断:錐体ERGの消失 錐体ジストロフィー 錐体機能不全の分類 杆体一色覚(RM) 分類 完全型 不全型(視力、色覚残存) Oligocone trichromacy(視力、色覚正常) 遺伝:AR 頻度:3万人に1人 症状:羞明、視力低下、眼振等、色覚異常 所見:眼底異常がないことが多く、場合によっては黄斑変性 青錐体一色覚 遅視症(bradyopsia) |
薬剤性眼瞼痙攣 | 向精神薬 チェノジアゼピン系エチゾラム(デパス、後発品多数) 睡眠薬 可能な限り、休薬・減薬 数週間後に判断 代替薬 睡眠改善薬 ラメルテオン(ロゼレム)、スボレキサント(デゾラム) 漢方薬(抑肝酸) |
わかりにくい眼瞼痙攣 | ドライアイにまぎれる 眼瞼痙攣におけるドライアイ合併kは97% ドライアイを治療しても治らなければ痙攣の合併を疑う ジストニアが目立たない 感覚過敏が主体 痛みが主体 特有の痛みはなく様々 羞明が主体 眼内の疾患では説明不可の羞明 (PCやTVがまぶしい。家の中を暗くして生活している等) 治療 ボトックス注射 遮光眼鏡 クラッチ眼鏡 筋無力症と鑑別困難 MGでは瞬目テストは眼瞼痙攣様になる 訴えも眼瞼痙攣に類似 MGでは羞明を合併しない 眼瞼下垂を合併していたら、MGでは 上方注視1分→眼瞼下垂の悪化 閉瞼1分→眼瞼下垂の改善 アイスパックテスト→眼瞼下垂の改善 片側顔面痙攣様の眼瞼 ジストニアには左右差がある場合がある 片目つぶりで反対眼の開瞼維持を可能にしている場合がある 眼瞼痙攣に特徴的な自覚症状の有無と瞬目テストで判断 |
眼瞼痙攣を疑うが 瞬目テスト正常 |
よく観察していると、特徴的な瞬目や表情をする場合がある クラッチ眼鏡を装用させて自覚が改善すれば眼瞼痙攣 日を変えて診察してみる 調子の悪くなる時間をねらって診察 |
出血を伴う滲出斑を呈するぶどう膜炎 | サルコイドーシス ベーチェット病 急性網膜壊死 厚みがない豚脂様角膜後面沈着物が角膜全体に。 眼圧上昇 視神経乳頭炎 血管の白鞘化 CMV網膜炎 後極部劇症型 網膜大血管に沿った出血と滲出斑 周辺部顆粒型 黄白色の顆粒状病変 出血を伴わないこともある 細胞性免疫の低下に伴い発症するため、前房細胞や硝子体混濁はわずか |
BRVOを呈するぶどう膜炎 | 特発性 好発:高齢者 前眼部炎症のタイプ:なし ツベルクリン反応:陽性 硝子体出血:あり サルコイドーシス 好発:若年者と高齢者の2峰性で女性 前眼部炎症のタイプ:肉芽腫性 ツベルクリン反応:陰性 硝子体出血:まれ ベーチェット病 好発:成人男性 前眼部炎症のタイプ:非肉芽腫性 ツベルクリン反応:強陽性 硝子体出血:あり 結核性ぶどう膜炎(Eales病) 好発:成人男性 前眼部炎症のタイプ:非肉芽腫性 ツベルクリン反応:強陽性 硝子体出血:あり |
結核性ぶどう膜炎 | 前眼部炎症は軽度 Quantiferon陰性 ↓ 後眼部型のベーチェット病とは鑑別困難…FAが有用 NPAに対するPCはベーチェット病では禁忌、結核性ぶどう膜炎では必須 |
片眼性前部肉芽腫性ぶどう膜炎 | ポスナー・シュロスマン症候群 HSV虹彩毛様体炎 VZV虹彩毛様体炎 CMV虹彩毛様体炎 フックス虹彩異色性虹彩毛様体炎 |
ポスナーシュロスマン症候群 | 眼圧が高くても、角膜浮腫・デスメ膜雛壁なし |
サルコイドーシス | 両眼性 KPs:角膜中央を頂点に下方に三角形または台形に堆積 |
HSV虹彩毛様体炎 | 角膜実質炎領域に一致したKPs 円形の虹彩委縮 |
VZV虹彩毛様体炎 | 初期には、角膜中央にKPs、角膜浮腫、デスメ膜雛壁 経過とともに色素沈着 寛解に伴い扇錠の虹彩委縮 |
CMV虹彩毛様体炎 | KPsは多彩。コインリージョンは50%以下 ほとんどの症例で強い眼圧上昇 難治性。角膜内皮細胞減少。 治療:局所の抗炎症とバルガンシクロビルの全身投与 |
フックス異色性虹彩毛様体炎 | 虹彩実質が委縮。虹彩色素が薄くなる。 突起を持った斑状のKPs |
先天眼瞼下垂 | 下垂した上眼瞼圧により角膜上方が圧平され角膜乱視が増大→屈折異常性弱視、不同視弱視 22%に乱視がある 弱視を引き起こすのは、2.0D超の乱視と不同視 |
下眼瞼睫毛乱生症 | 顔の成長 男児:16歳頃まで 女児:11〜13歳頃まで 女児は男児に比し、顔の成長度合いが小さいため、自然改善しにくい 直乱視化 1D以上の乱視を35〜78%に認め、その10%に誘起乱視による屈折異常もしくは不同視弱視 |
眼瞼下垂(成人) | 手術適応:眼瞼縁角膜反射間距離(MRD)≦2mm |
妊娠高血圧症候群 | 高血圧性網膜症 漿液性網膜剥離 |
IHAPSH | Intrapapillary hemorrhage with ajacent peripapillary subretinal hemorrhage DH+視神経乳頭周囲に網膜下出血の症候群 硝子体出血や乳頭浮腫を伴うことがある 再発はまれで予後良好 |
Sturge-Weber 症候群 | 眼病変:脈絡膜血管腫、緑内障 |
感染性眼瞼皮膚炎 | 1.単純ヘルペス 眼瞼皮膚:小水疱、痂皮 結膜:濾胞性結膜炎 2.伝染性軟属腫…伝染性軟属腫ウイルス 眼瞼皮膚:中心臍窩を有する小丘疹 結膜:大型濾胞 3.伝染性膿痂疹…ブドウ球菌 眼瞼皮膚:小水疱、痂皮 結膜:カタル性結膜炎 |
視神経症 視力の有無 |
視力良好 うっ血乳頭 偽乳頭浮腫 乳頭血管炎 糖尿病乳頭症 Leber遺伝性視神経症の前症状期…急性期初期 光覚弁消失 抗アクアポリン4抗体陽性視神経症 多発性硬化症 外傷性視神経症 鼻性視神経症 Leber遺伝性視神経症では委縮期でも、0.1以下に低下するが光覚弁消失まで落ちない |
視神経疾患 痛み |
視神経炎…眼球運動時痛 動脈炎性虚血性視神経症…浅側頭部痛、頸部痛 うっ血乳頭…頭蓋内圧亢進で頭痛 |
視神経炎 典型的なポイント |
若い(20〜30歳代)の女性 視力低下(発症時) 急性(<虚血性視神経症)、比較的中等度、片側性 RAPD陽性 眼球運動時痛(球後、上眼瞼) 視神経乳頭のびまん性発赤腫脹 中心暗点、盲中心暗点 Uhthoff現象(運動、入浴、日光浴、屋外作業、妊娠) 自然回復 |
森実式ドットカード | 正常値:2〜3歳 0.6以上、4〜5歳 0.8以上 0.4以下:屈折異常(とくに+2.00以上の乱視)等を有する可能性が高い |
伝染性膿痂疹 | 原因菌 黄色ブドウ球菌…大半 A群β溶血性連鎖球菌…アトピー性皮膚炎患者、重症化あり 皮膚病変 ブドウ球菌…水疱型 連鎖球菌…痂皮型 眼科疾患 急性カタル性結膜炎 まれにブドウ球菌性角膜炎 治療 抗生物質の全身・局所投与 |
カポジ水痘様発疹症 | アトピー性皮膚炎に合併する、単純ヘルペスウイルス1型による汎発疹 疱疹性湿疹とほぼ同義語 単純ヘルペスウイルス1型の初感染で発症する場合と再活性化病変から移行する場合がある 突然の発熱および倦怠感を伴って発症 紅暈を伴い中心臍窩を有する小水疱が集簇して出現し周辺へ播種状に拡大 好発部位:顔面、頸部 成人の場合、眼瞼ヘルペスが周囲の皮膚に拡大して汎発疹となることがある 眼病変:急性濾胞性結膜炎、単純ヘルペスウイルス角膜炎 樹枝状病変は、両眼性、多発性、星状またはterminal bulbに乏しい非典型的 |
伝染性軟属腫 | 原因:ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルス 小児(とくに幼稚園児や学童)に好発 中心に臍窩を有する小さな丘疹 アトピー性皮膚炎に合併する場合、赤色調が強く、1〜2mm程度の半球状丘疹が多数かつ広範囲に散在 好発部位:側胸部、側腹部、腋窩、陰部、四肢屈側 眼瞼に発症した場合、濾胞性結膜炎を合併 治療:経過観察 自然治癒例もあるが、アトピー性皮膚炎合併例では自然治癒困難 |
小児 眼内病変の鑑別 |
網膜芽細胞腫(RB) Coat's病 硝子体血管系遺残(PFV) 家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR) 未熟児網膜症(ROP) その他の眼内腫瘍 |
眼内腫瘍病変 鑑別 |
網膜芽細胞腫(RB) Coat's病 硝子体血管系遺残(PFV) 家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR) 未熟児網膜症(ROP) その他の眼内腫瘍 |
硝子体血管系遺残 PFV |
網膜硝子体の先天異常で胎生初期の第一次硝子体が自然吸収されず過形成を起こし遺残したもの。 ほとんどが片眼性で高度な視力障害を生じることが多く、多発奇形を伴うことがある。 白色瞳孔で発見されることが多い。 片眼の小眼球、白色瞳孔、水晶体混濁、水晶体後面から視神経乳頭に向かって伸びる索状物、延長した毛様突起、網膜形成異常などが認められる。 索状物が水晶体を後方に牽引し水晶体の厚みが増すと隅角を閉塞し続発性の緑内障を発症することがる。 |
白色瞳孔をきたす疾患 | 網膜芽細胞腫(RB):最も多い(約60%) 硝子体血管系遺残:2番目に多い(約12%) Coat's病(滲出性網膜炎) 進行した未熟児網膜症 先天性白内障(厳密には白色瞳孔に含まれない) その他:網膜剥離、脈絡膜欠損、網膜形成不全(Retinal Dysplasia) 白色瞳孔を認める →悪性新生物であるRBとそれ以外の疾患の鑑別が重要 |
顆粒状角膜変性症U型 (GCD2.Avellino,granular lattice) |
日本で最も多い角膜ジストロフィー(アジア人に多い。韓国では640人に1人) 実質浅層〜中層に顆粒状混濁+棍棒上混濁(ヒアリン、アミロイド) 角膜中央部に混濁が生じる(周辺はない) 一般に視力低下の自覚は壮年期になってから(顆粒状混濁間の淡い混濁) 再発性角膜びらんを来す LASIK禁忌 TGFBI遺伝子の異常(点変異・R124Hが多い) |
格子状角膜変性症 (lattice dystrophy,LCD) |
角膜アミロイドーシス 再発性角膜びらんを来す LCD1:TGFBI遺伝子の点変異 10歳前後で発症・白点混濁+線状混濁1(R124C,A546D,L518Pなど) V:格子が太い。40歳代〜晩期発症。AR VA:格子が太い。晩期発症。AD T/VA:格子の太さが中間 W:晩期発症。深層にアミロイド沈着。角膜びらんを来しにくい? LCD2:家族性アミロイドニューロパチーW型(Gelsolin type) 20〜40歳で発症。脳神経障害・皮膚弛緩・特徴的な顔貌(仮面様)など |
ドルゾラミド | トルソプト:酸性のため刺激を感じやすい。1日2〜3回 |
ブリンゾラミド | エイゾプト:懸濁性のため、霧視と眼瞼への懸濁液付着。1日2〜3回 |
Parapapillary atrophy (PPA) |
α:黒色 正常者でもありうる β:白色 緑内障、近視と関係 乳頭側の委縮 |
RVO | 全身的:高血圧症 局所的:静脈の局所的狭窄 網膜剥離の可能性があるので長期観察必要 |
BRVO | 毛細血管瘤(MA):3M〜発症の可能性あり、6Mで50%、9Mで85% MEの治療:抗VEGF(高血圧症あればそれも治療) 虚血型に光凝固術 MAの発症、硬性白斑の集積→光凝固術 5%が両眼発症 |
初期アカントアメーバ 診断のポイント |
1. コンタクトレンズ装用者 2. びまん性の浸潤(広範囲の上皮混濁) 3. フルオレセイン染色で上皮不正がある 4. 全周性の明瞭な輪部炎 5. 所見のわりに強い眼痛 |
MSによる視神経炎 | 1.通常型MSによる視神経炎 2.抗アクアポリン抗体陽性視神経炎 3.抗MOG抗体陽性視神経炎 |
視神経炎(狭義) | 1.特発性 2.通常型MS(Conventional form MS:CMS) 3.抗アクアポリン抗体陽性視神経炎 視神経炎の10% 女性9割 高齢者でもある 乳頭浮腫少ない 痛み少ない 視野障害:水平半盲20%、中心暗点20%、非典型な視野障害が多い 予後不良:ステロイド効果不良 非典型的な視神経炎のため虚血性視神経症と診断しやすい 4.抗MOG抗体陽性視神経炎 視神経炎の10% 男女半々 乳頭浮腫が多い 痛み強い 予後比較的良好 |
NMOSD 抗アクアポリン抗体陽性視神経炎 |
中枢神経のアストロサイトに発現するAQP4に対する抗AQP4抗体による自己免疫疾患 指定難病の一つ 9割が女性で、平均40歳で発症 日本での有病率3.4人/10万人 数時間〜数日でピークを迎え、多くは重症 再発予防を行わなければ、年に1〜1.5回の再発を繰り返し、重い後遺症を残す |
ブナ目花粉症 | 春の花粉症 ブナ目:シラカンバ、ハンノキ、コナラ、ブナ等どんぐりをつける 花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)の原因花粉となる 花粉症に感作→リンゴ・モモ(バラ科)摂取で、口唇・呼吸器・消化器症状(20〜40%) |
片頭痛の臨床的特徴 | 頻度:ときどき起こる(間欠的)/週2回〜月1-2回 持続時間:4〜72時間続く 症状:ズッキンズッキンと脈打つような強い痛み(片眼性・拍動性) 歩行や階段昇降などで痛みは増大する 悪心・嘔吐(自律神経症状の出現) 過敏症:光(56%)、音(64%)、臭い(47%)→片頭痛脳 発症形式:頭痛の兆候として、光が見えたり(陽性症状)、視野が欠ける(陰性症状) 閃輝暗点(陰性+陽性症状) 前兆のない片頭痛 70-80%、前兆のある片頭痛 20-30% 予兆期:発作1-2日前から、疲労感、集中困難、頸部のこり、悪心、霧視、欠伸、 顔面蒼白など多彩な変調が起こる |
眼痛をきたす神経眼科疾患 | 急性疼痛 視神経炎 眼窩先端部症候群 眼窩筋炎 甲状腺眼症 脳動脈瘤 帯状疱疹(初期) Ficher症候群(感冒症状後の外眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失) 慢性疼痛 眼瞼痙攣 三叉神経痛 心理社会的疼痛 |
羞明の要因(眼球内以外) | 視神経 視神経炎 視交叉 下垂体腫瘍、下垂体炎 神経系 片頭痛、眼瞼痙攣、進行性核上性麻痺、外傷性脳損傷、髄膜炎、くも膜下出血、脳脊髄液減少症 視床 出血、梗塞、腫瘍 精神疾患 パニック障害、うつ病、発達障害 薬剤性 バルビツール、ベンゾジアゼピン、クロロキン、メチルフェニデート、ハルドール、ゾレドロン酸 |
再発性角膜びらん | 原因 角膜上皮基底膜ジストロフィ(Epithelial basement membrane dystrophy,EBMD) 上皮内に微小嚢胞(microcyst) 起床時のわずかな眼痛(wake-up pain) 再発性角膜びらんの原因の約30%(50%?) 治療:ジクアス以外のドライアイ治療薬、タリビッド眼軟膏(眼軟膏として優秀なため) 不十分な場合、自己血清点眼、治療用コンタクトレンズ 地図状の上皮混濁(map)、上皮内の微小嚢胞(dot)、上皮の指紋状の皺襞(fingerprint) |
クラミジア結膜炎 | 承認は取れなかったが、トスフロキサシン(オゼックス)点眼液がかなり有効 1日8回、6〜8週間点眼 |
EKCとSTD | EKC 2週間後に著変ないならクラミジア 1週間後にどんどん悪化するなら淋菌も考慮 淋菌にはキノロン系無効、セフェム系有効 |
小児の視神経疾患 | 炎症性 脱髄性 特発性視神経炎 慢性再発性炎症性視神経症(CRION) 急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 多発性硬化症(MS) 視神経脊髄炎(NMO) 感染性(ウイルス、梅毒、真菌) 遺伝性 Leber遺伝性視神経症(LHON) 優性遺伝性視神経委縮(ADOA) 虚血性 心臓手術、薬剤(シルデナフィル等)投与等 代謝性 中毒性(リネゾリド、アミオダロン等) 栄養欠乏性(ビタミンA・B12欠乏等) 外傷性 交通外傷等 |
小児の脱髄性視神経炎 | 特発性視神経炎 視神経炎のみで他の脱髄性疾患なし 非抗体性、視力予後良好。 慢性再発性炎症性視神経症(CRION) ステロイドに反応し、中止すると再発。2回以上再発。 急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 多巣性の脱髄性疾患(視神経、白質と灰白質) 特徴的なMRI所見。10歳以下、男児に多い) 多発性硬化症(MS) 小児患者の10〜22%が視神経炎を合併。 15歳以上、女児が多い。 視力予後良好 視神経脊髄炎(NMO) 上記疾患を除外。年齢の偏りはないが、女児が多い。 抗MOG抗体 視力予後良好 CRION:90%以上で抗体陽性 ADEM:40〜70%で抗体陽性 NMO:50%位で抗体陽性 抗AQP4抗体 小児では稀。10代では少ない。 |
小児の視神経炎 特徴 |
頻度:小児・成人とも10万人に1人/年 症状:両眼性が多い 小児では眼球運動時痛が少ない 視力予後:良好。とくに10歳以下で。 |
小児の視神経炎 検査所見 |
瞳孔:両眼とも軽度散瞳 相対的求心性瞳孔障害、片眼の場合RAPD陽性 CFF(正常値35Hz以上) 視神経乳頭所見:乳頭腫脹・発赤。球後視神経炎の場合は初期には正常。 視野欠損:中心暗点など。 MRI検査:MS、ADEMでは特徴的な所見。腫瘍などとの鑑別に重要。 |
自閉症スペクトラム障害 | 社会的コミュニケーション障害 偏食→ビタミンA欠乏症→眼球結膜障害→小児の開瞼障害(目が開けられない) |
角膜ケロイド | 外傷・手術に続発 片眼または両眼に孤立性・隆起性の角膜上皮を覆う線維性腫瘤 不正乱視 短期間に拡大傾向 治療:困難。表層切除、表層角膜移植術(LKP)あるも高率に再発 鑑別診断:二次性アミロイドーシス、Saltzmann角膜変性 |
Saltzmann角膜変性 | MGD角膜炎、角膜フリクテン、春季カタル等の種々の角膜炎症後に起こる いかなる年齢でも起こりうる。両眼性で中年女性に多い。 結節があれば確定的 角膜ケロイドと違い、角膜は菲薄化 多発性で再発はまれ 治療:表層切除 |
シェーグレン+NSAIDS | 穿孔を含む角膜障害に注意 |
エルロチニブ塩酸 | 抗癌剤 角膜障害、睫毛乱生・長毛化 |
角膜フリクテン | マイボーム腺炎角結膜上皮症の一病型(フリクテン型) 若年、女性に多い 常在菌(C.acnes) cf:非フリクテン型 高齢、常在菌由来の毒素によるびまん性SPK(ドライアイと鑑別必要) 治療:クラリスロマイシン、テトラサイクリン内服(ニューキノロン系は効果不良) アジマイシン点眼液、セフェム系点眼液 |
アトピー性皮膚炎 | 円錐角膜、HSV |
視神経炎 | 典型的視神経炎 乳頭腫脹あり(50%)、ない場合は視神経炎以外視力低下の原因が考えられない 数日から2週間で徐々に進行する、急性〜亜急性の視力低下、3週間で改善に向かう 眼球痛、眼球運動痛:58% 非典型的視神経炎 NMO関連視神経炎 Chronic recurrent inflamatory optic neuropathy(CRION) サルコイドーシス、膠原病、血管炎に関連した視神経炎 |
遺伝性視神経疾患 | LHON 母系遺伝 男>>女(30%) 最終視力 0.1-0.01 中心暗点 乳頭充血 ADOA 10〜20歳代から 比較的視力は保たれる 視神経乳頭耳側が蒼白化 |
眼窩骨折 随伴症状 (眼窩骨折を疑うサイン) |
鼻出血 皮下・結膜下出血 眼瞼腫脹(鼻をかむことによる気腫等) 複視 眼球陥凹(内壁骨折>下壁骨折) 三叉神経第2枝領域の知覚鈍麻 迷走神経反射に伴う症状 眼球打撲に伴う症状 |
閉鎖型眼窩骨折を疑うポイント | 嵌頓した外眼筋の伸展制限 結膜下出血(−)…White-eye blowout fructure 迷走神経反射に伴う症状 |
眼窩骨折 手術適応 |
眼球運動障害 眼球陥凹 |
迷走神経反射 | 三叉神経第1枝→延髄→迷走神経(除脈、嘔吐、頭痛等) |
角膜ジストロフィ 国際分類 |
見直しが行われ 顆粒状角膜ジストロフィと格子状角膜ジストロフィがTGFBI関連角膜ジストロフィとして独立した |
TGFBI関連角膜ジストロフィ | 日本では顆粒状角膜ジストロフィ2型が多い(90%) ヘテロであればPTKで視力改善し、10年程度維持 2回目のPTKは1回目の成績と同等 格子状角膜ジストロフィでは、再発率はより高い レーシック後に層間混濁が増悪するので禁忌 治療:層間電気分解 |
膠様滴状角膜ジストロフィ Gelatinous Drop-like corneal dystrophy(GDCD) |
AR 30万人に1人 ほとんど日本人 治療用SCLで隆起病変を抑制 重篤な角膜混濁から失明に至る |
斑状角膜ジストロフィ | 角膜実質ジストロフィの一つ AR ケラタン硫酸の硫酸化低下→低硫酸化ケラタン硫酸が沈着 ケラタン硫酸は、角膜の主要プロテオグリカンで、角膜の透明性維持に寄与 斑状の混濁が、角膜中央部から周辺部、深層部へ拡大 混濁の隙間にもびまん性の混濁…顆粒状ジストロフィとの鑑別点 30〜40歳代で、DALKの適応となる 鑑別疾患:ムコ多糖症に伴うもの |
後部多形成角膜ジストロフィ (PPCD) |
AD、生後すぐ〜20歳代に発症する稀なジストロフィ 遺伝子に変異 両眼性の小水疱様病変(vesicle-like lesion)、帯状病変(band lesion)、びまん性角膜混濁(diffuse opacity)等を生じる |
フックス角膜内皮ジストロフィ Fuch's endothelial corneal dystrophy(FECD) |
両眼性の滴状角膜(guttae)と緩徐に進行する角膜内皮障害 ADとされるが、家族歴のない症例が多い 40〜50代で発症、男女比は1:3〜4で女性に多い デスメ膜に異常な細胞外マトリックスが沈着し、デスメ膜の肥厚やguttae、角膜内皮細胞のアポトーシスを生じる 欧米の白人では、40際以上の4%が羅漢、角膜内皮移植の主要な原因疾患 FECD(guttae)はスリットで発見できる スリット光:デスメ膜の混濁。Guttaeの前房側への疣状隆起 徹照法でも見ることができる 茶色いpigmentationが見られることがある guttaeが密集した部分はbeaten-metal appearanceと言われ、金属を叩いて作る鍋底の様に見える 治療:角膜内皮移植(DMEK、DSAEK)、PKP |
感染性角膜炎 所見 |
角膜混濁(角膜潰瘍、角膜膿瘍、角膜浸潤) 1.粘性眼脂、結膜・毛様充血=アレルギー性結膜炎 2.中心、傍中心>周辺 3.孤発>多発 4.膿瘍(白血球の集積)が多い、浸潤のみは初期の細菌感染、AK、ヘルペス 5.◎前房内に炎症細胞の浮遊あり…特異的!! 6.前房蓄膿がある場合は高粘性(ベッタリしている) ◎病巣以外の角膜も混濁(実質浮腫、上皮浸潤、デスメ雛壁)…非常に重要 |
非感染性角膜炎 所見 |
周辺部角膜炎(角膜潰瘍) 1.輪部から3mm以内(中央は非常にまれ) 2.楕円形、弧状(輪部から透明体を挟み同間隔) 3.孤発<多発性 4.浸潤が多い。膿瘍は非常にまれ 5.前房内に炎症細胞はほとんど浮遊していない 病巣以外の角膜はクリア…非常に重要 |
非感染性角膜炎(角膜潰瘍) | 免疫反応 慢性関節リウマチ モーレン潰瘍 グラム陽性球菌(ブドウ球菌、連鎖球菌属) 角膜フリクテン 原因不明 |
アカントアメーバ角膜炎 診断のポイント |
コンタクトレンズ装用者 びまん性の浸潤(広範囲の上皮混濁・不正) フルオレセイン染色で上皮不正がある 全周性の明瞭な輪部炎 所見の割に強い眼痛 |
ドライアイとMGD | 涙液分泌不全(ADDE)のみ:15% MGDのみ:50% ADDE+MGD:35% ○つまり、ドライアイの85%にMGDが関与 |
MGDと抗菌薬 | テトラサイクリン系、マクロライド系 1.リパーゼ阻害作用 遊離脂肪酸産生を阻害 2.抗炎症作用 アジマイシン点眼液:難治性眼瞼炎で28日処方可能? |
淋菌性結膜炎 | ロセフィン点滴必須+ベストロン点眼 |
初期円錐角膜を疑う項目 | 1.アトピー性皮膚炎(目をこする) 2.年齢が若い(40歳未満) 3.角膜が薄い 4.レフラクトメーター 強い乱視 乱視軸の左右差 信頼係数が低い 角膜曲率半径が小さい ばらつきがある |
軸性近視の原因 | 遺伝要因、環境要因、形態覚遮断弱視、Stickler症候群、先手停在性夜盲、等 |
軸性遠視の原因 | 遺伝要因、先天小眼球、眼窩内腫瘍 |
屈折性近視の原因 | 角膜:遺伝要因、円錐角膜、球状角膜、小角膜、等 水晶体:遺伝要因、調節、核白内障、円錐水晶体、Marfan症候群、ROP、外傷、等 |
屈折性遠視の原因 | 角膜:遺伝要因、扁平角膜、角膜瘢痕、オルソケラトロジー、角膜屈折手術後、等 水晶体:遺伝要因、調節力低下、水晶体脱臼、等 |
原発隅角閉塞病 | 原発隅角閉塞症疑い(PACS):IOP→、PAS(−)、GON(−) 原発隅角閉塞症(PAC):IOP↑、PAS(+)、GON(−) 原発隅角閉塞緑内障(PACG):IOP↑、PAS(+)、GON(+) |
POAG術後点眼 | 抗生物質:1か月くらい…濾過胞感染は5年で2%と決して少なくない ステロイド:デカモタゾン・リンデロン1日4回 3か月くらい、ぶどう膜炎あればさらに長く…局所炎症治療が眼圧コントロールに有利 |
病的近視 びまん性委縮 |
境界がやや不明瞭な黄色の病変 |
病的近視 lacquer cracks |
黄色 |
糖尿病網膜症 国際重症度分類 |
網膜症なし(NDR) 眼底所見なし 軽症非増殖網膜症(mild NPDR) 毛細血管瘤のみ 中等度非増殖網膜症(moderate NPDR) 毛細血管瘤以上の病変が認められる重症非増殖網膜症 重症非増殖網膜症(severe NPDR) 眼底4象限で20個以上の網膜内出血 2象限で明瞭な数珠状拡張 明確な網膜内細小血管異常 上記のいずれかを認める 増殖網膜症の所見を認めない 増殖網膜症(PDR) 新生血管または硝子体・網膜前出血のいずれかを認めるもの |
小児の結膜炎 | アトピー性皮膚炎に対するDupulimub(Dupixent)投与で生じる場合あり |
春季カタル | 小児に多い:男>女 半数以上にアトピー性皮膚炎を伴う 結膜に増殖性病変を伴う 結膜巨大乳頭 輪部病変 病型・重症度 眼瞼型>混合型>眼球型 特有な角膜病変を伴う…視力障害を起こす 落屑状表在性点状角膜炎、上皮びらん、シールド潰瘍、角膜プラーク |
White intracapsular plaque | 白内障術後。硝子体混濁とともに遅発性眼内炎の所見の一つ。 IOL前裏面および水晶体嚢内に沈着する微細な白色の沈着物 |
遅発性眼内炎 | 白内障術後6週間以降に発症する眼内炎 比較的軽度のぶどう膜炎を特徴とし、疼痛には個人差があり、ほぼすべての症例で眼痛を伴う |
Fucks虹彩異色性毛様体炎 (FHI:Fucks heterochromic iridocyclitis) |
3徴:虹彩異色、毛様体炎、白内障 中年者の原因不明の片眼性白内障の原因の一つ 隅角圧迫、前房穿刺時に隅角出血を起こすことがある |
若年性炎症性結膜母斑 (IJCN:Inflamed juvenile conjunctival neves) |
結膜母斑は、小児期に多いメラノサイト系の良性隆起性病変。 このうち、炎症所見を伴う結膜母斑を若年性炎症性結膜母斑と称し、小児期から青年期の角膜輪部に好発する。 IJCNには主としてリンパ球、好酸球、形質細胞の浸潤を認め、アレルギー疾患との関連が推測されている。 アレルギー性眼疾患の増悪に伴い、短期的に急速増大することがり、悪性腫瘍に疑われる場合が多く、切除による治療が主体である。 しかし、タクロリムス点眼液で寛解する場合があり、中止すると再発しやすく、いつまで続けるかは不明。 |
分子標的薬(抗がん剤) 眼副作用 |
角膜上皮障害、漿液性網膜剥離、黄斑浮腫、ぶどう膜炎が多い |
円錐角膜 | C≧2.00Dならば半年毎フォロー できれば角膜厚≧500μmを確認 |
サンヨード | しみる 希釈前は冷蔵。希釈後は3日以内に使用。 衣服に付くと着色。 まずは速やかに水洗い・温水洗い・中性洗剤(洗濯用洗剤)洗い それでも落ちない場合は、ヨウ素の染み抜き用に売られている液状のハイポアルコールもある ただし、ハイポアルコールは色物を色落ちさせる |
AdV54型の アデノウイルス結膜炎 |
増殖速度が遅いため、潜伏期間が長く、罹病期間が長い→大流行の可能性 宿主の免疫反応が持続し、角膜上皮下浸潤の発生率↑ |
新型アデノウイルス | 53型:散発的に検出 54型:MSIが高率 56型:中等度の結膜炎。近年わが国で多い 85型:最近国内で多い。重症が多い |
手術を勧めるべき上下斜視 | 先天性上斜筋麻痺 滑車神経麻痺 交代性上斜位 甲状腺眼症 滑車神経麻痺 |
先天性上斜筋麻痺 | ポイント:手術で斜頸を改善 手術の意義 斜頸の改善 整容的な眼位改善 良好な両眼視機能の獲得と維持 手術のタイミング:斜頸や上斜視の原因が上斜筋麻痺であると確定後 斜頸・斜視の程度が強い 手術希望あり *希望しない場合:顔面の非対称化・体幹の骨格への影響について説明 手術:下斜筋減弱術が第一選択 下斜筋減弱(後転術or切除術) 上下偏位が15凾超えるor術後の残存斜視→術式追加考慮 上直筋後転術 上斜筋縫い上げ術 健眼の下直筋後転術 斜視手術の説明+注意点:術後に反対眼の上斜筋麻痺が判明することがある →潜在性の両眼性上斜筋麻痺 |
交代性上斜位 | 症状:「たまに白目になっていた」 手術の意義 整容的改善(完全消失は難しい) 両眼視機能の維持 手術のタイミング:診断がついたら →低年齢児はしっかり見極めてから(交代性上斜位or/and下斜筋過動 両眼視機能が良好でも顕在化しやすいとき 手術希望あり 手術 両眼 上直筋後転術 両眼 下斜筋前方移動術…下斜筋過動過動合併時 |
甲状腺眼症 | 非活動期に手術を検討 手術の意義 整容的改善 複視の改善:正面視と下方視での複視消失が目標 手術のタイミング:非活動期 消炎後(ステロイド投与終了) MRIのSTIRや造影で炎症がない 斜視角に大きな変動がない 手術:罹患筋の後転が基本 例:下直筋の肥厚・線維化で伸展制限や上転障害→下直筋後転術 |
滑車神経麻痺 | ポイント:見た目にはわかりにくいが複視がつらい 手術の意義:改善できるもの 複視(正面視と下方視が目標) プリズムでも消失しない回旋複視 代償性頭位異常(斜頸・顎上げ)の改善 手術のタイミング 循環障害が原因のとき:7〜8割は発症後約3ヶ月で自然軽快する 発症後半年経過しても改善傾向なし・斜視角が安定→手術検討 治療方針:斜視角と外方回旋偏位の有無をみる 有→上下偏位の矯正→プリズムor手術 無→上下偏位の大きさ 10剿「満→プリズム 10刪ネ上→手術 手術:垂直筋の水平移動で外方回旋斜視を治す 1筋腹の移動で6〜7°の回旋を矯正 例)上直筋を耳側移動・下直筋を鼻側移動→内方回旋↑ 患眼:下斜筋短縮+鼻側移動 上直筋後転+耳側移動 健眼:下直筋後転+鼻側移動 |
上下斜視 | 手術・プリズム適応が多い 小角度でも複視はつらい 正面視・下方視の複視なしをまず目指す 整容的改善も重要 回旋複視の存在を念頭に 回旋複視は手術で治す 症状を詳細に訊く:カバーテストやAPCTでは検出不可 |
上下斜視 手術 |
良い適応:小角度で回旋なし 斜視角が小さい(10刪ネ下) 回旋偏位角度が小さい 上下偏位を矯正してみて回旋の自覚が消失するか確認 一過性複視の可能性 一過性血管性麻痺の自然治癒 原因疾患の治療により改善・変動する可能性がある時期 手術非適応 結膜切開が困難(近い将来、緑内障手術が必要となる症例) 希望していない |
上下斜視 保存的治療 |
プリズム:上下複視の改善に有用(とくに融像幅の狭い上下斜視に) 「組み込みプリズム」と「膜プリズム」がある 麻痺眼・非優位眼に 違和感の少ない角度 斜視角の60〜40%が多い ボツリヌス毒素:適応は少ないが活動期の甲状腺眼症はトライ 適応:12歳以上 活動期の甲状腺眼症 消炎しながら注射可能:成功率 43.8% 拘縮した筋には効果がない→手術へ 患者への説明 定量が難しい 約3ヶ月間で効果は消失:本来経過観察すべきであった症例にもトライ 副作用:(他のタイプの)一過性の斜視や複視・眼瞼下垂 |
感染性クリスタリン角膜症 | ある種の微生物は免疫抑制下でバイオフィルムの形成等を伴い炎症を欠く。このうち結晶すなわちクリスタリンのような特徴的な所見を呈するものをいう。低い毒性、増殖が遅い、増殖に特殊な栄養が必要な場合、炎症が惹起されにくい。さらにステロイド使用下では免疫反応が抑制される。濾過手術後の水疱性角膜症では、角膜の病的所見が捉えられにくい→診断の遅れにつながる。 |
眼サルコイドーシス 眼所見の感度・特異度 |
いずれも特異度は高いが 隅角結節またはテント状周辺虹彩前癒着 感度60と最も高い とくに隅角結節が重要 通常は小さくて注意しないと見つけにくい 塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状)感度43とやや下がる |
サルコイドーシス 治療 |
0.1%ベタメタゾン点眼 両眼1回を継続(止めない!) 隅角結節の予防のため…眼圧が上昇する 通院継続のため…眼圧上昇をチェック |
可溶性インターロイキン2受容体 | sIL-2R サルコイドーシス、悪性リンパ腫のマーカー サルコイドーシスの診断基準にもある |
急性網膜壊死(ARN) 治療 |
網膜剥離に対する手術…ある程度網膜?離が予見できる場合は予防手術 軽症であれば 手術治療なし シリコンタイヤによるEncirclingのみ 重症であれば PPV+PEA+Encircling+endoPC+SOタンポナー |
TNF阻害薬 | アダリムマブ(ADA)使用の実際 良い適応 ベーチェット病…ADA単独 遷延性フォークト・小柳・原田病…PSL+ADA併用 サルコイドーシス…PSL+ADA併用 特発性ぶどう膜炎…PSL+ADA併用 TNF阻害薬(インフリキシマブ、アダリムマブ) 副作用としてなど重篤な感染症の可能性 結核 B型肝炎 感染症ぶどう膜炎の悪化 |
免疫賦活化(活性化)に伴うぶどう膜炎 | 免疫チェックポイント阻害薬 COVID-19ワクチン |
免疫チェックポイント阻害薬関連ぶどう膜炎 | 免疫応答を抑制する「免疫チェックポイント」を阻害 →悪性腫瘍への免疫応答を高める →自己免疫応答も高める 「免疫関連有害事象(irAE) 自己免疫疾患、炎症性疾患様の症状 虹彩毛様体炎、汎ぶどう膜炎 フォークト・小柳・原田病様のぶどう膜炎 |
新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン関連ぶどう膜炎 | COVID-19に対するワクチン接種後の副反応 接種後2週間以内 |
角膜クロスリンキング後の 進行判定基準 |
SteepK,Kmax,角膜乱視が2年以内で、-1D以上進行 |
結膜嚢常在菌の 高キノロン耐性菌 |
結膜嚢常在菌の多い順から それぞれキノロン耐性だが 1.Coagulase-negagive staphylococci(CNS)←トスフロキサシン点眼液が有効 2.Corynebacterium→セフメノキシム点眼液が有効 3.Staphylococcus aures←トスフロキサシンが有効 |
弱視リスクファクター (4歳未満) (AAPOS 2021) |
斜視 >8凵i恒常性) 不同視>1.25D 遠視 >4.00D 近視 <3.00D 乱視 >3.00D |
小児の 睫毛内反症 |
3歳では自然軽快の可能性あり 眼瞼幅の2/3以上の睫毛が当たるなら、自然軽快の可能性は非常に低い 角膜障害が継続すると混濁が永続化 →幅が広く角膜炎があれば早期手術 |
小児の 上斜筋麻痺 |
5歳で明らかな眼性斜頸→強い顔面非対称性 待ちすぎると骨格変化が永続 両眼視がなくなると頭部傾斜しない →あまり遅くならないうちに手術 |
小児の 間歇性外斜視 |
コントロール良好→経過観察 コントロール不良→手術 5歳以上ではとくに最終成績に差がない 年長〜小学生の方が術後生活が良好 恒常性にならない限り、待機的に経過観察 |
小児の 眼瞼下垂 |
顎上げ頭位で代償→弱視にはならない 顎上げ頭位を取らない→健眼遮蔽治療 基本的には整容的な問題で機能異常なし 見た目が気になるようなら手術も検討 侵襲度の高い手術を後の修正に影響 |
小児の内斜視 発症年齢 |
先天内斜視:生後半年までに発症。早期手術 調節性内斜視:1〜3歳頃に発症 スマホ内斜視:最近は低年齢化? |
弱視治療 | 正常:4歳0ヶ月で(1.0)が98% 矯正視力(0.9)以下では治療開始・継続 |
調節麻痺 | 初診はアトロピンで眼鏡処方 再診はサイプレジンでも可能(麻痺がアトロピンより少ないため) 点眼下で屈折検査+視力検査 自覚的視力・眼位の良好な度数で処方 |
サイプレジン | 散瞳効果は弱い 調節麻痺効果が強い アトロピンとの差:平均0.45D近視側に偏る 点眼1時間後に屈折検査 そのまま検眼レンズを試用して眼鏡処方度数を決定 副作用 頻度は低いが幻覚・錯乱・痙攣。意識消失。嗜眠傾向と不穏。 点眼後十分な観察が必要。点眼後の離席は禁止。処方はしない。 10歳以降であれば点眼なしでも屈折が十分評価可能 |
不同視弱視 | 治療開始直後は眼鏡のみで経過観察し、4か月をすぎて視力改善がなくなったら健眼遮蔽を開始 治療開始時の視力が0.2以上、4D以内の不同視弱視であれば、眼鏡装用から3か月は健眼遮蔽をせずに経過をみる |
円錐角膜 トポ以外の診断 |
屈折値>45D とくに48D以上 C≧2D Cに左右差 進行するとスリットで異常 光幅を細くして角膜上皮反射面が下方にあるか…角膜頂点部の突出 反射幅が角膜の下方で狭くなっていないか…角膜の菲薄化 角膜突出部が眼球を下方にしたときにV字型に見える(マンソン徴候 Munson's sign) 角膜実質の菲薄部の歪みによって角膜実質深層からDescemet膜付近に細かな線状として認める(Vogt's striae) 角膜突出部周囲の角膜上皮深層へのヘモジデリン沈着(Fleischer ring) さらに進行すると Bowman膜の断裂が生じて突出部の角膜実質に瘢痕を伴う上皮下混濁を認める |
眼瞼下垂 先天性 |
眼瞼下垂以外の異常がない単純型下垂が90%以上 |
眼瞼下垂 後天性 腱膜性 |
後天性 腱膜性 最も頻度が多い 原因:加齢、内眼手術(とくにレクトミー)、CL(とくにハード)の長期装用 神経原性 動眼神経麻痺 眼球の内・上・下転障害による麻痺性外斜視を伴う 原因:糖尿病・高血圧症などによる虚血 散瞳(+):脳動脈瘤を疑い早急に脳外科紹介 Horner症候群 交感神経の麻痺 縮瞳(+) 交感神経支配のミュラー筋麻痺+下眼瞼ミュラー筋麻痺による下眼瞼挙上→瞼裂狭小 原因:多発性硬化症、縦隔腫瘍など→神経内科紹介 |
眼瞼下垂 後天性 筋原性 |
筋原性 重症筋無力症 自己免疫疾患 日内変動や複視 GMの初発症状の、70%が眼瞼下垂、50%が複視:最初に眼科受診 上方注視負荷試験 1分間の最大上方視で眼瞼下垂が出現・増悪→陽性 50%で抗アセチルコリン抗体(+) 筋強直性ジストロフィー 慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO:chronic progressive external ophthalmoplegia) など |
眼瞼下垂 後天性 外傷性・機械的下垂 |
外傷性 機械的下垂 眼瞼腫瘍や涙腺腫大などに伴い、上眼瞼の重量が増すことで眼瞼の挙上力↓ |
眼瞼下垂 偽性 |
偽性 老人性皮膚弛緩 顔面神経麻痺 眼瞼痙攣 |
眼瞼下垂 評価・手術適応 |
1.MRD:Margin reflex distance 眼瞼縁角膜反射距離 正常値:3.0〜5.5mm 手術適応:2mm以下 2.挙筋機能(levator function)の計測 眉毛を動かないように指で固定した状態で、ペンライトで上方視と下方視を指示 それぞれの上眼瞼縁の位置の差を算出 正常値:幼児 10o 20〜30代 15mm 70代 11mm 異常値:成人で12mm以下 手術適応 基本的に患者の希望を尊重 下垂が原因で上方の視界制限があれば手術適応 下垂のだいしょうで高度に眉毛を挙上させるため、頭痛、眼精疲労、肩こりを生じている場合も検討 筋原性・神経原性下垂:原疾患治療後に残存する挙筋機能に応じて手術適応 外傷性:自然軽快も期待できるため半年程度は経過観察 |
サギングアイ症候群の診断 Sagging eye syndrome (SES) |
臨床的特徴で診断 斜視:左右眼の障害が同程度…開散麻痺様の遠見内斜視(近見斜位、遠見内斜視) 左右眼の障害に差あり…微小上下回旋斜視 特徴的な顔貌:Sunken upper eyelid(上眼瞼のくぼみ) |
伝染性軟属腫 | 「水いぼ」 ポックスウイルス感染による良性皮膚腫瘍 眼瞼に生じると濾胞性結膜炎を伴う 自然に消退する場合もある 消退しない場合は切除 |
眼瞼ヘルペス 治療 |
アシクロビル眼軟膏塗布 1日3〜5回 結膜炎・角膜炎合併例は、眼軟膏点入を合わせて行う バラシクロビル内服1000mg 単純疱疹として保険適用 |
前部眼瞼炎 | 睫毛根部の炎症(マイボーム腺を含まない) 臨床所見:睫毛根部の炎症 睫毛根部の分泌物・カラレット治療 高齢者・海の後の必要な患者 原因:不潔によって、睫毛〜毛根で菌が増殖し炎症を生じている 原因病原体 細菌:黄色ブドウ球菌 真菌:マラセチア 「フケ」の原因真菌、毛包炎も引き起こす ニキビダニ Demodex 慢性眼瞼炎を引き起こす 治療:眼瞼清拭(脂質が餌なので脂質成分をしっかり取る)+補助的に抗生物質点眼(キノロンまたはセフメノキシム) 眼瞼専用洗浄液 アイシャンプー(メディプロダクト) ティーツリーフォーム(ホワイトメディカル) マイボシャンプー Tea Tree 1.0(イナミ):Demedex有効成分含有 Mesiru(ロート) 眼瞼洗浄綿 オキュソフト(ホワイトメディカル) |
後部眼瞼炎 | マイボーム腺開口部の炎症 病態:不明 (マイボーム腺内の細菌の増殖+マイボーム腺開口部の閉塞) 主訴:瞼の重さ、痛み、違和感、眼表面自覚症状(炎症を伴うMGD) 所見:眼瞼縁充血・腫脹、マイボーム腺開口部閉塞、眼瞼結膜の充血 (腫脹が強く、マイボーム腺開口部が不明瞭) 鑑別疾患:点眼薬(とくに緑内障)等による薬剤毒性眼瞼炎 治療:アジスロマイシン点眼薬 眼瞼清拭は炎症がある時は避けた方が良い |
前部眼瞼炎・後部眼瞼炎 とMGDの合併 |
症状の強さ:前部眼瞼炎・後部眼瞼炎>MGD 症状の強い疾患から治療…眼瞼炎治療後、MGDの治療(閉塞性には温罨法を強く推奨) |
角膜菲薄化・穿孔リスク 起因菌 |
肺炎球菌(グラム陽性球菌):膿瘍部分から離れた角膜は透明 淋菌(グラム陰性球菌) 緑膿菌・モラクセラ(グラム陰性桿菌):膿瘍部分から離れた角膜も混濁 治療:第一選択 キノロン系 重症例には、グラム陽性球菌にセフェム系、グラム陰性桿菌にはアミノグリコシド系併用 抗菌眼軟膏 ミドリンPやアトロピン点眼で瞳孔管理 抗生物質点滴 |
真菌性角膜炎 | 糸状真菌(フザリウム、アスペルギルス) 境界:不鮮明 浸潤巣の形態:羽毛状(hyphate ulcer) 伸展:角膜深層(endothelia plaque) 予後:悪い 酵母様真菌(カンジダ属) 境界:比較的明瞭 浸潤巣の形態:類円形(カラーボタン状) 伸展:横方向 |
ヘルペス性虹彩炎 | ステロイド点眼に抵抗性、片眼性 虹彩委縮、角膜内皮細胞数↓、眼瞼・角膜病変の合併 樹枝状の突起を持つmutton fat KP 眼圧上昇(繊維柱帯炎)を伴いやすい、続発緑内障 |
トキソプラズマ・トキソカラ ぶどう膜炎 |
犬回虫 黄斑部〜周辺部のfocusを持った大型の滲出性白斑。通常1個。 黒色〜白色の網膜委縮 硝子体混濁、増殖膜、網膜前膜を伴う 陳旧病巣の周囲に再発 |
急性網膜壊死、結核性、梅毒性 ぶどう膜炎 |
動脈に病変 動脈炎、動脈血管閉塞、動脈血管白線化を起こしやすい 無血管領域(結核性) |
サイトメガロウイルス網膜炎 急性網膜壊死 |
最初は細かい点状の白色浸出病変(dot)の集まり →徐々に癒合・拡大 べったりとした広範囲の網膜浸出病変を形成 |
ウイルス性虹彩炎 | しばしば角膜内皮炎を合併 主な原因ウイルス ヘルペスウイルスが多い HSV-1,2 HHV-3(VZV) HHV-5(CMV) その他 ヒトT細胞白血球ウイルス(HTLV-1) |
HSV虹彩炎 VZV虹彩炎 |
片眼性(まれに両眼性)、再発性 肉芽腫性(豚脂様〜白色小型KP) 角膜浮腫部位に一致して白色KP 炎症時に眼圧上昇を伴いやすい 角膜混濁、樹枝状潰瘍、眼瞼炎 VZVでは鼻背部・鼻根部の皮疹(Hutchinson兆候) 眼部帯状疱疹に遅れて発症 治療:アシクロビル眼軟膏5回 ベタメタゾン点眼4回 トロピカミド点眼3回 |
サイトメガロウイルス虹彩炎 | 片眼性(95%)、再発頻度高い 炎症は軽度 眼圧上昇を伴いやすい Posner Schlossmann症候群と診断されていた症例に多い(26〜52%) coin lesion 角膜混濁、樹枝状潰瘍、角膜内皮炎 角膜内皮細胞数↓ |
急性網膜壊死 (桐沢型ぶどう膜炎) |
原因ウイルス:VZV>HSV-2>HSV-1 重症度:VZV>HSV アシクロビルの効きが10倍悪い 神経を通じて感染し、1/3〜1/4が両眼性になる 予後不良:56%は最終矯正視力0.1以下 診断:周辺部からの広範囲の浸出病巣(癒合傾向あり) FAで動脈炎(90%) 急性期:網膜浮腫、網膜内浸潤 瘢痕期:網膜層構造の消失、菲薄化、網膜剥離 確定診断:眼内液PCRでHSV/VZV-DNA陽性 |
サイトメガロウイルス網膜炎 | 眼科領域で最も多くみられる日和見感染症 CMVの血行性感染、あるいは眼内局所での再活性化で感染 壊死性網膜炎をおこす 網膜白斑、網膜出血、網膜血管炎を起こす しばしば血管に沿って拡大 黄斑部〜後極部付近に滲出性病変 黄白色点状病巣→面状の浸出病変 出血と進出病巣が混在…"Cheese and ketchup like"チーズとケッチャプを混ぜたような AIDSではCD4陽性リンパ球数が50個/μl以下の40%に発症 確定診断:眼内液PCRでCMV-DNA陽性 |
HTLV-1関連ぶどう膜炎 | 日本人のキャリアは120万人。九州に多い キャリアの1000人に1人が発症。男:女=1:2 バセドウ病(甲状腺機能亢進症)を25%で合併 肉芽腫性虹彩炎、硝子体混濁、網膜血管炎(血管周囲結節) サルコイドーシスぶどう膜炎に類似。違いは動脈炎、顆粒状(雪玉状でなく)硝子体混濁 診断:血清検査でHTLV-1抗体(ATLA)陽性+眼所見 |
術後眼内炎 | 内眼手術後早期眼内炎(2週間以内)と以後の遅発性眼内炎がある |
ぶどう膜炎 肉芽腫性所見 |
豚脂様角膜後面沈着物 コインリージョン 虹彩結節、隅角結節、テント状周辺虹彩前癒着 分節状網膜血管炎 網膜白色病変 ○一見正常でも反対眼の隅角、眼底までくまなく精査 |
サルコイドーシス 診断基準(臨床所見) |
肉芽腫性前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物、虹彩結節) 隅角結節またはテント状周辺虹彩前癒着→眼圧上昇 塊状硝子体混濁(雪玉状、数珠状) 網膜血管周囲炎(主に静脈)および血管周囲結節 多発する ろう様網脈絡膜滲出斑または光凝固斑様の網脈絡膜委縮病巣 視神経乳頭肉芽腫または脈絡膜肉芽腫 |
急性網膜壊死 診断基準 |
前房細胞または豚脂様角膜後面沈着物 網膜黄白色病変が周辺部網膜に存在 網膜動脈炎 視神経乳頭発赤 炎症による硝子体混濁 眼圧上昇 |
感染性角膜炎 特徴 |
角膜混濁(角膜潰瘍、角膜膿瘍、角膜浸潤) 病巣以外の角膜も混濁(実質浮腫、上皮浸潤、デスメ雛壁) 前房内に炎症細胞の浮遊(特異的) |
アカントアメーバ 診断のポイント |
コンタクトレンズ装用者 びまん性の浸潤(広範囲の上皮混濁・不整) フルオレセイン染色で上皮不整がある 全周性の明瞭な輪部炎 所見の割に強い眼痛 |
眼虚血症候群(OIS) | 原因:眼動脈閉塞 眼症状 80%は片眼性 ルベオーシスによる眼圧上昇 前眼部所見 虹彩委縮(中等度散瞳) 軽度の前房内細胞 時に角膜後面沈着物 後眼部所見 網膜動脈の狭細化 点状、斑状の網膜出血 視神経乳頭新生血管 硝子体出血 眼科検査 FA:脈絡膜背景蛍光の遅延 OCT:網膜内層の菲薄化 |
網膜動脈循環不全 | 急激 網膜動脈閉塞症 感染性ぶどう膜炎(急性網膜壊死) 感染性眼内炎 緩徐→網膜新生血管、虹彩ルベオーシス 眼虚血症候群(眼動脈閉塞) 網膜静脈閉塞症 糖尿病網膜症 非感染性ぶどう膜炎(ベーチェット病、サルコイドーシス) |
円錐角膜 スクリーニング |
オートケラト:角膜乱視≧3D 強主経線≧45D CCT≦500μm スペキュラー:魚眼レンズ様(中央部が拡大) 目をよくこする 花粉症、アレルギー |
ペルーシド角膜変性 | 20〜50歳(30歳以降)発症 トポ:「カニの爪」…最も特徴的 「下方急峻化」…円錐角膜と似る |
Hess赤緑試験 | 右側が右眼 視中心がどこにあるかを見る 面積を比較 小さい方が麻痺眼 一番離れた点が麻痺筋 1マス 5°≒10 左右眼の面積が同じなら共同性斜視(麻痺・運動障害がない) 異なるなら非共同性斜視(麻痺・運動障害がある) 弱点 単筋の麻痺では非常に有効 拘縮が入ると複雑化 複数筋の麻痺では同定が難しい 回旋斜視は判断できない |
EX眼鏡 | レンズ切り替えライン:瞳孔下縁と下眼瞼縁の間へ |
年齢による屈折矯正の ガイドライン (AAO 2017) |
3歳台 近視:-2.50以上 遠視(斜視なし):+3.50以上 遠視+内斜視:+1.50以上 乱視:1.50以上 3歳台 不同視 近視:2.50以上 遠視:1.50以上 乱視:1.50以上 |
とびひとヘルペスの鑑別 | とびひ 水疱性膿痂疹…水疱…黄色ブドウ球菌 伝染性膿痂疹…痂皮…ストレプトコッカス 水疱性皮疹 水疱性膿痂疹…単純ヘルペスに似る 単純ヘルペス…臍窩あり |
視野障害 程度評価 |
Hoddap Parrish Anderson Criteria MD>-6dB:初期緑内障 -12dB<MD<-6dB:中期緑内障 MD<-12dB:進行期緑内障 |
MDとVFI | MD(平均偏差) 全測定点の測定値正常データからの偏差の平均値 VFI:Visual field index 正常を100%とし視野障害が進むと数値が小さくなる 周辺視野と比べ中心視野に比重を大きくしてある |
トータル偏差 | 年齢別正常範囲からの逸脱度 |
パターン偏差 | 白内障などで全体的感度が低下した場合に、その全体的感度低下を差し引いたもの |
GHT | Gloucoma hemifield test 上下の視野の差 |
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